[ウェルビーイング・アイテム研究編]全てのプロジェクトにwell-beingを!
HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
今回のテーマにピンときた方はぜひ情報交換しましょう!
特集: ウェルビーイング・アイテム研究編
前回、「well-beingは誰のものか?」というタイトルで、国の施策としてのwell-beingの取り組みを紹介しながら、コミュニティが介在するwell-beingが自然ではないかという我々の仮説を述べつつ「チームに向けたwell-beingをサポート」していく計画も少しだけ紹介しました。
今回は、それを少し掘りさげて「プロジェクトにおけるwell-being」にアプローチをしていきます。
<プロジェクトの定義>
- 目標達成のための計画と業務
- スタートとゴールがある
- 有期(期限が設定される)
- 複数メンバーが集まり1つの合意した目標を達成するための活動
- 社内だけではなく、他社、専門家、フリーランスと協力する場合が多い
- 目標までのマイルストンを設定し、進捗を管理する
あなたは過去参加したプロジェクトでwell-beingを体感しましたか?
前述のように定義できるプロジェクトには様々な想いや目的が込められます。
設定されるテーマのバリエーションは無限と言えますが、ここでは一旦ヘルスケア領域での「新規事業開発プロジェクト」を想定して考えていくことにします。
さらに新商品・サービス開発が伴う事業とします。
プロジェクト起点(大枠として)
・トップダウン
・ボトムアップ
・外部からのアプローチ(受動的)
・オープンイノベーションやアライアンス(能動的)
起点が異なるプロジェクトはwell-beingとの距離感覚が異なります。
組織内のヒエラルキーが反映された強力な圧が最初から最後まで存在するプロジェクトや、小さなきっかけから徐々に支持者・参加者が広がっていくプロジェクトと、その空気感や圧は異なるわけです。
ここでは共通点「今までと異なるカルチャーづくり」であることを前提とします。
新商品・サービスを開発して顧客へお届けしていく事業は、今までとは違うカルチャーづくりと同義であるという解釈です。
カルチャーづくりとwell-beingは極めて密接に連動するものではないかと思うのです。
また、ヘルスケア領域の新規事業開発の場合、今までと異なるカルチャーづくりが必須であると開発プロセスでほぼ100%の参加メンバーが気づくはずです。
人が生み出すカルチャーがビジネスを支えていく、という考え方がスタンダードになっていくと考えています。
プロジェクト憲章にwell-being項目を
プロジェクト憲章とはプロジェクトスタート時に成功に導くためのゴール・目的を設定し、予算やスケジュールなどの概要を明記したものです。
プロジェクト・チャーターとかプロジェクト・ステイトメントとも言います。
- 目的・目標
- スコープ(範囲)の定義
- 条件
- スケジュール
- 予算
- リスク
- 関係者
これらが通常のプロジェクト憲章の記述項目となります。
ビジネスとしてのアウトプット(成果)に向けた認識・計測可能な有形な定義が中心になっています。
プロジェクトマネジメント技術が日本に持ち込まれて数十年を経ていますが、どちらかというとハード指向なマネジメントでした。
プロジェクトマネジメントのあり方・やり方は、時代と共に変化してきています。
そして今、「組織のための人」から「人が中心の組織」へと発想と行動を変えていく流れがウネリになりはじめているのだと思います。
先に紹介したプロジェクトマネジメントの国際的推進団体であるProject Management Instituteによるプロジェクトマネジメントの教科書であるPMBOKは、2021年に第7版に改訂されました。
この変更内容に注目が集まっています。
この資格保有者の方に伺うと、一言で言うと「プロジェクトは人が創り上げるもの」と言う発想と行動が反映された内容になっていることです。
PMBOKの中の12のプロジェクトマネジメントの原則に明確に反映されているとのことでした。
「プロジェクトチーム独自の文化を打ち立てる」
これは高いパフォーマンスのプロジェクトチームの要素として、オープンなコミュニケーション、共通理解、信頼、協力、適応性、レジリエンス、エンパワメントを認めることになります。
そして、チームの皆を力づけ、やる気と仕事満足度(エンゲージメント)向上を成し遂げるためのリーダーシップとしてサーバント・リーダーシップ(奉仕するリーダーシップ)がプロジェクトマネジャーに求められます。
つまり、目的活動を進めるメンバーの個性を認め合い励まし合う独自のチーム文化を創りながらプロジェクトを進めていこうという考え方にシフトせよ、ということなのだと思います。
まさにカルチャーづくりですね。
そこでプロジェクト・ウェルビーイング・ルール(まだ仮です)を提案したいのです。
プロジェクトスタート時にプロジェクト憲章に入れ込むのがベターですが、もっとチーム活動の中で気軽にウェルビーイング・ルールを運用するのはどうでしょうか?
<プロジェクト・ウェルビーイング・ルール案>
・メンバー同士は名前で呼び合う(肩書きは使わず上下関係をつくらない)
・各メンバーの長所を一つ見つけ、他のメンバーと共有する
・各メンバーの長所に助けられている旨を感謝の言葉で伝える
・雑談を大事にする
・お互い違いを認め敬意を持つ
・助けてほしい事柄をオープンに皆に伝える
etc
みなさんでしたら、どのようなルールを設定しますか?
ぜひ、情報交換しましょう。
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https://healthbizwatch.com/consultation?athr=12
健康ビジネスキーワード
「発想力が知識より重要」
全てとは言えないが、知識はスマホでググれば瞬時に入手することができる(信憑性は別だが)。
自社が提供しているサービスの継続率が思わしくない。
その原因を把握して改善したい。
そう考えた時、ググっても答えは見つからない。
顧客にとっての「不」はどこにあるのだろうか?
顧客目線での発想力を持つことが打開の起点であり、
もっと言えば顧客と一緒に解決策をコミュニケーション共有できたらよりベターです。
今週の注目記事クリップ
[1]MISOVATION、日本初 パーソナライズ味噌汁「MISOBOX」Makuakeにて先行発売を開始!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000073369.html
栄養士監修の独自診断により、味の好みや足りない栄養素に応じて1人ひとりに最適な味噌汁を処方する、今までにない新しい味噌汁体験をお届けします。(2023/09/25)
+++★追加解説動画:7分3秒(編集主幹 大川耕平)★+++
パーソナライズサービスの本質構造を持ったモデル登場!
https://youtu.be/cX81Obokklw
[2]資生堂、ウェルネス領域展開への第一歩として インナービューティー事業を本格始動
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003689
一人ひとりの自分らしい健康美を実現するインナービューティブランド「SHISEIDO BEAUTY WELLNESS」を2024年2月に立ち上げます。第一弾として、ツムラとカゴメの各社と共創し、共同研究・開発した商品を日本国内で発売します。(2023/09/20)
[3]アデコ×パナソニック コネクト×ルネサンス、女性のキャリア開発支援のため 3社合同で「クロスメンタリング」の取り組みを推進
https://www.s-renaissance.co.jp/news/detail/?did=2024&&t=1
「クロスメンタリング」とは、メンター(支援、助言する人)とメンティー(支援・助言を受ける立場の人)を他企業同士で組み合わせた、企業横断型のキャリア形成支援の取り組み。(2023/09/20)
[4]NTTコミュニケーションズ、「脳の健康チェックplus」の有償トライアルを開始
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2023/0921.html
本年度中に「脳の健康チェックフリーダイヤル」及び「脳の健康チェックplus」を法人向けのサービスとしてリリース予定。これらを通して「認知症で不安になる本人・家族・企業が少なくなる社会」の実現に挑戦します。(2023/09/21)
[5]東急スポーツオアシス、鎌倉市役所でオアシスのバランスボールが活躍中
https://www.sportsoasis.co.jp/2023/09/21/pr_balanceball-2/
オアシスが考案したバランスボールはリング固定があるため転倒しにくく、安心・安全に座ることができるというのが特徴。現在11の自治体及び1団体が導入。(2023/09/21)
[6]Pema Future、新しい地方創生の形「農業ワーケーション」を体験できるサービス「No 農 No LIFE(略称:ののの)」β版リリース(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000088379.html
午前は農業、午後はテレワーク。農家でワーケーションをすることで交流人口を増やし、新たな地方創生の形を広げています。(2023/09/21)
[7]フレックス、想いが伝わるギフトラッピングでコミュニケーションも活発になる「福利厚生サービス」提供開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000059370.html
眠って業績アップ!?社員のスヤスヤをパジャマでサポート!パジャマを贈ることで生まれる会話を通じて社内のコミュニケーションの活性化と社員が「睡眠の大切さ」を考えるきっかけを提供する福利厚生サービス。(2023/09/22)
[8]グローバルニュートリショングループ、NZの国民的フルーツ、フェイジョアの糖尿病予防効果に関する研究が開始される、ほか
https://global-nutrition.co.jp/gnggn/globalnews-20230925/
GNGグローバルニュース2023年9月25日号。NZの国民的フルーツであるフェイジョアの糖尿病予防効果に関する研究が開始される、など。(2023/09/25)
[9]ベネッセホールディングス、サンキュ!女性の健康ストレス意識調査(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001184.000000120.html
ストレスを感じている既婚女性7割。要因に家事、経済問題、仕事。ストレスのある人ほど、体調不良の傾向。夜更かし・暴飲暴食・買い過ぎが顕著、など。(2023/09/25)
[10]パーソナルジム×食事指導で、サービスの質を高める REAL WORKOUT(Fitness Businessより)
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/1837
REAL WORKOUTは2023年4月に国内100店舗出店を達成。身体を構成する最も大切な要素の1つである「食事」にフォーカスし、株式会社Nwithが提供する管理栄養士プラットフォームを活用した食事指導サービスを全店に導入。(2023/09/25)
[11]継続率の向上を、世界9,000クラブで実現する要因とは Myzone(Fitness Businessより)
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/1838
運動継続を強力にサポートするウェアラブルテクノロジーMyzone開発の背景と、支持を拡げる要因について、創始者のDave Wright氏に訊いた。(2023/09/25)
[12]フィットクルー、体組成に基づいた食事改善方法を提供するサービスを開始「UNDEUX SUPERBODY(R)タイプ別食事指導」(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000053452.html
年間3,972名の指導ノウハウから開発の食事指導。UNDEUX SUPERBODY(R)は、お客様一人ひとりの体質やライフスタイルに合わせた『適切な食事改善方法』を実施することが重要だと考えています。(2023/09/25)
[13]CureApp、世界初 実際に処方された利用患者における降圧効果データを発表
https://cureapp.blogspot.com/2023/09/blog-post_26.html
保険適用の「高血圧症向け治療アプリ」を用いたスマート降圧療法。65歳以上の高齢者においても継続可能、12週後の起床時収縮期血圧で-8.8mmHgの降圧を確認。(2023/09/26)
[14]全薬工業、不眠・ストレスに関する意識調査を実施【PDF】
https://www.zenyaku.co.jp/assets/pdf/release_230926_aropanol.pdf
https://www.zenyaku.co.jp/
20-59歳の男女有職者842人を対象に調査を実施。対策をとっても改善されない“不眠族”は40%以上!不眠対策に求めること第1位は「手軽さ」、身体への優しさを重要視する声も。(2023/09/26)
[15]キリンホールディングス、「キリン iMUSE 免疫ケアサプリメント」が一般社団法人日本健康医療学会で「健康医療アワード」を受賞【PDF】
https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2023/0926_01.pdf
https://www.kirinholdings.com/
「キリン iMUSE 免疫ケアサプリメント」は、4粒にプラズマ乳酸菌1,000億個を配合した、毎日続けやすい、水などと一緒に飲むサプリメント。「プラズマ乳酸菌」の免疫への機能と、継続的に摂取しやすい点が評価。(2023/09/26)
[16]男性の育休取得率、17%で過去最高に 女性は80.2%(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/news-women-230926-1
男性の育児休業取得率を産業別に見ると、「金融業・保険業」が最も高く37.28%、次いで「医療・福祉」25.99%、「生活関連サービス・娯楽業」25.53%となった。(2023/09/26)
[17]VCスタートアップ労働衛生推進協会、スタートアップ業界のための健保組合「VCスタートアップ健保」設立に向け、新たに8社のVCが参画決定(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000124103.html
スタートアップ従業員の健康増進、産業保健分野における継続的なサポートを目指し、多くのVCが支援。2023年7月3日には設立趣意書の提出も完了しており、正式に審査プロセスに入り、設立準備を進めております。(2023/09/26)
[18]博報堂、健康診断エンターテインメント「健診戦」とは?~従業員のヘルスデータを活用し健康意識向上と健康経営推進を目指す~
https://www.hakuhodo.co.jp/news/info/105977/
開催日は2023年10月12日(木)。博報堂BIZ GARAGE主催。本ウェビナーでは「健診戦」のプロダクトマネージャーチームが登壇し、健康経営推進や博報堂が取り組む背景について解説。(2023/09/26)
[19]コーチング心理学協会、オンライン・ワークショップ:認知行動療法と認知行動コーチング基本講座を開催
https://www.coaching-psych.com/event/cbc/
開催日は2023年12月2-3日(土・日)9:00-17:30(2日間・両日)。「認知行動科学」「認知行動療法」の基本から、最新の「認知行動コーチング」を楽しく実践します。(2023/09/28)
[20]新社会システム総合研究所、ナッジ・行動デザイン最前線
https://www.ssk21.co.jp/S0000103.php?gpage=23468
開催日は2023年10月20日(金)。ヘルスケア・まちづくり・サービスデザインへ実践するポイントを具体的事例を基に解説。
[21]TSO International、レジャー&アウトドアジャパン2023開催
https://leisure-japan.jp/outline/
開催日は2023年11月28日(火)-2023年11月30日(木)。テーマパーク・アウトドア・レジャー産業総合展。テーマパークEXPO、レジャープール&サウナEXPOなど。
[22]TSO International、Wellness Tokyo2023開催
https://wellnesstokyo.com/
開催日は2023年11月28日(火)-2023年11月30日(木)。健康増進・未病対策に関する食品・製品・サービスが集まる日本最大級のウェルネス総合展。ウェルネスフードジャパン2023【秋】など。
[23]Glass Health、医療診断を提案するAIを構築
https://mhealthwatch.jp/global/news20230922
Glass Healthは現在、OpenAIのChatGPTと同様の技術である大規模言語モデル(LLM)を利用したAIツールを提供しており、患者の診断と「エビデンスに基づいた」治療法の選択肢を生成する。(2023/09/22)
[24]Apple、『Apple Watch Series 9』発表
https://mhealthwatch.jp/global/news20230925-2
Apple Watch Series 9の音声入力は前モデルと比べて最大25%正確になり、体重、生理、服薬などの健康に関するデータを音声で記録できる。(2023/09/25)
[25]エーザイ、デジタル認知症サポート事業会社を設立
https://mhealthwatch.jp/global/news20230926
エーザイが新たに設立した完全子会社Theoria Technologiesは、「認知症エコシステムの開発を加速する」ことを目指している。(2023/09/26)
[26]『mHealth Watch』注目ニュース:SOMPOインスティチュート・プラス:PHRサービスへの健康行動理論の活用
https://mhealthwatch.jp/japan/news20231002
「PHRサービス」「健康行動」という二つのキーワードが気になっている読者の方は、今回のレポートはご一読いただき、本質的な部分について触れていただき、参考にしていただければと思います。(2023/10/02)
+++★デジタルヘルス解説動画(オーサー 渡辺武友)★+++
【デジタルヘルス・ビジネスの疑問解消!】
デジタルヘルスのビジネスに関わる人に役立つ情報をお届けします。
第21回 Walgreens、VBHC導入支援するPearl Healthと提携(6分12秒)
https://youtu.be/xghxxMWcwUA
第22回 ヘルスケア制度活用のポイント(5分12秒)
https://youtu.be/dqh3v5vC2Sc