こんにちは、渡辺武友です。
VUCAの時代の波はヘルスケア業界にも押し寄せています。
VUCAの時代とは?これから必要なことはなんでしょうか?

特集:健康ビジネス・マーケティング&収益化編

VUCAの時代をチャンスにするビジネスモデル

VUCA(ブーカ)の時代と言われる現在、ヘルスケアビジネスも大きな転換期を迎えています。
それは、米国をはじめ海外でのValue Based Healthcare(以下VBHC)の導入により、今までのビジネスモデルでは通用しなくなってきました。
ここ日本でもPay For Success(以下PFS)/Social Impact Bond(以下SIB)が動き出したことにより、ビジネスモデルは変化せざるを得ない状況になってきました。

これからの時代に通用するヘルスケアビジネスとは?考えていきます!

ビジネスモデルに変化が求められる時代

今はVUCAの時代だと、よく言われるようになりました。
VUCA(Volatility=変動性, Uncertainty=不確実性, Complexity=複雑性, Ambiguity=曖昧性)とは、「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を表す言葉です。

価値観や社会の仕組みが変わってきたこと(変動性)で、今まで常識だったことが非常識になってきています(不確実性)。
ビジネスシーンでは、よく遭遇するようになったのではないでしょうか?

現在は、課題が複雑化しているのも特徴です。
1つの課題に対応するだけでは足りず、複数の要素(複雑性)が絡み合って、視点を変えるとゴールの捉え方も変化します(曖昧性)。

ヘルスケアでもVUCAの時代を痛感します。

予防、治療、病後はそれぞれ別の取り組みとして行われてきましたが、現在は一連、もしくは組み合わせて評価していこうとの動きもあります。
また、病気を治すだけでなく、その後の生活の質、満足度まで見ることが求められ、そこまでしないとサスティナブルとして認識してもらえないようにもなってきています。

ヘルスケアビジネスの変化「成果報酬」の導入

ヘルスケアビジネスでの大きな変化は、海外でのVBHCの導入、国内でのPFS/ SIBの導入です。
VBHC、PFS/ SIBどちらにも共通していることは「成果報酬」制度です。

今までは提供するモノやサポートの “量” で支払いが決まっていました。
「成果報酬」制度とは、結果や満足度といった “質” で支払いが決まります。

これは今までのビジネスモデルとは変わってきます。
しかしVUCAの時代には、納得性も高まる優れたビジネススタイルでもあると言えます。

VUCAの時代のビジネスチャンス

「成果報酬」制度は、ビジネスモデルとしては大きな変化となりますが、VUCAの時代に対応するビジネスチャンスと捉えられないでしょうか?

実は提供する商品サービスが大きく変わるわけではありません。

もちろんゴールは1つではありませんので、例えば、国内におけるPFS/ SIBに対応した取り組みを行う場合、既存商品サービス強化により解決することの先にある、潜在的課題解決にどう取り組めるのか?示す必要もあります。

業界の中にいると変化が見えにくいことがあります。
ただ社会からは、ヘルスケアへの変化を求められています。
今こそ、VUCAの時代を生き抜くチャンスと捉えて挑んでいきましょう。

時代の変化を知り、ディスカッションすることで深める

新たな制度など、これからを知ることも必要ですが、なぜそのような制度が求められているのか?背景を知り、どのようなことが取り組まれてきたかを踏まえなければ、VUCAの時代を生き抜く答えは見えてこないと言えるでしょう。

mHealth Watchがはじまって10年が経ちました。
この節目に、デジタルヘルス動向10年を振り返り、時代がどう変化したのか?
改めて必要となる成功要因はなにかを見つけていく勉強会を開催します。

また、知っただけでは「自身で使えるもの」にはなりません。
自分なりの言葉にすることで、はじめて今後に活かしていけるものとなりますので、勉強会後には、ディスカッションできる場として、その場で懇親会を開催します。

勉強会と懇親会をセットで行うこと。
この場が、あなたを高める機会となります。ぜひご参加ください。

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リアル勉強会&懇親会
mHealth Watch10周年イベント

「デジタルヘルス10年の動向から見る成功要因とこれから」

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講師:
NTT西日本 戸田伸一氏
ネオファースト生命保険 キョウ振氏
mHealth Watch編集長 渡辺武友

日時:2023年10月19日(木)15:00開場/15:30~17:30(18:30懇親会終了)
会場:ネオス株式会社(東京都千代田区神田須田町1-23-1 住友不動産神田ビル2号館11F)
参加費:4,000円(懇親会飲食代含む)
定員:20名

主催:
ネオス株式会社(https://www.neoscorp.jp/)、株式会社スポルツ(https://www.sportz.co.jp/

ゲスト講師として、デジタルヘルスでの成功要因を踏まえた新たな取り組みとしてスタートしたネオファースト生命のキョウ振氏より『健診結果改善サポートアプリ Neoコーチ』の紹介、
未来のヘルスケアのあるべき姿を追求するNTT西日本より戸田伸一氏から、現在のチャレンジ(実証実験)について紹介していただきます。

今回、皆さんが名刺交換できるよう20名と小規模開催とするため、残席も少なくなってきました。
興味を持っていただけたなら、すぐにお申し込みいただくことをオススメいたします。

お申し込みはPeatixよりお願いします。

https://peatix.com/event/3699868/view?utm_campaign=pod-24582&utm_medium=email&utm_source=follow-organizer&utm_content=552380&dlvid=17a15f90-328c-40e5-916b-972e31a16e34&sltid=0

健康ビジネスキーワード

「最近のビジネスに通じる4つの磨くべきもの」

数年前にも紹介した4つの磨くべきものを少しアップデイトしました。

素材を磨く=材料を使いやすい状態に準備する
→ネット時代にあって接触する情報源に配慮が必要な時代
(マスコミ・ネット情報を信用するな)

着想を磨く=複数の発想、切り口をいくつか持つ
→発想転換できる場・機会を求める

技を磨く=技術的なプロセスを修練する
→自分にとっての技術とは何か?AIではできないことで自分しかできないこと

言葉を磨く=コミュニケーション品質向上
→「人を動かす」D・カーネギーを10回読み実践する

いかがでしょうか。

今週の注目記事クリップ

[1]進む「顧客体験の高度化」 ヘルスケア業界の事例(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/marketing-case-230928-3
女性の健康問題に対する社会的関心が高まり、各社の参入の激化が始まった今こそ、情緒的価値を追求し顧客体験を高度化するタイミング。(2023/09/28)

+++★追加解説動画:6分22秒(編集主幹 大川耕平)★+++
ヘルスケア顧客体験高度化に情緒的価値重視の亀田総合病院 他
https://youtu.be/lcP3BitRLh8

[2]名古屋大学外学院、複数のがんを一度に検知できる新発見のがんマーカー【PDF】
https://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_J/research/pdf/Sci_230927.pdf
https://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_J/
簡単な血液検査だけで、複数のがん(胃がん、食道がん、大腸がん、膵臓がん、乳がん、肝臓がん)を早期に検知できる可能性がある新しい血液がんマーカーを発見しました。(2023/09/27)

[3]ニコン・エシロール、老眼率世界No.1、日本が抱える日本特有の老眼問題バリラックスによる実態調査と世界市場との比較(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000024978.html
2023年現在、日本の人口は約1億2,400千万人、老眼のターニングポイントである45歳以上は約7,000万人です。その割合は56%で、つまり人口の半数以上が老眼という老眼大国なのです。(2023/09/27)

[4]フランチャイズ経営をしている人の約9割が事業転換に関心あり!(Fitness Businessより)
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/1860
ITを活用したフィットネス事業を展開する株式会社FiTは、全国の経営者を対象に「フランチャイズに関するアンケート」を実施。約8割がフィットネスにマーケットチャンスありと回答、など。(2023/09/27)

[5]ビオフェルミン製薬、胃腸の不調にも影響する夏バテ・秋バテ 毎日のうんちから腸の状態を知ろう!-「腸から健康日誌」のススメ-【PDF】
https://www.biofermin.co.jp/information/20230928_news.pdf
https://www.biofermin.co.jp/
「腸から健康日誌」のススメ。「うんち」は身体からのお便りであり、腸内環境のバロメーター。排便習慣を記録して、自分に合った腸活を見つけましょう!(2023/09/28)

[6]ウェルネス・コミュニケーションズ、医療機関(健診施設向け)セミナー「医療機関におけるPHRの利活用に向けて」開催のお知らせ【PDF】
https://wellcoms.jp/data/news/239/news.pdf
https://wellcoms.jp/
開催日は10月31日(火)。経済産業省 商務・サービスグループ 山中様を講師にお迎えし、医療機関におけるPHRの利活用と新たなライフスタイルについてご講演頂きます。(2023/09/28)

[7]カラダノート、ウォーキングとタイムパフォーマンスの意識調査
https://corp.karadanote.jp/archives/6491
ウォーキングする人の半数がタイパを意識!歩数計アプリ「あるくん」の人気機能“サッサ歩き”がバージョンアップ。3つの難易度から自分にあったレベルが選択可能に。(2023/09/28)

[8]nanoni、日本生命保険相互会社と業務連携をしました
https://xxnanoni.com/posts2/v3gUNTMa
carefullは日本生命保険相互会社とコラボレーションし、女性の従業員活躍の視点から企業の人的資本経営をサポートする法人向けサービス「ライフイベント・キャリア両立支援パッケージ」の提供を共同で開始いたします。(2023/09/28)

[9]初のフェムテック国際調査、各国の市場規模・主要プレイヤー・需要・障壁 経産省(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/market-230928-2
経産省がフェムテック国際調査を実施し、各国の市場環境をまとめた報告書を公開した。対象国は、米国、韓国、台湾、シンガポール。(2023/09/28)

[10]学研ホールディングス、Gakken『身体を壊す健康法 年間500本以上読破の論文オタクの東大医学博士&現役医師が、世界中から有益な情報を見つけて解き明かす。』を発刊(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005453.000002535.html
まだ信じているんですか?その健康法。世界では毎日何千もの論文が新しく発表されています。医学的根拠は日々更新されているのです。(2023/09/28)

[11]厚生労働省、第2回健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会 資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35535.html
議題は、睡眠指針の見直しについて(案)。今回の見直しでは、既存の研究結果等を踏まえ、年代別に睡眠に係る推奨事項を設定、など。(2023/09/29)

[12]厚生労働省、新しい時代の働き方に関する研究会 第14回資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35511.html
新しい時代の働き方に関する研究会 報告書(案)。第1 本研究会の契機となった経済社会の変化、第2 新しい時代に対応するための視点、など。(2023/09/29)

[13]エーオンホールディングスジャパン、エーオン調査:社員のウェルビーイングの重要性および施策への投資が上昇
https://www.aon.com/japan/news/aon_news_20230929
日本企業における社員のウェルビーイングの重要性および施策への投資は高まるも、グローバル平均を下回る結果に。メンタルヘルスへの対応がウェルビーイング施策における最重要課題。(2023/09/29)

[14]SOMPOインスティチュート・プラス、「SOMPO Institute Plus Report」最新号の発刊【PDF】
https://www.sompo-ri.co.jp/wp-content/uploads/2023/09/230929_News-Release-SI-Report-Vol83.pdf
https://www.sompo-ri.co.jp/
本レポートは、1992年から発刊している当社の機関紙であり、調査分野に関する論文を掲載しています。最新号のテーマは、(1)通貨に押し寄せるデジタル化の波~中央銀行デジタル通貨を中心に~、など。(2023/09/29)

[15]9月の女性ヘルスケア市場ニュースまとめ、記事23選(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/news-women-230929-1
2023年9月に公開した記事を一挙振り返り。今年は女性の健康やウェルネス領域で、大手の参入・新規発売が相次いでおり、この流れはさらに加速しそうだ。(2023/09/29)

[16]asken、【あすけんのミッション】食・栄養学 × テクノロジー = 健康
https://tech.asken.inc/entry/2023/10/01/100000
あすけんテックブログを更新。今回は経営担当がテックブログに投稿する初めての記事ということで、あすけんのミッションとテクノロジーについて思いを書いていこうと思います。(2023/10/01)

[17]シャープなど、日本初 複数メーカーのIoT家電を活用したマルチベンダー型「IoT高齢者見守りシステムサービス」の提供を開始
https://corporate.jp.sharp/news/231002-a.html
石川県能美市は、シャープ、三菱電機およびAIoTクラウドの3者による協力の下、「IoT高齢者見守りシステムサービス」の構築事業を2023年10月より着手し、2024年にサービス開始を目指します。(2023/10/02)

[18]FITONLINE、パーソナルジム業界カオスマップ2023年版を公開!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000105062.html
全70のパーソナルジム及び関連サービスをマッピングいたしました。店舗数は9/29時点のもので、各社HPより調査した数値となります。(2023/10/02)

[19]メタジェン、腸内環境勉強会「文系でもわかる!腸内細菌叢を知り、健康・疾患を制御する!」を開催いたします!
https://metagen.co.jp/2023/10/03/20231002-1402/
開催日は11月17日(金)。この度、腸内環境研究の専門家集団としての知見は勿論、最新の研究や展望に関する情報を盛り込み、代表の福田が講師となる腸内環境勉強会を企画いたしました。(2023/10/03)

[20]iCARE、法人向け健康管理クラウド「Carely」に新機能「ハイリスク者抽出」を提供開始
https://www.icare-carely.co.jp/news/20231003
Carely健康管理クラウドに蓄積された従業員の属性情報、健康診断・問診などの健康データから、健康面でのハイリスク者条件を自由に設定し抽出、把握することで組織への産業保健活動や、健康経営のアプローチに役立つ分析が可能になります。(2023/10/03)

[21]研究:心臓年齢を予測するAIツール
https://mhealthwatch.jp/global/news20230927
機械学習手法を用いることで、心臓の老化に最も影響を与える因子が「高血圧」であることが確認され、加えて「喫煙」「糖尿病」「肥満」が老化を加速させる要因として明らかになった。(2023/09/27)

[22]研究:ChatGPT、救急外来の鑑別診断で医師と同等のパフォーマンス
https://mhealthwatch.jp/global/news20230929
ChatGPTと救急医による診断リスト間で約60%の一致が確認された。また、診断可能性の高い上位5つまでに正しい診断が含まれていた割合は、ChatGPTのバージョン3.5で97%、バージョン4.0で87%、救急医で87%であった。(2023/09/29)

[23]Fitbit、ビジュアル刷新とユーザー体験の簡素化でアプリを一新
https://mhealthwatch.jp/global/news20231003
Googleが再設計されたFitbitアプリを発表。「Today」、「Coach」、「You」という新しいタブが設置された。(2023/10/03)

[24]『mHealth Watch』注目ニュース:Virgin Pulse、30億ドルの契約でHealthCompと合併へ
https://mhealthwatch.jp/column/news20231010
法人向けヘルスケアソリューションを提供する企業の代表的存在といえる1社、Virgin Pulseの新たな動向です。Virgin Pulseが新たに合併してまで解決したい市場の課題は「企業の医療費コストの削減」です。(2023/10/10)



+++★デジタルヘルス解説動画(オーサー 渡辺武友)★+++

【デジタルヘルス・ビジネスの疑問解消!】
デジタルヘルスのビジネスに関わる人に役立つ情報をお届けします。

第23回 UnitedHealthcare、新制度をきっかけにビジネスを拡大(6分50秒)
https://youtu.be/d8KPN4e2Gno