03 ISO 「Guideline for Promoting Wellbeing」の作成

2023.06.27

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少々期間が開いてしまいましたが、「ウェルビーイング」に関する国際標準化(ISO)についてお伝えしていきます。

今回はどのような国際標準つくりを行っているのか解説します。

ISO/TC 314 Ageing Societies

現在先進国の多くが高齢化社会、高齢社会へと向かっています。
ご存知のように日本はすでに高齢社会に突入しました。

高齢比率が増加すれば、社会構造を抜本的に見直さなければならないことは、多くのニュースや政府からの発表からもお分かりでしょう。
少子高齢化によって働き手が減ることで、様々な問題が発生します。

このような問題を、国単位で検討するだけでなく、世界的に考えて、適切な決め事をしていこうというのが「ISO/TC 314 Ageing Societies」になります。

WG4 Requirements and Guidelines for Promoting Wellbeing

ISOの検討では、テーマごとにワーキンググループ(WG)ごとに分かれて議論します。
検討したいテーマを国ごとに提案し、国際会議の場で承認されるとWGが作られます。
例えば「高齢化する労働力」についてはWG1で検討されています。

今回日本から提案したのが「高齢社会におけるウェルビーイング」です。
国際会議で承認を得たことで、WG4としてスタートしました。

このWGは提案したものがすべて承認されるわけではありません。
提案したものに対し、各国代表が検討すべきと判断されたもののみがWGとなります。

さらに提案した国が議長国となる(主導権を握る)ため、簡単には賛同を得ることができません。
提案した国の実績が評価基準となります。

ではなぜ「ウェルビーイング」をテーマにして日本が議長国になれたか?と言うと、大きくは2つ理由があります。

1つは先進国の中で高齢社会に突入し、その対応を現場レベルで行っていること。
もう1つが経産省が中心になって行ってきた健康経営の普及です。
健康経営が義務化されているわけではないのに、多くの企業が健康経営に取り組み、毎年増加しています。
国が旗振りし、しかも義務化でない中でこれだけ多くの企業が参加しているケースは、他国ではありません。

このような点が評価され、現在日本が議長国となり作成が行われています。


現在(2023年6月)、規格検討はスケジュールに従い順調に進んでいるため、来年には公開される予定です。
国際標準化作成段階の詳細内容は、委員会以外は非公開となります。
だからと言って来年完成するのを待つのではなく、この期間の活動こそ企業にとって重要になります。
日本が議長国を務めている今こそ、ビジネスに活かすチャンスと捉えて、国際標準化を活用することを検討していただければと思います。

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