[ヘルスコーチングの視線編]ヘルスコーチングの可能性を探る:オンラインコミュニケーションの必須ポイント
こんにちは、里見です。
ヘルスコーチングのコミュニケーションの特長の一つが、双方向のコミュニケーションです。
この双方向のコミュニケーションの効果とオンラインで活用する際のポイントについて解説してみたいと思います。
特集:ヘルスコーチングの視線編
1)双方向のコミュニケーションが持つ意味
ヘルスコーチングでは双方向のコミュニケーションが基本です。
一般的なティーチング(指導)が主体のコミュニケーションと異なって、コミュニケーションの中心はコーチではなく対象者になります。
この対象者が中心のコミュニケーションで、対象者とともに双方向のコミュニケーションを成立させるためには、やはりサポートする、寄り添うコーチ側の役割が重要になります。
コーチは対象者側に話すきっかけを作っていきます。
その際に活用するのが「質問」であったり「イメージの具体化」といった対象者が見えていない部分、視点などに目が向くように、対象者にとって「気づき」につながる働きかけをするのです。
2)言語化するプロセスで本人の気づきにつながる
しかし、実際にはコーチ側からの投げかけだけで対象者の気づきにダイレクトに作用することはありません。
あくまでも、対象者自身がコーチ側からの投げかけを受けて、対象者自身が考えたり、イメージして自分ごと化するプロセスが必要です。
このイメージして自分ごと化してコーチ側に会話を通して返すためには、言語化して身体の外へアウトプットするという作業が入ってきます。
この言語化して身体の外へアウトプットする際には、対象者自身の中で考えを整理したりイメージを言葉にしたりするステップが存在します。
このステップによって対象者の自分ごと化が強まったり、新たな気づきにつながっていくのです。
この双方向のコミュニケーションによって発見した気づきは、対象者自身の中から自ら見つけたものであって、コーチ側からの指導や提示によるものではないというのがポイントです。
やはり自らの気づきが、その後の主体性を持った取り組みへと変化していきますし、取り組みを継続し、習慣化していくための工夫の仕方などにも影響してくるのです。
3)オンライン上の双方向のコミュニケーションのポイント
上記の通り、双方向のコミュニケーションが基本であるヘルスコーチングは、リアルな会話、対面の会話が前提で、オンラインでのコミュニケーション、システム、仕組みの中でのコミュニケーションには向いていない、成立しないのではといった、誤解を持っている方もいるかと思います。
また、もしヘルスコーチングを使ったオンラインのコミュニケーションを提供する場合には、双方向のスムーズな会話、コミュニケーションのキャッチボールを成立させることが一番重要で、導入にはかなりハードルが高いのではと勘違いされているケースもあります。
しかし、そもそもヘルスコーチングでは対象者の気づきに働きかけることが重要で、単なる双方向の会話が成立することだけが、本来の目的ではありません。
オンラインで双方向の会話が成立していたとしても、対象者自身の気づきや自分ごと化に作用していなかったら、それは単なる会話であって、ヘルスコーチングとしては効果を発揮していないことになります。
やはり、オンラインのコミュニケーションの向こう側にある、本来のヘルスコーチングのアプローチの対象者自身の気づきや自分ごと化への要素を、しっかりと抑えた上でコミュニケーションを行う必要があるのです。
4)オンライン上で気づきにつながるコミュニケーション
上記で説明しましたが、ただ単なる双方向の会話の成立ということではなく、ヘルスコーチングの双方向のコミュニケーションの背景に存在している以下の2つのポイントをオンライン上のコミュニケーションで、いかにアプローチできるかが重要です。
- 対象者自身がコーチ側からの投げかけを受けて、対象者自身が考えたり、イメージして自分ごと化するプロセス
- 対象者が言語化して身体の外へアウトプットする際、対象者自身の中で考えを整理したりイメージして言葉や具体化するステップ
例えば、取り組みの途中で自己効力感にアプローチする狙いで、オンライン上で「変化」についてアプローチする2つのケースで見てみましょう。
一つのアプローチとして、「なにか変化がなかったかヒアリング」するケース。
もう一つのアプローチとして、「変化について具体例を複数挙げて、こんな変化がなかったかをヒアリング」するケースです。
おそらく、どちらが対象者の気づきにつながるコミュニケーションになっているか、おわかりですよね?
ヘルスコーチング的なアプローチとしては、後者の「変化について具体例を複数挙げて、こんな変化がなかったかをヒアリング」の方が適しています。
その理由としては、意図を持って後者のアプローチをしていることが重要で、やはり対象者に「変化」を自分ごと化して捉えて欲しい、また具体例を複数挙げることで、イメージ化がしやすいという狙いがあるからです。
やはり、同じ「変化」に気づいてもらうアプローチでも、漠然と「変化ありましたか」とヒアリングしても広い視点で捉えることができず、イメージ化、言語化が難しくなります。
特に、オンライン上でのコミュニケーションの場合には、答えやすいような配慮が必要で、その細かい答えやすい配慮もオンラインでの双方向のコミュニケーションで、言語化して身体の外へアウトプットしてもらう際のポイントになってきます。
オンラインでの双方向のコミュニケーション、特にテキストを通したコミュニケーションをオンラインの中に取り入れていく上では、会話をしやすくする工夫はもちろん、答えやすいような仕掛けを取り入れるなど対象者の会話への負荷を少なくすることで、言語化してアウトプットするといった双方向のコミュニケーションを実現します。
その上で、コミュニケーションを通して、自分ごととして捉えていくためのヘルスコーチングとしてのアプローチをしっかりと投げかけていくことが大切なのです。
今回ご説明したようにヘルスコーチングのアプローチは、オンラインに合わせてコミュニケーションの中に要素として取り入れていくことは可能ですが、その際にはヘルスコーチングの要素をしっかり機能させるコミュニケーションに落とし込む必要があるのです。
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今週の注目記事クリップ
[1]デサントジャパン、人の動きを抗菌力に変える“電気の繊維”「PIECLEX」を使用したマウスカバーを新発売
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デサントブランドより。「PIECLEX」一番の特長である抗菌作用に優れている点を活用し、飛沫の増加につながりやすい、話す、噛む、笑うといった顔の動きを逆に利用した商品。(2022/03/16)
[2]アシックス、睡眠の視点から人々の健康サポートを目指す「Sleep Innovation Platform」に参画
https://corp.asics.com/jp/press/article/2022-03-17
同社は、主に運動と睡眠の関係について研究。睡眠データや睡眠効果などのエビデンスを収集、蓄積、分析し、睡眠サービスの品質チェックの基準作りに取り組み、それを普及させることで睡眠サービス全体の品質向上につなげていく。(2022/03/17)
[3]おいしい健康、女性の更年期の方へ向けた食事支援機能を提供開始
https://corp.oishi-kenko.com/news/20220317.html
女性のライフステージの中で10年もの長い期間に該当する「更年期」への食事支援機能を開発。また、更年期の他にも睡眠時無呼吸症候群、腎機能の値が高い、骨折、骨粗しょう症、胃ポリープの6病態を同時リリース。(2022/3/17)
[4]岡山大学、フレイルになる人は2年前に舌の動きが衰えていた!
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id934.html
「タ」の1秒間に発音できる回数が少ない人は2年後にフレイルになりやすいことを明らかにした。舌の動きが衰えないようにすることで、将来フレイルになることを予防できる可能性がある。(2022/03/17)
[5]セールスフォース・ジャパン、Salesforce「ヘルスケア業界の顧客動向」第2版の日本語を発表
https://www.salesforce.com/jp/company/news-press/press-releases/2022/03/220317/
本調査は、世界各国の消費者1万2,000人以上を対象にSalesforce Researchが調査を実施。消費者の信頼と満足度に密接な関係があることが明らかに。信頼されるヘルスケア企業の特徴は「パーソナライズ化」。(2022/03/17)
[6]沖縄県、沖縄ワーケーション ビジネスの感性を高めるウェルネス効果検証、自然豊かな沖縄の環境が仕事に好影響をもたらすことが判明(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000090944.html
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[7]東京都健康長寿医療センター研究所、社会的孤立は全ての世代の健康に悪影響を及ぼす
https://www.tmghig.jp/research/release/2022/0318.html
日頃、同居家族以外との接触がない場合と比べて、1)精神的健康状態の悪化を抑制するためには高齢者のみならず青壮年者においても、対面接触および非対面接触いずれも有効である、2)非対面接触のみの場合よりも、対面接触の方が、その好影響は大きい。(2022/03/18)
[8]Welby、ダイドードリンコとPHRを活用した生活習慣病改善プログラムを開発
https://welby.jp/category/news/220318150000.html
茶系飲料とオンラインの食事指導で参加者の健康意識増進・行動変容を促すプログラムを実施。今後、蓄積された食事写真データ、運動情報や体重データなどを解析することによって、商品開発やマーケティングへの活用も検討。(2022/03/18)
[9]東京ガス、最新調査:大豆ミートを家庭で美味しく食べるコツは肉と半分ずつ!
https://www.tokyo-gas.co.jp/news/topics/20220318-02.html
今回は代替肉の中でも入手しやすい大豆ミートを使ったハンバーグを例に、東京ガス都市生活研究所と食情報センターの調査から、気軽に大豆ミートを取り入れる方法を紹介。(2022/03/18)
[10]グローバルニュートリショングループ、腸内細菌の重要性
https://global-nutrition.co.jp/blog/2022-03-18/
ウェルネスフード・ワールド第99回。腸内細菌の重要性について書かれている本『土と内臓 微生物が作る世界』より、気になった「言葉」を列記。(2022/03/18)
[11]S’UIMIN、国民の健康やQOL向上を睡眠の視点から支援する睡眠マネージメントに関する産学連携コンソーシアム「Sleep Innovation Platform」を設立(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000038776.html
本コンソーシアムでは、睡眠サービスや商品開発、生活者との接点を有する企業、最先端の睡眠研究を行うアカデミアが連携し、睡眠をベースとしたイノベーションという視点から、国民の健康増進・予防等に貢献することを目指す。(2022/03/18)
[12]オムロン ヘルスケア、日本初の心電計付き上腕式血圧計を用いた「脳・心血管疾患の予防啓発事業」開始
https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2022/0322-02.html
不整脈の一種である心房細動の早期発見・治療介入を目的とした「オムロン 心電計付き上腕式血圧計 HCR-7800T」を発売開始。また、調剤薬局と連携した心電図による受診勧奨モデルで脳・心血管疾患の早期発見、予防を目指す。(2022/03/22)
[13]博報堂ミライの事業室、FUNDINNOと業務提携
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/97119/
シードステージのスタートアップと連携強化し「チーム企業型事業創造」を加速する。まずはウェルビーイング領域における事業共創から開始し、ウェルビーイングテック関連スタートアップとの新たな事業づくりに取り組む。(2022/03/22)
[14]ティップネス、カラダ年齢の若返りを応援!「健康エール」を4月よりスタート!【PDF】
https://www.tipness.co.jp/co/news/archive/jsu75q4p7urm21pdn6y1qw4vff6ch7.pdf
https://www.tipness.co.jp/
アンチエイジングに特化した「健康エール」は、先端予防メディカルセンターのセンター長である高瀬医師のお墨付き。このプログラムだけでカラダ年齢若返りのためのトータルケアができてしまうオールインワンプログラム。(2022/03/22)
[15]AI身体計測アプリ「Bodygram」とTrueDepthカメラが融合、新機能『3Dウエストスキャン』が無料アプリに追加!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000044966.html
iOS端末に搭載されたTrueDepthカメラを用いて新機能『3Dウエストスキャン』が可能に。アプリ内ガイダンスにあわせて腹囲を360度撮影すると、各パーツの数値情報や3Dアバターでの可視化に加え、より実寸値に近いウエストスキャンが行える。(2022/03/22)
[16]シード・プランニング、市場調査レポート:2022年版 スマート端末、ホームIoT、健康、安心関連IoTサービス市場動向
http://store.seedplanning.co.jp/item/11267.html
スマート端末/スマートフォン、AIスピーカー、ウェアラブル機器などスマート端末利用によるホームIoT、健康、セキュリティ関連サービスの広がり。
[17]『mHealth Watch』注目ニュース:高齢者も障害者も感想をシェアできるハードウェア
https://mhealthwatch.jp/global/news20220328-2
SDGsに「誰も取り残さない」という原則が採用されたことで、今までビジネスとしてスポットが当たり難かった社会的弱者の方々に向けた商品やサービスに参入しやすくなってきました。今回紹介するPulse for Goodが提供するキオスク端末もその一つです。(2022/03/28)