こんにちは。脇本和洋です。

[海外事例にみる企画ヒント編]は、健康ビジネスの高収益化をテーマに、サービス、マーケティング、事業運営のヒントを海外事例からお届けしています。

今号では、海外の法人向け健康サービス提供企業の中で、売上上位の企業をチェックします。

特集:海外事例にみる企画ヒント編

海外法人向け健康サービスで稼ぐ企業の共通点

4月の[海外事例にみる企画ヒント編]では「海外上場企業決算にみる、稼ぐ健康ビジネスの共通点」ということでB-C向けで稼ぐ企業の共通点をみました。

お読みになった方の中には、「ではB-B(法人向け健康サービス企業)では、稼ぐ企業は一体どこなのか?どんな共通点があるのか?」と思われた方もいると思います。

米国でも法人向け健康サービスは数多く提供されており、競争は激しいです。
今号では、その中でも勝ち残っている3社(Sharecare、Livongo Health、Virgin Pulse)の概要と直近動向、サービスの共通点を紹介します。

法人向け健康プログラム提供のトップ企業:Sharecare

■Sharecare
https://www.sharecare.com/static/employers

■実績:売上450億円(2018年)※2010年設立

■サービス概要(直近動向)
テレビ番組でも有名なオズ医師が手掛けたエイジングプログラムを法人向けに提供。
年齢にふさわしい健康を取り戻すことを狙う。
B-Cでの圧倒的な認知を強みに、B-Bでの展開も行う。

エイジングプログラムを切り口に法人に入り、糖尿病や心臓病予防のためのコーチングプログラムなど様々なプログラムを提供し収益をあげる。

さらに最近では、参加者の健康行動・効果の状況、参加率と継続率データを見える化し、評価・分析を強化している。

2019年にIPOを果たした法人向け健康サービス提供企業:Livongo Health

■Livongo Health
https://www2.livongo.com/

■実績:売上170億円(2019年)※2019年7月に上場

■サービス概要(直近動向)
糖尿病患者、高血圧患者向けのコーチングサービス。
糖尿病患者向けでは、血糖測定器が患者の自宅に送られ、計測後すぐにAIが簡易アドバイスを音声で提供適切な値を大きく超える場合、電話かテキストメッセージで専門家が対応する。
アマゾンのアレクサを利用し、音声でも記録が可能。

最近では、パーソナルコーチングを行ってきた「Retrofit」や、行動変容を促すサービスを提供する「myStrength」を買収し、行動継続に対するサービスを強化している。

人財課題の解決まで踏み込む法人向け健康サービス提供企業:Virgin Pulse

■Virgin Pulse
https://www.virginpulse.com/

■実績:売上117億円(2018年)※2014年設立

■サービス概要(直近動向)
長期的な行動変容を促すため、様々な健康プログラムを紹介。
一方で、社員同士でバーチャルウォーキングを楽しみ、チームワークが芽生えることを狙うソーシャルチャレンジプログラムを展開する。

また、2018年にはRedBrick Healthと合併しデジタルヘルスコーチングを提供したり、2020年には糖尿病予防コーチングプログラムを提供するBlue Mesa Health社を買収するなど、コーチングプログラムを強化している。

さらに、「従業員エンゲージメント」という言葉を使い、顧客企業が抱える人財課題まで踏み込み、解決に貢献するということを売りにしている。

稼ぐ法人向け健康サービス企業の共通点

今号では、法人向け健康プログラムの提供企業の中で、売上上位の3社を紹介しました。それらのサービスの共通点を2点あげてみましょう。

●ヘルスコーチングプログラムを提供

今回紹介した3社すべてがヘルスコーチングサービスを提供しています。
理由としては、一時的でなく長期的な行動変容を企業側が狙っており、それとヘルスコーチングの自主性を促すアプローチがフィットしていることがあります。

このヘルスコーチングという手法は、先月号でも紹介したB-Cで稼ぐ企業も多くが採用しています。

●人財課題に貢献する評価・分析がしっかりしている

今回紹介した事例はすべて、サービス提供中や提供後の評価・分析が充実しています。
特にVirgin Pulseは、健康経営の効果の訴求に力を入れています。
定量的なデータを統計分析し、顧客企業の人財戦略に効果的であることを示しているものと予想します。

今後、日本での法人向け健康プログラム提供においても、

  • 社員の長期的な行動変容が望まれる
  • 健康だけでなく、人財戦略への効果が期待される

といった状況を踏まえると、この2つの共通点をもてる企業が有利になるはずです。 【脇本和洋】

参考>本編「海外事例にみる企画ヒント編」をお読みの方へ

我々スポルツが今までに調べてきた500超の事例から実績をベースに16事例を選定。米国先進事例の「行動継続を促す工夫」を調査分析したレポートの紹介です。

詳細は以下となります。ぜひ参考にしてください。

●ヘルスビズウォッチ・レポート
継続ドライバ型海外先行デジタルヘルス事例16(2023年版)
ー サービスの継続利用を高めるアイデアを、
チームで精度高く短期間で生み出すための発想素材! ー

健康ビジネスの現場で使えるキーワード

「新しい時代のビジネスのつくり方」

正解を売るのではなく、問題を探して顧客やパートナーと一緒に解決するアプローチへ

今週の注目デジクリップ!

[1]Yahoo!JAPAN、厚生労働省の公開情報をもとに、オンライン診療に対応している医療機関の検索機能を拡充
https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2020/05/13a/
Yahoo!検索で“地名+オンライン診療”、Yahoo!MAPで“オンライン診療”などと検索すると、オンライン診療対応の医療機関が表示される。(2020/05/13)

[2]日本能率協会、新型コロナウイルス感染症に関連するビジネスパーソン意識調査結果
https://jma-news.com/archives/aw_newsrelease/3816?_ga=2.21257080.293153059.1589645119-1139393554.1589645119
ビジネスパーソンの仕事や働き方に対する意識がどのように変容しているかを緊急調査。調査結果のポイントは、「9割が新型コロナウイルス感染拡大は事業に『影響があった』」「在宅勤務初体験者の8割が収束後も『継続』を希望し、『新常態』を受容」など。(2020/05/13)

[3]Scrum Ventures、ポストコロナでの活躍が期待されるヘルスケア関連スタートアップ178社を網羅「ヘルスケアスタートアップレポート」販売開始
https://scrum.vc/ja/2020/05/13/press-release-20120-5-13/
米国を中心とした主要なヘルスケア関連のスタートアップをまとめたレポート。市場概要、プレイヤー相関図、注目スタートアップ14社、スタートアップ178社のリスト(企業名、ロゴ、サービス概要、拠点、資金調達額など)が含まれている。(2020/05/13)

[4]NECソリューションイノベータ、睡眠習慣改善を支援する「NEC パーソナル睡眠コーチ」を提供開始
https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/press/20200514/index.html
企業で働く従業員の睡眠習慣改善を支援するWebアプリサービス。不眠のための認知行動療法の専門家監修のもと開発しており、睡眠状況の記録や、睡眠状況に応じたフィードバックを提示し、正しい睡眠につながる情報を提供する。(2020/05/14)

[5]味の素、栄養プロファイリングシステム(Nutrient Profiling System)を導入
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2020_05_14.html
「Nutrient Profiling System」は、過剰摂取を避けるべき栄養成分および不足しがちで摂取が推奨される栄養成分・食品群の製品中含有量をもとに、製品の栄養価値を評価するシステム。日本を含む7カ国の味の素グループ9法人の製品約500品種に対して導入。(2020/05/14)

[6]電通、新型コロナウイルスによる生活者意識の変化を日米で定点調査
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2020/0514-010052.html
電通は、2020年4月後半に全国20-69歳の男女1,000名を対象に「COVID-19生活者意識ナビゲーター(第1回日米比較編)」を実施。日米には生活者の心理ステージ/感情/生活者意識/生活行動などに大きな差が見られることが分かった。(2020/05/14)

[7]実はさほど増えていない?コロナ禍での運動実践者(ウーマンズラボより)https://womanslabo.com/research-200515-4
コロナ禍で、家ナカでの運動・屋外での運動をする人が増えたといった報道が目立つが、第一生命研究所が5月12日に公開した調査レポート「“コロナ禍”としての運動不足 新型コロナウイルス意識調査より」によると、実際にはさほど増えていないことがわかった。(2020/05/15)

[8]『mHealth Watch』注目ニュース:Peloton、自宅フィットネス増加でQ3は売上も会員も大幅増
http://mhealthwatch.jp/column/news20200525-2
なぜPelotonがコロナ禍において売上を伸ばすことができたのか?それは、“すでに欲しい、やってみたいと思っていた人たちにとって、コロナが後押しとなったため”と言えます。(2020/05/25)