[サービスデザインと健康の関係編]売り切り型でロスを抑えるモデルから学ぶ
HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
今回も異業種から学びます!
特集:サービスデザインと健康の関係編
今後、地域エリア単位で活動していくヘルスケアビジネスにとって、その存続方法の工夫のヒントとして売り切り型でロスを抑えるモデルの2例をみていきます。
ビジネスモデルの根本が変わっていく
一般的なアパレルを例にすると、生産した製品は
1/3が正価で販売
1/3がバーゲン
1/3が破棄
というロスは出て当たり前が常識でした。
これは食品全般としても当てはまり、昨今フードロスは社会問題としても取り上げられています。
旬のある商品にロスはつきものとも言えます。
このロスをコンセプトで解決した「佰食家」とICTで解決した「BLUE STAR BURGER」を紹介します。
1日100食限定 国産ステーキ丼 佰食屋(京都・西院)
まずは、「売り上げを減らそう。たどりついたのは業績至上主義からの解放(ライツ社)」の著者である中村朱美さん率いる佰食屋。
4店舗で展開していたのをコロナ禍で2店舗に縮小しても利益を出し続けているプロセスの話も学ぶべき点が多いので、ご興味ある方は検索してみてください。
さて、佰食屋の特徴を整理します。
1日100食の限定にすることによって可能になったことが
・フードロス 0
佰食屋の厨房には冷凍庫がありません。仕入れた日に使い切るからです。これは肉食材の鮮度に繋がっています。
・限定にすることでの集客効果
限定感覚が客を呼び、その評価がまた集客につながっています。
・最小コストで最大利益を実現
スタッフ5人で100人の接客がミスのない品質での効率運営を実現
・原価率50%
余計なコストなしで美味しい、高品質を実現
・従業員の残業なし、定年なし
9:00-17:45で終了
社員の働きやすさと会社の利益の両方を実現している、そのあり方はヒューマン・ドリブン経営とも言われています。
佰食屋の活動は健康サービスの現場が目指したい価値観のヒントになると思うのです。
それは高品質サービスの安定供給を限定することによって継続実現しているモデルと言えます。
テイクアウト専門プチグルメバーガー BLUE STAR BURGER(中目黒)
次に、コロナ禍にあって2020年11月10日にオープンした新業態として注目を集めているお店です。
焼き肉チェーン店「牛角」の創業者のご長男が指揮を取っていることも注目の理由の一つかもしれません。
さて、同店の特徴を整理します。
・完全キャッシュレス・完全非接触
注文はアプリとセルフレジのみ
・原価率68%(通常は30%程度)
味・鮮度への徹底的なこだわり。25時間低温熟成で冷凍しないビーフ100%の生パティ使用
・低価格・高品質の実現
シンプルなバーガー170円から
・売り切れたら終了
ここまできてお気づきと思います。佰食屋と似ているなと。
両者が拘っているのはともに核となる提供価値としての肉の品質です。
前者の佰食屋はコンセプトで、BLUE STAR BURGERは顧客へのサービスプロセスのカットと効率化をICTで実現しています。
ともにあるべき姿(being)がしっかりしているから大胆な提供価値づくり(doing)が可能になっているのだと思います。
健康サービスからみると、一回のサービス提供を最高品質にするために
コンセプトを明確にし
ICTも駆使し
カットすべきプロセスはカットし
従業員と顧客の利益を追求するアプローチであり、このプロセスデザインに学ぶべき点が多いと思うのです。
そして、健康サービスに応用可能だと思うのです。
今後も異業種から学び強化していく予定です。
ご期待ください!
直接お問い合わせや質問などがあればこちらへ。ディスカッションも大歓迎です!
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健康ビジネスキーワード
「4Pから4Cへ」
マーケティングミックスは4Pと言われていました。
製品(プロダクト)
価格(プライス)
流通(プレイス)
宣伝(プロモーション)でした。
そして、フィリップ・コトラーは言っています。
4Pは4Cへ進化せよ!と。
共創(コ・クリエイション)
通貨(カレンシー)
共同活性化(コミュナルアクティベーション)
会話(カンバセーション)
あなたのビジネスではどうなっていますか?
今週の注目記事クリップ
[1]キリンホールディングス、乳由来成分「βラクトペプチド」による「脳血流」改善効果を解明
https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2021/0623_01.html
東北大学加齢医学研究所教授でNeUのCTO川島隆太博士指導のもと、乳由来の成分「βラクトペプチドの1つであるGTWYペプチド」が、加齢に伴い低下する前頭前野の脳血流を改善することを世界で初めて臨床試験で確認。小型ウエアラブル測定器によって脳血流改善効果の“見える化”にも成功。(2021/06/23)
[2]エムスリー、リモートコミュニケーションプラットフォーム「my MR 君」をファイザー全MRに導入【PDF】
https://corporate.m3.com/assets.ctfassets.net/1pwj74siywcy/4gGY3IjKRxxfEvvasOPMaQ/87e0e8eca7d4c087f32c9b38fa82b7aa/20210624_PR_J.pdf
https://corporate.m3.com/
迅速かつより広範囲に適正使用情報を提供するための基盤として、またMR訪問や各種イベント等のオフライン活動とオンライン活動を一気通貫するプラットフォームとして「my MR 君」がファイザー全社に導入されることになった。(2021/06/24)
[3]おいしい健康、iOS・Androidアプリ、Webサイト「おいしい健康」産後(授乳期)の方に向けた食事支援機能を提供開始
https://corp.oishi-kenko.com/news/20210624_01.html
今回のリリースでは、産後の授乳期の方に向けて、適したレシピ検索と献立作成機能のサービスを追加。今後は「離乳食」への対応拡大も予定している。(2021/06/24)
[4]京都府立医科大学、座っている時間が長いほど死亡率が増加するーその効果は、余暇時間の運動活動量を増やしても、完全に抑制されないー
https://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/2021/20210625.html
研究グループは、J-MICC STUDY(日本多施設共同コーホート研究)の一環として座っている時間と死亡率の関係について研究。6万人を超える日本人を7.7年間追跡したデータを用いて、座っている時間が長いほど死亡率が増加することを確認した。(2021/06/25)
[5]筑波大学、人工知能は精神科医よりも高精度でメンタルヘルスの状態を判定できる
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20210625140000.html
本研究では、労働者の精神的苦痛の判定において、人工知能(AI)を用いたモデルと精神科医との判定精度を比較。AIモデルは、精神科医とほぼ同等か、より高い精度で判定できることを明らかにした。(2021/06/25)
[6]くらしにくふう、コロナ禍2度目の夏休み、現時点で「予定なし」が約6割、長引く外出自粛生活の中で約7割がストレスを実感
https://kurashi-kufu.com/article_20210625.html
くらしに関する様々なジャンルのマニアである「ヨムーノメイト」60名を対象に「2021年 夏の過ごし方」に関するアンケートを実施。ストレスの解消方法の上位は「飲食」と「運動」。(2021/06/25)
[7]笹川スポーツ財団、「スポーツライフに関する調査(スポーツライフ・データ)2020」【PDF】
https://www.ssf.or.jp/files/SSF_Release_20210625.pdf
https://www.ssf.or.jp/
週1回以上の運動・スポーツ実施率が調査開始以来最高の59.5%を記録。また、コロナ禍の影響か、18-29歳が行う運動・スポーツの種目に変化。「筋力トレーニング」「散歩」「ウォーキング」において2018年調査より大幅増。(2021/06/25)
[8]クラブビジネスジャパン、アウトドアでのファンクショナルトレーニング「FITNESS CAMP」を開発
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/647
FITNESS CAMP(フィットネスキャンプ)は、スポーツ医科学に基づいて、姿勢や動きを整えるファンクショナルトレーニングの理論をベースに、グループで楽しく行える45分間のフィットネスプログラム。2021年7月より認定コーチ養成講座をスタート。(2021/06/28)
[9]神戸大学、特定健診では異常なしとされるフレイルの進行を下腿周囲径や握力で診断ー痩せ・運動不足でリスク増ー
https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2021_06_28_01.html
65歳の神戸市民約1,800人を対象にした解析でサルコペニア疑いが約3%に認められた。また、このサルコペニア疑いとされた人達は、特定健診ではサルコペニア疑いでない人に比べむしろ好ましい検査結果が認められたが、有意にフレイルに傾いていた。(2021/06/28)
[10]ユーグレナ、微細藻類ユーグレナ含有飲料の摂取により、幼児が自分で起き、起床時の機嫌がよく、朝食を残さず食べる傾向に
https://www.euglena.jp/news/20210628-2/
東洋大学ライフデザイン学部の宮本雄司助教の協力のもと、ユーグレナに勤務する保護者とその幼児を対象に、微細藻類ユーグレナを含む飲料の摂取と生活習慣に関するアンケート調査を実施。(2021/06/28)
[11]経済産業省、フェムテックを活用して働く女性の健康をサポートし就業継続を支える実証事業者を採択しました!
https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210628007/20210628007.html?from=mj
PwCコンサルティングが、フェムテック等を活用し、働く女性の健康課題等を解消するためのサポートサービスを提供する実証事業を行う事業者を募集。81事業の応募があり外部有識者による審査を行った結果、20事業を採択した。(2021/06/28)
[12]ネオマーケティングとキリンビバレッジ、全国の健康経営に携わる担当者、一般社員 計600人に聞いた「企業の健康支援に関する調査」(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000210.000003149.html
従業員の47.7%が、企業が「健康支援をしてくれている」と回答。企業を評価してもらうと、健康支援をしていると感じる企業の評価は10点満点中6.9点に対し健康支援をしてない企業は5.3点に。健康支援は従業員のエンゲージメントを高めているのかもしれない。(2021/06/28)
[13]“一捻り”が目を引く!ヘルスケア企業のおもしろ広告事例(vol.3)(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/marketing-case-210628-1
キラリと光るヘルスケア企業の広告事例を全4回の連載でお届けするコーナー。今回は「女性を解放する新概念で、共感を呼ぶ広告」。(2021/06/28)
[14]インテージ、「インテージ 知る Gallery」コロナ禍のビジネスパーソンのストレス
https://www.intage.co.jp/gallery/stress2021-2/
現在、ストレスを「感じる」(よく感じる+たまに感じる)と回答した人はビジネスパーソンの約6割。中でも「よく感じる」と高頻度でストレスを感じる人の割合は2割を超え、2019年の1.5倍。また、年代が高くなるほどストレスを「感じる」人の割合が増加。(2021/06/29)
[15]Tombo Systems、テレワークの味方、持ち運びに便利で外出先でも簡単に組み立てられるTomboの新デザイン「The Tombo Stand」販売開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000082275.html
The TOMBOを使用すると「座ったままウォーキング」が可能。足を無意識に動かすことで体全体の血流が改善され、脳にも酸素が届いて集中力がアップ。健康を保ちながら生産効率向上も期待できる。米国のメイヨークリニックと共同開発。(2021/06/29)
[16]LINEヘルスケア、オンライン診療サービス「LINEドクター」、疾患別特集ページ第二弾「こどもの体調不良」について公開
https://linehealthcarecorp.com/ja/pr/news/2021/8
こどもの体調不良にオンライン診療は不安?利用者からは「病院嫌いのこどもでも、テレビ電話ならスムーズ」という意見も。特集ページ内では具体的な利用方法や留意点も紹介。(2021/06/29)
[17]綜合ユニコム、月刊レジャー産業資料 2021年7月号【特集】ビューティ&リラクセーションー拡張する[自分ブラッシュアップ]という欲求
https://www.sogo-unicom.co.jp/leisure/mag/202107.html
世代別の美容に対する考え方、コロナ禍での市場動向、テナント出店動向からビューティ・リラクセーション業界の現状と潮流を探りつつ、「三密回避」ニーズにマッチし成長著しい「セルフエステ」をはじめとした注目ニューサービスについてもレポートする。(2021/06/29)
[18]Apple、野心的なヘルスケアサービスの実現に黄信号か
https://mhealthwatch.jp/global/news20210625
Appleはこの数年、ヘルスケアの分野で大きな夢を抱いてきた。だが、The Wall Street Journal(WSJ)の記事によると、これらの野心的な取り組みは足踏み状態にあるようだ。(2021/06/25)
[19]『mHealth Watch』注目ニュース:Liva Healthcare、ヒューマンコーチングプログラムをドイツ市場へ拡大
https://mhealthwatch.jp/global/news20210705
ドイツがデジタルヘルスのニュースに登場することはほぼなかったわけですが、現在ドイツはデジタルセラピューティクス導入に力を入れています。今回紹介のLiva Healthcareによる取組みは「ヒューマンコーチングプログラム」、つまり人によるサポートです。(2021/07/05)