HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
コロナ禍で加速したホームフィットネス領域の可能性を今回から3回に分けてアプローチしていきます。

特集:サービスデザインと健康の関係編

ホームフィットネス時代の到来(前)

今回は考え方編(前編)になります。
※中編後編を準備しています。

コロナ禍の存在が、いい悪いは別にして、それが圧としてシフトチェンジを加速した
領域は数多く存在します。
その一つが健康と密接なフィットネス領域です。

フィットネス業界のコロナ以前の常識とコロナ禍・そしてアフターコロナでは、全く新しいスタンダードと様々なニッチが混在する新たな時代に突入していくとHBWでは考えています。

あらゆる方向からの事業プレイヤーにフィットネス領域には大チャンスが訪れています。
しかし、そこにアプローチするにはしっかりとしたフォーカス設定が必要です。

フィットネス参加率という古い時代の考え方を捨てよ!

かつて、日本のフィットネス参加率は人口の3%でしかなく、欧米と比べればフィットネス後進国である!という論調が横行していました。

しかし、フィットネス施設に定期的に通っている人たちが3%と定義すると97%のフィットネス施設に行かない人たちのビックボリュームマーケットが存在することになります。

ホームフィットネスには無限の可能性があるという見方を97%の数字を使って論じるプレイヤーもいっぱいいます。

僕は、このアプローチを否定はしません。
しかし、ちょっと、もう いっちょ 視点を変えてみませんか?

食事を例に取ります。
普通の生活者は、食事を摂取します。
食事をする人の人口や食事参加率という言い方は現在の日本に意味があるでしょうか?
(もちろんデリケートな事情も存在することは理解しています)

フィットネス機会も日本国民全てに与えられた権利であり自由選択なのではないでしょうか?
そこで、全ての国民はフィットネスに参加しているという前提に立つべきだと僕は考えます。

問題は人それぞれのフィットネスに関する課題に対して適正なアプローチができているか否か?

一日3食の食事の内容によって、またはその継続によって健康コンディションがまちまちなようにフィットネスへのアプローチの仕方や質によってアウトカム=コンディションが異なります。

100%をいっぺんに対象にせよと言っているのではありません。
当然、そこには指向性・環境などによるセグメントが必要であり、アプローチも、提供価値もデザインが必要です。

HBWでは健康消費生活者という捉え方をしています。
我々生活者は頻度、比率や取り組みのマインドの差はあれど、何らかの健康消費をしているという考え方です。
フィットネスは健康消費の重要なアイテムです。

「場」の価値の再定義が必要!

場の価値変化を後押ししたのが今起こっているコロナ禍と言い換えてもいいかもしれません。

デジタルによって「場づくり」の可能性が拡大しました。
施設だけが場ではないことを多くの生活者が経験しています。

何と出会える場なのか?が重要なのです。
施設?
ロッカー?
フィットネス設備?
フィットネス機会?
仲間の励まし?
適切な指導?

ライフログデバイスのメーカーから見ると、ユーザーがそれを装着している間に移動する全ての空間がフィットネスフィールドという捉え方ができます。
ヨガマットを敷ける場所があればそこはヨガスタジオになります。

ここでは固有の施設に固執しない場づくりをホームフィットネスという捉え方をしていくことにします。

まさに、コネクテッド環境が進化し5Gが当たり前になっていく近未来では、ホームフィットネスが当たり前になり、この呼び方も変わっていくかもしれません。

今回、ホームフィットネス時代の到来を意識共有していただけたでしょうか?

次回より中編後編2回にわたって約30強のホームフィットネス領域主要プレイヤーを紹介分析していきながら、その可能性に迫っていきたいと考えています。

直接お問い合わせや質問などがあればこちらへ。ディスカッションも大歓迎です!
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「4Pがどう変わるか?」

D2C(ダイレクト・トゥー・コンシューマー)的マーケティングミックス
従来型のマーケティングミックス4PがD2Cでどう変わるか?

プロダクト(商品)はエクスペリエンス(体験)へ
プライス(価格)はエクスチェンジ(交換)へ
プロモーション(宣伝)はエバンジェリズム(伝道)へ
プレイス(流通)はエブリープレイス(あらゆる場所)へ

いかがですか?イメージできますか?

今週の注目記事クリップ

[1]花王、スマートフォンなどで動画を撮影するだけで歩行動作を詳細に解析できる技術を開発
https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2021/20210720-002/
パーソナルヘルスケア研究所とサニタリー研究所は、2次元の動画を撮影するだけで3次元の歩行動作として詳細に解析できる「mGCC技術」を開発。まずは幼児の歩行動作解析へ応用、今後は高齢者の歩行支援なども視野に。(2021/07/20)

[2]ウェザーニューズ、1kmメッシュの高解像度「熱中症情報API」を提供開始
https://jp.weathernews.com/news/36824/
業界最高解像度の熱中症データでヘルスケアDXを推進。企業のシステムと連携することで、屋外作業員の健康管理から食品・飲料メーカーのマーケティングまで幅広く支援する。(2021/07/20)

[3]ハルメク、コロナ禍における生活と意識に関する実態調査
https://halmek.co.jp/corp/release/article/415
シニア女性の約7割がコロナ疲れ、収束の見えない状況で健康不調を感じる人も。一方、全体の約85%が幸せと感じ、コロナ禍での生活を「よかったこと探し」「新しい世界を知る」と表現。(2021/07/20)

[4]サントリーワインインターナショナル、「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。糖質30%オフ」新発売
https://www.suntory.co.jp/news/article/13950.html
国内ワイン市場売上容量No.1のブランドから、糖質オフワインが新登場。糖質を抑えながらも満足感のある味わいに仕上げており、さらなるファン拡大を図る。(2021/07/20)

[5]SOMPO未来研究所、SOMPO未来研トピックス 2021Vol.05「企業とスポーツとの新しい関係 -CSVの触媒としてのスポーツ-」
http://www.sompo-ri.co.jp/issue/topics/t202105.html
プロサッカークラブ鹿島アントラーズの取組みを事例とし、企業とスポーツとの新しい関係を考える。(2021/07/20)

[6]グローバルニュートリショングループ、海外から見た日本の機能性表示食品制度
https://global-nutrition.co.jp/blog/2021-07-20/
ウェルネスフード・ワールド第94回。今月は、日本の機能性表示食品が海外メディアでどのように伝えられているかを、一部GNGによる補足や考察を交えて紹介。(2021/07/20)

[7]アールビーズスポーツ財団、137自治体・約8万4千人が参加した日本最大級のオンラインスポーツイベント「オクトーバー・ラン&ウォーク2021」開催(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000049370.html
オクトーバー・ラン&ウォーク2021とは、10月の1カ月間、参加者のウォーキングの累積歩数、ランニングの累積走行距離をスマートフォンアプリで集計し、ランキングを日時更新する全国総参加型のオンラインスポーツイベント。(2021/07/20)

[8]パナソニック、夏本番前でも既に4割超が「暑さでよく眠れていない」と回答
https://panasonic.jp/topics/2021/07/000000501.html
睡眠の実態を把握すべく全国20歳以上の男女548名を対象に行った調査結果を発表。また、睡眠改善インストラクターによる『熱帯夜の快眠マニュアル』を公開。適切なエアコン活用法から寝る前の習慣、寝間着まで快眠ワザを徹底解説。(2021/07/21)

[9]キリンホールディングス、「GOLD EXPERIENCE(ゴールドエクスペリエンス)」始動
https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2021/0721_01.html
トレーニングユーザーに向けた新たな栄養摂取体験を提供する個別化サプリメント事業。第一弾として、THINKフィットネスが運営するゴールドジムにて「オーダーメードサプリサーバーサービス」をテスト展開。(2021/07/21)

[10]矢野経済研究所、コロナ禍の消費者心理・消費・生活を捉える定点調査を実施(2021年5月)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2750
今回の2021年4-6月期調査では、3回目の緊急事態宣言の影響により、外出が抑制されているにもかかわらず、ファッション関連消費の回復傾向が強まったことが明らかになった。(2021/07/21)

[11]Jミルク、ベジタリアンやビーガンの食事と骨折リスク(Vol.11 2021.7)
https://www.j-milk.jp/report/study/acad.research/h4ogb400000072ot.html
今回は、オックスフォード大学の前向きコホート研究で、BMC Med.に掲載された論文「ベジタリアンおよびビーガンの食事と全身および部位特異的な骨折リスク:前向きEPIC-Oxford研究」について紹介。(2021/07/26)

[12]ライフログテクノロジー、AIによる食事記録×歩数×体重×動画閲覧で新しい“健康経営”の形を提案
https://www.calomeal.com/pressrelease/20210726.html
健康経営の支援サービス・コンサルティング事業を展開するavivoと業務提携し、健康経営や健康保険組合の保健事業向けポイント取得型アプリサービス「kickake(R)(キッカケ)カロミル」をリリース。(2021/07/26)

[13]ブレインスリープ、究極の睡眠導入用音楽「BRAIN SLEEP MUSIC」を配信スタート
https://brain-sleep.com/news-info/628/
睡眠に特化した共創コミュニティ「SLEEP LAB.com」を通じて、コミュニティメンバーが考えた「誰もが眠くなるシーン」を集め、そのシーンを踏襲した楽曲を制作。眠くなるシーンとリンクした今までにない新しい“SLEEP MUSIC”を44曲収録。(2021/07/26)

[14]2021年上半期に売れた健康・美容アイテムは?ランキング発表を総ざらい(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/category-trend-8-210726-1
本稿では各所が発表した上半期トレンドの中から、特にヘルスケア企業のビジネスパーソンが目を通しておきたいランキングをピックアップ。(2021/07/26)

[15]TWO、試合前後の「緊張や興奮で眠れない!」多くの現役アスリートが抱える“睡眠”の悩みを重炭酸入浴でサポート「BARTH for Athlete」プロジェクト始動(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000043581.html
「BARTH for Athlete」は、アスリートが最高のコンディションでパフォーマンスを発揮するために必要不可欠な“良質な睡眠”をサポートするプロジェクト。「勝つために、寝る。」日々努力するアスリートに“休むこと”を提案。(2021/07/26)

[16]綜合ユニコム、月刊レジャー産業資料 2021年8月号【特集】[アウトドア][ソロ][オンライン]反転攻勢に向けたアプローチ
https://www.sogo-unicom.co.jp/leisure/mag/202108.html
本特集では、生活者のライフスタイルとレジャーニーズの変容を整理しながら、そこから浮かび上がるレジャー・集客施設における3つのアプローチ「アウトドア」「ソロ」「オンライン」について、有識者へのインタビューと注目事例を紹介。(2021/07/26)

[17]カゴメ、市場拡大中のプラントベースフードを拡充
https://www.kagome.co.jp/company/news/2021/2021072704.html
動物性原材料を配合せず、植物性素材を使用した「ベジミートボールのトマトのソース」及び「ベジミートボールのマサラカレー」を発売。(2021/07/27)

[18]味の素、持続可能な食資源を活用した次世代ベジタブルドリンク「Mankai(R)[マンカイ]」新発売【PDF】
https://topics.ajinomoto.co.jp/assets_topics/pdf/2021_07_27.pdf
https://www.ajinomoto.co.jp/
ビタミン、ミネラル、食物繊維だけでなく、良質な植物性たんぱく質(プロテイン)を含む60種類の栄養素が詰まった、たんぱく質と1日の野菜摂取目標量の1/3以上を同時にチャージできるベジタブルドリンク。(2021/07/27)

[19]神奈川県立産業技術総合研究所、知財セミナ「ヘルスケア・ライフサイエンス分野におけるAI/IoT特許の基礎と権利化の勘所ー開発・研究部門からAI/IoT発明を引き出し、強力なAI/IoT特許を取得するコツー」
https://www.kistec.jp/sup_comm/intel_prop_sup/r3chizaiseminar04/
開催日は8月26日(金)。セミナーでは数多くのヘルスケア・ライフサイエンス分野におけるAI特許を取り扱う講師が、AI/IoT特許の基礎と勘所について解説。

[20]フラウンホーファーのスピンオフ企業、世界初の耳用コンタクトレンズ開発!
https://mhealthwatch.jp/global/news20210726
聴覚コンタクトレンズを使用すると、スピーカーが鼓膜の真上に配置されることに。これにより、振動が空気中のノイズに干渉されることなく、耳小骨に直接伝達される。(2021/07/26)

[21]『mHealth Watch』注目ニュース:ヘッドセットが分離するスマートバンド『HUAWEI TalkBand B6』
https://mhealthwatch.jp/japan/news20210802
今回紹介する『HUAWEI TalkBand B6』、取り立てて驚くような新規の機能があるわけではありません。これが爆発的に売れるとまでは予測できるものではないかもしれませんが、ユニークだな。と思いました。(2021/08/02)