こんにちは、渡辺武友です。
今回は新年度を迎え、新たにヘルスケア新規ビジネスを担当するようになった方に、企画のヒントをお届けします!

特集:健康ビジネス・マーケティング&収益化編

ヘルスケア新規ビジネスのよくある質問とその回答

新年度を迎え、新たにヘルスケア新規ビジネスの担当をすることになり、どのようなビジネスを立ち上げるか、ワクワクしながら取組んでいることでしょう。
ある程度企画が見えてくると、いくつか疑問が出てくると思います。

自社の強みをどうやって活かすの?
誰にどうやって売るの?
価格はどうやって決めるの?
買った人に健康効果をどうやって出させるの?
どうやって販路を広げるの?

など、たくさん出てきますね。
今回は、我々がサポートしているときに質問されることの多い3つを紹介します!

自社の強みをどうやって活かすの?

「自社の強みをどうやって活かす」
この言葉には“競合と差別化できる独自性”、“簡単に真似されない機能”などが含まれることが多いです。

この“競合と差別化できる独自性”、“簡単に真似されない機能”にとらわれ過ぎると、売れにくいものになりやすい傾向があります。
他にないものを意識し過ぎて、お客さんが欲しいと思うものになりにくく、どうやってお客さんを説得しようか?と、こちら都合の話しになってしまいます。

自社の強みを活かすときには順番があります。
自社らしさを中心に考えるのではなく、自社らしさは頭の片隅に置いておきます。
忘れるのではなく、片隅に置いておけばいつでも引き出せます。

そして、まずはターゲットとなるお客さんが欲しいものから考えていきます。
お客さんがお金を払ってでも欲しいものです。

「買ってくれるのではないか?」
ではなく、実際に買っているものを起点に考えます。
買っているものを見つけたら、その商品やサービス(以下、商品)に満足している点は何か?不満点は何か?を見つけます。
その不満点を自社の強みは補えるか?素材のままでは補えなくても、アレンジすると補えるものになる可能性があります。

このように、お客さんを起点に考え、後から自社らしさを差し込めるかどうかを考えた方が、無理くり売るものではなく、お客さんが欲しいものになっていきます。

価格はどうやって決めるの?

商品がある程度見えてくると、価格設定が気になります。

よく行われるのが「原価積み上げ方式」です。
原価に諸経費と利益を乗せて出します。
提供するものによりますが、原価率30%がいいなどと言われることがあります。

しかし、特に新規ビジネスの場合は、積み上げで設定するのはお勧めしません。
価格は「市場価格に合わせる」ことが望ましいのです。

なぜなら、人は何かと比較して価格が妥当かどうか判断しています。
例えば、主婦がスーパーのチラシを見比べて、大根は今いくらくらいで、その中でもどこがお得か?を見ていますね。
極端に安いところは、「ものが悪いかも知れない」なんてことを考えていたりします。

価格変動の少ない商品でも、どれが自分の求めるものとして適正かは判断できないので、いくつかを比べてみることが多いです。

比べないで銘柄買いするのは、ファンになっているときです。
「ここの酒蔵のお酒なら新しいものは買う」などです。

ですので、新規ビジネスではまだファンになっていないので、他のものと比べます。

そのときに、同じ値段でもどれだけお得か?自分に合っていそうか?などが選ばれるポイントになるのです。

買った人に健康効果をどうやって出させるの?

紹介した上記2つはヘルスケア以外の新規ビジネスでも共通することですが、この質問はヘルスケア特有のものになります。

ヘルスケアに関連するビジネスの価値は、健康課題の解決です。
提供される商品を買えばゴールではなく、その商品を適切に使い続けることで効果(健康課題解決)に繋がります。
効果を出してくれなければ実績として言えず、その後の販売増に活かせません。

ですので、商品を買ってくれたお客さんを、ゴール(健康課題解決)まで連れて行くことまでをセットにして考えるのがヘルスケアビジネスになります。

例えば、サプリメントでもウェアラブルでもよいのですが、適正に使った場合の効果だけを伝えるのでは足りません。
買ってくれた人の多くは、「適正に使い続けることができない」と考えておくべきです。

このあたりの事例などは、ヘルスビズウォッチで「継続ドライバ」と検索してもらえば、ヒントを得ることが出来ます。


今回はサポートしている現場でよく質問される3つについて、その検討方法をお伝えしました。いかがだったでしょうか?

実は3つの質問回答で共通する点があります。
それは「競合をよく見ること」です。
すべてのヒントは競合に隠されていると思ってよいくらいです。

ただし簡単には見えません!
競合に「隠されているもの」を見極めることが重要です。

新規企画を社内で通す・市場で伸ばす方法を知る!

ヘルスケア新規ビジネスの多くが、なんとか社内で承認を得ても、市場に出すとほとんどが目標数値に届きません。

ヘルスビズウォッチのリリース情報に掲載された新規ビジネスを一定期間ピックアップしてその後の情報を追いかけたところ、目標が達成された(もしくはそれに類する)情報は1割も満たしていませんでした。

9割以上が伸び悩み苦戦中、もしくは終了してしまっているのです!

新規ビジネスは新たなことへの挑戦なので、ワクワクするし、夢も膨らみます。
しかし、未経験のことをビジネスにすればするほど、思ったような成功からは遠ざかりやすいのも実態です。

ヘルスケアビジネスを成功に導くためには、いくつかポイントがあるのですが、ここ数年で一番の課題と思っていることがあります。
特に大手企業になるほど、その傾向があると思っています。

それは
「新規企画を社内で通すことと、市場で伸ばすことは別」

社内の決裁者が評価することと、市場で、つまりお客さんがお金を払ってもよいと思うポイントはまったく違うのです。

もちろん既存ビジネスの延長であればそんなことはありません。
新規ビジネスの場合、企画者も決裁者もはじめて尽くしなので、勘所がズレてしまいやすいのです。

そうは言っても、決裁者に認められなければ市場に出すことすらできません。
だからと言って決裁者がOKしたからと売れるとは限りません。

このあたりが新規ビジネスで最も苦しむところだと思っています。
(何度も言いますが、特に大手企業になるほどこの傾向ありです!)

そこで!
新規企画を社内で通し、市場で伸ばすためにはどうしたらよいか?
久々にオンライン勉強会を開催して共有していこうと思います。

現在、ヘルスケア新規ビジネスに取り組んでいる方、これから社内提案したいと思っている方にオススメです。

<<ヘルスケア新規企画を社内で通す・市場で伸ばす方法>>
少人数制 オンライン無料セミナー

日時:5月10日(火) 受付17:45/セミナー18:00~19:00
会場:Zoomミーティング
定員:7名(満席になり次第締め切り)

新規ビジネスを社内で通し、さらに市場で伸ばしていくためには、どうしていく必要があるのか?
決済者、ユーザーそれぞれの視点の違いを整理してお伝えします。
具体的にイメージできるよう、事例を踏まえながら紹介していきます。

今回はより深めていただくため、参加者皆さんの質問に回答していきますので、少人数セミナーとします。

お申込みはコチラ
https://healthbizwatch.com/seminar/hbw-039

お申込み後、担当者よりご連絡いたします。
ご返信いただいた方にZoomのURLをご案内します。
参加は同一部門(企業)から1名とさせていただきます。

健康ビジネスキーワード

「デジタルの限界」

顧客接点づくりからマーケティング活動にとってデジタル活用はまさに必須と言われるけれど、デジタルは全てを解決してくれる魔法の杖ではない。
使い方を間違えてしまうと多大なロスを猛スピードで算出する可能性も知っておきたい。

・即スルーされる可能性
ユーザーは自分の好きなものしか見ない

・少しずつしか成長しない
ここが一番誤解が生まれるポイント。地道な努力が最も相性がいい

・とにかくデータを集めろ!は大間違い
AIを駆使しても、活用イメージのないデータを集めても無駄

デジタル活用doingの前にビジネスのあるべき姿beingが必要ですね。

今週の注目記事クリップ

[1]明治、運動しながら健康的なキレイを目指す女性に「(ザバス)MILK PROTEIN Beauty Line」「(ザバス)MILK PROTEIN +SOY Beauty Line」新発売
https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2022/0330_02/
国内売上No.1のプロテインブランド「ザバス」より、女性にうれしい美容成分を配合したミルクプロテインを発売。独自の速攻吸収製法により体内への吸収スピードを高めたミルクプロテインを12.5g配合。(2022/03/30)

[2]クラシエ薬品、<2022年、日本が向き合う12のくらしの不調>
https://www.kracie.co.jp/release/10175316_3833.html
花粉症の季節にますます気を付けたい「マスクネなどの肌荒れ」をテーマに、肌トラブルの実態調査の結果やおすすめの漢方薬などについて紹介。「花粉症の季節に肌トラブルの増加」を40代女性の55%が実感。(2022/03/30)

[3]カラダメディカ、『ルナルナ オフィス』の実証導入企業JALグループ社員合計6,000人以上に女性の健康課題に関する実態調査アンケートを実施
https://caradamedica.co.jp/archives/604
本調査で、約7割の女性は月経不調が仕事に影響、約9割の男性は女性の健康課題の理解が必要と回答。5月からは『ルナルナ オンライン診療』を活用した月経・妊活・更年期の各プログラムの実証を開始する。(2022/03/30)

[4]ダイソン、初のウェアラブルデバイス Dyson Zone(TM)ノイズキャンセリング機能付き空気清浄ヘッドホンを発表(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000042335.html
Dyson Zoneは、ダイソン初のウェアラブル空気清浄ヘッドホン。ハウスダスト、粒子状物質、有害なガスなどの空気中の汚染物質を除去することに加え、高度なノイズキャンセリング機能と高品質な音響システムで騒音を遮断する。(2022/03/30)

[5]スーペリア、オンライン・コーチングのmyPecon、well-being向上にオンライン・ヨガを法人提供開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000053827.html
コロナ禍入社社員のコミュニケーション不足による早期離職防止や、チームビルディング、社員の健康推進、well-being向上を目的とし、1回30分~導入可能。(2022/03/30)

[6]アシックス、「約15分9秒」の運動が精神にポジティブな影響をもたらす
https://corp.asics.com/jp/press/article/2022-03-31
スポーツがメンタルにおよぼす効果を研究する「Uplifting Minds Project」のひとつとして、運動習慣の有無が精神にどのような変化を引き起こすかを測定するプログラム「Mind Race」を実施。(2022/03/31)

[7]日本医療政策機構(HGPI)、【政策提言】「健康長寿時代の介護システムの構築」~現状から浮かび上がる5つの論点と、未来のための3つの視点~
https://hgpi.org/research/ltc-20220331.html
これまでのタスクフォースでの議論から抽出された今後の介護システムに関する5つの論点を整理。また、多岐にわたる論点から、日本医療政策機構にて「健康長寿時代にふさわしい介護システムの実現に向けた3つの視点」を策定した。(2022/03/31)

[8]東京大学、日本初!「食べられる培養肉」の作製に成功~肉本来の味や食感を持つ「培養ステーキ肉」の実用化に向けて前進~
https://www.i.u-tokyo.ac.jp/news/press/2022/202203312003.shtml
従来の機器を使った分析に加え、人による官能評価が可能になったことで、味、香り、食感などの“おいしさ”に関する研究開発が大きく進展し、肉本来の味や食感を持つ「培養ステーキ肉」の実用化に一歩近づいた。(2022/03/31)

[9]ネスレ日本、兵庫県との産官学事業の一環として栄養評価アプリ「MNA プラス」内で「兵庫県版健康チェック」の提供を開始
https://www.nestle.co.jp/media/pressreleases/20220331_nestlehealthscience
「MNA プラス」内で提供する「健康チェック」は自治体ごとに内容をカスタマイズ可能な仕様。同社は兵庫県での取組みを皮切りに、高齢者における“フレイル”対策の重要性を啓発するとともに、デジタル化を推進する全国各地の自治体との連携を目指す。(2022/03/31)

[10]TOYO H&I、座るだけで健康状態が分かるLifaを自社ECサイトで販売開始!離れて暮らしている家族の異常等を検知(@Pressより)
https://www.atpress.ne.jp/news/303776
Lifaは着座記録などの行動の見える化ではなく、「座る」からわかる健康状態の見える化に機能をフォーカス。見守られる側の人の気持ちを置いてけぼりにしない、これまでになかった見守りのカタチ。(2022/03/31)

[11]eWeLL、医療データビジネスに革新 シェアNo.1電子カルテiBowの全面リニューアルがもたらす17万人の在宅患者に機会創出する次世代型医療サービスとは
https://ewell.co.jp/news/20220401/
訪問看護専用電子カルテiBowの全面リニューアルにより、同社が提供する日本初の全国対応型在宅治験支援をはじめとする、次世代型医療サービスの開発が大幅に加速する。(2022/04/01)

[12]ビオフェルミン製薬、腸活や乳酸菌に関する記念日として「おなかと腸活の日」「おなかを大切にする日」「乳酸菌のくすりの日」を制定【PDF】
https://www.biofermin.co.jp/pdf/news_20220401_01.pdf
https://www.biofermin.co.jp/
記念日制定に合わせ、腸活情報サイト“腸活ナビ”をオープン。健康や美容、ダイエットと「腸」の関係を学びながら、「腸」のためにできることを紹介するコンテンツサイト。(2022/04/01)

[13]第一生命、「ポストコロナ時代のウェルビーイングが高まるオフィスビル」をコンセプトにした日比谷本社ビルの本格リノベーションの開始について【PDF】
https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2022_003.pdf
https://www.dai-ichi-life.co.jp/
新ビル名称は「第一生命日比谷ファースト。人々のウェルネスに配慮した建物・室内環境を整備し「WELL v2 Gold レベル」の認証取得予定。(2022/04/01)

[14]花王、スギ薬局とシニアの健康寿命延伸をめざして協働し、花王の歩行モニタリング技術を用いた新たな健康サポートサービス「まいにち歩行日記」開始
https://www.kao.com/jp/corporate/news/products/2022/20220404-001/
まいにち歩行日記とは、花王の研究知見をもとに開発された歩行モニタリング技術を用いた歩行の「質」を見える化し、スギ薬局の管理栄養士を通してシニアひとりひとりのライフスタイルに合わせた健康行動の継続をサポートするサービス。(2022/04/04)

[15]ハルメクホールディングス、中高年フェムケア市場関連:「中高年世代の健康・更年期に関する意識と実態調査」
https://www.halmek-holdings.co.jp/news/press/2022/4opnfeyihi/
中高年世代における「体の患いや不調」トップ3は、「目」「高血圧」「腰」。男性は具体的な疾病、女性は何となくの不調のスコアが高く、性差が顕著にみられた、など。(2022/04/04)

[16]伊藤忠商事、米国「アンダーアーマー」の日本総代理店 株式会社ドームの株式取得について
https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2022/220405.html
今後は、既存株主であるUnder Armour, Inc.と伊藤忠商事の2社でドームの経営を行う。(2022/04/05)

[17]Moff、オンライン型認知症予防・健康増進プログラム「eコグニケア powered by Moff」に関してJA共済連と協業開始
https://jp.moff.mobi/news/ecog_ja-kyosai/
JA共済「げんきなカラダプロジェクト」において、「認知症共済」ご契約者様向けに、インターネットを使って在宅で受講できる認知症予防・健康増進プログラム「eコグニケア powered by Moff」の優待提供を開始。(2022/04/05)

[18]クックパッド、「自然食品F&F」と連携「クックパッドがえらんだ全国のイイもの」を販売開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000230.000027849.html
東京、神奈川、千葉、埼玉の「自然食品F&F」23店舗にてクックパッド・アライアンス専用棚を設置。4月から8月まで毎月決まったテーマに沿った15商品程度を選定して販売。4月のテーマは「発酵生活をはじめよう」。(2022/04/05)

[19]クオリティライフサービス、時間栄養学を活用した栄養指導の基礎講座~カロリー制限から脱却してメタボ支援の成果を上げる!~
https://www.qls.co.jp/honbukoza/base/
2022年5月1日(日)Webライブ開催。本講座では、カロリー制限の保健指導で成果が出ない理由、なぜ時間栄養学の活用で成果が出るのか、時間栄養学の活用法を解説し、実践プログラムの成果も紹介。

[20]HIMSS22:医療システムのリーダーの99%が、デジタルヘルスに投資することが重要
https://mhealthwatch.jp/global/news20220330
わずかこの2年間でバーチャル訪問診療、遠隔による患者のモニタリング、テキストメッセージアプリ、その他のデジタルソリューションが急速に拡大した。しかし、それらの実際の採用・定着状況は今のところ直線上昇とはなっていない。(2022/03/30)

[21]圧迫して血圧が測れるスマートウォッチ『BP Doctor MED』
https://mhealthwatch.jp/global/news20220401
『BP Doctor MED』は、従来のスマートウォッチの光学センサー測定と異なり、医療機器と同様の圧力による血圧測定を実現している。(2022/04/01)

[22]『mHealth Watch』注目ニュース:脳のヘルステック企業LinusHealth、身体機能評価のKinesisHealthを買収
https://mhealthwatch.jp/global/news20220411
LinusHealthは、今回の企業買収によって同社のサービス分野は身体機能と認知機能の両方の評価を含むものへと拡大することになると述べ、身体機能と認知機能には往々にして関連があることに触れた。(2022/04/11)