HealthBizWatch Authorの大川耕平です。

今回の内容テーマに関する実践アプローチはサポート可能です!

特集: ウェルビーイング・アイテム研究編

ウェルビーイング・アイテムと習慣化

前回、音楽や音がもたらすwell-being効果とテクノロジーによる可能性拡大についてレポートしました。

事業プレイヤーがウェルビーイング提供側として今後どのようなアイテムに可能性があるかという視点と、ビジネスとして強化拡大していくにはどうしたらいいのだろうかと考えた時、何が重要かの一つとして「習慣化」を今回は取り上げることにします。

我々はヘルスケア・サービスにおいて、顧客の成果へ導く健康行動の継続支援技術(継続ドライバ)が必須であることを何度も解説し、成功している事例も多数紹介してきています。
この継続支援技術を今回紹介する「習慣化」と併せて理解すると、顧客との関係性継続への施策アイデア企画がスムーズにいくケースを最近経験しました。

それはなぜだったのか?を踏まえて本号を展開します。

ヘルスケア事業プレイヤーがウェルビーイング視点で自らのビジネスを再定義することで、多くの場合に可能性が広がります。
そこに潜む意味は、顧客との関係性の中で価値貢献できるポイントが今まで以上に発生していくというイメージを提供側が持てるからです。
(→ここのウェルビーイング視点での再定義はサポート可能です。ご要望あればお声掛けください


※本号では、マーケットの重なりの構造的くくりは
ウェルビーイング > ヘルスケア > メディカル で解説していきます。

継続ドライバ+習慣化理解の意味

2007年より紹介をしながらアップデイトを繰り返してきた継続ドライバは、提供者側が導入すべき考え方と方法論です。
それに対して習慣化にまつわる様々なノウハウや方法論は、実行者のために整理された内容になっています。

提供者・実行者両方の視点で考えることができると、実効性が高まるということを今回は共有したいのです。

多くの読者が継続ドライバを知っていて、一部自社サービスに取り込み運営していたり、これから導入を検討しているという方、様々な読者にもう一個の視点「習慣化」を把握していただきたいのです。

継続ドライバの解説はこちらから↓
https://healthbizwatch.com/news-045

習慣化の基礎を把握

継続していけること=習慣

好ましい行動を習慣化するためにどのような要素が重要であり、作用するかはかなり明確になってきています。
専門的な学術研究も盛んです。

ここではその基礎的な要素を共有します。
これと継続ドライバを組み合わせて発想すれば、自社提供価値を顧客に継続的に利用行動してもらう関係づくりの切り口が見えてくるはずです。

さて、肥満は食事内容と量のコントロールができないことが理由であると約7割の人が信じており、8割の人がそれは意志の力だと信じているそうです。

習慣化の研究では「習慣化と意志は無関係」となっているようです。
そして、習慣化できない理由(継続できない理由)は

  • すぐに結果が出ないために意欲が失せる
  • 目標設定が高すぎるか適切でない
  • 行動の完璧性を求めすぎて出来ずギャップにめげる
  • 本来的な欲しい目標ではない

などです。

ウェルビーイング・アイテムとして自社サービスがチョイスされているものの、上記4パターンの行動を顧客が取れば継続性は担保できません。

では、どうすればいいかのヒントです!

Tiny Habits タイニー・ハビットという習慣化メソッドに注目が集まっています。
スタンフォード大学行動デザイン研究所創設者で行動科学者のBJ・フォッグ教授による著書「習慣超大全」ダイヤモンド社で紹介されています。

※Amazonでの紹介ページ
https://x.gd/P7WeM

タイニー・ハビットは3つのステップで構成されています。

1)アンカー:習慣化したい小さい行動を想起するきっかけを設定する
2)小さな行動:アンカー直後に行う30秒くらいの行動
3)祝福:小さな行動ができた直後に自分を褒める

このタイニー・ハビットを初めて聞く、見る方にとっては「え、、それだけかい!」と思われるかもしれませんが、どんな分野でも行動を定着化させる科学的方法です。

自社提供サービスの継続利用の習慣化をウェルビーイングアプローチでサポートしていく際に、このタイニー・ハビットをコミュニケーションの中に取り込んだ顧客との関係性づくりを工夫することを提案したいのです。

貴社のウェルビーイング・アイテム化サービス(ヘルスケアベース)
×
継続ドライバ
×
タイニー・ハビット

強力な顧客との関係性づくり

という構図が今回の全体像です。ぜひトライしてみてください!!!


▼お問い合わせ
大川へのお声掛け、問い合わせや質問などがあればこちらへ(直接届きます)。
ディスカッションも大歓迎です!
https://healthbizwatch.com/consultation?athr=12
 

健康ビジネスキーワード

「ヘルスケアは、ある意味、、」

ヘルスケアはある意味、顧客の習慣形成サポートと言えないでしょうか?
顧客の求める健康を実現する習慣をどう創っていくかを効果的にサポートし、満足を得られる生活スタイルに導くということになると思います。

この習慣形成に関与していくために重要な法則「場の理論」があります。
B=f(P・E)

B=Behavior(行動)
F=function(関数)
P=Personality(人間性・人格・指向性・価値観)
E=Environment(周囲の状況・環境)

人間の行動は特性と環境の相互作用という理論です。

この理論、メジャーになっていくはずです。
ぜひ理解し活用できるようになりましょう。

今週の注目記事クリップ

+++★注目ニュース解説動画(解説:脇本和洋)★+++

【今回の注目】

AOKI、パジャマスーツ(R)シリーズから疲労回復効果が見込める「パジャマスーツ(R)リカバリー」を発売(2024/02/05)
https://www.aoki-style.com/press/aoki20240205.pdf

→解説はコチラ
リカバリーウェアという新たな市場(6分48秒)

https://youtu.be/nu40dDK75RI



+++★注目記事クリップ★+++

[1]オムロン ヘルスケア、心房細動啓発キャンペーン“Listen to your Heart”をグローバルで開始
https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2024/0221.html
キャンペーンでは、新たに制作した心房細動患者のドキュメンタリー動画と特設サイトを公開し、心房細動による心原性脳梗塞リスクや、家庭での心電図記録による早期発見の大切さを伝えています。(2024/02/21)

[2]グローバルニュートリショングループ、Expo West2023、GNGが注目したトレンド
https://global-nutrition.co.jp/blog/2024-02-21/
ウェルネスフード・ワールド第112回。GNGは、昨年に続き今年もExpo Westの視察に出かけます。今年の視察に先立ち、昨年のExpo Westで注目したトレンドを振り返りたいと思います。(2024/02/21)

[3]コナミスポーツ、好きな身体になる30分|新ブランド「Personal 30」経堂にオープン!
https://www.konami.com/sportsclub/corporate/press/2024/02/21/
「Personal 30」は、30分集中のパーソナルトレーニングジムです。約50年にわたり培ってきた運動指導の実績から実現した、短時間で効率の良いトレーニングを行います。(2024/02/21)

[4]明治、「発酵乳×栄養のチカラ」発酵乳を使用した流動食の摂取により、血中アミノ酸濃度が高く維持され、血糖変動が緩やかになることを確認
https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2024/0221_01/
発酵乳流動食の特徴における乳酸発酵の寄与を検討した結果、乳酸発酵が、たんぱく質の吸収性をより高めている可能性や、血糖値スパイク後に生じる反応性低血糖を抑制する可能性が示唆されました。(2024/02/21)

[5]ガーミンジャパン、不動の人気を誇るGarminランニングGPSウォッチに最新エントリーモデルが登場『Forerunner 165/165 Music』発売
https://www.garmin.co.jp/news/pressroom/news2024-0222-garmin-forerunner-165/
『Forerunner 165』は、ランニング初心者におすすめのエントリーモデル。ランニング未経験者でも無理なく始めることができ、結果や進歩が数値化されることで続けるモチベーションの維持につながるさまざまなランニング機能を搭載。(2024/02/21)

[6]双日、サステナブルな食品の開発と普及を目指し食品関連企業12社で「株式会社フードテックワン」設立【PDF】
https://www.sojitz.com/jp/news/docs/240222.pdf
https://www.sojitz.com/jp/
植物由来の代替肉などの共同開発を行い、早期の商品化を目指すとともに、フードテックに関する多様な取組みを実施していきます。(2024/02/22)

[7]東日本電信電話と佐藤栄学園、さとえ学園小学校で「睡眠×データドリブン教育」授業実施【PDF】
https://www.nttdxpn.co.jp/news/20240222release.pdf
https://www.nttdxpn.co.jp/
「社会へ羽ばたいていく子どもたちが、自分の力で礎(頭・心・身体)を健やかに維持できる力を養うこと」を目的として睡眠データを活用した探究的な学習「スリープテックプロジェクト」を実施。(2024/02/22)

[8]クロスシー、訪日インバウンド向け医療ツーリズム支援サービス「スーメイ」開始のお知らせ
https://x-c.co.jp/news/su-mei/
クロスシーとKWINはこのたび業務提携を行い、美容医療や再生医療の訪日医療ツーリズムの集客強化サービス「スーメイ」の共同事業運営を開始。(2024/02/22)

[9]キリハレ、AI活用で企業のメンタルヘルス担当者をサポートする「KIRIHARE AI&HR」からコーチングのカウンセリング機能をリリース(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000120508.html
コーチングとは、課題の解決や目標達成のお手伝いをするサービスです。AIとチャットのやりとりを重ねて、課題や不安などの感情を洗い出し、解決に向けた行動を考えていきます。(2024/02/22)

[10]マルマンH&B、子供用音波振動歯ブラシ「プロソニックキッズ」発売
https://maruman.co.jp/news/2024/863/
対象年齢は3-12才。カラフルライト機能付きでお子様の楽しい歯磨きタイムをサポート。また、歯磨き時間をしっかり確認出来る2分間タイマーも備え、自分磨き、仕上げ磨き共に充実機能の商品。(2024/02/23)

[11]矢野経済研究所、スリープテック市場に関する調査を実施(2023年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3453
2023年の国内スリープテック市場規模は事業者売上高ベースで前年比175%の105億円になると予測。エビデンスに基づく睡眠改善サービスの拡大、法人向けの開発も進む。(2024/02/26)

[12]Welby・日本生命ならびにWelbyヘルスケアソリューションズ、PHRを活用した「みなし健診」サービスの提供開始、日本航空健康保険組合が参画決定
https://welby.jp/category/news/240226140000.html
Welby・日本生命ならびにWelbyヘルスケアソリューションズは、保険者とともに企業・団体における健康経営(R)・データヘルス推進に向け、その課題のひとつである「特定健診受診率の向上」を推進してまいります。(2024/02/26)

[13]日清オイリオグループ、日清オイリオ生活科学研究レポートNo.49[’23 健康と食に関する調査] 日常の食生活習慣につながる健康づくりへ
https://www.nisshin-oillio.com/company/news/down2.php?attach_id=1641&uid=8852
新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた2020年(10月)と、5類に引き下げされた後の2023年(9月)の変化等に着目して、分析した結果をまとめました。“よく噛んで/時間をかけて”を意識する人が大幅に増加、など。(2024/02/26)

[14]クオリティライフサービス、第9期 効果の出る栄養指導スキルアップ講座【PDF】
https://www.qls.co.jp/school/pdf/2024school-skillup9.pdf
https://www.qls.co.jp/
2024年4月~9月の第3日曜日、全6回コース。2024年、第4期改訂特定健診・特定保健指導がスタートします。これに合わせて開講から4年たった本講座をブラッシュアップすると同時に、ライブ講座を開催とすることになりました。(2024/02/27)

[15]エーテンラボ、習慣化アプリ「みんチャレ(R)」が新社会人にアンケート
https://a10lab.com/press-20240227/
2024年新社会人を含む社会人555人を対象に、この春から頑張りたいことを調査。新社会人がこの春から仕事で頑張りたいこと1位は「職務上のスキルアップ」で半数が選択。(2024/02/27)

[16]アドバンテッジリスクマネジメント、32万人のサーベイデータからエンゲージメントの高さと相関の強い因子を分析
https://www.armg.jp/news/newsrelease/2024/0227-2/
ストレスチェックサービス「アドバンテッジ タフネス」利用企業の従業員、約32万人のデータをもとにエンゲージメントの高さに相関のある因子を調査。エンゲージメントが高い人は「問題解決行動」に優れていると推察、など。(2024/02/27)

[17]おいしい健康、AI献立アプリ「おいしい健康」の使用が糖尿病のある人の血糖改善に有意に寄与する可能性を確認
https://corp.oishi-kenko.com/news/20240227.html
おいしい健康では本研究の結果を受け、「自分や家族のより良い健康」のために最適なレシピを見つけ、AIを活用しながら献立を組むという“新しい食事づくりと健康維持のあり方”の有効性が示されたものと考えます。(2024/02/27)

[18]信州大学とサンスター、特定健診時に併せた歯科的介入が、歯間ブラシ・洗口液の習慣化や口腔・全身の健康状態の改善に影響することを発見
https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/topics/2024/02/27184992.php
本研究では、一般的に歯科受診率が低く、歯周病の罹患率が高まる年代である特定健診受診者を対象とし、特定健診時に歯科的介入を行うことで、口腔および全身状態に良い影響を及ぼしたことが分かりました。(2024/02/27)

[19]Awarefy、AI メンタルヘルスアプリAwarefyに復職支援にも活用できる生活記録表機能をリリース
https://www.awarefy.com/news/press-release-20240227
生活記録表とは、1日の活動を記録し生活リズムをふり返るワークのこと。Awarefyの生活記録表では、アプリで実施した活動がすべてスムーズに生活記録表に自動で反映されるので負担なく続けることができます。(2024/02/27)

[20]歯磨きトラッキングデバイス『Truthbrush』
https://mhealthwatch.jp/global/news20240222
Truthbrushは、家族の歯磨きデータをアプリでトラッキングできるデバイス。歯ブラシのハンドルに装着すると、歯磨きの回数・時間などのデータを取得。データはアプリからいつでも確認できる。(2024/02/22)

[21]『mHealth Watch』注目ニュース:Samphire Neuroscience、生理痛解消に脳を刺激するウェアラブル
https://mhealthwatch.jp/global/news20240304
ここ数年拡大するフェムテック領域で、新たな取組が登場しました。Samphire Neuroscienceはヘッドバンド型ウェアラブル『Nettle』を使うことで、生理痛やPMSの改善に役立てるとしています。(2024/03/04)



+++★デジタルヘルス解説動画(解説:渡辺武友)★+++

【デジタルヘルス・ビジネスの疑問解消!】
デジタルヘルスのビジネスに関わる人に役立つ情報をお届けします。

第41回 研究:健康/不健康な高齢者のデジタルヘルス利用状況の違い(8分43秒)
https://youtu.be/vPWTpFDq3zQ