こんにちは。脇本和洋です。

本メルマガでは、海外のヘルスケアビジネスの最新動向をチェックしています。
今回から2回に渡って「米国の法人向けヘルスケアで売上100億円超の企業」に注目し、その直近動向をお伝えします。

特集:海外事例にみる継続支援アプローチ編

米国法人向けヘルスケアビジネスの主力プレイヤー直近動向


本メルマガの読者の方の中で、新規事業を手掛けている人は多いことでしょう。

その際、ヒントとなるのが海外の成功事例です。
何を成功とするかは都度変わるでしょうが、一つの切り口に売上高があります。

海外の場合、資金調達額というのもあるのですが、もっとダイレクトに売上高で成功かどうかを見るとわかりやすいです。

ビジネスモデルにはB-C(一般向け)とB-B(法人向け)がありますが、今回はB-B(法人向け)のヘルスケアサービスで売上100億円超えの企業の直近動向を紹介します。

参考>売上規模がわかる!米国法人向けヘルスケアビジネスマップ2024
米国法人向けヘルスケアビジネスで、売上100億円超の23社をマッピング。

1)ComPsych Corporation:介護する従業員への支援を強化


■企業名:ComPsych Corporation
https://www.compsych.com/

■売上:525億円(2023年度推定)

■企業概要
メンタルヘルスを中心に、家族の健康や経済的健康を支援するサービスを提供。
200カ国で78,000以上の組織と1億6,300万人以上の従業員にサービスを提供。


■最新プレスリリース

The Toll of Caregiving: New ComPsych Data Uncovers the Mental and Physical Implications for Caregivers(2024年9月)
https://www.compsych.com/press-room/press-article?nodeId=a9ad3565-b69d-44a6-b197-4d0ce28ef4ab

(要約)

タイトル:
介護が心と体に与える影響は大きいという数値を公開

内容:
介護の問題は広く浸透しているにもかかわらず、多くの人が職場で話し合うことに抵抗を感じるテーマである。
同社が500人以上の米国成人を対象に実施したオンライン調査では、介護の役割に苦労している従業員をサポートする準備が十分にあると感じているのは4分の1未満(23%)。
介護休暇を取得した人の20%が、後に自身の病状により休暇を取得したという。
介護による身体的・精神的なダメージが大きいことを記述。


■注目点

・同社はElder Outreachという介護の専門家が、地域に根付いたパーソナライズした情報を提供するサービスをもっています。
このサービスの訴求のためのプレスリリースといってよいでしょう。

・実は米国の高齢者人口は日本より多く、今後さらに増えると予想されています。
(スポルツの試算では、2030年の高齢者人口は米国7,000万人、日本3,500万人)米国では高齢者介護を行う従業員のサポートを本気で検討せざるを得ない状況です。

・サービスでは、単に専門家からの知識提供だけでなく、社内で介護経験者と出会い、継続的に実践的な知識を学び、仲間を増やせる工夫があることがポイントと考えられます。

2)Workplace Options:顔認識を使ったメンタルヘルスと生産性評価


■企業名:Workplace Options
https://www.workplaceoptions.com/

■売上:120億円(2023年度推定)

■企業概要
ウェルビーイングソリューションを総合的に提供するプロバイダー。
200を超える国と地域の113,000の組織で8,300万人を超える人々に、デジタルと対面の両方で高品質のケアを提供する。


■最新プレスリリース

Workplace Options Partnership with Wellbeing.ai Deepens Human Connection via Evidence-Based Neuroscience(2024年9月)
https://www.workplaceoptions.com/news/workplace-options-partnership-with-wellbeing-ai-deepens-human-connection-via-evidence-based-neuroscience/

(要約)

タイトル:
Workplace Optionsがウェルビーイング分析企業と提携

内容:
同社はWellbeing.aiの新たなコラボレーションにより、従業員の健康状態を評価するための新しいプラットフォームを手に入れた。
Wellbeing.aiは眼球運動パターンと顔分析を活用して、メンタルヘルスと生産性を追跡し、改善するための最先端のソリューションを提供している。


■注目点

・Wellbeing.aiは顔分析により、メンタルヘルスと生産性を測定し、従来のアンケートと組み合わせてより高度な分析をしています。
またWellbeing.aiは、分析アナリストが単なる評価だけでなく、分析と次のアクションまで支援します。

・日本だと、ストレスチェック、プレゼンティーイズムチェック、ワークエンゲージメントといった生産性に関わるアンケート評価もありますが、アンケートと実際の感情を組み合わせることで、正確で高度な分析ができることが特長と思われます。

最新の法人向けヘルスケアのトレンドを効率的に知るには?


今回は法人向けのヘルスケアサービスで売上100億円超えの企業2社の直近動向を紹介しました。

直近動向からトレンドの一端は捉えられるのですが、一歩進んで全体トレンドと、成功事例を知ると有効です。

そこで現在、法人向けのヘルスケアビジネスの新たなトレンドを
90分で紹介するセミナーを開催しています。こちらもぜひ参考にしてください。

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開催日(開催時間)
2024年10月25日(金) 17:00-18:30(90分)

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東京都千代田区鍛冶町1-8-3 神田91ビル 2F

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約7割の顧客は、
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そのサービス提供側マーケターの約7割は、
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ちょっと変だとは思いませんか?

今週の注目記事クリップ

[1]Apple「AirPods Pro 2」の補聴器機能、FDAが承認
https://mhealthwatch.jp/global/news20241002-2
補聴器機能は今秋、米国、ドイツ、日本など100を超える国と地域で、ソフトウェアアップデートによって提供される予定だ。FDAによると、「AirPods Pro 2」は米国で「初の市販補聴ソフトウェアデバイス」になるという。(2024/10/02)

[2]Abbott、血糖モニタリングシステム『Lingo』が米国で処方箋なしで購入へ
https://mhealthwatch.jp/global/news20241003
『Lingo』には、Abbottの「FreeStyle Libre」(持続血糖モニタリング)をベースにしたバイオセンサーとモバイルアプリが含まれる。(2024/10/03)

[3]メンタルヘルスのTalkspace、Amazon Health Servicesに追加される
https://mhealthwatch.jp/global/news20241007
テレセラピーを提供するTalkspace社は、Amazon Health Servicesと提携し、Amazonの顧客がTalkspaceのメンタルヘルスサービスの利用資格を確認し、登録できるようにすると発表した。(2024/10/07)

[4]AI活用のスマートリング『RingConn』、米国市場で急成長。睡眠改善で需要高まる
https://mhealthwatch.jp/global/news20241008-2
4万人の『RingConn』ユーザーのうち70%は35~55歳の米国人だ。装着すれば閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)のモニタリングと早期発見ができるため、この目的で購入するユーザーが多いという。(2024/10/08)

[5]『mHealth Watch』注目ニュース:医療機関はサイバー攻撃後に50万ドル以上支払っている
https://mhealthwatch.jp/global/news20241015
ニュースなどを見ていると、サイバー攻撃により高額の身代金を要求される話を聞くことがありますが、まさか医療機関の3/4以上がサイバー攻撃により50万ドル以上を支払っていたとは、かなり衝撃的事実です。(2024/10/15)

[6]メドピアとアルフレッサ、「よりよく生きる」を実現する 次世代のヘルステック起業家を募集
https://medpeer.co.jp/press/13424.html
10回目を迎えるヘルステックのグローバルカンファレンス「Healthtech Summit 2024」を2024年12月12日(木)・13日(金)に開催。この度、メインイベントであるピッチコンテストの参加者募集をスタートいたしました。(2024/10/02)

[7]Upmind、マインドフルネスアプリ「Upmind(アップマインド)」が累計100万ダウンロードを突破(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000083261.html
今後は、アプリだけでなく、様々な企業との共創でマインドフルネスの更なる普及を図っていきます。(2024/10/02)

[8]パナソニック ホールディングス、「脳の健康状態を見える化する機器」が2年連続で愛媛県松前町のフレイルチェック事業に採用
https://news.panasonic.com/jp/topics/205925
今回の調査結果の分析からは、フレイルリスクとBHQ Actionsの実践状況が関連しており、脳の健康づくりは、フレイル予防とあわせて実施していくと有効であることが示唆されました。(2024/10/03)

[9]花王と日本たばこ産業、心とからだが休まる休憩体験で人はやさしくなれるか?共同実験開始【PDF】
https://www.jti.co.jp/investors/library/press_releases/pdf/2024/20241003_J01.pdf
https://www.jti.co.jp/
花王「オフィスめぐりズム」とJTのD-LAB「呼吸する休憩所」は、従業員の対人ストレス軽減を目的に、心身にアプローチする良質な休憩「心とからだが休まる休憩体験」が個人の“やさしさ”にもたらす影響に着目した共同実験を実施いたします。(2024/10/03)

[10]TIS、阪南市と持続可能なまちづくりに向けた包括連携協定を締結~ウェルビーイングな共助社会を目指して市民参加型地域づくりを推進~
https://www.tis.co.jp/news/2024/tis_news/20241004_1.html
今後、包括的な連携のもと相互に協力し、スマートシティの推進や地域が抱える課題を可視化し、テクノロジーを活用するなど、誰一人取り残されることなくすべての人がメリットを享受することができるまちづくりや生活の質的向上を図ります。(2024/10/04)

[11]ガーミンジャパン、Garminデバイスを活用した革新的なデジタルヘルスソリューションを表彰する「Garmin Health Awards 2024」の受賞者を発表(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000135223.html
10周年を迎えるGarmin Healthが「Garmin Health Summit」をプラハで開催。2024年度「Garmin Health Awards」受賞者は、「VigiLife, Inc.(アメリカ)」「Metluma(オーストラリア)」。(2024/10/04)

[12]SOMPOホールディングスとRIZAPグループ、「SOMPO Park」「MYひまわり」登録者向けchocoZAP優待提供開始
https://www.rizapgroup.com/news/detail?topics_id=1208
SOMPOホールディングスとRIZAPグループは、2024年6月7日に締結した資本業務提携にもとづき「誰もがウェルビーイングを実感できる社会の実現」に向けて両社の顧客基盤を連携したウェルビーイングデータプラットフォームの構築に向けて取り組んでいます。(2024/10/07)

[13]経済産業省、[令和5年度補正PHR社会実装加速化事業]様々な領域でPHRを活用したユースケース10件を発表しました
https://www.meti.go.jp/press/2024/10/20241008005/20241008005.html
経済産業省及びEXPO-PHR運営事務局は、2025年に開催される大阪・関西万博に向けて、サービス事業者及びPHR事業者の全20事業者により創出された10件のユースケースの概要及び情報連携基盤「PHR CYCLE」について発表しました。(2024/10/08)

[14]Wellmira・Arteryex・Y4.com、経済産業省「令和5年度補正PHR社会実装加速化事業」における大阪・関西万博への出展に向けた実証ユースケース「今日何食べよ?byカロママ プラス」の概要を発表
https://www.wellmira.jp/news/press/1925/
本ユースケースは、AI健康アプリ「カロママ プラス」のアドバイス機能を用いてパーソナライズド・ニュートリションを実現するサービスです。(2024/10/08)

[15]ワコール、経済産業省「令和5年度補正PHR社会実装加速化事業」における大阪・関西万博への出展に向けた実証ユースケース「SCANBE 3Dボディスキャンから始まるヘルスケア体験」の概要を発表
https://www.wacoalholdings.jp/news/2024/5phr-scanbe-3d-phr.html
ワコールの3D計測サービス[SCANBE]にaskenが提供するAI食事管理アプリ『あすけん』で蓄積されたさまざまなPHRデータを掛け合わせることで、利用者のニーズに合ったソリューションを提供するサービスの実現を目指して実証ユースケースに取り組みます。(2024/10/08)