[健康ビジネス・マーケティング&収益化編]「楽をしたい」に答えるヘルスケアビジネス
こんにちは、渡辺武友です。
ヘルスケアビジネスでは、皆さんの提供価値とユーザーが得たい価値に差があること、ありませんか?
人の欲求をうまく結びつけるヘルスケアビジネスについて考えていきます。
特集:健康ビジネス・マーケティング&収益化編
「楽をしたい」
この気持ちは誰もがあると思います。
だからこそ、技術発展があり便利な世の中になってきました。
楽をしたいとは、モノを考える人間の特性とも言えます。
しかし、この「楽をしたい気持ち」が、実は健康行動の足かせとなっています!
今回は、人の「楽をしたい気持ち」を紐解き、ヘルスケアビジネスにどう活かすのか?
考えていきます。
楽のパラドックス
人は精神的に楽をしたいはずが、肉体的な楽を求めてしまう傾向にあります。
例えば、便利な環境を求めて車や電車で移動し、建物の中でもエレベーターやエスカレーターを利用しています。
結果的に運動量が極端に減ってしまい、生活習慣病などの疾病リスクへとつながることも指摘されています。
肉体的な楽を求めた結果が、体調不良や病気につながっていては本末転倒です。
体調不良や病気になることで、精神的ダメージを与えてしまうことにもなります。
人における「楽」にも「肉体的楽」と「精神的楽」があります。
精神的楽とは、精神的に苦痛がない状態です。
精神的に安定していれば、実は多少の肉体的労力があっても、人は充実感を感じられるので問題はないものです。
何もしないで結果だけ得られると、充実感が得られないので、もっと楽な方法(効率化)を求めてしまいます。
まさに「楽のパラドックス」に陥ってしまうのです!
ヘルスケアにおける楽とは?
人は本来、適度な食事と運動をすることで、健全な精神、肉体が保たれるようにできているものです。
でも、人は肉体的楽を求めてしまうので、「飲むだけでやせる」とか「機械で刺激を与えて筋肉を鍛えるので、あなたは寝ているだけでいい」などに飛びついてしまいます。
これらは、確かに一時的に効果はありますが、その行動を止めれば、元の体型に戻ってしまう確率が高いです。
結果として、「あそこの商品は使っている間は痩せるけど、止めたら元の体重に戻った」なんて悪い評判が立ってしまうことがあります。
ブームとなったダイエット代替食が衰退したのはここに問題があります。
逆に、うまくいっているヘルスケアビジネスでは、商品やサービスを卒業しても得られた結果をキープしたり、よりよい状態に持っていく次のステップを用意しています。
そのようなビジネスモデルは、肉体的楽だけにアプローチしているのではなく、肉体的楽から精神的楽に視点を向けさせる仕組みを持っています。
ヘルスケアにおける楽を実現するために
例え精神的楽が大切と頭では理解できたとしても、本能の部分で肉体的楽を求めてしまいます。
これは仕方がないことなので、ヘルスケア商品やサービスへの入口では、肉体的楽がイメージできることも大切です。
ただし、商品やサービスを選んでもらったら、精神的楽に目を向けさせることがポイントとなってきます。
例えば、痩せたいと思った人に無理なく簡単にダイエットできそうと思ってもらう入口は必要です。
そして、実際にダイエットに取り組むときに「体重が楽に落ちる」ことに視点が向いたままだと、順調に落ちているときには前向きに取り組めても、少しでも体重減少が見られなくなると、自分には合わないと思って離脱しやすくなってしまいます。
ですので、早い段階で肉体的楽から精神的楽の方に視点を向けてもらう仕組みが重要になります。
精神的楽に視点を向けるためには、例えば、「なりたい姿」を目的にすることです。
その「なりたい姿」を手に入れると、どれだけ輝かしい未来が待っているのかをイメージしてもらいます。
その「なりたい姿」に魅力を感じられれば、多少の肉体的労力は気にならなくなるものです。
肉体的楽を求められるのがヘルスケアビジネスです。
その欲求に答えることは大切ですが、お客さんにとって、もっと大切なことは何か?
そこに気づかせ、導くことがヘルスケアビジネスに求められます。
「肉体的楽 → 精神的楽」への取り組み事例
肉体的楽から精神的楽へ導くことの重要性、イメージできたでしょうか?
実際、どのように肉体的楽から精神的楽へ導くかの実証実験を行いましたので、ご紹介します。
NTT西日本の未来共創プログラム「Future-Build」にて、糖尿病予備群に向けて継続ドライバを活用したデジタルヘルスによる改善支援を行いました。
レポートをヘルスビズウォッチに掲載しましたのでご覧ください。
レポートは、全体的な報告になっていますので、「どのあたりが肉体的楽 → 精神的楽かわかりにくい…」などありましたら、お問い合わせからでも連絡ください。
詳しくお伝えします!
実証実験結果報告はこちら
https://healthbizwatch.com/future-build
健康ビジネスキーワード
書籍というコミュニケーション
お盆中に会った旧友と仕事の話になり、さらに彼が読んだ書籍の話になった。
それは、セス・ゴーディンのTHIS IS MARKETING。
彼も印象に残ったのは、不思議なもので私と同じくマーケティング3つの約束だった。
1 私たちのプロダクト(サービス)を使う人は00000を信じている
2 私たちの顧客は00000を望んでいる
3 私たちのプロダクト(サービス)によって顧客は00000できるようになる。
以前、このコラムでも紹介しましたが、私も覚えていたので話は盛り上がりました。
さて、あなたの事業のマーケティングをこのテンプレートで表現したとき、しっくりきていますか?
どこが不明瞭ですか?
きっとそこが課題です。
知人・友人と書籍を話題にディスカッションしてみませんか。
今週の注目記事クリップ
[1]河村、夢の寝室プロジェクト:究極の睡眠環境で美と健康を手に入れる(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000118763.html
夢の寝室プロジェクトは、美と健康を向上させるために、睡眠環境を最適化するリフォームプロジェクトです。(2023/07/26)
+++★追加解説動画:5分1秒(編集主幹 大川耕平)★+++
人生1/3の睡眠の質への投資「ウェルビーイング投資」が始まる!
https://youtu.be/9ok-sEqiRwU
[2]オムロン ヘルスケア、約半数の女性が「動悸」「息切れ」などを自覚し不安に感じていても放置
https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2023/0726.html
20-60代女性1,000名を対象に脳梗塞の原因となる不整脈である「心房細動」に関する意識調査を実施。(2023/07/26)
[3]フェムテックもステルス化、行動変容不要の最新のヘルスケア事例3選(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/marketing-case-230726-1
ヘルスケア領域でも、本人のヘルスケア意識の強化やヘルスケア行動の決断を必要とせずに「気づいたら健康行動をしていた」という“ヘルスケアのステルス化”が進んでいる。(2023/07/26)
[4]筑波大学、乳がん検診に参加しない人たちの特徴が明らかに
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20230726140000.html
本研究では国民生活基礎調査のデータを二次的に解析し、乳がん検診未受診と関連する特徴(年齢や特定検診未受診など)を明らかにしました。(2023/07/26)
[5]ロッテ、「さよなら#ついついスマホ~大人の学びサポート~」開始【PDF】
https://www.lotte.co.jp/info/news/pdf/20230725191324.pdf
https://www.lotte.co.jp/
ついついスマホを触ってしまう時間を集中時間に変えていくために、集中して勉強したり作業することをサポートする取り組みを開始します。(2023/07/26)
[6]ヤーマン、いつものお風呂がジムになる『スパトレーナー』新発売
https://www.ya-man.co.jp/news/20841/
「カンタン、キレイ、お風呂でエステ。」を実現するホームエステブランド「mysé(ミーゼ)」より。お風呂でもお部屋でも使えるヒップリフトEMS機器。(2023/07/26)
[7]SDKI、世界中のヘルスケア業界で10,000以上の製品とサービスの調査を実施するというマイルストーンを達成したことを誇りに思っています(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002572.000072515.html
同社の目標は、ヘルスケア業界が現在抱えている問題に関する市場調査に貢献し、日本だけでなく世界中で最高のヘルスケアマーケティングリサーチ会社として成長し続けることです。(2023/07/26)
[8]日立システムズなど、日本ウェルビーイングコンソーシアムを設立
https://www.hitachi-systems.com/news/2023/20230727.html
住民が健康なまちづくり、従業員が健康な企業づくり、医療サポート、ウェルネスツーリズムを推進し、自治体、健康保険組合、企業等に提案をしていきます。(2023/07/27)
[9]メドピア、「kakari」スマホアプリをバージョンアップし『マイナポータル連携』を開始
https://medpeer.co.jp/press/10919.html
取得した薬剤・調剤情報を「kakari」のスマホアプリ内のお薬手帳にマイナポータルより自動的に取得することができるようになります。(2023/07/27)
[10]イーウェル、ウェルビーイングに関する定期アンケート結果を公表
https://www.ewel.co.jp/category/news-release/p20445/
働く人々のウェルビーイングの変化を経年で調査するため、「Well-beingアンケート 働く人々の実態調査」を2019年から毎年度定期実施。4年間延べ約10万人が対象、コロナ禍を経て働く人々の実態に変化。(2023/07/27)
[11]わかさ生活、薬やサプリメントの飲み忘れ防止アプリ「WellPilot」のリリースを開始
https://company.wakasa.jp/news/notice/1778/
残薬対策や健康促進へ。薬やサプリメントの飲み忘れの防止を目的とし、飲む時間を通知や電話でお知らせするアプリ。会員登録をせずに誰でも利用が可能。(2023/07/27)
[12]ベスプラとBHQ、脳を健康にするための行動指針BHQ Actionsを網羅した初のスマートフォンアプリ「Braincure」β版を9月より米国で提供開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000084.000007987.html
BHQ Actionsに基づく活動の管理機能や、脳の健康状態の可視化機能により、アプリユーザーの脳の健康の維持・増進をサポート。(2023/07/27)
[13]テンピュール・シーリー・ジャパン、いびきを感知して自動でベッドが作動する「テンピュール(R)エルゴ スマート」を新発売(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000079.000015047.html
エルゴ スマートは、いびきの微振動を感知し、頭側が自動的に約12度上昇し、気道の確保を促す革新的な電動リクライニングベッド。(2023/07/27)
[14]注目のヘルステックスタートアップ企業50社[ヘルステック50レポート](TECHBLITZより)
https://techblitz.com/healthtech-50/
本レポートでは、世界のヘルステック関連スタートアップ(創薬を除く)の中から累計資金調達額トップ50社(2023年4月時点)をピックアップし、カテゴリーに分類して紹介します。(2023/07/27)
[15]ユーモア、注目の腸活食“低FODMAP食”と腸の健康管理のためのアプリ「walora(ワローラ)」(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000119900.html
お腹の不調に悩む方やダイエットに取り組む方、IBS(過敏性腸症候群)の症状改善にも。新しい腸活食「低FODMAP食」レシピを多彩に紹介した腸活&健康管理ログ機能搭載のアプリ。(2023/07/27)
[16]AuB、今話題の腸活、実際に取り組んでいる人は約3割のみ!?
https://aub.co.jp/archives/4724
20代-50代の「腸活に興味がある」方々を対象に調査を実施。「腸活に興味がある」と回答した人のうち、実際に腸活を行っている人は29.3%のみという結果。(2023/07/28)
[17]厚生労働省、第1回健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34483.html
主な検討事項は、健康づくりのための睡眠指針2014の改訂(エビデンスに基づくライフステージに応じた目標の策定、睡眠分野におけるその他のエビデンスの整理、国民の睡眠を促す方策の検討)など。(2023/07/28)
[18]メディロム、“ハイブリッドランニング”ができるSIXPAD Powersuit Core BeltのレンタルをRe.Ra.Ku PROにてスタート!
https://medirom.co.jp/20230731
筋トレと有酸素運動が同時に叶うハイブリッドランニングを気軽にお試しいただきたい思いから、Core Beltのレンタルサービスを開始。腹筋・脇腹・背筋(下部)を同時に鍛えられる新たなランニングをRe.Ra.Ku PROでお試しください。(2023/07/31)
[19]インフォーマ マーケッツ ジャパン、「温活・サウナBeauty」ゾーンが誕生!~第14回 スパ&ウエルネス ジャパン2023が9月25日開幕!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000084538.html
今年の展示会フォーカステーマである“5活”「温・腸・眠・骨・筋」からのスピンオフ企画。健康・美容への常識である「温活」と、第3次ブームとなった「サウナ」ビジネスを美と健康の展示会の中で紹介します。(2023/07/31)
[20]日本調剤と吉野家、日本調剤オンラインストアで「やわらか親子丼の具」を販売開始
https://www.nicho.co.jp/corporate/newsrelease/20230801_nr1/
「やわらか親子丼の具」は、ご高齢の方に限らず、さまざまな理由で摂食嚥下機能が低下した方や塩分制限をされている方が、楽しく、おいしくお召し上がりいただける「吉野家のやさしいごはん(R)」の新商品。(2023/08/01)
[21]からだにいいこと、「株式会社セントラルメディエンス コミュニケーションズ」に社名変更及び移転(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000032609.html
株式会社セントラルメディエンス コミュニケーションズに社名を変更し、今後は、メディア・コンテンツ制作にとどまらず、制作・マーケティング・PRまで一貫して健康・医療に貢献してまいります。(2023/08/01)
[22]広葉樹合板、立ったまま寝る仮眠ボックス「giraffenap(ジラフナップ)」が登場!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000124646.html
たった20分でリフレッシュできる仮眠ボックスが新登場!短時間の休息で従業員の健康増進とパフォーマンス向上へ。(2023/08/01)
[23]ECHO、健康経営にアスリートのチカラを!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000124578.html
アスリートの持つナレッジを企業に向けた健康経営サービスとしてプログラム化した、サブスクリプション型トップアスリート派遣プログラム「CaSpo works」の提供を開始。(2023/08/01)
[24]STRETCHLAB JAPAN、アメリカ発 世界最多300店舗超のストレッチスタジオStretchLabが日本初出店!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000126589.html
stretchlabは、Xponential Fitnessが展開する10のフィットネスブランドのひとつで、2015年にアメリカで創業。現在、アメリカ、カナダ、オーストラリアに300店舗以上を展開しており、世界最大のアシステッドストレッチブランドとして認知されています。(2023/08/01)
[25]PhilipsとKokoon、睡眠センサー搭載のイヤホン型デバイス『Sleep Headphones』
https://mhealthwatch.jp/global/news20230728
『Sleep Headphones』は、睡眠センサーを搭載し睡眠分析ができるというイヤホン型ガジェット。操作は専用アプリから行う。睡眠分析・睡眠指導・ホワイトノイズオプション・サウンドライブラリなどが利用可能。(2023/07/28)
[26]スマートウォッチでパーキンソン病リスクを最大7年前に特定
https://mhealthwatch.jp/global/news20230728-3
英カーディフ大学の研究チームは、スマートウォッチの加速度計を用いたウェアラブル技術により、臨床診断の最大7年前にパーキンソン病の発症を予測できる可能性を明らかにした。(2023/07/28)
[27]『mHealth Watch』注目ニュース:ロボット説教師は信仰心と寄付を失うか?
https://mhealthwatch.jp/global/news20230807
米国などの国際研究チームは「ロボットやAIによる説法が信仰心や寄付にどのような影響を及ぼすのか」を調査した。(2023/08/07)
+++★デジタルヘルス解説動画(オーサー 渡辺武友)★+++
【デジタルヘルス・ビジネスの疑問解消!】
デジタルヘルスのビジネスに関わる人に役立つ情報をお届けします。
第7回 Omada Health
https://youtu.be/z1fHaEFTLqk
第8回 PHRは利用促進ツールなのか?
https://youtu.be/OIZ8essAmlI
第9回 DTxに求められること
https://youtu.be/OwRNjAKJ55Y