HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
暑い日が続きますがお身体ご自愛ください。

特集: ウェルビーイング・アイテム研究編

D2Cとウェルビーイング

D2C(Direct to Consumer)とウェルビーイングの関係性について、今回考えていきます。
D2Cというビジネスモデルはヘルスケア領域に限ったものではありません。
しかし、ヘルスケアにとっては今までの発想とは違うけれど、とても相性のいいビジネスの始め方であると我々は考えています。

最近、大手の一部の方で「D2Cって通販じゃないの?」という勘違いをされている方と複数遭遇したので、今回このテーマを取り上げることにしました。

そもそも、D2C(Direct to Consumer)とは

我々の定義は「全工程を自ら運営し、消費者と一緒にプロダクト(サービス含む)価値を創り上げ、お互いの関係性をより豊かに快適に育てていくというビジネスモデル」になります。

<ポイント1>
全工程を自ら運営
→ゼロベースでビジネス工程を創るという意味です。
既存のチャネルには一切拘らないということです。

<ポイント2>
消費者と一緒にプロダクト(サービス含む)価値を創り上げる
→消費者とのキャッチボールで提供価値を創り上げていくというスタイルです。
この姿勢はビジネスをスケールさせていくプロセスでも同様になります。

<ポイント3>
D2Cのプレイヤーは一部もしくは全体的にサブスクリプション(継続定額課金)を採用していますが、それが目的ではなく、顧客との関係性を育てていくための手段と位置付けています。

<ポイント4>
顧客とのダイレクトなやり取りデータ蓄積が再現性の高いサービス品質を創出する手掛かりとなること。
ダイレクトな関係性はプロセス品質向上スピードにもつながり、スケール化の推進力にもなります。

どんなプレイヤーが活躍しているか?

まずは海外の代表例として

1)Casper(キャスパー)
2014年創業の米国マットレスオンライン販売プレイヤー。D2Cの代表企業。
従来ショールームで下見してから購入していたマットレスの圧縮技術を駆使し、自宅で試用して気軽にオーダーできる顧客好み対応に徹底して大ブレイク。
<解説youtube>
https://www.youtube.com/channel/UCvjxT5R3HviugBbIJQNkToQ


2)WARBY PARKER(ウォービーパーカー)
2010年創業の米国メガネブランド、通販を経てD2Cへ転換。
サイトでアセスメントし、試着したい商品5つを選ぶと宅配され、5日間試着後に買わない商品を返送するという流れ。
https://www.warbyparker.com/

米国代表例の2社に共通するのは、顧客視点の徹底と今までの同類商品購入プロセスの改革です。
そして顧客とのやり取りデータをベースとしたプロセス品質アップの継続です。


続いて国内は、

3)BASE FOOD
完全栄養食ブームの元祖ですね。
https://basefood.co.jp/


4)Vita Note
パーソナライズサプリメント&フードドリンク。
https://vitanote.jp/


5)GREEN SPOON
野菜たっぷり健康食デリバリー。
https://green-spoon.jp/

ヘルスケアにとってのD2Cの魅力

既存ヘルスケア企業にとって、顧客とダイレクトに向き合い、価値を創出するサービスビジネスの本質に軸足を置かねば成就しないビジネスモデルです。

顧客感情の動きとウェルビーイング理解が必須です。
ダイレクトに顧客のウェルビーイングにアプローチするビジネスモデルがD2Cという言い方もできると考えています。

顧客価値を育てていくスタンスと視野を持っていないと継続できない面もあり、すべての既存ヘルスケア企業が着手できるとは考えにくいです。

しかし、D2Cビジネスモデルが不透明な現代社会にあって、一歩一歩進化育成できるアプローチとして注目が増していくことが予測されています。
すでに大企業がウェルビーイングテイストでD2Cに着手し始めています。

ミツカンが展開するウェルビーイングな食スタイル提案D2CブランドZENB
https://zenb.jp/


サービスビジネスのフレームは「コミュニケーションデザイン&ドライブ」で表現できます。

D2Cの考え方やスタイルはコミュニケーションデザインの部分になります。
しかし、これだけではビジネスモデルとしても完成ではなくて、ドライブ(運営)品質の積み重ねが伴って初めてパフォーマンス発揮ということになります。
コミュニケーションデザインまでは正直マネができるものです。
その後ブレイクできるか否かはドライブにかかっています。

今後、ヘルスケア領域のD2Cモデルだけを特集するレポートも予定していますのでご期待ください。


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健康ビジネスキーワード

1対2の呼吸法

自律神経のバランスを整えるためのゆっくりとした深い呼吸のコツ。

ゆっくりと鼻から息を吸い、倍の時間をかけて口から細く息を吐いていく。
3秒吸って、6秒吐く、4秒吸って、8秒吐く。
どちらでもOKです。
たったこれだけの呼吸で、確実に自律神経のバランスが整い始めます。

ゆったりとした呼吸を繰り返すだけでも交感神経と副交感神経のバランスが整えられます。
すると、血液を押し出す力がスムーズに働き出すので、再び酸素と栄養たっぷりの血液を全身に送り届けることができるようになります。

全身の血流が良くなってくると、筋肉が緩み、体もリラックスします。
肩の力が抜けて精神的にも落ち着きを取り戻せるようになり、狭まっていた視界もフッと開け、気持ちも前向きになれるはずです。

気がついたら自律神経が整う「期待しない」健康法
順天堂大学医学部教授 小林弘幸著 祥伝社新書より

今週の注目記事クリップ

[1]ポケモン、『Pokémon Sleep』リリース記念 メディア向けイベント開催
https://corporate.pokemon.co.jp/media/news/detail/308.html
朝起きることが楽しみになる睡眠ゲームアプリ『Pokémon Sleep』のリリースを記念し、『FUN SLEEP SUMMIT~睡眠をもっと楽しみに~』を開催しました。(2023/07/19)

+++★追加解説動画:5分6秒(編集主幹 大川耕平)★+++
睡眠のゲーミフィケーションの本格スタート
https://youtu.be/UHv57cqwBho

[2]筑波大学、健康に関する知識が高いほど、市販薬を適切に使用できる
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20230719140000.html
本研究により、OTC医薬品を購入する成人において、ヘルスリテラシーが高い人ほど添付文書理解度が高く、また、副作用発生時の医療者への相談行動を起こしやすいことが示されました。(2023/07/19)

[3]おいしい健康、「おいしい健康アプリ」に「カロミル」AI画像解析機能を搭載!面倒な食事管理がもっと便利に(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000092.000043855.html
食事のタイミングを見える化する食事管理機能「たべリング」に「カロミル」のAI写真解析などの機能を搭載することで、食事記録機能がさらに進化しました。(2023/07/19)

[4]あすけん、あすママコースが『第4回日本子育て支援大賞』を受賞しました
https://www.asken.inc/news/2023/7/20/asu
「妊娠・授乳期に!あすママコース」は、お腹の赤ちゃんの成長とご自身の健康のために、正しい情報を必要とする妊娠中・授乳中の方へ、信頼できる食事のアドバイスをお届けしたいとの思いから開発に至りました。(2023/07/20)

[5]フジッコ、フェムケア市場に新提案 女性の肌の弾力を維持し、肌の健康を守るのを助ける【PDF】
https://www.fujicco.co.jp/corp/upload/pr_230720.pdf
https://www.fujicco.co.jp/
ダイセルとの共同研究成果をもとに、大豆イソフラボンとラクトビオン酸を機能性関与成分とした肌の健康を維持する機能性表示食品を消費者庁へ届出し、受理された。(2023/07/20)

[6]INTERMIND、従業員の心の状態は企業の生産性に直結。それでも増えているうつ病。医師が開発した「事前に兆候を察知し個別にケア」できるサービスが人気(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000124125.html
主軸となっているのは、メンタルヘルスケアに特化した産業医サービス「スマート産業医」、一人ひとりのメンタルの不安や悩みの課題解決をサポートする「メンタルマネジメントプログラム」の2サービス。(2023/07/20)

[7]トラストリッジ、[プラントベース食品調査]52.7%がプラントベース食品を日常的に飲食 一番人気は植物性ミルク(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000094.000005511.html
近年、プラントベース食品の種類が増え、味や価格の面の改善も見られるようになっています。そのためか、プラントベース食品をふだんから飲食している人がとても多く、その満足度も高いことがわかりました。(2023/07/20)

[8]ティップネス、ティップネスの「再起動」宣言。コンセプトを問い直し、地域のウェルネスに貢献する「OPEN TIPNESS プロジェクト」の現在地【PDF】
https://www.tipness.co.jp/co/news/archive/%E3%80%8COPEN%20TIPNESS%E3%80%8D%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC.pdf
https://www.tipness.co.jp/co/
あらためて「OPEN TIPNESS」を説明するならば、従来の会員に向けたサービス提供にとどまらない、地域住民の健康への貢献、ひいては“健康な世の中をつくること”を目的としたティップネスの活動です。(2023/07/21)

[9]まくら、オンライン枕診断で理想的な寝心地を実現するパーソナライズ枕「THE PILLOW」新発売(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000317.000010285.html
オンライン上で睡眠や枕に関する18問の質問に答えることで、70万通りの中からあなたに「合う枕」をパーソナライズしてご提案。世界でたった一つ、あなただけに最適化された枕をお届けすることができるサービスです。(2023/07/23)

[10]富士経済、2023 セルフヘルスケア市場の有望コンセプト最新トレンドデータ
https://www.fuji-keizai.co.jp/report/detail.html?code=162302811
セルフヘルスケアを目的とした一般用医薬品・医薬部外品、健康・機能食品、化粧品、生活用品、機器・その他用品、各種サービスを有望とされる20のコンセプト別にカテゴリー横断で市場規模を明らかにした国内唯一のレポート。(2023/07/24)

[11]MTG、姿勢サポートと柔らかな座り心地を両立させた「Style Chair SM」新発売
https://www.mtg.gr.jp/news/detail/2023/07/article_2157.html
姿勢サポートブランド「Style」から健康チェアに新ラインナップ。「Style Chair SM」は、シートタイプで好評の「Style SMART」をベースにした固定脚タイプのチェア。やわらかな座り心地のソフトモールドウレタンを使用。(2023/07/24)

[12]パナソニック、「Panasonic Beauty OMOTESANDO(表参道)」グランドオープン
https://news.panasonic.com/jp/press/jn230725-1
本施設は、最新の美容家電体験のほか、美容に留まらず、創造性あふれるテーマの発信拠点として機能し、「Lounge」「Lab」「Atelier」「Stand」「Studio」、5つのコンセプトフロアで構成しています。(2023/07/25)

[13]クラブビジネスジャパン、「Fitness Business No.127」を発刊
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/1750
フィットネス業界の動きがわかる経営情報誌。業界全体の動きや最新トレンドを確実に把握することができます。最新号の特集は「戦略採用」。(2023/07/25)

[14]日本計画研究所、医療DX・デジタルヘルスに関する施策・市場動向と富士フイルムの取り組み
https://www.jpi.co.jp/seminar/16663
開催日は、2023年9月6日(水)。本セミナーでは、政府の医療DXなど、デジタルヘルスに関する施策・市場動向を解説する。

[15]インフォーマ マーケッツ ジャパン、ダイエット&ビューティーフェア2023(第22回)開催
https://www.dietandbeauty.jp/
開催日は、2023年9月25日(月)・26日(火)・27日(水)。“働く女性の美と健康を応援する”BtoBトレードショー。アンチエイジング ジャパン2023(第9回)、スパ&ウエルネス ジャパン2023(第14回)同時開催。

[16]Appleが「iPad」でヘルスケアアプリを提供する理由
https://mhealthwatch.jp/global/news20230721-2
Apple Watchの製品マーケティングディレクターを務めるDeidre Caldbeck氏にとってヘルスケアアプリをより大きな画面で提供することは、健康情報がよりユーザーフレンドリーになることと、健康・フィットネス関連の将来のアプリに関して同社が目指しているものを表している。(2023/07/21)

[17]英国のフェムテック企業Daye、生理痛のためのバーチャルクリニックを立ち上げる
https://mhealthwatch.jp/global/news20230725-2
フェムテックを提供するDaye社に新たな動きがあった。世界初のバーチャル生理痛クリニックを開設したのだ。(2023/07/25)

[18]『mHealth Watch』注目ニュース:ウーマンズラボ、企業が発信する情報への信頼度は?
https://mhealthwatch.jp/japan/news20230731
企業や職域での健康の取り組みにおいて、いかに「健康」を社内や団体の中で拡げていくのかという点で、今回の調査結果にはヒントが隠れていると思います。(2023/07/31)



+++★デジタルヘルス解説動画(オーサー 渡辺武友)★+++

【デジタルヘルス・ビジネスの疑問解消!】
デジタルヘルスのビジネスに関わる人に役立つ情報をお届けします。

第5回 米国政府が推奨するValue Based Health Careとは?
https://youtu.be/Z016HkXcqFI

第6回 デジタルヘルスによるマネタイズポイントの変化
https://youtu.be/nC0S0bIGbzk