HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
今回も動画連動する企画となっています。

特集: ウェルビーイング・アイテム研究編

セルフ・モニタリングの可能性

ヘルスケア及びウェルビーイング周辺のサービスとして、ウェアラブル端末でセルフ・モニタリング体験を進めながら、目指すべき合意済みアウトカム(結果・ゴール)への行動継続を支援するビジネスは20数年前から存在しています。

機器の性能やアプリケーションのユーザビリティ進化を繰り返してグローバルでトレンドとなっており、マーケットは拡大基調が続いています。

主な具体的プロダクト

<スマートウォッチ>
Apple Watch|Fitbit|Garmin|Xiaomi|HUWAEI Watch|Amazfit

<スマートリング>
AURA Ring*|SOXAI Ring*
*2023年6月2日配信NEWSクリップ号で紹介
https://youtu.be/uVkais_AgqU

<スマートグラス>
JINS MEME

<主なセンシング記録項目>
歩数|体重・体組成|運動量と内容|体温|心拍・心電・心拍変動|ストレス
血圧|便通|食事内容(カロリー)|血中酸素濃度|起床・就寝時間
睡眠の質|飲酒喫煙量|生理周期|その他  など。

市場に出回っているプロダクトと利用者は増え顧客経験数は天文学的にデータとしても増えているのに、提供側(プロダクトメーカー)から気の利いた配慮やサービスが圧倒的に足りていないと感じているのは我々HealthBizWatch だけなのでしょうか?

2015年にApple Watchがリリースされ、それを前後してユニークなウェアラブル端末が次々と登場していた時、我々は「セルフ・モニタリング経済圏」というマネタイズが成立するようになると予測しました。

スマートデバイスを身につけることで自分の身体行動データの記録が常態化し、様々な場面での行動選択支援として活用し、生活の質そのものの向上にも寄与しているライフスタイルが実現しているというイメージです。
ここでの様々な意味ある消費行動が経済圏を形成するはずだ!という仮説でした。

今はまだ、その経済圏の本格化前ではないか、と感じています。

では、なぜそうなのか?

我々の仮説

「提供側のセルフ・モニタリング感性が磨かれていないままでサービスがドライブされている」というものです。

セルフ・モニタリングサービスの提供側が行動継続プロセスで新たな気づき、ユーザーへの価値提案を創るチャンスを自ら設定できていないという局面に、幾つかの端末サービス企画プロジェクトで出会いました。
提供側がセルフ・モニタリング感性に着目し、それを磨く必要性に気づいていないのではないか?と思うのです。

そろそろ、セルフ・モニタリングをビジネス機会として活用するサードパーティなどが出場してきてもいいのではないかと我々は考えています。

そこで
セルフ・モニタリング行動を実験的にセルフで行い、自分としてはどんな気づきがあるかを試してみませんか?という提案です。

今回提案するのは「朝晩体重計測コンディショニングチェック」です

※兄弟サイトであるコンディショニングLABO For BizAthleteでも、昨年モニターに参加いただき多くの気づきを共有できました。

今回読者の皆様に「朝晩体重計測 コンディショニングチェック」で実際に約1週間取り組んでいただいきたいことは、以下の3点です。

1、毎朝、毎晩の1日2回、体重を計測(2回目からは体重計に乗る前に予測する)
2、専用の記録フォーマットに体重測定データと体調などを記録
3、自身の体重の変化、体調の傾向を見つけ、気づいたことをメモる

作業に関わる時間は1日5分程度でしょうか。

今回の「朝晩体重計測 コンディショニングチェック」では、朝晩の体重計測と記録といった、すごくシンプルな内容です。

また、特に減量やダイエットに取り組む必要はありません。
自分の体の変化と行動内容と併せて何に気づくか?を自ら体験していただきたいのです。
セルフ・モニタリングを自ら経験することで、どこにどんな切り口(ソリューション)がありそうかを模索することが目的になります。

参考までに、以下ご協力いただいたモニターさんからのコメントの一部です。

<モニターさんからのコメント>

・前日の晩と当日の朝の体重の差があること自体、新しい発見だった

・夕食を軽くすると、次の日の朝の体重が増えずに済み、体調が良いと感じられた

・これまでは、体重の変化しか確認してなかったが、運動や食事を通した体重の変化を意識するようになった

・変化(食べ過ぎ)への対応と順応(体重変化)の関係性がなんとなく理解できた感じがする

・ちょっとした変化にどうやって対応すればコンディショニングを整えられるかの行動の引き出しが増えた感じがする

・測定しデータを確認することは、生活を振り返る機会になって、データを記録することが効果的だった

・測定してデータを記録することの意味、大切さを学ぶことができた

モニターに参加していただいた多くの方は、これまでにも体重の計測はされていたにも関わらず、朝晩の1日2回の計測はされていませんでした。
また、計測しただけでデータの変化に対して意識が向いていなかったようです。

実際に朝晩の体重計測をしてみると、晩→朝で体重の変化自体が体感できますし、その変化の原因や要因への意識が高まることが、モニターさんのコメントからもわかります。

計測とレコーディング(記録)は、ヘルスケアサービスでは中心的な役割として提供されていますが、継続率が低いのも事実です。
計測とレコーディング(記録)自体は、課題の解決に直接つながるソリューションではありません。

計測とレコーディング(記録)から見えてくるデータの意味や変化に対する自身の気づきが、実際の行動の変化となって現れることが課題解決に直接つながるのです。

計測とレコーディング(記録)の機能だけ提供しただけでは、なかなか使いこなすのは難しく、やはり計測とレコーディング(記録)の意味、使い方などを含めたサポートの必要性を今までのモニターさんからのコメントで感じました。

まずはご自身が1週間経験してみて、自ら気づきと自社サービスの課題を考えてみてください。

●朝晩体重計測コンディショニングの解説動画
やり方を解説しています(5分程度)
下記URLで2023年9月15日まで視聴可能です。
https://youtu.be/2GpPYCDlDTs

●記録シートPDFのDLはこちら
https://healthbizwatch.com/member/hbw2307
ダウンロード期間:2023年9月15日まで。

●セルフ・モニタリング体験後のご相談はこちらから
https://healthbizwatch.com/consultation?athr=12


▼お問い合わせ
大川へのお問い合わせやご質問などがあればこちらへ(直接届きます)。
ディスカッションも大歓迎です!
https://healthbizwatch.com/consultation?athr=12
 

健康ビジネスキーワード

ヘルスケア・サービス企画開発のドミノ一枚目は?

ヘルスケア・サービス動向の日米比較研究を24年続けていて、ビジネスとして有力なポジショニングを確保できる最重要ポイントを一つ挙げるとすれば「ドミノ勝負分岐の一枚」。

それは、顧客(ステイクホルダー)とのコミュニケーション・デザインということになります。

提供プロダクト&サービスのシーズが存在することが前提。
だからこそ、コミュニケーションの中でお互いの満足が育つ流れを考え、試し、磨いていくデザイン活動ということになると思うのです。

事実素晴らしい技術を持ちながら支持層を開拓できないタイプのプレイヤーは、コミュニケーション・デザインが貧弱な場合がほとんどです。

ドミノの一枚目またはボーリングのセンターピンをどこに定めるかはとても重要。
もっと言えば最も影響力を発揮する初手が何か?なのです。

貴方のサービスはコミュニケーション・デザインに注力していますか?

参考フレーズ:「東大合格のためのドミノの一枚目は計算力と読解力といった基礎学力」
観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか(SBクリエイティブ)_佐渡島庸平著から

今週の注目記事クリップ

[1]MTG、スリープテックブランド『NEWPEACE』から 血行を促進し疲労回復できるパジャマが新登場
https://www.mtg.gr.jp/news/detail/2023/06/article_2148.html
“寝ながら疲労回復。心地よい目覚めへ。”遠赤外線の血行促進作用により疲労回復や筋肉のコリ等の症状を緩和する一般医療機器「NEWPEACE Recovery Pajamas」を発売。(2023/06/22)

+++★追加解説動画:6分45秒(編集主幹 大川耕平)★+++
今後も伸び代だらけの睡眠市場への有力アプローチとなるプロダクトの登場です!
https://youtu.be/PmKaQqoFn2U

[2]笹川スポーツ財団、諸外国のスポーツ振興施策の比較表(2023)
https://www.ssf.or.jp/thinktank/international/2023_04.html
調査・研究「諸外国のスポーツ振興施策の比較表(2023)」にドイツ・フランス・韓国の3か国を追記しました。日本と7カ国のデータの国別の比較や項目別の比較ができます。(2023/06/21)

[3]富士経済、ヘアケア・ヘアメイク商品、メンズコスメティックスの国内市場を調査
https://www.fuji-keizai.co.jp/file.html?dir=press&file=23070.pdf&nocache
2023年も各メーカーがメンズコスメティックスへの注力度を高めているほか、インバウンド需要の回復も期待されており、市場は前年比1.8%増の1,622億円が見込まれる。(2023/06/21)

[4]ウェルビーイング、さあ実践へ:トヨタのウェルビーイング調査、ロボットとの協働で働きがいを高める安全とは 第8回(日経デジタルヘルスより)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02483/060700008/?ST=ch_digitalhealth
ウェルビーイング(心身の健康や幸福)の実践方法を解説する連載第8回。今回は、協働ロボットを導入したトヨタ自動車の作業現場で測定した、作業員のウェルビーイングの結果を紹介します。(2023/06/21)

[5]幻冬舎、「コストコ瞬食ダイエット 運動ゼロで、食べてやせる。」(著:松田リエ)を発刊(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000110.000007567.html
著書累計17万部超え!2,000人以上をやせさせた保健師・ダイエット講師による、「コストコ」食材を使った初のダイエット本。(2023/06/22)

[6]星天出版、「尊トレ 1ヵ月で2.5次元ボディ」(著:桃戸もも)発売前重版(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000114552.html
この夏「推し活ダイエット」がアツい!Z世代女子が励む"尊すぎるトレーニング"とは?(2023/06/22)

[7]2023下半期のトレンドは「無加工主義」「イマーシブ消費」「スパウトパウチ」(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/trend-230622-1
化粧品・美容の総合サイト「@コスメ」は、「ベストコスメアワード2023上半期新作ベストコスメ」を発表した。生活者インサイトや美容トレンドを予測する「下半期トレンド予測」も同時発表し、5項目を上げた。(2023/06/22)

[8]味の素、東京大学と社会連携講座「栄養疫学・行動栄養学講座」を開設
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2023_06_23_01.html
今回の講座は、先端研究によってこれらを解き明かし、健康な食生活への一人ひとりの改善策を示して行動変容を導き、課題の解決に繋げることを目的として開設されました。(2023/06/23)

[9]綜合ユニコム、月刊レジャー産業資料 2023年7月号
https://www.sogo-unicom.co.jp/lid/n202307/
[特集]グランピング 第3世代が目指す3つの方向性。本特集は、これからのグランピングビジネスをリードする第3世代の志向を「Complex=複合」「Luxury=贅沢」「Uniqueness=唯一性」と捉え、それぞれのキーワードに即したケーススタディで取組内容を確認する。(2023/06/23)

[10]シード・プランニング、市場調査レポート:2023年版 健康保険組合のデータヘルス事業動向最新調査
http://store.seedplanning.co.jp/item/11630.html
第3期データヘルスと第4期特定健診・特定保健指導の方向性。健保組合の第3期計画策定、第4期特定保健指導に向けた取組みや方針、外部委託状況、ICT利活用等の最新動向が把握可能。(2023/06/23)

[11]「子ども未来戦略方針」決定、少子化対策強化に向けた取り組み要旨(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/news-women-230623-2
政府は6月13日「子ども未来戦略方針」を閣議決定した。少子化対策を強化するために児童手当の拡充や年収の壁への対応など具体的な政策を盛り込んだもので、今後3年間に取り組む「加速化プラン」として年間3.5兆円を投じる。(2023/06/23)

[12]ジムオリジナルプロテインの現状とメリット、さらなる拡大に向けた取り組み(Fitness Businessより)
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/1681
最近の動向として、自社オリジナルのプロテインブランドを持つパーソナルジムが増えています。最小ロット100袋程度から製造できるOEMが増えており、オリジナルブランドのプロテインを作る垣根が低くなっています。(2023/06/27)

[13]「世界のフィットネス最前線の動きから日本は何を学べるか」7月13日(木)開催(Fitness Businessより)
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/1679
World health fitness&wellness festival「FIT Summit Singapore2023」で日本の経営者の一人として登壇された株式会社ルネサンスの望月美佐緒氏と月刊NEXT編集長 岩井智子、Fitness Business編集長 古屋武範が海外市場を解説するとともに、これからの日本のフィットネスについて考えていきます。

[14]クオリティライフサービス、栄養指導Q&Aの達人シリーズ第2回のご案内
https://www.qls.co.jp/school/pdf/2023school-QAno.2.pdf
第2回のテーマは「栄養のとり方」栄養指導で必ず聞かれる疑問に回答します。オンラインライブ講座:2023年8月13日(日)。録画動画視聴期間:2023年8月14日(月)-8月20日(日)。お申込締切は2023年7月30日(日)。

[15]CureApp、高血圧に特化した『ascure重症化予防(血圧コース)』提供開始
https://mhealthwatch.jp/column/news20230621
健康診断等で血圧が基準値を超えている人が対象となり、症状が重症化する前の段階で、無理のない適切な生活習慣の修正と正しい知識の獲得ができるようサポートするもの。(2023/06/21)

[16]研究:脳で考えた“歩け”を脊髄に無線送信。下半身不随の男性が歩行に成功
https://mhealthwatch.jp/global/news20230621-2
脳と脊髄の2カ所に埋め込んだ電子機器により、脳活動から取得した電気信号を脊髄に伝送して刺激を与えることで筋肉を活性化させる。(2023/06/21)

[17]Appleが新たなヘルスケア機能を発表、「iOS 17」「iPadOS 17」「watchOS 10」向けに
https://mhealthwatch.jp/global/news20230622
「iOS 17」と「iPadOS 17」のヘルスケアアプリ、「watchOS 10」のマインドフルネスアプリでは、利用者が自分の心と向き合うためのツールが用意される。(2023/06/22)

[18]『mHealth Watch』注目ニュース:ファンケル、自分に最適な運動量が一目でわかる世界初の技術を開発!
https://mhealthwatch.jp/japan/news20230703
これまで体力レベルを測るには、「どの程度の運動で酸素を必要とするか」を測定するのに対して、今回の技術では「酸素が不足するようになるポイント」を測ることで、測定が簡略化されました。(2023/07/03)