こんにちは、渡辺武友です。
「法人企業向け健康ビジネス」を拡大していくためには、せっかく導入できた企業を単年で終わらせないようにする必要があります。
今回は健康経営をテーマに、永続的な関係作りの秘訣をお伝えしていきます!

特集:健康ビジネス・マーケティング&収益化編

コストを投資に変える「健康経営導入のステップ」

日本で「健康経営」が誕生してすでに10年以上が経過しました。
今まで大手だけでなく中小企業まで、多くの企業が健康経営の導入を進めてきました。
今回の新型コロナによって社会情勢が変化する中、健康経営により本気で取り組もうとする企業もいれば、撤退、もしくは一時ストップしてしまう企業もいます。

法人向け健康ビジネスでは、健康経営の取り組みを支援する事業者も多くいるわけですが、せっかく商品サービスを提供した顧客企業には、健康経営を止めて欲しくはないですよね!?

今回は、顧客企業が健康経営を永続的に行いたい、そのためにはあなたの企業にサポートし続けて欲しいと思ってもらうために取り組むべきことを紹介します。

健康経営に対する意識

数年前に健康経営の導入が進んだ背景として、国内全般的に景気が上向きで、益々人材が必要になる中、少子高齢化のため、若い働き手を獲得し難くなっていること。またせっかく育った人材が離職してしまうのを防止したいとの思いがありました。
そのために、給料の面だけでなく、働く環境にも配慮する傾向が見られるようになりました。

その一環として
「従業員の健康へも配慮する。そのためには健康経営に取り組もう」
との考え方をする企業が増えたためではないでしょうか。

もちろん、この話しは健康経営に取り組むための一側面でしかありませんが、
「ブラック企業には見られたくない」
との思いからはじめた企業も一定数いると感じています。

このような考えでスタートした場合、従業員を確保するためのコストと捉えてしまうことがあります。
今回のように新型コロナのような外的要因により本業に影響が出てしまうと、コスト削減をしよう。その1つとして、今は新たな人材を確保できないので、健康経営を縮小しよう。と考えてしまうことがあります。

何度も繰り返しますが、これは一側面であり、一つの例です。
問題は健康経営がコストと捉えている間は、いつ終わってもおかしくないのです。

健康経営とは投資である

企業が好景気であろうが、打撃を受けていようが、健康経営に率先して取り組む企業はいます。
このような企業は、健康経営をコストではなく投資と位置づけています。
本来、健康経営は経営戦略の一環なのです。

経営戦略として取り組むべきこと、投資すべきことと考えていれば、健康経営を止めることはありません。
必要な健康施策であれば止めることはありませんし、強化していくでしょう。
そのような企業が顧客としていれば、その企業にとって価値あるものを提供している間は、リピートしてもらえます。

そのようなリピートする企業を増やすことができれば、ビジネスは安定していきますが、健康経営を経営戦略の一環、投資であると捉えている企業は、まだまだ少ないのが実態です。

「健康経営をはじめました」
と言っている企業の多くが、はじめての取り組みでもあるため、何をどのように考えていいのか、わからないで困っています。
そのため、まずは他社がやっている取り組みをそのまま真似してみよう。と考えてしまいます。
そのような進め方では、会社にゆとりのあるときにしか実行できなくなりやすいのです。

ですので、健康経営を支援するあなたが、顧客企業にとって価値ある取り組み、投資に値するものであることを伝えていくことが求められるのです。

健康経営導入のステップ

ではどうやって、
「健康経営を経営戦略の一環、投資であると捉えてもらうのか?」

このやり方が知りたくなると思いますので、そのヒントとなる進め方をご紹介します。

ヘルスビズウォッチやmHealth Watchでも何度も紹介しているので、ご存知の方も多いと思いますが、健康経営の研究機関として「一般社団法人 社会的健康戦略研究所」という団体があり、私も理事として日々活動しております。

社会的健康戦略研究所にはいくつかの部会があり、企業の健康経営に関するものを検討しているのが職域部会になります。
職域部会には、

  • 企業の経営者をサポートする“経営コンサルユニット”
  • 企業で健康経営を運営する“担当者ユニット”
  • 企業の健康経営実施を支援する“事業者ユニット”

の3つがあります。
“事業者ユニット”の研究員になると最初に学び、自社をベースに検討してもらうのが「健康経営導入のステップ」です。

「健康経営導入のステップ」には8つのステップがあります。
それぞれ見ていきましょう。

「健康経営導入のステップ」

1)経営課題の列挙
2)健康が解決の障害になっている経営課題の抽出
3)KPIの設定
4)障害の状態を計測・分析
5)対策手段の選定
6)対策の実施
7)障害の状態を計測・分析
8)KPIを測定

1つ目で健康のことは触れられていません。
まずは経営課題を列挙して、そこから健康が関連するものを抽出していきます。

本来、事業者が携わるのは5つ目から7つ目ですが、担当者は4つ目、8つ目も取り組むことになります。
とは言え、多くの担当者がはじめて取り組むことになりますので、簡単に実施することはできません。
不安を抱えて活動する担当者を支えるのも、事業者の役割と認識し、取り組むことで、担当者との信頼関係を深めることができます。

「健康経営導入のステップ」に関して、もっと詳しい解説を音声でお届けしています。
私がナビゲーターを務めるインターネットラジオで配信していますので、そちらを確認してみてください。

YouTubeはこちら

第5回『健康経営の検討手順』
https://youtu.be/F3X5eKWUjIg

第10回『健康経営 導入ステップ』
https://youtu.be/0E_k9nROxis

ポッドキャスト(「Apple Podcast」「Google ポッドキャスト」「spotify for Podcasters」)でも配信しています。
ポッドキャスト内で「社会的健康戦略研究所」と検索していただき、第5回目、10回目を聞いてみてください。

健康経営の支援を拡大していくためにも、「健康経営導入のステップ」を組み込むようチャレンジしてください。

法人向け健康ビジネスの利益とは?

健康経営で提供するも、福利厚生で提供するも、自社のビジネスとして

「何で利益を上げるのか?」

ここを明確にしておかないと、コストばかり嵩み、ほとんど利益が残らないことに陥りやすいのが法人向け健康ビジネスです。
市場の実態を知り、高収益を上げる企業がどのような仕掛けをしているのかを掴み、ご自身のビジネスを早く軌道に乗せるようにしてください。

過去何度か開催してきました[セミナー&ディスカッション]、本年度最終回となります。
下期の準備としてお役立てください。

<<法人企業向け健康ビジネスの市場特性(年内最終!)>>
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詳しくはこちらを御覧ください。
https://healthbizwatch.com/seminar/hbw-034

健康ビジネスキーワード

「健康ビジネスのマーケティング課題」

今までの健康ビジネスは
シーズや機能先行型で商品サービスが開発されてきた。
その次に顧客を探すアプローチ。
つまり、売ることを最後に考えることが多いです。
顧客目線も持ったマーケティングが極めて弱い原因です。

では何から変えていくか?
顧客との関係性が最初になります。
役立ちたい相手は誰か?からです。
顧客の求める健康への行動変容に
あなたの商品サービスがどう貢献できるか?
これを最初に明確にしましょう。

※次回は顧客との関係性づくりのヒント

今週の注目記事クリップ

[1]アストラゼネカ、喘息患者さんを対象にLINE公式アカウントを用いた情報提供サービスを開始
https://www.astrazeneca.co.jp/content/az-jp/media/press-releases1/2021/2021063001.html
喘息患者さんを対象とした「ぜん息外来.jp」のLINE公式アカウントを開設。疾患についての情報や喘息発作予防のためのアドバイスなど、日々の生活に役立つ情報を提供する。(2021/06/30)

[2]大正製薬、世界初 細胞の若返りの鍵「MITOL(マイトル)」の肌での役割を解明
https://www.taisho.co.jp/company/news/2021/20210630000793.html
学習院大学 柳茂教授とのミトコンドリア機能維持に着目したエイジングケア研究。今後も継続的にMITOL研究を続け、その成果をミトコンドリア機能維持に着目したエイジングケア商品の開発に応用していく。(2021/06/30)

[3]森永乳業、「ビフィズス菌トレCROSS TALK 20-21年結果報告」を公開
https://www.morinagamilk.co.jp/release/newsentry-3705.html
1年間「ビフィズス菌トレ」を続けた長友佑都選手が、腸内フローラが変化し、おなかの調子だけでなくコンディションにも表れた影響を、熱のこもった言葉で語る。(2021/06/30)

[4]国立長寿医療研究センター、健康長寿ナビ「あなたの腸は大丈夫?ーいきいき腸内細菌!ー」
https://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/20.html
これまでの研究から、腸内細菌は「認知症」と関係することもわかった。腸内細菌と認知症については、一見接点がなさそうな組み合わせだが、興味深い関係であり、専門家の学会でも大変注目されている。(2021/06/30)

[5]ネクストミーツ、代替卵(植物性鶏卵)「NEXT EGG 1.0」の商品化が決定(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000062184.html
「地球を終わらせない」という理念のもと、代替肉の研究開発からブランド展開までを行う同社が代替卵の商品化に成功。この動物性原料を一切使わないプラントベース卵「NEXT EGG 1.0」を、BtoBで日本先行販売、BtoCにも展開予定。(2021/06/30)

[6]キリンビバレッジ、記憶力対策の新習慣「キリン 脳ケアチャレンジ!」始動【PDF】
https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2021/0701_02.pdf
https://www.kirin.co.jp/
本プロジェクトは、加齢に伴って低下する“記憶力の維持”に役立つ機能性表示食品「キリン βラクトリン」と脳トレアプリ「KIRIN 毎日続ける脳力トレーニング」を組合わせた、楽しく継続できる記憶力対策の新習慣。(2021/07/01)

[7]NTTデータ関西、健康づくりに取り組む自治体を支援する健康サポートアプリ「アスリブ(TM)」の提供を開始
https://www.nttdata-kansai.co.jp/news/details_00145.aspx
住民は「アスリブ」を利用して、日々の健康情報や生活行動情報を記録することで様々な特典を獲得でき、健康コラムやイベント案内を通じて生活習慣病の予防に向けた行動変容に繋げられる。(2021/07/01)

[8]パブリックヘルスリサーチセンター、情報誌「ストレス&ヘルスケア」2021年 夏号を発行
https://www.phrf.jp/ssl/publication/
特集は、今すぐ取り入れたい「肩こり・腰痛」対策。肩こり、腰痛、運動不足を解消するための体操を中心に紹介する。(2021/07/01)

[9]ロート製薬、ロート製薬直営レストラン「旬穀旬菜」にて“ベジチャレンジ”を開催
https://www.rohto.co.jp/news/release/2021/0701_01/
ロート製薬とカゴメによる「野菜をとろうキャンペーン」共同企画。「野菜相当量」を明記した共同開発メニューをランチタイムに提供。また、野菜摂取量推定機「ベジチェック(R)」で野菜摂取を応援。(2021/07/01)

[10]コニカミノルタQOLソリューションズ、介護業界の働き方改革をDXで支援する「HitomeQ ケアサポート」でサブスクリプションプランを開始
https://www.konicaminolta.com/jp-ja/newsroom/2021/0701-02-01.html
「HitomeQ(ひとめく) ケアサポート」は、介護施設のDXによる業務効率化とケア品質向上を支援するサービス。サブスクリプションプラン開始により初期費用が抑えられて導入し易くなる。(2021/07/01)

[11]東急スポーツオアシス、コロナ禍で50-70代の利用者が208%に。人生100年時代に向け健康生活の習慣化を図る機能を拡充!“ジムを持ち歩く”トレーニングアプリ「WEBGYM」リニューアル
https://www.sportsoasis.co.jp/co/news/info/det877.html
リニューアルでは、アバター機能やログイン時にメダルを付与するログインチャレンジなど、ゲーム要素を付加。また、仲間とのチャットを楽しめるコミュニティ機能や、オンラインでジムのトレーニングに参加できるLIVE機能など、コミュニケ―ションに関わる機能を充実。(2021/07/01)

[12]隠れ健康課題、家族の介護をする人の不安は「自分の健康」(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/marketing-research-210701-1
近年は「仕事と介護の両立」に関心が集まっているが、いつまで続くかわからない介護と自分の健康の両立も、大きな隠れ課題。今回は、介護者側にまつわるデータをピックアップ。(2021/07/01)

[13]ポーラ化成工業、ウェルネステックプロジェクト“me-fullness”をスタート【PDF】
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20210702.pdf
http://www.pola-rm.co.jp/
誰もが十分に「自分の能力」を発揮できる世界の実現を目指すプロジェクト。me-fullnessとは、心(mind)と体(body)、つまり自分自身(me)が満たされている状態を表す造語。小沼敏郎氏がme-fullness特別顧問に就任。(2021/07/02)

[14]慶應義塾大学先端生命科学研究所、唾液中のがんマーカーをわずか1分で測定する技術を開発
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2021/7/5/28-81098/
キャピラリー電気泳動-質量分析計(CE-MS)を用いた多検体同時測定技術を開発し、唾液中のがんマーカーであるポリアミン類を1分で測定することを実現。唾液検査で大腸がん患者を高精度かつ大規模に診断することが可能に。(2021/07/05)

[15]カラダメディカ、「ルナルナ オンライン診療」を活用した婦人科受診と低用量ピル服薬支援プログラムを法人向けに提供スタート!
https://caradamedica.co.jp/archives/419
第一弾として「月経・PMS課題改善パッケージ」の販売を開始。本パッケージは「オンライン診療を活用した婦人科受診と低用量ピル服薬の支援プログラム」と、FEMCATIONセミナー「産婦人科医による女性のカラダの知識講座」がセット。(2021/07/05)

[16]TPCマーケティングリサーチ、シニア層が抱える食事の問題点と今後のニーズについて調査結果を発表
https://www.tpc-cop.co.jp/topics/1853/
食事・調理・買い物に関する悩み・困りごと、コロナ前と比較した食意識・行動の変化、普段の食生活、加工食品の利用状況などを調査。(2021/07/05)

[17]鹿島建設と沖電気工業、スマートビルがワーカーの健康行動をサポート
https://www.kajima.co.jp/news/press/202107/6a1-j.htm
本サービスは、適切なタイミングでメッセージを通知することで、ワーカーがエレベータの利用を減らし階段利用を増やす健康行動を、自発的に選択するよう促すもの。実験の結果、アプリ使用後に階段利用者が約40%増加するなど、本アプリの効果が確認された。(2021/07/06)

[18]グローバルインフォメーション、ヨガおよびエクササイズマットの市場規模、2026年に152億米ドル到達予測(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000071640.html
ヨガおよびエクササイズマットの市場規模は、2021年の117億米ドルからCAGR5.3%で成長し、2026年には152億米ドルに達すると予測されている。この成長はヨガの人気が高まっていることと、世界的に生活習慣病の有病率が増加していることが要因と考えられる。(2021/07/06)

[19]3億2,000万人以上の医療データ分析プラットフォームで人々の健康を支援するKomodo Health
https://mhealthwatch.jp/global/news20210630
Komodo Healthは、2021年3月にTiger Global Managementから2億2,000万ドル、それ以前にも、Casdin Capital、ICONIQ、Andreessen Horowitz、Oak HC/FTなどから総計3億1,400万ドルを調達しているユニコーン企業。(2021/06/30)

[20]MIT、カメラなしで人の動きを検知するカーペットを開発
https://mhealthwatch.jp/global/news20210701-2
マサチューセッツ工科大学のコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)の研究チームは、プライバシーの侵害につながるカメラではなく、カーペットを使って人々を見守る方法を考案した。(2021/07/01)

[21]『mHealth Watch』注目ニュース:週1回以上の運動・スポーツ実施率は、調査開始以来最高
https://mhealthwatch.jp/japan/news20210712-2
今回の調査データの中で特に注目したいのは、週1回以上の運動・スポーツの実施率が過去最高のは59.5%に上昇している点と10代後半から20歳代の筋力トレーニングの実施率が大幅に増加している点です。(2021/07/12)