1999年6月。
僕たちスポルツは、HealthBizWatch(HBW)をスタートしました。


あの頃は、インターネット黎明期。
日本でまだほとんど知られていなかった「ヘルスケア×ビジネス」という新しい視点をどうしても誰かに伝えたかった。届けたかった。

そして、もっとヘルスケアビジネスについて知りたかった。学びたかった。
ヘルスケアの可能性を強く感じ、情報は発信元に最も集まることを信じて始めてみた。
それがすべての原点です。


あれから、足掛け26年。
HBWは、メルマガという小さなメディアでありながら、たくさんの読者のみなさん、仲間たちに支えられて続いてきました。
僕はその一つ一つのつながりに、心から感謝しています。


今回、2025年6月をもってこのHealthBizWatchを、これまで一緒に育ててきた大切な仲間たちに託すことにしました。
僕(大川耕平)はFounderとなりHBWの編集からは卒業します。

これは寂しさではありません。むしろ喜びです。

なぜなら、HBWは、最初からずっとヘルスケアビジネスを創る人の視点として育ってきたメディアだからです。


ここから先は、次の時代を見据える新たな感性とともに、もっと広く、もっと深く、“Health” と “Biz” を “Watch” 見つめる存在になっていくと確信しています。


この最後の場を借りて、僕なりの「これからのHealthBiz」への提案を、3つだけ残させてください。


特集: ヘルスビズウォッチ特集企画

HealthBizWatchとこれから


【1】Healthは「創造」するものへ


かつてヘルスケアは「管理」や「対策」という文脈で語られてきました。
でもこれからは違います。
自分らしく生きるために、創造するものとしてHealthを捉えてほしい。


食事も、運動も、睡眠も、メンタルケアも、腸活も単なる義務や予防ではなく、自分をつくり自分を表現する手段です。
自分の物語の中の文脈に健康を入れてナチュラルに過ごせることがスタンダードになっていくと思います。


【2】Bizは「愛される循環」へ


儲けるだけのビジネスは、もう長続きしない。
これからのビジネスは、「与える→受け取る→また与える」という優しい循環が生き残ります。


HealthBizも例外ではありません。
人をケアするビジネスだからこそ、温度を持って本気で相手の未来を想像できる人たちが主役になっていくでしょう。


【3】あなた自身の「問い」を大切に


そして最後に。
これからの時代、正解よりも「問いを持ち続ける力」が一番大事だと思います。

どんな時代が来ても
「本当に人は何を求めているのか?」
「どうしたら自分も誰かも幸せになれるのか?」

そんな素朴で力強い問いを、どうか忘れないでいてください。
HBWも問い続けるメディアであってほしいと願っています。


HealthBizWatchはこれからも続きます。
そして何よりこれまで共に歩んでくれたすべての皆さんに、心からの「ありがとうございました」を贈ります。

またどこかで。



※追伸

大川が今後展開するPROJECTコーチングの体験セッション(30分)をご希望の方に、日時限定で恐縮ですが5枠用意しました。

・6/11(水) (1)14:00~ (2)15:00~ (3)16:00~
・6/12(木) (4)14:00~ (5)15:00~


問い合わせフォームから(1)から(5)を選択して「セッション申込」として6/6締切で送信してください。
先着順にて6/9(月)にZOOM設定情報を大川より直接ご連絡します。

https://hbw-sportz.com/fm/18944/lCAXOnj7



■SPORTZ COACHINGのご案内■

「壁打ちセッション」

事業やプロジェクトの課題が漠然としている状態から、本質的な問題を明確にし、実際に活用できるレベルまで言語化するプロセスを提供するサービスです。
質問の力を活用し、対話を通じて「本当に解決すべき課題」を浮き彫りにします。

(1)思考の整理と加速:質問を通じて思考を深め、解決すべき課題を明確に
(2)実践的なアウトプット:議論の結果を整理し、言語化し、すぐに使える形に
(3)プロの壁打ち相手:外部の視点から鋭い問いを投げかけることで、思考の盲点を発見

通常90分の枠組みで実施するセッションの体験版30分になります。

健康ビジネスキーワード

「ヘルスケアの現場には、正しさだけでは届かない現実がある」

予防は大事。健康は資産。

それは疑いようのない“正論”です。
けれど、その正しさがそのまま現場に届くかというと、話は別。

私たちが向き合うのは、「正しさ」と「受け入れやすさ」の間で揺れる、もどかしい現実。
論理と感情、専門家の視点と生活者の実感、成果と継続、どれか一方だけでは、なかなか前に進まない。

たとえば…

・医療の常識と、生活者の「なんとなくそう思う」感覚
・科学的根拠と、気分のノリ
・望ましい行動と、続けられる習慣

この狭間で、ヘルスケアサービスはいつも“揺れながら進む”運命にあります。
特に、予防という分野は「見えない成果」と「続ける意味」をどう伝えるかという葛藤の連続。

正しいことをしているはずなのに、成果が出ない。続けてほしいのに、やめられてしまう。
それでも、現場は止まらない。揺れながら、迷いながら、それでも一歩を踏み出す。

この「矛盾を抱えた前進」こそが、ヘルスケアという領域に求められる胆力なのかもしれません。

サービスの価値とは、成果だけではなく、試行錯誤の軌跡そのものでもある。

そう、ヘルスケアは、“実践しながら育つビジネス”なのです。

今週の注目記事クリップ

+++★注目記事クリップ★+++

[1]AI主導の未来型ジムを体験--診断~専用プラン作成も機械で、それでも人がいる意味(CNET Japanより)
https://japan.cnet.com/article/35232955/
カリフォルニア州サンタモニカに新しいジム「Fred Fitness」が誕生した。ぱっと見ただけでは、このジムがAIによって支えられているとは思わないだろう。Fred Fitnessでは、普通のジムのように会員になったらすぐにマシンで運動を始められるわけではない。入会したばかりの会員は、まずマシンの使い方や調整方法をスタッフから学ぶ。(2024/05/16)

[2]研究:気象データから急性虚血性脳卒中の発症数を予測するAI研究
https://ht-watch.com/2025/05/ai-8.html
本研究では、2015年から2021年にかけての約8,000件の急性虚血性脳卒中(AIS)入院データと気象観測データを組み合わせ、日次単位での発症予測を試みた。(2025/05/22)

[3]FDAが初の家庭用子宮頸がん検査を承認
https://ht-watch.com/2025/05/fda-1.html
サンフランシスコを拠点とするスタートアップ企業Teal Health社が、史上初の家庭用子宮頸がん検査のFDA承認を取得した。(2025/05/22)

[4]感情コントロールによる慢性的な痛みへのオンライン療法
https://ht-watch.com/2025/05/post-41.html
同社は「痛みと感情療法」と呼ばれるデジタル療法を開発した。これは、個人の脳を「再訓練」し、感情をより適切に処理できるようにすることを目的としている。(2025/05/27)

[5]『HealthTechWatch』注目ニュース:デジタルメンタルヘルスは効果的だがコストがかかる可能性がある
https://ht-watch.com/2025/06/post-43.html
医療的サポートが必要な人に、容易なサポートをしたことで重篤化につながり、場合によっては死につながることもあります。たとえ予防までのサービスと思っても、メンタルをテーマに扱う以上、このようなリスクがあることは意識しなければなりません。(2024/06/02)

[6]日本経済新聞社、【オンライン開催】Action!セミナー「健康経営が拡げる組織と人の未来」(開催日6月23日)
https://events.nikkei.co.jp/72722/
「健康経営(R)」は、従業員の健康を経営戦略として捉え、実践する取り組みです。2025年大阪・関西万博を通じて、その理念や国内での広がりを紹介し、新たなヘルスケアサービスや海外展開の動向にも触れます。組織の価値向上や持続的成長に向けた実践例を交えて、健康経営の現在地と未来をお伝えします。(2025/05/12)

[7]Craif、尿がん検査マイシグナル、公式LINE開設わずか2ヶ月で登録者数1万人突破!~日常の中にがん対策の“気づき”を届ける接点として活用進む~
https://craif.com/20250521-2/
マイシグナルのLINE公式アカウントではがんに関する基礎知識や早期発見の重要性などを定期配信し、がんを「自分ごと」として捉えるきっかけを提供しています。(2025/05/21)

[8]国立がん研究センター、日本人大腸がん患者さんの5割に特徴的な腸内細菌による発がん要因を発見
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2025/0521/
国際共同研究により大腸がんの全ゲノム解析を実施し日本人症例を解析。日本人症例の5割に、一部の腸内細菌から分泌されるコリバクチン毒素による変異パターンが存在することが明らかになりました。(2025/05/21)

[9]大阪公立大学、歯科健診未受診の高齢者で死亡リスクが約1.5倍に 歯科健診が“命を守る”可能性、大阪府94万人データから判明
https://www.omu.ac.jp/info/research_news/entry-17795.html
歯の本数などの口腔の健康状態と死亡リスクには関連があることが知られており、高齢化が進む日本では健康寿命の延伸を目指し、75歳以上の後期高齢者を対象とした後期高齢者歯科健康診査事業が2018年度から開始されました。(2025/05/21)

[10]未来づくりカンパニー、膝・腰の不調に“足元と細胞”からアプローチ。サポーター&インソールをMito-yellで新発売(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000066948.html
これらの商品は、正しい歩行姿勢へ導くことで膝痛・腰痛の原因となる足の歪みを整えると同時に、ミトコンドリア活性化をサポートするガス飲料「美透健水」と併用することで、細胞レベルからの体の修復を期待することができます。(2025/05/21)

[11]IC、高齢者の生活支援に「機能音」が効果を発揮(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000159.000033532.html
本研究では、人の心理や生理に本能的に働きかける“機能音”が、高齢者に対して記憶や思考に頼らず行動変容を促すという有効性が実証されました。(2025/05/22)

[12]ExaMD、医療機関向けの歩行分析AIアプリを開発・販売~スマホで歩行機能を簡単に可視化、順天堂大学との共同開発を開始~
https://exawizards.com/archives/30146/
スマホで撮影した歩行動画をAIが分析し、測定結果をその場で簡単に確認する事ができる医療用ソフトウェアです。高齢者を中心として自身の運動機能の状態を容易に把握し、早期に適切な対策を講じることを支援し、健康寿命の延伸に貢献することを目的とします。(2025/05/22)

[13]おいしい健康、関節リウマチの患者さん・ご家族向け総合情報サイト「リウマチLIFE.com」を本格公開
https://corp.oishi-kenko.com/news/20250522.html
本サイトの特長は、患者さん・ご家族への継続的なインタビューやアンケートから得られた“リアルな声”をもとに設計されている点です。(2025/05/22)

[14]VIE、脳科学にもとづくオフィス・店舗向けBGMサービス「Neuro BGM(β版)」を提供開始し、限定3社のモニターを募集
https://www.viestyle.co.jp/news/neuro-bgm/
ニューロミュージックとは、神経科学の観点から生まれた新しい音楽です。ニューロミュージックで集中とリラックスを最適にデザインし、働く環境の質をアップデート。生産性向上やウェルビーイング経営を支援。(2025/05/22)

[15]パーソルテンプスタッフ、TRULYと協業、登録スタッフ向けに更年期支援を開始
https://www.tempstaff.co.jp/corporate/release/2025/20250522-11743.html
更年期の自覚症状がある派遣社員の45.9%が「仕事への集中力やパフォーマンス低下を感じたことがある」と回答。ホルモン検査と専門家相談で、はたらく人の健康とキャリアを支援。(2025/05/22)

[16]クラウドワークス、フリーランス・個人事業主の暮らしと健康を支えるWebメディア「じぶん安心ナビ」を公開
https://crowdworks.co.jp/news/jod_x_osccm/
本メディアは、社会保障制度の活用方法や民間医療保険の選び方、健康維持・管理の方法など、働くうえで知っておきたい制度や生活の知恵を、専門家監修の記事や図解などを用いて、実践的に紹介していきます。(2025/05/23)

[17]サントリーウエルネス、第79回日本栄養・食糧学会大会で、「2025年栄養・食糧学会技術賞」を受賞
https://www.suntory.co.jp/news/article/14810.html
「オメガエイドPLUS」の開発・発売の礎となった「脳の健康実現を目指した長鎖高度不飽和脂肪酸の研究とその応用」の題目で評価を受け、第79回日本栄養・食糧学会大会で「2025年栄養・食糧学会技術賞」を受賞しました。(2025/05/23)

[18]フォーネスライフ、認知症などの将来の疾病リスクがわかる「フォーネスビジュアス」を29,800円(税込)でご提供
https://foneslife.com/news/20250523-2/
約7,000種類のタンパク質を少量の血液で一度に測定する世界初の技術を活用したトータルヘルスケアサービス「フォーネスビジュアス」を、2025年5月23日(金)から6月20日(金)21時まで29,800円(税込)でご提供します。(2025/05/23)

[19]ロート製薬、最先端のサイエンスで描くウェルビーイングな未来 大阪・関西万博にて「ROHTO Healthcare DAY~Feel Science & Passion~」開催決定!
https://www.rohto.co.jp/news/release/2025/0526_01/
本イベントでは、当社が目指すウェルビーイングな未来とともに、「今日からできること」を提案し、来場者が五感を通じて体感できる多彩なコンテンツをご用意しています。(2025/05/26)

[20]eclore、【無料配布】2025年版フィットネスジム集客4大ギャップ白書(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000153.000140336.html
ジム経営者200名×顧客200名データで読み解く「認知→検索→比較→決定」すれ違い完全攻略ガイド(SEO会社ランクエスト調査)。(2025/05/25)

[21]富士経済、健康経営/データヘルス計画関連サービスの国内市場調査結果を発表(日経プレスリリースより)
https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP691605_X20C25A5000000/
この調査では、健康経営関連サービス13品目、データヘルス計画関連サービス14品目の計27品目を対象に、市場の現状を明らかにし、将来を展望した。(2025/05/27)

[22]味の素グループ、日本初の食事用栄養プロファイリングシステムを開発
https://news.ajinomoto.co.jp/2025/05/20250527.html
今回開発したANPS-Mealは、当社グループが提唱する栄養へのアプローチ、「妥協なき栄養」で掲げる、おいしい減塩・たんぱく質の摂取推進・減糖・減脂・野菜摂取推進などの取り組みを行う上で必要となる、複数の料理を組み合わせた献立の栄養価値を評価するシステムです。(2025/05/27)



+++★デジタルヘルス解説動画(解説:渡辺)★+++

【デジタルヘルス・ビジネスの疑問解消!】
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第53回 Acer、サブスクなしスマートリング『FreeSense Ring』(6分47秒)
https://youtu.be/xkYH-TrD7h4