こんにちは、里見です。
ヘルスコーチングはコミュニケーションが基本です。
そのため、ヘルスコーチングは1対1のコミュニケーション以外にも、複数人を対象としたグループやコミュニティの中のコミュニケーションでも活用可能です。

そこで、今回はグループやコミュニティの中でのヘルスコーチングの活用とアプローチに関して、解説してみたいと思います。

特集:ヘルスコーチングの視線編

ヘルスコーチングの可能性を探る:コミュニティにおけるヘルスコーチングの活用とアプローチ

1.グループ、コミュニティのパターン

グループ、コミュニティのバリエーションは、大きく分けると以下のような形式があります。

1)ファンクラブ型

ファンクラブ型とは、例えば有名人、タレントを中心にファンが集まるグループ、コミュニティのスタイルです。
1人の有名人、タレントのコメントや行動をそれぞれのファンが見ているといった関係性が一般的です。

2)同好会型

この同好会型は、共通の目的の人達が集うグループ、コミュニティのスタイルです。
そのため、ファンクラブ型のように誰か一人が中心のグループ、コミュニティとは異なり、参加者同士はグループ、コミュニティ内では対等な関係性で、参加者同士での共有や刺激し合うつながりになります。

3)ファシリテーター型

このファシリテーター型のグループ、コミュニティは、ファシリテーターを中心に同じ目的の人達が集うスタイルです。
ファンクラブ型と異なる点として、ファシリテーターが存在し、ファシリテーターは参加者同士の共有やコミュニケーションを促進する役割であって、グループ、コミュニティの中心は、あくまでも参加者です。
ファシリテーターはグループ、コミュニティの進行役であり、サポーターや寄り添う役割になります。

2.ヘルスコーチングの活用は「ファシリテーター型」

グループ、コミュニティスタイルでヘルスコーチングを活用するケースでは、ファシリテーター型のグループ、コミュニティが効果を発揮します。

同好会型で、共通の目的の人達が集うグループ、コミュニティのスタイルでも、ヘルスコーチングのアプローチをしっかり設計したり、シナリオに落とし込むことで、参加者はその設計やシナリオに従って行動、会話をしていくことは可能です。

しかし、参加者同士のコミュニケーションを促進したり、情報を共有する流れを参加者に任せた形になると、それぞれの参加者のコミュニティ内での立ち振る舞い、距離感に依存する形になってしまいます。

そのため、メンバー内で情報発信をする人、もしくは他者への働きかけが上手な人がいれば盛り上がりますが、コミュニティ内での依存体質、受け身の人が多い場合には、なかなか盛り上がりに欠け、せっかくのグループ、コミュニティのメリットである共有、共感、刺激などが発生し難くなってしまいます。

このように、グループ、コミュニティのメリットである共有、共感、刺激などをメンバー同士で分け合うためには、やはりファシリテーター的な存在が必要なのです。

3.グループ、コミュニティ内でのコミュニケーションのメリット

グループ、コミュニティでの取り組みでは、1対1のコミュニケーションよりも個別性はもちろん少なくなります。
しかし、コミュニティ内には同じ目的であったり、似たライフスタイルの「仲間」がいるので、1対1のコミュニケーションとは異なり、「学び」や「共有・共感」の要素が高まります。

コミュニティ内では、ヘルスコーチとメンバーとの直接的なコミュニケーションの代わりに、メンバー間の様々なコミュニケーションや情報交換のやり取りが発生するため、それらの会話一つ一つがメンバーにとって「学び」につながります。
この「学び」には、「共感、共有」というものと「他者との違いを認識する」といったことも含まれます。

また、ヘルスコーチングでは「行動」にフォーカスしてコミュニケーションをしていくため、行動の結果や行動に対する「工夫」の共有など、メンバー同士で一緒に実践して共有するため、コミュニケーションを通した「実践の場」としても機能します。

さらに、コミュニティ内では、メンバー同士が同じテーマに取り組む同志というチーム的な一体感が生まれていきます。
またメンバー同士がお互いを励ます存在、時にはライバルとしての存在として機能していくため、モチベーションも維持しやすくなる特徴があります。

4.グループ、コミュニティ内でのコミュニケーションの特徴

ファシリテーター型のグループ、コミュニティでは、コミュニケーションのポイント、気づきのポイントが複数存在します。

1)ファシリテーター(ヘルスコーチ)と自分の会話のケース
⇒ 学ぶ・気づく

2)ファシリテーター(ヘルスコーチ)と他の参加者の会話を見ているケース
⇒ 眺めているだけでも学ぶ・気づく

3)参加者と自分の会話のケース
⇒ 同じ目的の仲間からの学び・気づき・励み

4)参加者同士の会話を見ているケース
⇒ 眺めているだけでも学ぶ・気づく

ファシリテーター型のグループ、コミュニティのメンバー一人ひとりのコミュニティとの距離感は異なっています。

しかし、それぞれの距離感や参加スタイルであっても、コミュニティ内での「気づき」や「学び」が得られるようにサポートすることが、ファシリテーター型のグループ、コミュニティにおけるファシリテート役であるヘルスコーチには求められます。

5.グループ、コミュニティ内でのコミュニケーションには設計がポイント

ヘルスコーチングでの会話の中心は対象者です。
グループ、コミュニティにおけるヘルスコーチングでも同様で、いかにメンバーが発言しやすくするか、また、メンバー自らが率先して発言をしやすくするように、ヘルスコーチは働きかけます。
しかし、場当たり的にコミュニケーションを働きかけても、なかなか難しいものです。

ファシリテーター型のグループ、コミュニティの中でヘルスコーチングを活用していくうえでは、あらかじめ事前にファシリテートする会話、テーマ等は設計しておき、コミュニティの流れの状況に合わせて微調整していくことが通常です。

コミュニケーションの設計においては、ヘルスコーチングの基本的なアプローチは1対1のヘルスコーチングと共通です。
しかし、ファシリテーター型のグループ、コミュニティでは、上記で説明したコミュニケーションの促進という視点が必要な要素になります。

ファシリテーター型のグループ、コミュニティの中でヘルスコーチングを活用する際には、事前の設計がポイントであり、このような設計を準備しておくことで、ファシリテーター役であるヘルスコーチに依存したコミュニケーションではなく、仕組み化されてプログラムとして提供が可能なのです。


今回は、グループやコミュニティの中でのヘルスコーチングの活用とアプローチに関して解説しました。

グループやコミュニティの中でのヘルスコーチングの活用に関して、ご興味ある方、お気軽にお声がけください。

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今週の注目記事クリップ

[1]順天堂大学と日本アイ・ビー・エム、メタバースを用いた医療サービス構築に向けての共同研究を開始
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[3]ZENB JAPAN、テレワーク時の昼食実態調査を実施、手軽でおいしい麺メニューが人気。昼食後に集中力が切れる、仕事の効率が落ちるといった悩みも
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[4]矢野経済研究所、パーソナルミールソリューション市場に関する調査を実施(2021年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2971
ライフスタイルが多様化するなかで、その中心にある「食」についても“パーソナライズ”が進んでいる。フードテックの進展に伴い、買物や調理の「時短」といった利便性が向上するだけでなく、個人の健康状態や嗜好に合わせて食事を最適化するパーソナルミールソリューションが可能になりつつある。(2022/04/13)

[5]MEFREE、プレコンセプションケアサイトをオープンしました
https://mefree.jp/20220414/
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[6]asken、AI食事管理アプリ「あすけん」の累計会員数が700万人を突破!
https://www.asken.inc/news/2022/4/14/700
2007年の創業以降に「あすけん」を利用したユーザーのみなさまの体重減を集計したところ累計で5,803トンに。700万人突破を記念して3つのプレゼントキャンペーンを実施する。(2022/04/14)

[7]ナイキ、スポーツを通して日本の若い世代のウェルビーイングを目指すナイキの新たなプログラム「NIKE塾」
https://nike.jp/nikebiz/news/2022/04/15/5147/
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[8]レゾナント、睡眠・疲労の数値計測によるセルフメディケーション支援
https://resonant-partners.com/news/244/
業界初となる睡眠・疲労の数値計測によるセルフメディケーション(自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること)を支援するサービスを本格的に開始する。(2022/04/15)

[9]ビズリーチ、従業員の「やりがい×能力発揮」の変化をリアルタイムで把握する「HRMOS個人コンディションサーベイ」機能を提供開始
https://www.bizreach.co.jp/pressroom/pressrelease/2022/041501.html
本機能は、従業員の「やりがい」と「能力発揮(職務遂行)」に関する内容を毎月1-2回のペースで質問するパルスサーベイで、従業員のコンディション変化をリアルタイムで把握し、働きがいのある組織づくりのアクションにつなげる。(2022/04/15)

[10]資生堂、美容による日々の行動意識への影響を測定できる尺度を開発ー心と肌に響く化粧の研究ー
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003377
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[11]FiNC Technologies、内臓脂肪レベルチェックができる「わたしの健康生活レベル知らんで委員会!?」提供開始
https://company.finc.com/news/15618
花王のライフケア事業と、内臓脂肪レベルチェックができる「わたしの健康生活レベル知らんで委員会!?」をヘルスケアプラットフォームアプリ「FiNC(R)」にて開始。手軽に内臓脂肪レベルを推定し健康管理に役立つ機能を提供する。(2022/04/18)

[12]デロイト トーマツとat Will Work、「ワークスタイル変革実態調査2022」の調査結果を公開
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20220419.html
働き方改革への企業の取り組みに関する最新調査。ワークスタイル変革を実施/計画中と回答した企業は前回の調査結果(89%)を上回る94%に達し、企業にとって必須の取り組みとなっていることが明らかになった、など。(2022/04/19)

[13]ヴェルト、コンディショニングAIアプリ「you’d(TM)」が世界で信頼されている医学事典「MSDマニュアル」と連携
https://veldt.jp/news/20220419-2
「you’d(TM)」は、自分のデータで体調を整えるコンディショニングAIアプリ。ヘルスケアアプリがユーザーの症状を自動的に検知し、該当のMSDマニュアルのページを案内する機能の搭載は日本初。(2022/04/19)

[14]おいしい健康×人形町今半、慶応義塾大学医学部内科学教室(腎臓・内分泌・代謝)監修「肥満→味満→美満弁当」を開発
https://corp.oishi-kenko.com/news/20220419.html
第42回肥満学会・39回日本肥満症治療学会年次学術集会にて、おいしい健康×人形町今半で共同開発したコラボ弁当を提供。エネルギー量600kcal以下、食物繊維7g以上、食塩2.5g以下、野菜120g以上使用と、栄養バランスの優れたお弁当。(2022/04/19)

[15]東京都健康長寿医療センター研究所、身体活動・多様な食品摂取・社会交流:3つがそろうと介護予防効果は顕著に高まる
https://www.tmghig.jp/research/release/2022/0419.html
本研究結果から、地域における介護予防の取り組みとして、身体活動・多様な食品摂取・社会交流のうち、足りない行動要素を個人の生活習慣や高齢者の自主グループ活動等に付加することが有用である可能性が示された。(2022/04/19)

[16]セルフケアテクノロジーズ、睡眠の質を測定・改善できる健康管理スーパーアプリ「セルフバンク」のApple Watchアプリをリニューアル(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000060548.html
朝起きて寝室を出て、スマホを触ってセルフバンクを立ち上げる前に、ベッドの上でApple Watchアプリで睡眠状態をさくっと見たい、という多くの声に応えたリニューアル。(2022/04/19)

[17]香港揚名、EEG脳波センサー「BrainLink Tune」の応援購入プロジェクトをGREEN FUNDINGにて発売予定(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000151.000049705.html
BrainLink Tuneは、自分の脳波を自分で把握できるEEG脳波センサーとBluetoothイヤホンを一体にしたアイテム。アプリ接続モードでは「Brainlink」「基礎脳波検出」「Brainlink Tune」「禅ガーデン」などのアプリをBluetoothで接続。(2022/04/19)

[18]ウェルネスライフジャパン実行委員会、ウェルネスライフジャパン内にて「ウェルネスフードアワード2022」を開催
https://www.tso-wellnesslife.com/award
人々のQOLを向上する食品・食品素材にフォーカスした食品アワード。「美味しさ」と「機能性」を兼ね揃え、更には手軽に摂取可能な商品を幅広い分野から募集。募集期間は4月4日(月)から5月13日(金)。

[19]『mHealth Watch』注目ニュース:「人が住んでいる環境が肥満に影響」住環境の健康度を示す指数を考案
https://mhealthwatch.jp/global/news20220425
肥満は本人だけの問題ではなく、家庭環境、職場環境まで含めて考えるのが重要とされていますが、今回紹介する記事、ニュージーランド・カンタベリー大学の研究チームの取組みでは、肥満は社会環境も影響があるとしています。(2022/04/25)