HealthBizWatch Authorの大川耕平です。

今回から14年前に弊社が発表し、毎年メンテナンスと改善を積み重ねてきた健康行動支援技術の「継続ドライバ」に関して8回にわたって紹介していきます。

読者の皆様もご活用いただける技術です。

特集:サービスデザインと健康の関係編

継続ドライバ解説_インセンティブ

健康ビジネスは提供する情報・モノ・サービスを対象者が継続利用することによって成果を得ることになります。
つまり、どんな機能であろうと成果を得るためには継続が絶対条件になります。

そこで、健康ビジネスには提供する情報・モノ・サービスの継続支援も含めたサービスプロセスデザインが必要となります。
我々はその健康行動継続支援技術のことを「継続ドライバ」と呼んでいます。

2007年に発表した継続ドライバ1.0は10個のドライバでしたが、ICTの発展やビジネスモデルの進化などを考慮して2016年7月に継続ドライバ2.0として8個に再編成しました。

多くの健康ビジネスは、顧客との関係性の継続性や顧客の健康活動の継続が課題であることは明白です。
継続ドライバは継続支援技術を見える化し、再現性ある技術として取り込み、ビジネスパフォーマンスをアップしていくためのツールです。

●8つの継続ドライバ案内
https://note.com/kouheio/n/n59dbb83e325d

●継続ドライバの作用イメージ
https://note.com/kouheio/n/ncef29802bef6

それではまず一つめの継続ドライバを紹介します。

インセンティブ

インセンティブとは人をやる気にさせるためのご褒美や報酬のことで、有形・無形の2種あると我々は考えています。どちらも継続支援効果があります。

1)有形インセンティブ

・ポイント制
何らかの行動を起こすことに対してポイント(点数)が付与され、その累積ポイントの量によって評価されるシステムのことです。
例えば最初はレギュラー会員から始まりポイント累積でゴールド会員、そしてプレミアム会員へとランクアップし、受けることのできるサービス内容も高度や高価になっていくというものです。

またポイントで何か(金銭換算や物品など)と交換できるサービスもついている場合が多いです。
それらの交換対象の魅力やポイント加算プロセスの楽しさが継続支援効果を発揮します。

・マイレージ制
ポイント制と同じ

・賞金(褒賞)
賞金(褒賞)欲しさが継続動機となります。

有形インセンティブの特徴は「分かりやすさ」です。

行動に移してくれたらいいものあげますよという単純なメカニズムです。
多くの対象者にアプローチできる可能性が有形物の魅力やインパクトに応じて仕込むことができます。
継続を促したい行動着手へのきっかけ作りに効果があります。

2)無形インセンティブ

・ステイタス(称号など)
一定の継続レベルで与えられる称号などのことで特に有形物との交換はなく、名誉であったり賞賛が与えられるものです。
参加している活動やグループやコミュニティでの貢献行動に対して与えられるものです。
ものではありませんが、一緒に行動している人たちの中では評価され意味を持ちます。

・バッジ(おまけ的)
継続の度合いによって与えられる評価のことでデザインされたバッジやスタンプなどです。
ものとして存在するものもありますが、あくまでも評価が価値となっています。

無形のインセンティブの特徴としては有形ほどインパクトを持ちませんが、無形であるからこその意味をしっかりと理解されるのであれば継続支援として効果があります。

特にステイタスの場合、対象者本人の心構えに作用できれば他のインセンティブよりも強力な継続動機づけになります。

行動を継続支援するドライバとして多くの事業者が採用を好むのが有形インセンティブです。
一般的なマーケティングプロセスにおいて販売促進プロモーションで用いる懸賞キャンペーンなどの手法とほぼ同じですし、馴染みが深いと言えます。

しかし、有形インセンティブは一時的になりやすく、無形インセンティブはその自律的な価値観を明確にして創っていく工夫が必要になります。

有形インセンティブを成立させるためにはある程度の原資が必須となり、運用期間の設定に矛盾があってはならないので周到な準備が必要となります。

それに比べて目立たないかもしれませんが、無形のインセンティブを自社サービスコミュニティの中でどう成立させることができるか?はあらゆるサービス事業者にとって検討実験の価値のあるものだと思います。

まずは、継続ドライバとしてのインセンティブの紹介をしました。

今回紹介した継続ドライバ「インセンティブ」の事例を交えての簡単な解説動画を用意しました。
特に無形インセンティブのつくり方のヒントになると思います。

もし、興味のある方は、以下より「インセンティブ解説動画」希望とご連絡ください。
改めて、解説動画のURLをメールでご案内します。

お申込みはこちら
https://healthbizwatch.com/contact

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「消費決断理由」

セーフティー、フォーミー、コストセーブ、フォロー、アドベンチャー、パワーセーブとある中でウェルビーイングやヘルスケアテーマであればアドベンチャーが今後注目です。

今週の注目記事クリップ

[1]東急スポーツオアシス、「WEBGYM」と「みんチャレ」コラボ第2弾!「時間帯別トレーニングメニュー」を開発!
https://www.sportsoasis.co.jp/co/news/info/det758.html
「コロナ禍における運動時間の変化」の調査結果をもとに、各ピークタイムで多く利用されているトレーニングメニューを新たに「時間帯別メニュー」としてカテゴライズ。利用者の利便性の向上や、これから自宅トレーニングを始める利用者も自身のライフスタイルの中にトレーニングを取り入れやすくなる。(2020/07/23)

[2]花王、<これからの暮らしのスタンダードに>今年の夏に対処するお風呂タイムのご提案
https://www.kao.com/jp/corporate/news/products/2020/20200727-003/
花王が湯船入浴頻度について調査を行なったところ、夏に毎日入浴する方は36%で、冬に比べて約半分と少なくなる。夏場は湯船入浴をせず、シャワーで済ませる方も多い傾向だが、疲労感がぬけないと感じたり、クーラーでからだが冷えたりするときには、湯船入浴がおすすめ。(2020/07/27)

[3]AGREE、東京マラソン財団との間で医療相談アプリ「LEBER」(リーバー)の利用契約を締結(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000033619.html
「LEBER」は、24時間365日スマホで医師に相談ができるアプリ。東京マラソン財団の公式クラブ「ONE TOKYO」のプレミアム会員向けに無償提供される。(2020/07/27)

[4]綜合ユニコム、月刊レジャー産業資料 2020年8月号【特集】リカバリー需要で注目集めるアウトドアレジャー
https://www.sogo-unicom.co.jp/leisure/mag/202008.html
7月27日(月)発刊。2020年上半期の需要蒸発から巻き返しを図るアウトドアレジャーの実態と展望を、データと施設動向を踏まえながらレポート。

[5]匠設計コンサルタント、自転車が暮らしの中心となるニュースタンダード「ジムチャリ」を開発【PDF】
https://drive.google.com/file/d/1cvCBm9E0iOdqZ_h_PShxjJskwfN5nHio/view?usp=sharing
http://www.takumiinc.co.jp/
匠設計コンサルタントは、ウィズコロナの通勤スタイル、オフィスを再考する企業、不動産オーナー向けに、効果的な自転車が暮らしの中心となるニュースタンダード「ジムチャリ」の開発、リモートとBIMをベースにした計画支援、ワークスタイルデザイン業務を発表。(2020/07/28)

[6]メドピアグループ、「日経歩数番」、「島耕作バージョン」にフルリニューアル
https://medpeer.co.jp/press/8125.html
「日経歩数番」は、Mediplatと日本経済新聞社が共同で展開する歩数記録アプリ。アプリを起動して歩いたり、日経電子版を読むことでポイントが貯まる。弘兼憲史氏による人気漫画「島耕作シリーズ」のキャラクター「島耕作」が登場し、楽しみながらお得に「体力」と「知力」を蓄積できる。(2020/07/28)

[7]イトーキ、新しい働き方に関する意識調査
https://www.itoki.jp/press/2020/2007_telework.html
調査の結果、「7割のワーカーが緊急事態宣言中にテレワークを経験」「テレワークが長期化すると、"業務に合わせて選べる多様な場があるオフィス"を求める人の割合が高まる」など、コロナ禍で多くの人がテレワークを経験し、「働き方の自己裁量」を高めた主体的な働き方を望んでいることが分かった。(2020/07/28)

[8]『mHealth Watch』注目ニュース:まるでコーチのようなアシックスのスマートシューズ
http://mhealthwatch.jp/japan/news20200803
シューズに装着した加速度センサーとジャイロセンサーを使い、「キック力」「キック効率」「ブレーキ効率」「衝撃の負担軽減度」「ねじれの負担軽減度」という5つの評価項目でスコアを出し、具体的なアドバイスをしてくれます。(2020/08/03)