HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
ウェルビーイングに潜む危険についてスポルツからの提案になります!

※基本的にwell-beingをウェルビーイングに統一します

特集: ウェルビーイング・アイテム研究編

ちょっと危ないウェルビーイングブーム

経済社会の成熟化は、企業や顧客(消費者)やステークホルダーの目標達成と満足のための機能価値追求だけでなく、心の充実という感情価値を追求する必要が絶対的にあることを我々に経験的に、そして実感的に示しています。
(グッズ・ドミナント・ロジックからサービス・ドミナント・ロジックへのシフト)

昨今のウェルビーイングブームの必然性を簡単に述べるとこういう文脈になると思います。

そして、ウェルビーイング議論の多くは組織(企業)の新しいあるべき姿としてウェルビーイングを取り込むことが、企業にとってエンゲージメントや業績につながっていくはずだという方向性を示しています。

BtoBとしてのウェルビーイングアプローチが急激に増加している理由もここにあります。
「右へ倣え」カルチャーそのものですね!

しかし、自社の従業員のウェルビーイング向上を本質的に自ら試行錯誤していく活動ができるプレイヤーはごく僅かでしょう。
結局アウトソースを使うケースが多いと予測します。
事実、そのトレンドが最近顕著であり、僕は危惧するのです。

ちょっと危ないウェルビーイングブーム

BtoCで試行錯誤して知見を磨いてB2Bに取り込んで今成長著しい米国のウェルビーイングと比べて、日本では注目テーマを安全に売れないか?と考えます。
リスクは少ない方がいいという考え方が一般的です。
では、それならまずは企業へアプローチしようという順序で考える傾向があります。
つまりBtoC知見なしでBtoB向けに作り込んでしまうのです。

本来ウェルビーイングに寄与するサービス提供や販売は、顧客直接でも、企業経由でもどちらでもいいのですが、toC(対顧客)回路を持たずしてtoB(対企業)要件定義に終始すると出来損ないサービス(システム)が完成することになります。

対企業ウェルビーイングサービスを企画開発している事業プレイヤーは、ぜひここに注意してください!

自社のウェルビーイング・アイテム化というアプローチ

我々スポルツが持っている仮説の一つに「すべての業種業態はウェルネスへ向かう」があります。10年前に設定したものですが、最近であればウェルネスをウェルビーイングに置き換えてもいいのではないかと思います。

ウェルビーイングに寄与する商品・サービスが持つべき要素・価値を7項目のフレームに設定しました。
ウェルビーイング・アイテム領域にポジションしている商品サービスの評価分析で価値提供の過不足を発見するために仮説的に運用しているフレームです。
https://healthbizwatch.com/column/hbw-972

あらゆる業種業態のウェルビーイング・アイテム化が可能だとしたら、どのようなアプローチが考えられるのか?
ここを自らの体現をもってサービスデザインを展開するのがベストと考えます。
全てを外注するのは絶対避けたいのです。
実感知背景の伴わないコミュニケーションはいずれ透けて、崩れます。

さて、ウェルビーイング・アイテム化アプローチの起点、それは喜びの提供だと感じていました。
(優れたサービス事業者の多くがお客様に喜んでいただきたいと考え行動している事実があリます)

喜びは、
・ポジティブ感情
・良好な人間関係
・問題解決
・懐かしさの感覚
・タイミング
・主体性の感覚

によって引き起こされる感情的な反応であると言われています。
前者3つの要素は顧客の喜びで想起されやすいものなのだそうです。

「ポジティブで思いやりマインドで親切フレンドリー対応にて問題解決に貢献してみる」

この喜びづくりのフレームは、例えば健康食品系の一品通販のお客様センターやコールセンターの対応(コミュニケーションデザイン)そのものではないでしょうか?
彼らは時には、時間コストを無視して、顧客のクレームや悩みに寄り添うコミュニケーションが顧客満足と喜びを拡散する効果を発揮していると言えないでしょうか?
これもウェルビーイング貢献の一つのあり方ですね。

どんなビジネス・部署であれ、ウェルビーイング・アイテム化が可能なのではないでしょうか!?

「ポジティブで思いやりマインドで親切フレンドリー対応にて問題解決に貢献してみる」

あなたのビジネスのウェルビーイングアイテム化のチェックリスト
・ポジティブで思いやりマインド
・親切フレンドリーコミュニケーション
・相手の問題解決へ貢献アクション

この事に気づき、アクションを起こし、試行錯誤していくプレイヤーがウェルビーイングの本潮流に乗れるのだと思います。

潮流に乗ってみませんか?お手伝いします!!



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大川へのお問い合わせやご質問などがあればこちらへ(直接届きます)。
ディスカッションも大歓迎です!
https://healthbizwatch.com/consultation?athr=12

健康ビジネスキーワード

「アップサイクル」

アップサイクルとは、本来であれば捨てるはずだったものを価値の高いものへと生まれ変わらせること。

よく比較されるのがリサイクルですが、どこが違うかというと、リサイクルは対象物を原料に戻したり、素材に分解したりする際にエネルギーを消費することになります。
これに対してアップサイクルは単なるリユースとも違い、別のプロダクトへ生まれ変わることによってその寿命を引き延ばします。

例えば、フードロス対策にも貢献している Oisix のサスティナブルマーケットの製品もアップサイクルを代表するブランドです。
https://www.oisix.com/shop.g6--upcycle--top__html.htm

みなさんはお気に入りのアップサイクルブランドをお持ちですか?
まだの方は是非探してみましょう!
そしてそのブランドのメッセージと意味を感じてください。

今週の注目記事クリップ

[1]オムロン ヘルスケア、スマートフォンアプリを活用した特定保健指導の効果検証を実施~朝晩の体重測定によって、3ヶ月で平均体重2kgの減量効果を確認~
https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2022/0824.html
京都医療センターと、特定保健指導の対象条件に該当する40-60歳男女を、けんぽアプリを利用したグループと利用しないグループにランダムに振り分け、特定保健指導プログラムが減量に及ぼす影響を確認した。(2022/08/24)

+++★追加解説音声:120秒 (編集主幹 大川)★+++
朝晩体重計測が減量に効果的なことは間違いなさそうです!
https://youtu.be/XP1n99teJ7E

[2]国立長寿医療研究センターなど、軽度認知障害者に特有の指タッピング運動パターンの抽出に成功(軽度認知障害の早期発見に向けた簡便な検査方法の確立に導く)
https://www.ncgg.go.jp/hospital/news/20220824.html
本成果は、長寿医療研究センター、日立製作所研究開発グループおよびマクセルによる共同研究において、磁気センサを用いて手指の巧緻運動を定量化する技術を活用し、タッピング運動の多様な特徴を解析することで得られたもの。(2022/08/24)

[3]記者の眼:機能性表示食品の「研究」は貴重なリソースの無駄遣い(日経デジタルヘルスより)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00138/082301105/?ST=ch_digitalhealth
機能性表示食品とは、「脂肪の吸収をおだやかにします」など、健康の維持や増進に役立つ文言が表示された食品のこと。ヨーグルトや乳酸菌飲料、その他のドリンク(飲料)類、サプリメントなど、幅広い食品で展開されている。(2022/08/24)

[4]矢野経済研究所、パーソナルヘルスケアサービスに関する調査を実施(2022年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3024
国内のパーソナルヘルスケアサービス市場を調査し、サービス分野別の動向、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。高齢化社会の進展を背景に、パーソナルヘルスケアサービスは引き続き拡大基調で推移する見通し。(2022/08/24)

[5]プライマリケアとは~なぜ今、これからプライマリケアが重要なのか?~(Healthtech DBより)
https://healthtech-db.com/articles/what-is-primary-care-20220809
本記事では、プライマリケアとは何か歴史と定義から振り返り、なぜ今、そしてこれからプライマリケア医が必要とされるのか考察した。(2022/08/24)

[6]グローバルベイスとミラーフィット、MIRROR FIT.を備えたウェルネスリノベーション物件を販売開始
https://www.globalbase.jp/news/news_220824.php
ウェルネスリノベーションのコンセプトは、生活・仕事・健康・美容全てが自宅でシームレスに行える”住んで美しく”なるストレスフリーな快適空間。(2022/08/24)

[7][ピックアップ特集]ヘルスケア事業、異業種からの挑戦:第4回 キユーピーが、がん発症リスク判定サービス事業化を目指すワケ(Beyond Healthより)
https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00055/072800004/
健康食品やサプリメント事業に力を入れる食品会社が多い中、がんの発症リスク判定サービスの事業化に取り組んでいるのがキユーピーだ。多様な企業が参入している同サービス。キユーピーならではの価値や強みがある。(2022/08/25)

[8]わたし漢方、2022年秋に増加が見込まれる「9月病」のチェックリストを公開(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000029348.html
薬剤師とLINE上で相談して自分にあった漢方薬を配送してくれるオンライン漢方相談サービス「わたし漢方」は、歴史的ともいわれる2022年の猛暑や大雨の影響を受け増加が懸念される「9月病」に関するオンライン漢方相談の受付を開始。(2022/08/25)

[9]クラブツーリズム、アシックスの「登山能力測定」を活かした『登山能力測定ツアー』販売開始【PDF】
https://www.club-tourism.co.jp/jpn/wp/media/2022/08/FNLpress22-36.pdf
https://www.club-tourism.co.jp/jpn/
クラブツーリズムとアシックスの共同企画。事前講習会と現地実践ツアーを通して登山に重要な体力要素を知ることが出来るプログラム。(2022/08/26)

[10]フィットイージー、コワーキングスペースを設置した24時間型フィットネスクラブがオープン(アミューズメントフィットネスクラブ)(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000099487.html
「働く」と「健康」を両立、24時間フィットネスクラブの新たな価値を提案。コワーキングスペースとしても活用できる共有型のスペース「FIT-LOUNGE」を設置した店舗をオープン。(2022/08/26)

[11]湖池屋、“畑のベーコン”誕生!プラントベースでサステナブルな新提案「BECORN」
https://koikeya.co.jp/news/detail/1382.html?_ga=2.260941131.752329057.1661844643-1576504243.1661844643
「BECORN」は、とうもろこしに大豆たんぱく質を練り込んだ生地を四角いベーコンのようにカットし、パリパリ・クリスピーな食感に仕上げたプラントベーススナック。(2022/08/29)

[12]運動はすべての人にとって有用 短命の遺伝的素因をもつ人も運動で寿命を延ばせる(保健指導リソースガイドより)
https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2022/011461.php
ウォーキングやテニスなどの運動を余暇時間に行っている高齢者は、あらゆる原因による死亡リスク、さらには心血管疾患やがんによる死亡のリスクが低いことが、大規模な調査で明らかになった。(2022/08/29)

[13]ARINA、<調査結果>健康のために取り入れているアイテムは?同率1位「活動量計、スマートウォッチ」と「体組成計」!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000170.000076895.html
ARINAが運営する20代-50代18人の女性による美容レビューサイト「mellow-メロウ-」は、日本全国18歳以上の方を対象に「健康のために取り入れているアイテムは?」とアンケート調査を実施。(2022/08/29)

[14]プレモパートナー、MedTech特化型アクセラレーションプログラム「MedTech Angels 2022」募集開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000059971.html
本イベントは、医療テクノロジー領域においてイノベーションを志す起業家に向けた国内初のMedTech特化型のアクセラレーションプログラム。デジタルヘルス・医療機器・人工知能に関連するスタートアップを募集中。(2022/08/29)

[15]DMMオンライン展示会、女性活躍推進企業必見!30以上の注目フェムテック製品サービスを知れる3分プレゼンを9/26から配信!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000093.000081780.html
2022年10月6日(木)-13日(木)に開催する「フェムテック推進EXPO vol.2」に先立ち、女性の健康課題から女性活躍推進に関する注目企業による1社3分のプレゼンの配信を実施することが決定。(2022/08/29)

[16]キリンホールディングス、世界初!乳由来βラクトペプチドのアルツハイマー病予防・改善に繋がる新たな機能を解明(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000476.000073077.html
乳由来βラクトペプチドの1つGTWYペプチドが、アルツハイマー病の主要な病態のひとつであるミトコンドリア機能の低下を改善するという新しい機能を、ヒトiPS細胞由来の神経細胞を用いて、世界で初めて明らかにした。(2022/08/30)

[17]ミラーフィット、MIRROR FIT.とIGNITE YOGAがコラボレーションし、月曜日から日曜日まで曜日に合わせたヨガが体験できるコンテンツの配信を開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000076951.html
今回、MIRROR FIT.では、「IGNITE YOGA」とのコラボレーションコンテンツとして、MIRROR FIT.でしか体験することができない、1週間分のヨガの特別プログラムを楽しめる。(2022/08/30)

[18]AbbottとWeightWatchersが、糖尿病分野で協業を発表(英文)
https://www.prnewswire.com/news-releases/abbott-and-weightwatchers-partner-to-support-people-living-with-diabetes-in-attaining-their-health-goals-301600391.html?utm_source=STAT+Newsletters&utm_campaign=2c5b67efb2-health_tech_COPY_01&utm_medium=email&utm_term=0_8cab1d7961-2c5b67efb2-154461856
ウェイトウォッチャーズ社の糖尿病患者向け体重管理プログラムと、アボット社のFreeStyle Libreで協業がなされる。(2022/08/04)

[19]MITが呼吸パターンだけでパーキンソン病を診断できるAIを開発、早期診断に光(DiGiTALiSTより)
https://digitalist-web.jp/trends/overseas/tK3rx
MITは、睡眠時の呼吸パターンデータをとらえ、それを基にパーキンソン病の診断を実行するAIシステムの開発に成功したと発表。Wi-Fiルータのような外観のデバイスを用いたシステムで、完全非接触でも検査が行えるという。(2022/08/29)

[20]ヘルステックにおけるイノベーター「世界トップ50」
https://mhealthwatch.jp/global/news20220830-2
Health Tech Worldが「The Health Tech World Top 50 Innovators of 2022」を公開。(2022/08/30)

[21]『mHealth Watch』注目ニュース:法人企業向け『Amazon Care』、2022年末に終了
https://mhealthwatch.jp/column/news20220905-2
Amazonがヘルスケアにおける法人向けサービス2度目の撤退となりました。日本の法人向けと米国の法人向けでは性質に違いがありますが、2度に渡って撤退を決める判断は、決して他人事とは言えないのではないでしょうか!?(2022/09/05)

[22]アップルが「キッズ向けApple Watch」発表か、Proモデルと同時に(Forbes JAPANより)
https://forbesjapan.com/articles/detail/50186?utm_source=owned&utm_medium=referral&utm_campaign=mailmagazine_0907_4080&utm_content=art1
ニューヨーク・タイムズは9月1日、アップルが、親が子供に持たせることを想定した、セルラー接続を備えた新たなウォッチを発売するとの記事を掲載。(2022/09/07)