あけましておめでとうございます。
HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
2023年はウェルビーイング活性化の年になると予測しています。

特集: ウェルビーイング・アイテム研究編

ウェルビーイング・ネイティブの理解

昨年末号ではウェルビーイング・アイテム予測と称して2023年注目ウェルビーイング・アイテム&コンセプトを6つ紹介しました。
その中でも最も粒度の荒かった「ウェルビーイング・ネイティブ」について今回考えていきます。

実は、「何ですか?それ」という、分からないという方が最も多かったのでした(苦笑)。

ウェルビーイングが今後のビジネス価値観のコアに位置し、正しい理解のもとに取り入れていくことができないビジネスが淘汰されていく時代になっていくことは、多くの読者はおぼろげながら認識できていると思います。

ウェルビーイング時代に「ウェルビーイング・ネイティブ」というフォーカスを持つ、持たないのとではアプローチに差が出てくると我々は考えています。

※ネイティブとは:
原住の。天然の意。例えばデジタル・ネイティブとは生まれた時からデジタル環境が整っていて自然に使える世代のこと。

※ウェルビーイング・ネイティブとは:
ウェルビーイング追求が当たり前の感覚として行動できている人のことで、これは我々の造語になります。

ジェネレーション・ギャップを認める

「ウェルビーイング・ネイティブ」を理解する上での大前提にジェネレーションを把握しておく必要があります。
現状で国民全員がウェルビーイングを追求していると考えるのは無理があります。

世代ごとに価値観は異なります。
そしてこの構造を理解しないとマーケティング施策もうまく機能しないことは知られています。

<昭和世代>
キネマ世代(1936-45年生まれ)_77-86歳
団塊世代(1946-51年生まれ)_71-76歳
シラケ世代(1952-58年生まれ)_64-70歳
新人類世代(1959-64年生まれ)_58-63歳
真性バブル世代(1965-70年生まれ)_52-57歳

<平成世代>
団塊ジュニア世代(1971-76年生まれ)_46-51歳
ロスジェネ世代(1977-81年生まれ)_41-45歳
草食系世代(1982-87年生まれ)_35-40歳
ゆとり世代(1988-94年生まれ)_28-34歳
Z世代(1995-2004年生まれ)_18-27歳

※出所:インフィニティ代表取締役 牛窪恵氏 資料より


大企業を中心に経営層はほぼ昭和世代です。
昭和世代の数の多寡で勝敗を決する文化。数で勝つという勝ち方しか知らない世代はウェルビーイングでリーダーシップをとるべきではありません。

ウェルビーイングの真髄は「個人の主観」が基本です。
昭和的な集団行動ありきの発想とはかなり違いがあります。

少し話はそれますが

デジタルヘルス黎明期(2000年頃)に数多くの企業がその後の可能性を信じて新規事業としてヘルスケアに着手しました。
そして、既存事業で成果を上げている期待すべきエース人材を新規事業担当として起用しました。

さて、どうだったでしょうか?

約8割が最初失敗しました。

なぜでしょうか?

既存の枠組みで新規事業を評価・管理しようとしたことが中心的な原因でした。
そして既存事業で成果を上げている担当者はその枠組みで優秀だった人材です。
このシンプルな因果構造を学び改善実践できるまでほとんどの企業が4-6年を要するのが普通のパターンでした。
まだ解決できていない企業もあります。

2000年前後にスタートして現在も継続しているヘルスケア事業をみると、失敗を許容する文化のある組織で、外部との連動がオープンであり、リーダー像は「やんちゃ系」が多かったです。

企業が新たな指向性を持った文化づくりに着手するとき、どのような感性を持ったリーダーを起用するか?は極めて重要に思います。
つまり、カルチャーギャップを認めた上でのスタートが必要ということが言えると思うのです。

ウェルビーイングを取り入れた事業ドライブは多くの企業にとって新たなカルチャーづくりであると思うのです。

誰にやってもらおうか?

ここは迷わずロスジェネ世代以降で男女同数か女性多めでプロジェクトチームを編成することをお勧めします。
ウェルビーイングを取り入れた事業を推進していくために「ウェルビーイング・ネイティブ」の発想を活かしていくべきです。
これらの世代からネイティブ発想が生まれる可能性が大きいのです。

昭和世代はカットです(笑)
立場上参加が必要ということであればフラットなポジションでの参加が望ましいです。

実は昭和世代にも「ウェルビーイング・ネイティブ」がいる可能性はあります。
しかし、比率的にはおそらく低いです。
そして、昭和世代はウェルビーイングに向けた自己再定義が必要になります。

ウェルビーイング担当者の方へ

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健康ビジネスキーワード

「健康消費者ニーズの個別性の捉え方_4/8」

「ヘルスケアビジネス」力 8 の4つ目になります。

ヘルスケアビジネスの初期段階で犯しがちな間違いの一つにターゲットを広く設定し、思うような反応を得ることができず、右往左往するという現象があります。
ターゲット設定の読み間違いは初期だけのことではないのですが、なぜその様なことが起こるのでしょうか?

その原因は、ヘルスケアビジネス事業者として健康ニーズの個別性への理解不足に尽きます。

例えば、健康向上に貢献する「情報・モノ・サービス」に最初に反応するのはどんな人たちでしょうか?

その答えは「健康オタク」です。
なぜなら、四六時中健康のことを考えているからです(笑)

多くの場合、自社が提供可能な健康課題解決で改善できると想定しているターゲットは、健康無関心層に位置する人達です。
健康無関心層に健康提案しても反応は寂しくなるくらいありません。

そこでまずは、
ヘルスケア事業者が提供する価値は誰のためのものか?
誰のために価値創造提案するのか?
ターゲットの感心ゴトは何なのか?
その関心ゴトと自社提供価値はどう相関するのか?

2009年頃から活用している「健康消費者ポジショニングマップ」という4象限に別属性タイプをプロットしたマップがあります。
健康課題は、その深刻度的個人差があり、個別であり、時系列的にも変化していくものです。
その基本的フレームをこのマップで確認していただけると思います。
健康消費者ニーズの個別性の基本が明確になると思います。


「健康消費者ポジショニングマップ」のダウンロードはこちらから。
期間:2023年1月20日(金)まで
https://healthbizwatch.com/member/hbw2301

今週の注目記事クリップ

[1]クロスメディアグループ、疲労回復専用ジム ZERO GYMがオンライン・パーソナルプログラム「睡眠fitness」をスタート(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000232.000080658.html
疲労回復専用ジムZERO GYM オンラインの「睡眠fitness」は、運動、呼吸、食事からアプローチして「最高の脱力」と「最高の目覚め」を提供します。(2022/12/27)

+++★追加解説音声:90秒(編集主幹 大川耕平)★+++
心身を整えるジムの登場です!
https://youtu.be/p_YFTFRl5-Q

[2]ファンケルと弘前大学、フレイルに関与する自律神経機能と生活習慣病関連因子や腸内細菌叢の関係を発見ー健康ビッグデータを活用したフレイル予防研究ー
https://www.fancl.jp/news/20220044/news_20220044.html
弘前大学が実施する「岩木健康増進プロジェクト健診」で得られた健康ビッグデータを活用し、フレイルに関与する自律神経機能や生活の質の向上に関する因子を調査。(2022/12/21)

[3]デロイト トーマツ グループ、「Digital Consumer Trends 2022」(日本版)を発表
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20221221.html
全世界22ヶ国・地域、計38,150人、16歳から75歳を対象に調査を実施。COVID-19対策が進み、「巣ごもり」と「巣立ち」が混じる状況下の日本のデジタル消費行動の変化を分析。(2022/12/21)

[4]アスマーク、ジムの選ぶ基準、8割以上が「値段」重視~スポーツジム・フィットネスクラブに関するアンケート調査~(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000331.000018991.html
全国の20-50代男女の会員制運動施設の利用未経験者、利用意向者を対象に調査を実施。入会したことがない人、1割以上が入会意向あり、など。(2022/12/21)

[5]クックパッド、一般社団法人全国スーパーマーケット協会と協業(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000288.000027849.html
今後、クックパッドが持つ料理や食に関するビッグデータを元にした情報を、同協会との施策を通じ食品流通業界に提供することで全国のスーパーマーケットの支援を行う。(2022/12/21)

[6]健康博覧会とウーマンズ、国内最大級!「ジェンダード・イノベーション ビジネスカンファレンス」を東京ビッグサイトで3日間開催(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000059452.html
2023年2月8日-2月10日に開催する「ジェンダード・イノベーションEXPO」との連動企画。医療/アカデミア/企業/メディアの各界から著名人が登壇し、GIに関する最新トレンド、事例、課題、指針などをオーディエンスに提供。(2022/12/21)

[7]在宅医療マッサージ、日本のフットケアは遅れている?足は“第二の心臓”!現役医師の6割弱が「定期的な足のケアが必要」と回答(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000042652.html
現役医師を対象に「日本のフットケアの今後」に関する調査を実施。9割近くの医師が今後フットケアの重要性は高まると回答。(2022/12/21)

[8]CureApp、アルコール依存症向け治療用アプリの治験を開始
https://cureapp.blogspot.com/2022/12/cureapp20231.html
本アプリは、飲酒習慣改善のための専門的知識と技法の習慣化をサポートするもので、非専門医が心理社会的治療に習熟し実施するコストを抑えながらも、質の担保された治療を可能とすることを意図して開発されました。(2022/12/22)

[9]東京大学とoVice、メタバースオフィスの健康・生産性への効果を検証する共同研究を開始します
https://dmh.m.u-tokyo.ac.jp/archives/477
メタバースオフィスにおける従業員のコミュニケーション行動を分析し、メタバースオフィスでの勤務が従業員の精神的健康や生産性に与える効果を明らかにして、メタバースオフィスの効果的な利用方法の確立を目指した共同研究。(2022/12/22)

[10]セイコーエプソン、バイタルデータから集中度を可視化し、ウェルネステレワークの効果を実証
https://corporate.epson/ja/news/2022/221222.html
今回、テレワーク中の心身の状態を可視化、定量評価することができたことから、今後、企業の健康経営の実践手段として地域資源を生かした地方滞在型テレワークやワーケーションの取り組みにも弾みがつくことが期待されます。(2022/12/22)

[11]日清シスコ、節約と健康の両立に苦労を感じている人は約7割もいることが判明、管理栄養士が「コスパ」も「タイパ」もいい朝食メニューを提案(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000106.000045598.html
「節約と健康の両立」に関して全国の社会人男女2,412名を対象にアンケートを実施。その結果をもとに、健康食宅配サービス等を展開するファンデリーと、朝食をテーマとした座談会を共同で開催。(2022/12/22)

[12]ProFuture、HR総研「ウェルビーイングと健康経営」に関する調査結果を公開(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000041222.html
各企業におけるウェルビーイングや健康経営に向けた取り組みや課題、成果等に関する調査を実施。ウェルビーイングの取組みに前向きな企業、パーパス浸透企業で8割近く、など。(2022/12/22)

[13]asken、あすけん「ダイエットトレンド」予測2023を発表
https://www.asken.inc/news/2022/12/23/2023
ここ数年のダイエット動向や健康志向の変化を振り返りながら、あすけん栄養士が2023年のダイエットの「新習慣」として広く根付いていくのではと予想した、5つの注目キーワードを選定。(2022/12/23)

[14]RIZAPグループ、扶桑社より「書いて痩せる!chocoZAP~すきま時間にちょこっと運動~」が発売されました
https://www.rizapgroup.com/news/information/20221223_01/
1日5分、週2回から運動習慣を身につけるchocoZAPメソッドと、今までのRIZAPメソッドを、自宅で実践するための本。(2022/12/23)

[15]スリー、習慣化を通じて子供が自ら未来を切り開く力を育むアプリ“Welldone!”が世界最大のEdTechコンペティションGESA日本予選で総合優勝し日本代表に選ばれました(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000083557.html
Welldone!(ウェルダン)は、子どもがより良い習慣を楽しく身につけることで親子のストレスを抑えて、親子の関係が健やかになるアプリ。今後、2023年1月メキシコでの世界大会、3月ロンドンでのBETT SHOWに参加します。(2022/12/23)

[16]SOMPOインスティチュート・プラス、[Vol.82] 2.公共政策における幸福度の活用~イギリス、ニュージーランドの政策展開と日本国内の動向~
https://www.sompo-ri.co.jp/issue_quarterly/20221226-6513/
本稿では、幸福の概念や構成要素、分析手法について整理するとともに、国や自治体での幸福度活用の事例を踏まえ、公共政策における幸福度活用の課題や展望について考える。(2022/12/26)

[17]2023年のフィットネストレンドは、5つの「O」(Fitness Businessより)
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/1395
フィットネスビジネス編集部が、2023年を大胆に予測。着目すべきファクトは何か?それをどう解釈し、どんな対応をすべきなのか?編集部の考えをまとめてみた。(2022/12/26)

[18]イーヤス、企業のオリジナル体操制作サービスを開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000067525.html
会社それぞれのオリジナル体操動画制作サービス「かいしゃの体操」を提供開始。社員共通の運動を通じて、コミュニケーションの向上も狙う「令和版ラジオ体操」。(2022/12/27)

[19]スターツ出版、本当に使って良かったアイテムがわかる「OZmall ウェルネスアワード2022年」を発表!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001626.000000607.html
ユーザー向けアンケート3,017人の回答をもとに使ってよかったヘルスケア関連アイテムを調査しランキング形式でリアルなコメントとともに紹介。ハミガキ、入浴剤、トクホ・機能性表示食品、生理用ナプキンの全6部門。(2022/12/27)

[20]2022年アクセスランキング:[デジタルヘルス]2年連続で首位はあの装置、血糖値のモニタリングも注目集める(日経デジタルヘルスより)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02293/00025/?ST=ch_digitalhealth
「デジタルヘルス」分野で2022年に最も読まれた記事は『0.2mmの微小血管を可視化、「光超音波イメージング装置」が医療機器として承認取得』だった。(2022/12/28)

[21]グローバルニュートリショングループ、GNGが選ぶ健康食品業界10大トピックス|2023年新年特別号
https://global-nutrition.co.jp/gngnl/gng-newsletter-20230105/
2023年新年特別号では、毎年恒例、前年の健康食品業界の10大トピックスをセレクトしてご紹介。今号のハイライトは「腸脳相関」。(2022/01/05)

[22]クラブビジネスジャパン、「ポストコロナにおける世界のフィットネストレンドを掴む~世界で成功をおさめるクラブが今、注力していること~」開催
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/1405
開催日は1月19日(木)。本セミナーでは2名のゲストを迎えて、それぞれの視点からクラブ、インストラクター、フィットネス業界の今後の課題、世界の最新トレンド等リアルな現状についてディスカッションします。

[23]10秒のカメラ撮影で非接触血圧測定
https://mhealthwatch.jp/global/news20221222-2
南オーストラリア大学とイラク・ミドルテクニカル大学のチームは、額のカメラ撮影により心拍信号検出と血圧測定を行う非接触システムを開発している。(2022/12/22)

[24]CB Insights、世界で最も有望なデジタルヘルススタートアップ150選
https://mhealthwatch.jp/global/news20221223
CB Insightsは、「The Digital Health 150」として、世界で最も有望なデジタルヘルススタートアップ150選の2022年版を公開。(2022/12/23)