こんにちは。脇本和洋です。

今号のテーマは「Check&Solution(チェック アンド ソリューション)」です。
Check&Solutionは、2002年にスポルツが成功の型の一つとして定義した切り口です。
具体的には、Checkで「データ」を取得し、Solutionで「データを活用した商品・サービス」を提供するもので、単にデータを取得するだけでない新しい価値を生み出そうとします。

今回は、Check&Solutionを切り口に「心臓病」に着目して3つの事例を紹介します。

特集:海外事例にみる継続支援アプローチ編

Check&Solution(心臓病領域)における注目事例

Check&Solutionが進んでいる領域は、現在のところ以下の4つに分けることができます。

1)生活習慣病(ダイエット含む)領域
2)心臓病領域
3)リハビリ・ロコモ領域
4)その他(メンタルヘルス・睡眠、女性の健康、認知症、栄養、歯科疾患など)

2005年頃から1)生活習慣病(ダイエット含む)領域と、2)心臓病領域で展開され始め、2010年頃から3)リハビリ・ロコモ領域、4)その他(メンタルヘルス・睡眠、女性の健康、認知症、栄養、歯科疾患など)に広がっています。

今回は、本メルマガ[海外事例にみる継続支援アプローチ編]であまり取り上げてこなかった「心臓病」という領域に絞り、代表企業3社を紹介しましょう。

参考)心臓病について
心臓病とは、心臓の構造や機能の異常により生じる病気の総称のこと。種類は、心不全、冠動脈疾患(虚血性心疾患ともいい狭心症と心筋梗塞がある)、不整脈(心房細動など)といったものがある。

心臓病の原因としては、高血圧症、糖尿病、肥満、喫煙があげられる。また、心臓病の治療には、主に薬物療法、カテーテルによる治療、外科手術がある。手術を受けると心臓リハビリという運動療法を行うとともに、食事改善や禁煙の実施を行うようになる。

日本人の死因1位はがんであるが、米国人の死因1位は心臓病であることもあり、米国では心臓病に対するCheck&Solutionが先行している。

事例1:パッチによるセンシング「iRhythm Technologies」(2006年設立)

心臓の病気に疑いがあると、病院での安静時心電図以外に、自宅での長時間心電図が必要になります。
その時につけるのが、ホルター心電図と呼ばれるものです。
胸部に5か所電極をつけ、小型の携帯型機器に配線、記録させます。

ただし、胸近くに配線があり機器を持ち運ぶことにもなり、日常生活を不便に感じることが多いのが欠点になります。
その欠点を解決したのが、iRhythm Technologiesです。

■企業名:iRhythm Technologies
https://www.irhythmtech.com/

■設立:2006年

■資金調達額:468億円(2022年2月時点)

■売上:265億円(2020年)

■サービス概要

<チェック>
iRhythm Technologiesが開発した「ZIO(ジオ)」は、胸にパッチをつければ、睡眠中、シャワー中、中程度の運動中を含め、最大14日間心臓の動きを記録できるというもの。
配線がなく機器を持ち運ぶ必要もないので日常生活が楽です。
主に不整脈の検知に使われます。

<ソリューション>
14日間装着後、ZIOを同社に返却します。
その結果を分析したレポートが医師に送られ、最適な治療を受けることができます。
医師に見守られることが決まっていることが継続利用につながっています。

事例2:クレジットカード型センシングと継続支援サービス「AliveCor」(2010年設立)

ZIOのように医師の処方で一定期間だけ心臓をチェックするのでなく、その後も心臓を気にしたい、心臓病の兆候を事前に知りたいと思う人も多いでしょう。
この欲求に応えようとしたのが、AliveCorという会社です。

■企業名:AliveCor
https://www.kardia.com/

■設立:2010年

■資金調達額:154億円(2022年2月時点)

■売上:非公開

■サービス概要

<チェック>
心電計は小型(クレジットカードのような形状であったり、小さな板状のセンサーに指を載せるだけ)であり、いずれもFDAの医療機器の認定を受けています。
専用アプリをスマホに入れれば、その場で心電の様子がわかり、不整脈(心房細動)があるかどうかがわかります。価格は、最新のクレジットカードのような形状のもので149ドルです。

<ソリューション>
同社は、2020年頃にKardiaCareという月額課金(月額約10ドル)のサービスをリリースしました。このサービスには、以下の継続支援サービスが付きます。

1.同社の認定循環器専門医が90日ごとに心電図を解析し、解説してくれます。
2.心臓の健康全体を管理していくため、血圧・体重データを記録すれば30日ごとにその動向をまとめたレポートを得ることができます。

今後もサービスは強化されていく様子ですが、単に血圧や体重の記録をするだけでなく、改善行動が身につく(行動変容を促す)サービスに進化していくものと予想しています。

事例3:AIを使った高精度診断「Cardiologs」(2014年設立)

AIの活用は、2014年頃からヘルスケア業界でも盛んになってきました。
医師が行う心電図の読みとりを、AIを使って素早く高精度で行うことを支援する企業も現れています。それが、Cardiologsという企業です。

■Cardiologs
https://cardiologs.com/

■設立:2014年

■資金調達額:23億円(2022年1月時点)
※2021年11月に大手医療機器会社のPhilipsが同社を買収

■売上:非公開

■サービス概要

<チェック>
AIを使って病院での心臓病(主に不整脈)の診断報告のスピードを高め、医師の診断手順を合理化することで、効率的に心臓専門治療を提供できるよう支援するサービス。顧客は医師となります。

<ソリューション>
素早い診断が行われることにより、患者は心臓病の適切な治療を受けることができるようになります。

心臓病のCheck&Solution領域で起きていること

今回は3つの事例を時系列で捉えながら、心臓病のチェック&ソリューション領域をみてきました。今後の方向を2つに整理します。

(1)チェックの小型化と精度の向上

これは、iRhythm Technologiesのパッチ型、AliveCorのクレジットカード形状のものといったように、小型で軽量なものに移行している点です。
不整脈を検出できるApple Watchも含めて小型化・軽量化の流れとみてよいでしょう。
そして、Cardiologsのように、AIを使ってその精度を高めるという動きもあります。

(2)ソリューションの充実

AliveCorのKardiaCareのように、心臓病の原因である高血圧や肥満の管理にまで領域を広げ、なんらかのソリューションを提供しようとする流れです。
チェックの小型化と精度の向上が一定レベルに達した場合、次に独自化を図る上で必要なのが、ソリューションの充実です。

一度心臓病で手術を受けると、運動リハビリ・食事・禁煙などの再発予防行動が大切になってきます。ソリューションの充実は今後の重要な切り口になるはずです。

チェック&ソリューション領域を検討されている方へ

  • バイタルデータの活用
  • ヘルスケアのデジタル戦略
  • 機器データの活用

こうしたテーマに検討する場合に有効なのが、
市場を「Check&Solution」という切り口でみるということ。

そして、

  • トレンド
  • 成功失敗事例

をよくリサーチし、

『勝ちパターン』と『負けパターン』を
事前につかんでおくこと。

ただ、このリサーチと分析には
多大な時間・手間がかかるでしょう。

ヘルスビズウォッチでは、Check&Solutionを
2002年にヘルスケアビジネスの成功の型の一つと定義し、
その後もトレンドをウォッチしています。

是非ヘルスビズウォッチのリサーチを活用して、
今後の企画で外してはいけないポイントをつかんでください。

Check&Solutionに関するトレンドリサーチのお問い合わせはこちらへ。
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https://healthbizwatch.com/contact

健康ビジネスキーワード

「心の筋トレも必要では!?」

無防備にマスコミ情報を一方的に受け入れるだけだと誰もがネガティブになっていく。
特に、テレビだけ観ていると日本に期待が持てなくなっていく情報ばからが溢れているという。

だからこそ、心の筋トレをしてセルフコンディショニングしましょう!
同調圧のあるネガティブ情報やマイナス感情に接触した時に言いかえる癖をつける方法です。

不安 → 修行
老化 → 進化
厄介なこと → バージョンアップ機会
困ったこと → チャンス
我慢 → ゲーム

日常生活やビジネス行動中に接触するネガティブを自分流なポジティブに言いかえて行きましょう。
きっと、心の筋肉が少しずつ強くなっていくはずです。
やるか否かはあなた次第!

今週の注目記事クリップ

[1]味の素、培養肉スタートアップのスーパーミート社に出資
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2022_03_09_02.html
スーパーミート社が持つ培養肉の開発技術や知見と、味の素独自のバイオ医療や発酵に関するR&D技術、呈味や食感などのおいしさ設計技術を組み合わせ“食と健康の課題解決”の実現に貢献していく。(2022/03/09)

[2]CureApp、医師が処方する治療用アプリ国内第二弾として「高血圧症向け治療用アプリ」が薬事承認へ
https://cureapp.blogspot.com/2022/03/blog-post_9.html
今回、治療用アプリとして初のソフトウェア単体での薬事承認了承となる。また、高血圧領域における治療用アプリの薬事承認の了承は世界初。(2022/03/09)

[3]笹川スポーツ財団、「チャレンジデー2022」に参加する69自治体の対戦組合せが決定!【PDF】
https://www.ssf.or.jp/files/CD2022tournament_00.pdf
https://www.ssf.or.jp/
チャレンジデーは、人口規模がほぼ同じ自治体同士が15分間以上継続して運動やスポーツを行った住民の参加率を競い合う、日本最大規模の住民総参加型スポーツイベント。(2022/03/09)

[4]ベスプラ、『脳にいいアプリ』を使うだけで脳の健康状態を表示できるように(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000007987.html
『脳にいいアプリ』に「推定BHQ」算出機能を実装。今まで、BHQスコアを算出するためには、MRI検査を実施する必要があったが、アプリを利用するだけで現在のBHQスコアの推定量を知ることができる画期的な機能。(2022/03/09)

[5]ブレインスリープ、2022年度版日本の「睡眠偏差値(R)」調査結果報告(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000107.000046684.html
全国47都道府県の1万人を対象に調査を実施。日本の平均睡眠時間と睡眠負債の変化では2年連続上昇し、睡眠負債も改善傾向に。スリープテックの利用率は、盛り上がる市場に対してアプリ5.6%ガジェット4.3%に留まる、など。(2022/03/10)

[6]おいしい健康、日本病態栄養学会と協業「with コロナで見直す 600kcal 大満足メニュー」を公開!
https://corp.oishi-kenko.com/news/20220311.html
第24・25回日本病態栄養学会年次学術集会にて開催されたレシピコンテストにおいて、管理栄養士が考える「with コロナで見直す 600kcal 大満足メニュー」をテーマにした受賞献立、5献立(20レシピ)をおいしい健康(Web)にて公開。(2022/03/11)

[7]三井不動産、健康経営支援サービス「&well」導入企業の95%が高評価
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2022/0314_01/
2月に実施したアンケート調査では、導入企業の95%がコロナ禍において「健康経営推進に『&well』が寄与している」と回答。経産省が実施する「健康経営度調査2022」においては、評価の大幅改善がみられた企業もあり、現在ユーザー数は約3万人とコロナ拡大前(2020年2月)から約10倍に増加。(2022/03/14)

[8]博報堂ミライの事業室、メンタルデータテックの「ラフール」と業務提携
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/96989/
第一弾として、ウェルビーイングタイプ診断モデルを共同で開発し、ラフールが企業向けに提供している従業員サーベイツール「ラフールサーベイ」に搭載。3月28日より「ラフールサーベイ」導入企業への提供を開始する(2022/03/14)

[9]リンクアンドコミュニケーション、健康経営セミナーでわかった企業人事/健保担当者のリアルな悩みごと~健康経営の課題No.1は「健康無関心層の参加意欲の向上」~
https://www.linkncom.co.jp/news/press/756/
健康経営における困りごとや課題で回答が最も多かったのは「従業員の参加促進」続いて割合が高かったのは「健康経営/健康管理のPDCA」「健診管理」。「健康施策が健康無関心層には響かない・参加してもらえない」といった声が多数。(2022/03/14)

[10]ネオマーケティング、全国の20-69歳の男女357人に聞いた「プラントベースフードで考える、これから。」(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000267.000003149.html
魅力的なメッセージは「ヘルシー」「環境」「動物」がキーワードに。プラントベース継続意向が強い人は、プラントベースフードの食生活をする理由として「世界の飢餓や貧困を減らしたい」が62.2%で最多。(2022/03/14)

[11]東京大学と科学技術振興機構、大規模な睡眠解析から成人の睡眠パターンを16に分類ー睡眠健診や睡眠医療への応用に期待ー
https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/press.html#20220315
英国で取得された約10万人の睡眠を統計的な手法を用いて分類したところ、朝型や夜型などを含む16タイプの睡眠パターンを確認した。新たに分類されたパターンの中には、睡眠障害との関連が疑われる新しい睡眠パターンも含まれていた。(2022/03/15)

[12]ポーラ、「幸福感の表れた顔」を評価する新規技術開発
https://www.pola.co.jp/company/news/po20220315/
年齢に関係なく、幸福そうに見える顔の3要素は、頬と口周りの見た目の肌状態であることを明らかにした。本研究成果は、化粧品、健康食品等の幸福感評価や幸せの研究に活用される予定。(2022/03/15)

[13]グリーンハウス、食を通した健康とホスピタリティの未来をデザインする「GreeneX Plus」を開設【PDF】
https://www.greenhouse.co.jp/topics/2022/220315.pdf
https://www.greenhouse.co.jp/
最新デジタル技術の活用やパートナー企業とのオープンイノベーションにより事業コラボレーションを加速化させ、新たなアイデアや価値の創出、新たなビジネスを創造することを目的に「GreeneX Plus」を開設する。(2022/03/15)

[14]エーテンラボ、Nintendo Switchソフト「Fit Boxing 2 -リズム&エクササイズ-」習慣化アプリ「みんチャレ」連携のお知らせ
https://a10lab.com/news-20220315/
「みんチャレ」アプリ内で「Fit Boxing 2で運動習慣」公式チャレンジの提供を開始。「Fit Boxing 2」のユーザー同士が「みんチャレ」を通じてオンラインでつながり、互いに励まし合うことで毎日のエクササイズの継続、習慣化を促す。(2022/03/15)

[15]インドのAmrita大学、圧力カフなしで血糖値を測定し、血圧を監視するウェアラブルを発表
https://mhealthwatch.jp/global/news20220311-2
プレスリリースによると、この装置には特許取得済みのAIアルゴリズムが用いられており、異なる光信号を処理して「1分以内」に重要な身体の測定値を提供するとのこと。(2022/03/11)

[16]『mHealth Watch』注目ニュース:ベースフード、オンラインコミュニティ「BASE FOOD Labo」のオリジナルアプリをリリース!
https://mhealthwatch.jp/japan/news20220322
今回、ベースフードの定期購入者向けオンラインコミュニティ「BASE FOOD Labo」のオリジナルアプリを提供して、より定期購入者とのつながり、コミュニケーションが可能になっていきます。(2022/03/22)