[健康ビジネス・マーケティング&収益化編]お金を払う価値の変化
こんにちは、渡辺武友です。
人はどこかで「健康はみんなが求めるもの」との思いからか、ビジネス視点がスッポリ抜けてしまうことがあります。
ヘルスケアにおける「お金を払う価値」、追求していますか?
特集:健康ビジネス・マーケティング&収益化編
想定したようにビジネスが進まないこと、あると思います。
そんなとき、改めて見直してほしいのが「お金を払う価値の変化」です。
単純に価値が変わったのではない、「お金を払う価値」について考えていきます。
ヘルスケアではないのですが
いきなり個人的趣味の話で恐縮ですが、子供の頃から洋楽が好きで、相変わらずCDやレコードを毎月十数枚買い続けています。
若かりし頃は、観たいライヴがあると海外まで行ったり、一時期は音楽業界にも携わっていたこともあるくらい、あるジャンルにおいては濃い方なのだと思います。
音楽ビジネス全てではないと思いますが、私が趣味とする範囲はビジネスモデルが大きく変わりました。
きっかけは音楽配信(音楽サブスク)です。
音楽配信される以前は、CDやレコードなどを購入することでアーティストの音楽を聴くことができ、それらの売上がアーティストにとって一番の収入源でした。
昔はアルバムのプロモーションツアーとしてライヴが位置付けられていました。
しかし、音楽配信以降は、新しいアルバムを出して今までと同じくらいの人々に聴いてもらえたとしても、音楽配信の印税が少ないため収益が激減してしまいました。
現在、ビジネスとしてはアルバムをCDやレコードで購入してくれるユーザー向けに、複数のフォーマット(BOX仕様など)で販売し、収益性を高めているのもありますが、一番の収益はライヴ(コンサート)になります。
私が今年観たアーティストの中でSammy Hagarを例に挙げると、S席は20,000円でした。ちなみにS席の上にGOLDがあり、こちらは35,000円です。
Sammy Hagarが90年代にVan Halenで来日したときはS席で7,000円台から高くても9,000円くらいだったと思います。当時はS席が一番高かったです。
もちろん、円安や海外の人件費などの高騰も影響していますが、チケット価格は軒並み2倍から3倍に上がっています。
ここまででわかることは、好きなアーティストの音楽を聴きたいという価値は変わっていません。
しかし、音源を聴くことは音楽配信により手軽になった分、生で観られることに、より価値が高まっているのだと思うのです。
音楽に対する「お金を払う価値の変化」が起きたと言えるでしょう。
ヘルスケアにおける価値変化
ヘルスケアで見ていくとどうでしょうか?
例えば、フィットネスクラブでは新型コロナをきっかけに離れた顧客が、コロナの影響が感じられなくなった現在でも、以前のようには顧客が戻っていない店舗も多くあります。
では、以前フィットネスクラブに通っていた人は運動をしなくなったのでしょうか?
中にはコロナをきっかけに運動しなくなった人もいますが、運動習慣が身についた人ほど、何か別の手段で運動しているでしょう。
別の手段でも以前と同じような価値が得られるなら、わざわざ施設利用に戻らないかもしれません。
または、現在はチョコザップのような低額で利用できる施設もあります。
やるべきトレーニングが決まっている人であれば、チョコザップのような小規模施設でも十分と思う人もいるでしょう。
フィットネスにおいても「お金を払う価値の変化」が起きたと捉えることが、現状を把握する上では重要なのだと思うのです。
お金を払う価値の変化
音楽の話も、フィットネスの話もそうなのですが、価値自体が変わってしまったのではなく、「お金を払う」ことに対する価値が変わったと理解すると、いろいろ見えてくることがあります。
例えば、以前は若い世代ほどヘルスケアにお金は使わないと思われてきましたが、現在は若い世代の方が平均的にヘルスケアに最もお金を使う世代であることもわかってきました。
ただし、若い世代が「ヘルスケアでお金を払うもの(こと)」は、以前の最もお金を払っていた世代とは違ってきています。
健康になる(健康を維持する)という価値は変わっていませんが、そのために「お金を払ってもよい」価値が変わったのです。
今後のヘルスケアビジネスを考える上で、今までの思い込みを捨てて、改めて市場(特にユーザー心理)を分析すべきタイミングだと言えるでしょう。
デジタルヘルスにおけるお金を払う価値
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「アイデアのパワー」
アイデアのパワーを測る3つの指標を最近再度学んだ。
(1)シンプルであること
(2)アイデアを伝えた相手がどんな得をするか?喜ぶか?
(3)その相手がさらに誰かに伝えたくなる魅力、面白さがあるか?
この3つであるという。
さてさて、これら3つは貴社のヘルスケア商品・サービスに当てはめるとどうなるか?
この機会に一度考えてみましょう。
今週の注目記事クリップ
+++★注目記事クリップ★+++
[1]“思う”だけでAmazon Alexa操作?脳の電気信号を読み取るインターフェース(bouncyより)
https://moov.ooo/article/672b7209b635af2b45d64926
「Brain Computer Interfacee」(BCI)とは、脳の電気信号を読み取り、手や声を使わずにデバイスを操作できるインターフェースのこと。Synchron社が開発中のBCIは、インターフェースを首の頸静脈から通すため、脳の血管に開頭手術なしで埋め込めるという。(2024/11/27)
[2]『mHealth Watch』注目ニュース:Signify Heathはサービスを拡大し、より多くの訪問客を獲得へ
https://mhealthwatch.jp/global/news20241209-2
米国では高齢者人口が急増しており、日本と同じような課題が増加していることが今回のニュースからもわかります。(2024/12/09)
[3]パナソニック、【冬の運動意識に関する調査】冬はジム通いをサボりがち?冬のおこもり事情が判明。6割が運動不足を感じる一方、寒い冬でも運動したい人は8割以上(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000990.000024101.html
1年で一番運動したくない季節は、夏と冬で約9割以上。そのうち約4割の人が1年で一番運動したくない季節は「冬」と回答。外に出て運動する頻度が減る場合、自宅での運動の頻度を増やす人は全体で41.7%、20代で見ると67.3%が増やすと回答。など。(2024/11/27)
[4]インテグロ、生理を可視化する新時代のアプリ「Oh My Flow」を正式リリース
https://integro.jp/blogs/news/oh-my-flow-release
「Oh My Flow」は、2024年4月にベータ版がリリースされた、月経カップユーザーに最適な生理管理アプリです。月経カップに溜まった経血の量、色、粘度を簡単に記録できるほか、月経周期や体調の変化を視覚的に管理することが可能です。(2024/11/27)
[5]アサヒ飲料、国内初のアプリ連動型ウォーターマネジメントサーバー『WATER BASE』実証実験開始
https://www.asahiinryo.co.jp/company/newsrelease/2024/pick_1127.html
『WATER BASE』は外出先で専用アプリやQRコード付きの専用ボトルを使用することで、ドアロックを解除でき、お客さまが安心して給水できる会員登録制のウォーターサーバーです。専用アプリにより給水量を可視化するだけでなく、水分摂取の継続を喚起する情報を提供します。(2024/11/27)
[6]一丸ファルコス、【調査リリース】働き盛りの66%が「脳機能の衰え」を実感!20代が脳パフォーマンスを上げたいのは「睡眠不足」のとき
https://www.ichimaru.co.jp/news/research_development/666
本調査は、若年層から中高年まで(20~50代)いわゆる「働き盛り」の世代を対象とし、脳機能の衰えの自覚、脳パフォーマンスを向上させたいとき、また脳機能対策の実施状況を調査することにより、脳機能向上へのニーズと実態を浮き彫りにしました。(2024/11/28)
[7]オムロン ヘルスケア、血圧測定中に「心房細動の可能性」を検出する次世代技術"Intellisense AFib"を開発
https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2024/1128.html
2024年10月に、米国食品薬品局(FDA)のDeNovo認可を取得しました。「心房細動の可能性」を検出する血圧計としては米国初の認可取得となります。(2024/11/28)
[8]厚労省、PHR基本的指針の見直しについて(案)【PDF】
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001340535.pdf
https://www.mhlw.go.jp/index.html
2021年のPHR基本的指針の策定から3年が経過し、時勢の変化や実際の運用を考慮したPHR基本的指針の見直しやマイナポータルAPI連携審査の運用検討の必要性を認識。(2024/11/28)
[9]セイコーグループ、あなたの体内時計は朝型?夜型?クロノタイプ診断ツールを公開
https://www.seiko.co.jp/news/sgc/2024/202411291000.html
「クロノタイプ」とは身体に備わっている1日周期のリズム、いわば体内時計で、個人に生まれつき備わっているものであるため生活習慣や個人の努力では修正が難しいとわかってきています。(2024/11/29)
[10]江崎グリコ、疲れたあなたに寄り添うフラッグシップイベント「グリコ コンディショニングスタジオ」を期間限定開催
https://www.glico.com/jp/newscenter/pressrelease/46738/
ご用意している2つのコースは、はじめに参加者のコンディションを測定した後、専用ドリンクを飲んでいただきます。そして2つのプログラムのいずれかに参加いただき、最後に再びコンディションを測定していただくという構成となっています。(2024/11/29)
[11]琉球大学、職域健康診断における新規高血圧者の医療機関受診の実態~新規高血圧者の受診率は6ヶ月後でもわずか7.5%~
https://www.u-ryukyu.ac.jp/news/62625/
健康診断にて新規に高血圧を見出された人がその後に医療機関を受診するかどうかを数少ない既報よりも精緻に調べたものであり、中小規模事業所における健康管理体制を踏まえた報告としては初めてのものです。(2024/11/29)
[12]Yume Cloud Japan、革新的サービス提供開始、ストレス測定とストレスチェックの組み合わせでストレス対策を進化させる!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000024394.html
ストレスチェック後のフォローアップもノンストップで!日本で初めてストレスチェックとストレスサポートツールのセット提供を開始しました。(2024/12/02)
[13]NTTドコモとベルシステム24、「スゴ得コンテンツ」の「頭痛ーるforスゴ得」において、免疫力推定AIを活用した新しい機能を追加【PDF】
https://www.docomo.ne.jp/binary/pdf/info/news_release/topics_241203_00.pdf
https://www.docomo.ne.jp/
ドコモが開発、提供する免疫力推定AIでは、スマートフォンから取得できる睡眠情報、運動情報などから簡易に免疫力の変化を推定することができるため、気象の変化と生活習慣の両面から免疫力に対する意識を高め、日々の健康維持に向けたセルフケアにもつなげることが期待できます。(2024/12/03)
[14][インフォグラフ]勤務間インターバルが長くても、仕事のメールの頻度が多いと疲労回復ができない!?(保健指導リソースガイドより)
https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/reference/2024/12/post-1115.php
勤務後の仕事メールとオフの長さがサイコロジカル・ディタッチメント、活動量計による睡眠、唾液コルチゾールに及ぼす影響:IT労働者を対象とした1か月間の観察調査。(2024/12/02)
[15]SOMPOインスティチュート・プラス、マイナ保険証による医療DX推進の取り組み~公費負担医療受給者証との一体化で利便性を実感~
https://www.sompo-ri.co.jp/2024/12/04/15275/
本稿では、2024年12月に健康保険証の新規発行が終了するタイミングで、公費負担医療の受給者証との一体化が進むマイナ保険証の効果と課題を確認した。(2024/12/04)
+++★デジタルヘルス解説動画(解説:渡辺武友)★+++
【デジタルヘルス・ビジネスの疑問解消!】
デジタルヘルスのビジネスに関わる人に役立つ情報をお届けします。
デジタルヘルス活用で1兆円超え!(4分20秒)
https://youtu.be/oAG8yVDtFn0