HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
今回は、well-being視点で国内のヘルスケアを振り返って課題を見つけていきます。

特集:well-beingアイテム研究編

well-beingアイテムとしての従来型ヘルスケアの課題

well-beingアイテムの比較研究を重ねていくと、多くの既存商品サービスの課題に気づきます。
今回はその触りを整理していきます。
続編もありということです。

正しいことを正しく行うだけではサービスはスケールしない

2000年前後に立ち上がったヘルスケアブームで国内において先行していた事業プレイヤーは

  • 健康機器メーカー
  • フィットネスクラブ
  • 健康食品メーカー

が御三家だったことを知る人は少なからずいると思います。

古い話になりますが、2008年から始まった特定健診事業と特定保健事業では、特にフィットネスクラブが健康づくりマーケットを牽引していくという期待が持たれました。
健康のことを全く理解していないシステムベンダーが彼らを担ぎ、様々なプログラムのコンテンツプレイヤーとして活用しました。
しかし、予防領域に対するコミュニケーションメソッドを持ち合わせていない業界特性が露呈し、事前期待通りにはならなかった経緯があります。

当時、私も多くのヘルスケア事業現場に立ち会っていたので提供価値と顧客側の使用価値の隔たりに何回も冷や汗をかき、悩み、かつ模索しました。

「え、、そうだったのですか???」という感覚を持つ20-30代のビジネスパーソンも当然いるのですが、このまま話を進めます。

上記3業態は、現在でもヘルスケアマーケットでポジションを持っていることは明確です。
ですが、まだ旧態依然とした体制のプレイヤーが多いと感じているのは私だけでしょうか?

スバリ課題を提案します!

・健康機器メーカーの課題
顧客は成長するというフォーカスと、それに寄り添う活動フレームを持ち合わせていないことが最大の課題です。
この領域のプレイヤーの多くが、この指摘を皮膚感覚で理解できていません。

・フィットネスクラブの課題
フィットネス価値提供の本質はコミュニケーションにあることを外した論理が上位になっていることです。
つまり、装置の稼働優先の不動産業になってしまったことです。

・健康食品メーカーの課題
彼らの多くが顧客に寄り添う発想と活動フレームでLTV(顧客生涯価値)を伸ばしていくことを体得し、実践しています。
顧客接点が極めて多い商品サービスならではの気づきかもしれません。

well-beingアイテム・フレームでの評価(大川個人的評価)

左:健康機器メーカー
中:フィットネスクラブ
右:健康食品メーカー

・共感項目
a)プロダクト・サービスの世界観に共感(価値観共感):◯|◎|◎
b)使用することで気分が上がる&期待感がある(自己効力感):ー|◯|◎

・やりがい項目
c)なんだかんだ言って継続利用している(自分ゴト感):◯|◎|◯
d)継続して使っている自分を好ましく思っている(成長感):ー|◯|◯
e)継続使用しながら工夫していて、学びもある(発見感):ー|ー|ー

・繋がり項目
f)価値観共感を共有したい欲求がある(貢献感):ー|ー|◯
g)仲間ができ、お互い使用を認められると嬉しい(交流感):ー|◯|◯

凡例:
◎=2:とても感じる
◯=1:感じる
ー=0:なんとも感じない
△=-1:むしろマイナス
×=-2:かなりマイナス

スコア:
健康機器メーカー:3
フィットネスクラブ:7
健康食品メーカー:8

課題の中心って何?

お叱りや反論前提で申し上げます。
健康機器メーカーとフィットネスクラブに関しては顧客価値を生むコミュニケーションを軽視していることが深刻な問題です。
一言で言えば「コミュニケーション品質」でビジネスが成立していくというスタンスに本気になれるか?ではないでしょうか。


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「マーケターの使命」

長い間、マーケティングは広告のことだと思われていました。
マーケティングは自社のために消費者を利用するのではなくて、お客様の問題を解決するためにあらゆる手段を考え実践するもの。

お客様の望む変化(問題解決)をいかに起こしていくかが、マーケターの使命です。

今週の注目記事クリップ

[1]弘前大学とヤクルト本社、ヒト腸内の“生きた”菌叢構成に関する新たな発見【PDF】
https://www.yakult.co.jp/news/file.php?type=release&id=164792533916.pdf
https://www.yakult.co.jp/
Propidium monoazide(PMA)と次世代シークエンシングを組み合わせて、ヒトの大腸各部位における“生きた”菌叢構成の解析に成功。(2022/03/23)

[2]empheal、花粉症対策を5分で学べる・行動チェックができる「花粉症検定」の受検者数が18万人を突破
https://empheal.co.jp/news/451/
花粉症検定は「お薬等治療の選択について」「花粉症と免疫の関係」「換気方法などコロナ禍での付き合い方」といった身近なテーマで学び、行動の見直しができるウェブ検定。(2022/03/23)

[3]国立成育医療研究センター、「コロナ×こども本部」調査報告:鬱になっても「誰にも相談せず様子をみる」こども25~51%
http://www.ncchd.go.jp/press/2022/20220323.html
「生活と健康実態調査」では小学5-6年生の9%、中学生の13%に、「コロナ×こどもアンケート」では小学5-6年生の13%、中学生の22%に、それぞれ中等度以上の抑うつ症状がみられた。(2022/03/23)

[4]東京大学、日本人における持続可能な食事の実現には、全粒穀類の摂取量の増加と清涼・アルコール飲料、牛肉・豚肉・加工肉の摂取量の削減が必要
https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/press.html#20220323
日本人を対象に、複数の要素(栄養学的な食事の質、食事の金銭的コスト、食事に由来する温室効果ガスの排出、文化的受容性)が最適化されるよう考慮した食事のあり方を示した、初めての研究。(2022/03/23)

[5]順天堂大学、Good Health Journal:「人生100年時代」!高齢者の健康長寿に影響を及ぼす「フレイル」とは
https://goodhealth.juntendo.ac.jp/social/000268.html
高齢者が気をつけたい「フレイル」についてのお話。人生100年時代、超高齢社会のわが国で急増中!「フレイル」ってどんなもの?など。(2022/03/23)

[6]ミズノ、スポーツテクノロジーでアクティブな世界を目指す ライフ&ヘルス事業ビジョン「POWERED LIFE」
https://corp.mizuno.com/jp/news-release/2022/20220324.aspx
今回、歩行動作を科学的に判定する基幹理論「Motion DNA(モーション ディーエヌエー)」と、日常生活の様々な身体活動の困りごとを解決する製品設計コンセプト「MIZUNO ADAPT(ミズノ アダプト)」を新たに開発。(2022/03/24)

[7]凸版印刷、「cheercle(TM)(チアクル)」を開発
https://www.toppan.co.jp/news/2022/03/newsrelease220324_2.html
住まいで自然にデータを収集し、健康習慣の定着をサポートするサービス。第一弾として、住まいの生活動線で健康情報を可視化、健康意識を高めるサービスを開始。(2022/03/24)

[8]広島大学、研究成果:音響センサーをイスに内蔵~座るだけで心臓の「触診」ができるシステムを開発~
https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/69868
デルタツーリングとの共同研究。センサーをイスに埋め込み、胸部・腹部の背面、腰部などからAPWを得ることにより、座るだけで長時間にわたる心臓および血管系の状態推定が可能に。(2022/03/25)

[9]ベネッセホールディングス、悩み別に心身を整えるオンラインレッスン「サンキュ!Fit&Care」開講
https://blog.benesse.ne.jp/bh/ja/news/bc/life/2022/03/25_5821.html
コロナ禍で心身の不調を感じる女性が約7割。肩こり・疲れ・イライラなどのお悩み別にレッスンをリコメンドする他、整体師、理学療法士、ヨガインストラクターなど、プロ講師によるリアルタイムでのレッスンを提供。(2022/03/25)

[10]FURDI、運動と幸福感に関する女性の意識調査:運動することで70%の女性が幸せを実感(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000063709.html
全国20代-60代の100名の女性を対象に調査。調査の結果、運動は精神的なストレスを解消し、筋力等の肉体的な向上もできる、さらに幸福感を感じられる有効な取り組みだということがわかった。(2022/03/25)

[11]オンライン診療はコロナ禍の「診療控え」に対応できたのか?(日経デジタルヘルスより)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01687/00114/?ST=ch_digitalhealth
デジタル医療の最前線を知るのにふさわしい1冊「患者+医師だからこそ見えた デジタル医療 現在の実力と未来」より抜粋してお届け。(2022/03/28)

[12]CALENDAR、運動習慣をつくる日めくりオンラインフィットネスサービス「CALENDAR」応援購入サービスMakuakeにて先行販売開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000097756.html
CALENDARは、スマート日めくりカレンダー(10.1インチAndroid端末)を使った、習慣化にフォーカスしたオンラインフィットネスサービス。(2022/03/28)

[13]ENT、コミュニティとゲーム感覚でいつの間にダイエットが続くアプリ「FITFES+」がリリース(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000041954.html
FITFES+は、ダイエットSNSとダイエット大会の機能をかけ合わせた日本初となるダイエットコミュニティアプリ。同じ目的をもつダイエット仲間と励まし合いながら毎日楽しく運動できる。(2022/03/29)

[14]バカン、トイレで心地いい「ほんのひと休み」を提供する「On-AirKnock」チャンネルの配信を開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000246.000018933.html
「On-AirKnock」チャンネルでは、日常で利用できるワンポイント英語やストレッチといった、利用者にとってより良いトイレ体験の提供を目的とした約30秒の動画コンテンツを提供。(2022/03/29)

[15]stadiums、開園前の新宿御苑で、豊かな朝時間を過ごす「7-9PARK」3年目開催決定(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000049867.html
「7-9PARK」は、公園をきっかけに地域の運動文化とコミュニティを創出するプロジェクト。通常開園前の新宿御苑に“朝の2時間だけ”登場し、アクティビティやコミュニティを通じた豊かな朝時間を提供する。(2022/03/31)

[16]非穿刺型持続血糖値測定器が発表~任意のスマートウォッチに装着してアプリで結果表示(iPhone Maniaより)
https://iphone-mania.jp/news-447804/?fbclid=IwAR2QExTS8FACfsjvmxLoYcr_UgFUh-gCT7FihGCTxmnB-3QMhQnguiLjvsA
Afonが開発したCGMは、スマートウォッチのバンドに装着し、手首側に配置された専用センサーで針を刺すことなく血糖値を測定。アプリがインストール可能な任意のスマートウォッチと組み合わせて使用可能。(2022/04/01)

[17]世界スマートウォッチ出荷台数、2021年は24%増-Samsungは2位に浮上
https://mhealthwatch.jp/global/news20220323
ブランド別では、Appleは市場シェアを3ポイント減らして30.1%になったが、不動の首位を維持。一方、Samsungは第3四半期に出荷台数が200%以上増加。年間で華為技術(Huawei)を抜き2位に浮上。(2022/03/23)

[18]『mHealth Watch』注目ニュース:岡山大学、フレイルになる人は2年前に舌の動きが衰えていた!
https://mhealthwatch.jp/japan/news20220404-2
今回注目するのは、舌の動きの衰えとフレイルとの関係についてのニュース。フレイルとは、健康と要介護・寝たきりの間の状態であり、加齢によって心身が衰え、軽度の認知障害や社会とのつながりが減少した状態のこと。(2022/04/04)