HealthBizWatch Authorの大川耕平です。

今回も前回に続き問題提起をさせていただきます。

特集:サービスデザインと健康の関係編

選択支援のサービスデザイン

行動変容を促す選択支援を
どうデザインするか?
が今回のテーマです。

健康サービスと選択支援の関係

人間の行動は90%以上が、
無意識に行われていると言われています。
つまり、考えて行動するのは
10%に満たないわけです。

習慣となっている思考行動は
無意識に行われていることが多いのです。

今までの無意識な行動がある癖を持っていて
その行動連続の結果が自分の健康をつくっています。

今までの思考行動習慣をいかに変えていくか?
どうやって具体的に変えていくか?
ここが選択支援の活躍ゾーンになります。

選択支援は
→顧客の行動変容を促します
→今以上の自分にとって有益な行動選択を支援します
→本人の健康リテラシーアップに寄与します

支援情報アーキテクチャが重要

本人が選択し行動に移す際に
そこでの学びが身になっていくアプローチが重要です。
つまり、自分ごと化するように持っていく必要が
情報アーキテクチャに求められるのです。

今後の健康行動における選択支援サービスは
多くの場合スマートフォン(PC含む)のアプリ
が主流になっていくと思います。

当然そこにはいずれAIが導入され、
本人にとってベストマッチな選択アドバイス
ができるようになってくると予測されます。

この時にデータ解析的に科学的にも
ベストマッチな選択アドバイスが可能になると思うのです。

それは、一瞬とても便利で
合理的のように思われますが
それでだけだとちょっと違うのではないか?と

やるべき行動の正解が
AIからどんどん出てきて
本人はそれをやるだけのような生活が
楽しい健康行動生活になるでしょうか?

リテラシーアップの観点でも
自己成長過程を自ら体感しながら
変容していくことが重要です。

学びながら変容していくための選択支援
という情報アーキテクチャが求められるのです。

この情報アーキテクチャの工夫がうまい
選択支援サービス事例を次に紹介していきます。

選択支援アプリの今昔

まず最初に紹介したいのがShopWellです。

1)ShopWell
https://www.innit.com/shopwell/

2008年に米国でスタートした食品の選択支援サービスです。
最初はサイトでのサービスでしたが、
現在はアプリに軸足を置いているようです。

スーパーでの食品選びの時に
自分の条件あった食品のスコアを提示してくれるサービスになります。
より自分に合った食品選択を
今までの選択経験と比較しながら学んでいけるものです。

より良いものを選択していく考え方を
Trade Up(トレードアップ)と彼らはかつて表現していました。
これは今以上の健康選択のための重要キーワードだと私は考えています。

2)「食べて、やせる!おうちdeダイエット」
管理栄養士 菊池真由子著 三笠書房
菊池さん運営サイト:
https://www.diet-class.com/

これは管理栄養士 菊池さんの近著の一つです。
ダイエット食生活をどうやってTrade Upしていけばいいかを
日常生活における選択であり得るAとBが設定されていて
どちらも選択可能なものでどちらがいいか?
その理由は何か?
という流れで選択支援が展開されています。
今までの選択傾向とより良い選択との違いを学びます。

選択支援つまり正しい選択の提示は
健康行動支援としても今後も必要ですし、
DXという観点でもどんどん進化していきます。

しかし、とても必要なのが
本人の成長であり、選択納得感であることを忘れてはいけません。

ぜひ、選択支援のプロセスが自社事業にあるかチェックしてみてください。
そこで発見できた課題に対して、ぜひディスカッションしましょう!!

直接お問い合わせや質問などがあればこちらへ。ディスカッションも大歓迎です!
https://healthbizwatch.com/contact

健康ビジネスキーワード

「正解答バイアスを外せ」

我々日本人の多くは教育課程での経験によって
正しい、解答をしなければならないという
バイアスを強く、強くかけられている。

ビジネスでこのままの思考行動をとることが多く
結果的に同じようなアイデアや結論になるという傾向になる。
俗にいう、me too現象が起こる。
心当たりのある方も多いと思う。

二元論(正解か否か)だけではビジネスで通用しない。

多様性の時代、答えは一つではない。
正解ではなく、新しい答えを自分たちで創る時代へ

今週の注目記事クリップ

[1]ティップネス、健康づくりのための少人数制スクール「ソナエルトレーニングクラブ」スタート【PDF】
https://www.tipness.co.jp/co/news/archive/v02uuthhzlzidldvgh5kowu7zjgxzi.pdf
https://www.tipness.co.jp/co/
「ソナエルトレーニングクラブ」(略してソナクラ)は、ボディメイクやダイエットではなく、「健康習慣を学び、筋力・体力を向上する」ことを目的とした、週1回、1クラス5名から8名の少人数制スクール。(2021/04/22)

[2]東急スポーツオアシスと大戸屋、食とトレーニングの総合ボディメイクプログラムを提供開始
https://www.sportsoasis.co.jp/co/news/info/det850.html
2社は共同事業の推進を目的に業務提携契約を締結。共同開発した定食メニューの販売、およびフィットネスクラブ「東急スポーツオアシス」会員向けボディメイクプログラムの提供を通して、ボディメイクへの関心が高いユーザーを強力にバックアップ。(2021/04/22)

[3]フェムテックブームに乗れ!大手の事例10選(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/category-news-market-210422-1
生理ブームから始まったフェムテックブーム。今年に入ってからは特に、大手企業の生理市場・フェムテック市場参入が目立っている。国内有名企業のフェムテック動向をピックアップ。(2021/04/22)

[4]帝人と日本サブウェイ、「腸活サンド チキン and チーズ」を新発売【PDF】
https://www.teijin.co.jp/news/2021/04/26/20210426_01.pdf
https://www.teijin.co.jp/
「腸活サンド チキン and チーズ」は、帝人が展開する水溶性食物繊維「イヌリア」を使用したサンドイッチ。『腸活はサンドで。』をキャッチフレーズに、「腸活サンド チキン and チーズ」の販売を通じて、手軽に『腸活』を実践できる新たな選択肢を提供。(2021/04/26)

[5]アクサ生命、「ニューノーマルと認知症に関する意識調査」を発表【PDF】
https://www2.axa.co.jp/info/news/2021/pdf/210427.pdf
https://www.axa.co.jp/
本調査では、新型コロナウイルス感染症の影響による行動やメンタルの変化と、自身や周りの人々の「認知症」に対する意識について聴き、現代の認知症リスクと課題を考察。(2021/04/27)

[6]東京都市大学、自然光の変化に合わせた室内照明の健康維持への貢献を検証
https://www.tcu.ac.jp/news/all/20210427-36168/
東京都市大学は、照明環境が生体リズムや睡眠の質に及ぼす影響について検証・考察を行い、室内照明(照度・色温度)を自然光の変化に合わせて調節することが健康維持につながることを明らかにした。(2021/04/27)

[7]森永乳業、軽度認知障害(MCI)の疑いがある方において、ビフィズス菌MCC1274摂取による認知機能改善作用と血中HbA1cが相関することを確認
https://www.morinagamilk.co.jp/release/newsentry-3654.html
認知機能改善作用が確認されている同社独自保有のビフィズス菌である Bifidobacterium breve MCC1274について、血中 HbA1c(ヘモグロビン エー ワン シー)と認知機能改善作用に相関関係があることを確認した。(2021/04/27)

[8]オムロン ヘルスケア、長引く外出自粛にともなう生活の変化や膝の違和感に関する調査
https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2021/0428.html
調査では、2人に1人が座る時間が長くなったと回答。今回、変形性膝関節症などによる膝の痛みの発症・悪化に繋がらないように、自宅でできるケアやストレッチ方法、ご自身の膝の現状を客観的に知るための「コロナ膝チェックリスト」を紹介。(2021/04/28)

[9]エムティーアイ、女性と医師をつなぐ「ルナルナ メディコ」契約医療施設1000軒突破!
https://www.mti.co.jp/?p=29235
「ルナルナ メディコ」は、『ルナルナ』で記録した月経周期や基礎体温などの情報を、患者の同意のもと産婦人科の診察時に医師が確認できるサービス。全国の産婦人科の医療施設の約2割で「ルナルナ メディコ」の利用が可能に!(2021/04/28)

[10]VRでうつ病治療を支援、ジョリーグッドと帝人ファーマが共同開発を開始(日経デジタルヘルスより)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/10242/?ST=ch_digitalhealth
VR(仮想現実)関連サービスを提供するジョリーグッドと帝人ファーマは、VRを用いてうつ病の治療効果の向上を目指すデジタル治療の共同開発契約を締結した。早ければ2~3年以内にプログラム医療機器として薬事承認と販売開始を目指す。(2021/04/28)

[11]新型コロナ需要で好調の在宅フィットネスTempoがソフトバンクなどから240億円調達
https://mhealthwatch.jp/global/news20210421
Tempoが2020年2月に発売した自立型キャビネットには42インチのタッチスクリーンがある。絶えずスキャンし、運動するユーザーを追跡してコーチする3Dモーショントラッキングカメラを備える。(2021/04/21)

[12]ホームフィットネスPeloton、Apple「GymKit」との統合に懸念を表明
https://mhealthwatch.jp/global/news20210428-2
Pelotonは同社の『Bike Bootcamp』プログラムのApple「GymKit」との互換性を取りやめ、ユーザーの眉をひそめさせた。(2021/04/28)

[13]『mHealth Watch』注目ニュース:AliveCor、特許侵害により「Apple Watch」販売禁止を主張
https://mhealthwatch.jp/global/news20210510-2
個人用心電図デバイスメーカーのAliveCorは、Apple Watchが同社の特許技術を侵害していると主張し、米国での販売禁止を求めた。このようなデバイスの特許侵害による提訴は、もう珍しいものではなくなっているでしょう。(2021/05/10)