オンラインヘルスコーチングによる糖尿病予備群の改善効果
NTT西日本「Future-Build」における取り組み

西日本電信電話株式会社(NTT西日本)は、オープンイノベーションで社会実装をめざす未来共創プログラム「Future-Build」を2022年より開始しました。
弊社スポルツはプロジェクトマネージャーとして参加し、複数の採択パートナーと共に「健康領域」をテーマに、企画開発から実証実験まで取り組んできました。
取り組み内容、実証実験結果を共有いたします。

【募集テーマ】
医療・ヘルスデータ活用による心身のウェルビーイング

【実証実験のテーマ】
データ活用による糖尿病予防となる行動変容の実現

【結果サマリー】
・参加者の9割がプログラム終了後も行動変容(健康行動継続)を実感
・短期間の取り組みでありながら参加者の7割がバイタルデータを改善

【課題】
高齢化社会における健康寿命延伸、医療費抑制を実現するために、罹患前の健康予防活動が求められている。
特に生活習慣病予備群には生活習慣の改善が求められているが、生活習慣病発症者の多くは痛みが伴わないため、改善意識が持続できず、行動変容には繋がりにくい。

【目的】
参加者の目的を「健康予防」ではなく、自身のなりたい姿に向かうことで、結果として行動変容し、バイタル数値を改善することで糖尿病予備群から離脱する。
一時的な改善ではなく、プログラム終了後も自ら改善行動ができるよう自信をつけること。

【対象】
BMI25以上の成人男女 19名

【期間】
2ヶ月間

【提供サービス】
スタイルアッププログラム(オンラインヘルスコーチング)

対象者へは、無理なく体型改善できるカスタマイズサポートとして提供。
データ管理に体重を指標(体重減少によって血糖値改善を想定)として、日々の体重計測にはissinの「スマートバスマット」を使用。
コミュニケーションアプリを使ってヘルスコーチングを提供。

【提供体制】

設計及びチーフヘルスコーチ:里見将史(株式会社スポルツ)
糖尿病予備群向けコンテンツ:里見将史(株式会社スポルツ)
ヘルスコーチ:管理栄養士(株式会社RDサポート)
コミュニケーションアプリ: issin株式会社
体重記録(スマートバスマット): issin株式会社
運動コンテンツ: 株式会社Enjoydream Holdings
ヨガコンテンツ:Being

【結果(数値)】

19人中13人が減量(最大減量者:-3.4kg)
総コレステロール:平均-12.14
LDLコレステロール:平均-4.14
ヘモグロビンA1c:平均-2.04

※血液検査は、参加者には事前に1年以内の健診データを自己報告してもらい、プログラム終了時に郵送検査を行い、比較を実施。

参加者の声

Q:目標、ゴールを見つけられたか?

・痩せたあとにやりたいことが明確になった
・確実に目標に向かっている実感を持てた
・無理なく実行できる取り組みや目標を見つけられた

Q:プログラム終了後の自信度は?

・完璧ではないが、もう少し取り組みを継続できそう
・今後も取り組みを完璧にできる
・今の取り組みを維持できそう

ヘルスコーチング効果

オンライン環境下であってもヘルスコーチングのアプローチである行動変容、行動の継続に対する効果は、参加者の意識として表れた。
また、ヘルスコーチングの要素を仕組み化して提供した部分と実際にヘルスコーチが介入する部分を明確に切り分け提供し、オンラインとリアルのハイブリッドの対応でも効果が得られた。

今後、国内でのPay For Success(成果連動型民間委託契約方式)導入を踏まえた疾患予防、ディジーズマネージメント(重篤化予防)に対する効果的な取り組みとして期待できることがわかった。

<今後の取り組み>

オンラインヘルスコーチングが、糖尿病予防として効果的であることを立証することができました。
高血圧症や脂質異常症等、他の生活習慣病においても疾患予防に特化したコンテンツを用意することで、ヘルスコーチングによる同様の効果が期待できます。

また、自動化により多くのユーザーを対象とした取り組みも別のプロジェクトで実証してきているため、今後は北米圏で導入されているような、疾患予防としての普及型のオンラインコーチングが国内でも提供可能になると想定されます。
今後、健康領域でPay For Successの導入・普及に向けた対応となる取り組みを共創にて実現していきたいと思います。

オンラインヘルスコーチングを自社ビジネスに活用できます。
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