今回は夏の合併号「マーケティング&海外事例ヒント」をお送りします。
爆発的に売上を伸ばすあの企業をマーケティング視点から切ります!
(共同執筆:渡辺武友、脇本和洋)

特集:健康ビジネス・マーケティング&収益化編

爆発的に売上を伸ばす「Medifast」のマーケティング戦略

Health Biz Watchで20年間に渡り注目し続けてきたダイエット食品企業「Medifast」。

この2年で売上を倍増させ、今なお伸び続けている企業です。
「Medifast」のキラーコンテンツは現在もヘルスコーチングです。

ヘルスコーチングを武器にどのような戦略を行っているのか、リサーチコンサルタントの脇本が徹底リサーチし、マーケティングコンサルタントの渡辺がマーケティング的特長を解説していきます。

Medifastの事業概要

■企業名:Medifast, Inc.
http://www.medifast1.com/index.jsp

■設立:1993年

■事業内容
ダイエットのための代替食品(栄養バー、ブラウニー、シリアル、シェイク、パンケーキ、スープなど)の販売を通販で行います。
特長として、ダイエット成功者がヘルスコーチになり、行動継続を支援するサービスを提供します(無料)。

■直近の売上動向
302億円(2017年)→ 501億円(2018年)→ 714億円(2019年)

Medifastの口コミ戦略(脇本和洋)

事業を拡大するには、まず「効果的に見込み客を増やす」ことが重要になります。
Medifastは、効果的に見込み客を増やすために、3つの口コミ戦略を仕掛けています。

■戦略1:先生となって、口コミを促す

口コミを意図的に発生させるため、サービス利用者がダイエットの先生(ヘルスコーチ)になれるようにします。
そして、自分の友達に薦めることができるようにしています。

先生(ヘルスコーチ)は、実際にはOPTAVIA Coach(オプタビアコーチ)と呼ばれ、顧客が正しい生活習慣を身に着けるための支援を行います。
同社のダイエット法でダイエットに成功しており、一定の知識を身につければ、先生には誰でもなれます。

先生になると、報酬が得られるだけでなく、顧客に教える手前、先生自身は太れない(体重を維持できる)という効果があります。

■戦略2:先生を増やす仕組み

先生を増やす工夫としては、まずヘルスコーチになるメリットを訴求します。
例えば、様々なタイプのサクセスストーリーをサイトで提案します。

さらには、ヘルスコーチになる不安を解消しようとします。
例えば、ヘルスコーチになった後の顧客の見つけ方や、短期間で顧客に成果をださせる方法を伝えます。

■戦略3:先生の認知度を高める活動

先生(OPTAVIA Coach)といっても、必ずしも名前が広く知られているわけでもありません。

認知度を高める活動として、ターゲット(30-40代女性)がよく見るメディアへの露出を高め、広報活動に力を入れます。

例えば、人気の先生は、テレビでインタビューを受け、苦難を乗り越えヘルスコーチとして生き生きと過ごす姿が紹介されています。

Medifastのマーケティング(渡辺武友)

事業を拡大するには、意識すべきことが3つあります。

1) 効果的に見込み客を増やす
2) その見込み客を既存顧客にする
3) 既存顧客にリピート購入してもらう

この3つの流れを徹底すれば、Medifastのように長くビジネスを成長させていくことができます。
Medifastのヘルスコーチングサービスは、この3つの流れを踏まえたものになっています。

今回取り上げた「効果的に見込み客を増やす」ための口コミ戦略で、効果を上げるために彼らが意識的に仕掛けているのが、信頼感を得やすい実績の提示です。

ダイエット商品、サービスを提供する際、その効果を伝えます。
科学的効果だけだとリアリティを伴わないため、多くの提供者は体験者の声を掲載します。

Medifastは、よりリアリティを出すため、Medifastの商品サービスでダイエットに成功した人だけがヘルスコーチになり、そのヘルスコーチからサポートを受けることができます。

自分と同じような体型、生活をしてきたダイエット成功者からアドバイスを受けられる親近感(安心感、期待感)を提供しています。

まさにユーザーとの共創により作り出されたのがMedifastのヘルスコーチングサービスなのです。

1) 効果的に見込み客を増やす
2) その見込み客を既存顧客にする
3) 既存顧客にリピート購入してもらう

この流れを、すべて顧客視点で提供することが、収益拡大に欠かせないものとなります。
Medifastのヘルスコーチングサービスは、全てその考え方を徹底していると言えます。

健康ビジネスを加速させるための法則

新規事業を軌道に乗せるには、まず他社と差別化された独創的な商品サービスを準備すること。と思われますがそうではありません。
新規事業を軌道に乗せるための法則があります。
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参加は同一部門(企業)から1名とさせていただきます。
同一部門で別の方が参加の際は、別の日程をご案内させていただきます。

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「サービス時代に求められるのは?」

サービス事業は総合格闘技。あらゆる角度からの掘り下げと学習・ノウハウ吸収が必要です。

今週の注目記事クリップ

[1]ヘルスケアテクノロジーズ、オンライン健康医療相談サービス「HELPO」を提供開始
https://healthcare-tech.co.jp/news/20200729.html
「HELPO」は、病気の予防や未病、健康増進に役立つ機能をワンストップで提供するヘルスケアサービス。利用者は、スマートフォンなどから健康に関する悩みをチャット形式で気軽に相談できる他、自分の目的に合った病院の検索や一般用医薬品の購入ができる。(2020/07/29)

[2]RIZAP、人生100年時代のカラダづくり「ライザップ シニアプログラム」始動
https://www.rizapgroup.com/news/press-releases/20200729-01/
RIZAPシニアプログラムでは、将来寝たきりにならず、自立した生活が送れる期間である健康寿命を延ばす秘訣として、「筋肉」の機能に着目し、シニアの動ける・躍動できるカラダづくりにコミットするプログラムとして誕生。(2020/07/29)

[3]フードテックの新しい教科書「フードテック革命」(TechCrunch Japanより)
https://jp.techcrunch.com/2020/07/29/bookreview-foodteck-kakumei/
サンフランシスコ在住日本人テクノロジー投資家のパイオニアの一人でScrum Venturesのパートナーを務める外村仁氏が監修・執筆した「フードテック革命」が日経BPから出版された。同書ではフードテックの現状、仕組み、有望な分野、企業化のノウハウなどを具体例で詳しく解説。(2020/07/29)

[4]ティップネス、新事業 オンラインフィットネス配信サービス「torcia(トルチャ)」スタート!【PDF】
http://www.tipness.co.jp/co/news/archive/?f=pr20200730_torcia_w.pdf
http://www.tipness.co.jp/
総合型クラブとして長年スタジオプログラムに注力してきたティップネスならではの、業界をリードする最高峰のインストラクター陣による質の高いレッスンと、幅広いユーザーに満足いただける多彩なプログラムを、月間約600本のボリュームをもってライブ形式で配信。(2020/07/30)

[5]NTTテクノクロス・東レ・ゴールドウイン、心拍数と温湿度を同時計測できるシャツ型センサーを初の商用化
https://www.ntt-tx.co.jp/whatsnew/2020/200730.html
3社連携の「暑さ対策プロジェクト」として、心拍数と衣服内の温湿度を計測できるセンサーと専用ウェアを組み合わせ、暑熱環境下における体調不良の予兆を検知する「暑さ対策用サービス」を提供開始予定。(2020/07/30)

[6]矢野経済研究所、シニア関連市場に関する調査を実施(2019年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2481
本調査では、シニア世代を主力ターゲットとするマーケット、もしくはシニア世代の需要を積極的に取り込もうとしている企業などに焦点をあて、その市場動向を分析し、参入の取り組み等を広く調査。ここ数年のシニア向けの取り組み・サービスは優勝劣敗な状況に。(2020/07/30)

[7]健康・美容業界で増える「リブランディング」 企業事例・ブランド事例を交えて有効性を考える(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/c-case-tips-200731-1
コロナショックのあおりやSDGsの浸透で企業に変革が求められる今、各業界でリブランディングに取り組むところが増えている。本稿では、リブランディングの効用を、ヘルスケア企業・ヘルスケアブランドの事例を交えながら紹介。(2020/07/30)

[8]日立ソリューションズ、仮想オフィス「Walkabout Workplace」を販売開始
https://www.hitachi-solutions.co.jp/company/press/news/2020/0731.html
「Walkabout Workplace」は、PCやタブレット、スマートフォン上にお洒落な仮想オフィスを表示し、テレワーク中の打ち合わせや雑談の円滑なコミュニケーションを実現する。(2020/07/31)

[9]キリンビールとファンケル、「キリン×ファンケル ノンアルコールチューハイ 氷零 カロリミット(R)レモン/グレープフルーツ」新発売
https://www.kirin.co.jp/company/news/2020/0803_01.html
両社として初めて共同開発した当商品は、難消化性デキストリンの働きにより「食事の糖や脂肪の吸収を抑える」機能性表示食品であり、「カロリミット(R)」ブランド史上初となるノンアルコールチューハイ。(2020/08/03)

[10]UnitedHealth Group、23万人のメンバーに対し、2型糖尿病向けバーチャルコンサルティングとコーチングを提供
http://mhealthwatch.jp/column/news20200730-2
UnitedHealth Groupは、デバイス駆動型の糖尿病管理プログラムを、27州とワシントンDCのメンバーに対し、追加費用なしで23万人の2型糖尿病従業員向けに配布する計画を発表した。(2020/07/30)

[11]ETHチューリッヒがスマホを使ったトレーニング効果の定量化技術!
http://mhealthwatch.jp/global/news20200804
スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETHチューリッヒ)の研究チームは、マシンでのレジスタンストレーニングを正確にマッピングし、不足している比較値を取得する手法を開発。データドリブンなレジスタンストレーニングを提案している。(2020/08/04)