毎週金曜配信のNEWSクリップ号より健康ビジネスキーワードを抜粋してご紹介。
HBW編集主幹の大川耕平が、健康&ウェルビーイングビジネス現場で見聞体験した中で見つけたビジネスヒントや発想刺激につながりそうなトレンドやキーワードをコンパクトに解説します。

健康ビジネスキーワード(9月)

---「ヘルスケアプロダクトとアプリ」

ヘルスケアプロダクトは顧客の継続利用の先に顧客ベネフィットが存在する。
この領域のプレイヤーの多くは、顧客生涯価値(LTV)の向上に寄与するであろう関係性づくりの手段としてアプリを独自に開発し、運営しようとする。

顧客のセルフケアをサポートすることが顧客価値を創出し、ビジネスとしてスケールする流れにつながるというイメージを持っているのだ。

でも、なかなか簡単にそうはならない。
その理由の全てをここで解説することは不可能なのですが、次に紹介する2つの先行アプリが支持されている理由の本質理解と自社サービス比較で、多くの気づきを得ることにあると思います。

・あすけん
https://www.asken.jp/

・みんチャレ
https://minchalle.com/

---「カンパニーからプロジェクトへ」

職域を対象とした健康づくり・維持サポートビジネスは2000年前後頃から日米ともに立ち上がり、紆余曲折しながら今日があります。

健康会計
健康経営
ウェルビーイング経営

これらに共通するのは、人対象にどう行動変容と行動継続を自律化し成果を出し、維持するか?

カンパニートレーナー&セラピストという発想が昔から存在します。
会社単位を対象に、フィットネスや健康課題の緩和や肩こり腰痛の予防などをサポートする専門家スタッフを確保して、社員の健康コンディショニングをサポートすることです。

カンパニー全体を対象とする従来型のものからプロジェクト活動単位を対象とする動きが出始めています。
プロジェクトメンバーとビジネス問題意識を共有しながらピア&トゥギャザーで進行する方がウェルビーイングは高まるそうです。

貴社ではこの考え方をどう捉えますか?

---「デジタル化の魅力」

デジタル化はモノの価値の変化と同期しています。
モノの機能を販売していた時代は終焉を迎え、モノはもはや顧客との価値共創のツールと考えた方がサービスデザインがし易い。

今まではサービスは個別的であり、それ自体が点だったものがデジタル化によってつながり線になりストーリーになっていきます。
そして、connectivity(コネクティビティ)というデジタルによる相互接続性が生む顧客同士のコミュニティ創出が新しいビジネス推進基盤となっていく。

---「これからのKPI」

売りたい商品・サービスをどう顧客に伝えるかを、採用・購入してもらうために事業プレイヤーはとても腐心します。
実は、伝えるというアプローチは一方的になった場合、エゴが丸出しになりがちです。

本来は、共感をもって伝わっている状態が望ましい。
でも、これは顧客側の状態で、一方的にメッセージしただけでは把握できません。
商品・サービスが顧客に支持され継続消費・利用につながっていくために重要なKPIがあるとしたらそれは何でしょうか?

それは顧客の声。
顧客がどう感じているかの把握が必須であることは、多くの事業プレイヤーが注力を開始しています。
もう一歩先をいく事業プレイヤーは「会話の質」に注目し始めているそうです。

IoT時代、サービス現場(顧客とのコミュニケーション)で鍵を握るKPIは会話の質になります。

---「Tell me your one-liner」

このフレーズは定期的に自分に、そして自分が関わっているプロジェクト事業への問いとして繰り返し行いたい。

「Tell me your one-liner」
「あなたの成し遂げたいことを1行で語ってください」

あなたのビジネス価値と魅力を1行で説明せよと言われたらどう対応しましょうか?
全てのビジネスパーソンが現在取り組んでいる役割やプロジェクトに関してone-linerでプレゼンテーションできることが理想です。
それは3つの要素で表現されます。

・あなたが選んだ顧客とは?(顧客)
・その顧客の抱えている課題(課題)
・我々オリジナルな解決具体策(解決策)

数多くの新たな事業チャレンジのone-linerを観察してきましたが、何度も試し磨く必要が最もあるのが顧客の抱えている課題の設定です。
課題解決に最も必要なことは正しく課題を定義することです。


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