毎週金曜配信のNEWSクリップ号より健康ビジネスキーワードを抜粋してご紹介。
HBW編集主幹の大川耕平が、健康&ウェルビーイングビジネス現場で見聞体験した中で見つけたビジネスヒントや発想刺激につながりそうなトレンドやキーワードをコンパクトに解説します。

健康ビジネスキーワード(4月)



---「新商品開発の本質とは何か」

新商品開発とは、「自社ができること」だけではなく、「顧客がこれから求めること」「社会が持続的に必要とすること」への対応が原点であるべきです。

新商品開発の本質とは、変化する市場の兆しを捉え、顧客の生活や行動に新しい価値や喜びをもたらす「新たな習慣」をつくること。
単なる機能の進化ではなく、意味の再定義が求められているのです。

そのうえで、企業の持つシーズや強みは、顧客価値を実現するための“手段”であり、決して“出発点”ではありません。

「この技術を活かして何ができるか?」ではなく、
「この変化の中で、私たちはどんな価値を届けるべきか?」から始める。

その問いこそが、持続的な商品開発を実現し、最終的には企業の成長と社会への貢献につながっていくのではないでしょうか。


---「イノベーションは“ト金”かもしれない」

将棋の歩は最弱の存在だけど、敵陣に入ると「ト金」として金将と同等の力を得る。
これは、軽視されがちなアイデアや人材、過去の出来事が、文脈や場面によって突如価値を持つことを示唆していないだろうか。

イノベーションとは、見過ごされた“歩”を“ト金”に変える視点と環境づくりにあるのかもしれない。


---「ヘルスケア日米の差からの学びへ」

アメリカと日本のヘルスケア・マーケット、何が決定的に違うのでしょう?

それは、“前提の共有”です。
アメリカは「自分の健康は自分で守る」がスタート地点。
日本は「病気になったら国がなんとかしてくれる」が根っこにある。

この違いが、健康づくりに向き合う姿勢や、サービスの受け取り方に大きく影響しています。

例えば、米国では「予防」がスケールする土壌があります。
なぜなら、予防こそが医療コスト削減の武器であり、自己防衛の一環だからです。
一方、日本では皆保険制度があることで、「とりあえず病院に行けばなんとかなる」という感覚が根強く残っています。

でも、ここ数年で潮目が変わりつつあるのをご存知でしょうか?
アプリやウェアラブル、パーソナルサプリ、睡眠スコア、腸内フローラ。
今や、ヘルスケア情報はあふれ、選び、使い、試すことが誰にでもできる時代になりました。

その中で、日本でも「健康は自分でつくるもの」という意識が少しずつ芽生え始めています。
これは、医療制度の枠を超えた“新しい健康観”の始まりかもしれません。

つまり--ヘルスケアは、病気を治すものから、自分を育てることで、それは、「自分を知ること」から始まり、「自分に合った選択」を重ねていく、日々の実践そのもの。

この変化の波に、あなたはどう乗りますか?


---「デジタルとウェルビーイングの交差点」

モノの価値は、機能から“共創のツール”へと進化しました。
そしてデジタル化によって、点だったサービスが線になり、物語となってつながるのです。
その物語の中心には「人とのつながり=コネクティビティ」があります。

同じく、健康支援の現場も変化しています。
カンパニー全体を対象にした支援から、プロジェクト単位でのピア&トゥギャザーな関わりへと向かっています。

共通の目的をもつ仲間同士で支え合うことで、より自然で持続可能なウェルビーイングの実現が可能になるのです。

この時代、企業に問われるのは“個人の行動変容をいかに物語としてデザインできるか”かもしれません。
貴方はどう考えますか?


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