毎週金曜配信のNEWSクリップ号より健康ビジネスキーワードを抜粋してご紹介。
HBW編集主幹の大川耕平が、健康&ウェルビーイングビジネス現場で見聞体験した中で見つけたビジネスヒントや発想刺激につながりそうなトレンドやキーワードをコンパクトに解説します。

健康ビジネスキーワード(6月)

---「サービスLTVの決め手は初期接点接遇にあり」

サービスを提供する事業プレイヤーにとって、顧客の利用期間延伸は利益に直結する大きなファクターです。
ダイレクトに表現すると、どれだけ長くサービスを使ってもらえるかだ。

顧客側から見ると、加入(購入)したサービスを快適にメリットを感じつつ続けることは、本来の望みであり期待であるはずで、それを阻害する要因の全ては利用継続意欲を削ぐものになる。
利用プロセスで発生する顧客にとっての課題(小さい躓き)をどうやって解決するのか?

1.それらの具体策を顧客モニターなどの協力のもとにロールモデル化しているか
(具体策の実際性)

2.どのような順序で躓きが存在するか把握しているか
(把握する努力をしているか)

3.躓きの関係性が可視化されているか
(課題解決の流れのデザイン)

これら1-3の知見を初期接点接遇に注ぐことを考えることを、全てのヘルスケアサービス事業プレイヤーに提案したい。
なぜかといえば、継続利用の阻害要因の約6割は初期接点接遇で解決できる可能性があるからです。

※LTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)

---「妄想」

ビジネスで使われる平均的な価値は、実はマーケット側には存在しません。
ビジネスは答えのないゲームと言われています。
コントロール・管理できる範囲は限られており、「便利」から「意味がある」への価値観シフトが起こっています。

意味あるイノベーションは新しい結合から生まれます。
平均からは生まれません。
管理できない、妄想が価値あるモノ・サービスづくり、時代をリードする最重要ファクターではないでしょうか。

妄想を歓迎する文化があるか否か、いかがですか。

---「差別化ではなくて差異化」

他社と同じ領域に商品サービスを投入する。
これはどの業界でも日常茶飯事的に生じている現象です。
ヘルスケア・サービスでも同様。

そこで、他社と差別化するために何かの機能を足し算してしまうケースが多いようです。
「我々はこれがプラスされています」ということが優位に立つ根拠になると思い込んでいるからです。

本来目指すべきは差異化です。
それが意味することは独自の価値化です。
自分たちが提供する商品サービスに関する哲学を表現すると言ったら言い過ぎでしょうか。
そこには顧客視点が徹底的に練りこまれている必要があります。

一度、貴社商品サービスの差異化について社内で議論してみてください。

---「ドラッカーに学ぶ_003」

「マネジメントの価値」

“経営政策も含め、人間社会に関わる事柄について重要なことは、
正しいか間違いかではない。うまくいくか、いかないかである。
マネジメントは神学ではない。実学である。”

正しければうまくいかなくてもOKになっていないか否か?

※出典:「企業とは何か」ピーター・F・ドラッカー著1946年


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