[ヘルスビズウォッチ特集企画]第6回:「アライアンス・デザイン」
HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
ヘルスケア&ウェルネス分野では、技術革新や消費者ニーズの変化が急速に進行しています。
これに対応するためには、単独の企業活動だけでは限界があり、他企業との協力が不可欠です。
2025年以降、企業間の協力体制をどのようにデザインし、実行するかについて「アライアンス・デザイン」を真剣に考えてみてください。
アライアンス・デザイン推進のためのガイドラインポイントを解説します。
特集: ヘルスビズウォッチ特集企画
アライアンスのベネフィット4
1.リソースの共有と最適化:
専門知識や技術、資金などのリソースを共有することで、各専門分野の知見を背景とした効率的かつ実際的な事業運営が可能となります。
2.市場アクセスの拡大:
相互に自社と異なる市場や顧客層へのアクセスが可能になり、新たなビジネスチャンス創出が期待できます。
3.イノベーションの促進:
多様な視点やアイデアの融合により、革新的な製品やサービスの開発が加速します(但し、コーディネート機能の設定が必須となります)。
4.企業カルチャー刺激:
異なる文化との接触による刺激や摩擦は、ポジティブ方面へストレッチすれば新たなパワーとなります。
日本のヘルスケア&ウェルネス事業プレイヤーが
アライアンスに取り組む際に克服すべき3ポイント
本来、和を尊ぶ文化を持つ日本企業ですが、内向きである経営姿勢や独自のビジネス慣習により、アライアンス構築に課題を抱えることが多いとされています。
1.オープンマインドの醸成:
他社との協力に対する抵抗感を減らし、柔軟な思考を持つことが重要です。
そのためには、異なる企業文化や価値観を尊重し、共通の目標に向けて協働する姿勢が求められます。
社内においてオープンマインドな行動を奨励し、それを認める具体的な行動の積み上げが効果的です。
2.コミュニケーション能力の向上:
明確で効果的なコミュニケーションは、アライアンス成功の鍵です。
特に、意思決定プロセスや情報共有の透明性を確保することが重要です。
双方の社内で「阿吽の呼吸」に頼らず、説明を重視する行動が必要な場合があります。
3.リスク管理の徹底:
アライアンスにはリスクが伴います。
契約内容の明確化やコンプライアンスの遵守など、リスク管理体制を強化する必要があります。
撤退基準を共有するための議論を行い、それをメンバー間で共有することで、リスクマネジメントの推進がスムーズになります。
アライアンス・アプローチのメッセージ案
「共創で未来をカタチに!健康と幸せのエコシステムを一緒に築きませんか?」
「つながる力が市場を変える。ヘルスケア新時代を共に!」
「健康の進化は連携から!一歩先のウェルビーイング実現へ」
「つなぐ、広がる、叶える!ヘルスケアで描くしあわせ生活」
「一緒に挑むヘルスケア課題。アライアンスで描く未来の成功」
ここに5つのアライアンスを推進するメッセージ案をつくってみました。
それぞれのフレーズを基に想定される具体的なターゲット文脈を入れ込んだり、カスタマイズして利用してください。
●大川へのお問い合わせや質問などがあればこちらへ(直接届きます)。
ディスカッションも大歓迎です!
健康ビジネスキーワード
「普通は失敗するということ」
新規事業にアプローチする企業は約70%。
それらの約70%が目標未達成という評価。
その理由の約50%がビジネスモデルを構築できなかったということです。
前回のコラムで“新規事業をつくれる人はいない”
人とカルチャーをつくるアプローチをしようとメッセージしました。
用意された答えのない世界へ、
失敗しながら自分たちの答えをつくる人とカルチャーを育てるのが新規事業なのだと思います。
今週の注目記事クリップ
+++★注目記事クリップ★+++
[1]WHO、プライマリ・ケアにおけるデジタル変革のためのハンドブックを発表
https://mhealthwatch.jp/global/news20241121
このハンドブックでは、患者の追跡を強化し、情報の流れを合理化し、意思決定のサポートを改善するためにツールをカスタマイズする方法など、デジタルソリューションを統合する方法を概説している。(2024/11/21)
[2]Quantune、非侵襲性血糖モニタリングの聖杯の探求に参入
https://mhealthwatch.jp/global/news20241122
同社の目標は、糖尿病患者だけでなく、誰でも使用できる手首装着型デバイスに自社の技術を組み込むことだ。(2024/11/22)
[3]Ubie、PatientsLikeMeの患者の発症から治療までをサポートへ
https://mhealthwatch.jp/global/news20241122-2
2社による提携の初期段階では、Ubieの症状トラッカーがPatientsLikeMeのプラットフォームに統合される。(2024/11/22)
[4]FiNC Technologiesとディグラム・ラボ、性格がBMIに影響!?性格タイプ別でみる健康と食行動の驚きの関係
https://company.finc.com/news/16952
本調査は、FiNCアプリユーザーを対象に、BMIとディグラム・ラボ株式会社が開発したディグラム診断に基づく9つの性格タイプの関連性を解析しました。(2024/11/20)
[5]ライオン、むし歯が増えてくる中高生向けの授業用教材『10代からはじめよう!お口の健康習慣 人生100年時代のオーラルケア』を制作【PDF】
https://doc.lion.co.jp/uploads/tmg_block_page_image/file/10324/20241120_01.pdf
https://www.lion.co.jp/ja/
本教材は、多くの中学校・高校の先生が、授業を通じて生徒の皆さんへオーラルケアの必要性や実践方法をお伝えいただける内容になっています。冊子には授業で使える設問のほか、オーラルケアの歴史、新習慣も紹介しています。(2024/11/20)
[6]フラー、「ドラッグストアアプリ市場調査レポート2024」を公開
https://www.fuller-inc.com/news/appape-drugstore-app-report-2024
最新のドラッグストアアプリ市場の概況、ユーザーの年代別分析、都道府県別分析などさまざまな視点でアプリデータを調査しました。1日におけるドラッグストアアプリの平均起動回数は2.2回、平均利用時間は3.2分でした。(2024/11/20)
[7]LIFESCAPES、医療系スタートアップの海外展開促進プログラム(「Direct Flight」Medical Startups Global Acceleration Program powered by MEDISO)に採択
https://lifescapes.jp/post-675/
株式会社LIFESCAPESは、Brain-Machine Interface(BMI)技術の開発を通じて、治療が困難とされている脳卒中後の重度麻痺の改善に取り組んでいます。(2024/11/20)
[8]日本ロレアル、「悩んでいる友達に、どう声かける?」メイベリン ニューヨークのメンタルヘルスプログラムが学生向けトレーニング「BRAVE TALK」の全国提供を開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000084.000036784.html
この度開始された「BRAVE TALK」(ブレイブトーク)は、高校生・大学生を対象にした友達の悩みに気づき、適切なサポートを提供するための実践的なスキルを学ぶことができるワークショップです。(2024/11/22)
[9]国際連合食糧農業機関、不健康な食生活がもたらす「隠れたコスト」は世界で年間8兆ドル、FAO世界食料農業白書
https://www.fao.org/japan/news/detail/SOFA2024/jp
世界の農業・食料システムにおける隠れたコストは年間約12兆米ドルに上ることが明らかになった。その約7割は非感染性疾患に関連した健康への影響によるもので、より工業化が進んだ農業・食料システムで顕著と指摘。(2024/11/22)
[10]メドピアとアルフレッサ、ファイナリスト8名決定 次世代のヘルステック起業家が最優秀賞をかけて「ピッチファイナル」に登壇
https://medpeer.co.jp/press/13569.html
「Healthtech Summit 2024」のメインイベントであるピッチコンテストのファイナリスト8名(8社)が決定しました。応募52社の中から審査と投票により選ばれた8名が、12月13日(金)にメイン会場で行われる 「ピッチファイナル」に登場します。(2024/11/25)
[11]Jミルク、中年期の牛乳摂取は高齢期のフレイル予防に効果的(Vol.49 2024.11)
https://www.j-milk.jp/report/study/acad.research/202411_vol49.html
中部地方の公務員を対象とした15年以上の追跡調査から、「中年期に牛乳を多く摂取していた男性は、高齢期になってもフレイルやその前段階の状態(プレフレイル)になりにくい」という関係が明らかに。(2024/11/25)
[12]カーブス、過去最高業績を更新。安定成長の基盤、固める(Fitness Businessより)
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/2317
カーブスホールディングスは、2024年8月期決算を発表。売上高、営業利益、経常利益、チェーン売上と過去最高を更新。会員数81.7万人を達成。(2024/11/25)
[13]ミズノ、パーソナルフィッティングシューズ「3D U-Fit」の開発
https://corp.mizuno.com/jp/news-release/2024/20241126
スポーツ業界で初めて3Dプリンターで個人に合わせた専用の一体ソールを設計・製造する技術を開発。「3D U-Fit」の最大の特長は、ユーザーの足に合わせ、オリジナルでソールを設計すること。(2024/11/26)
[14]西川、寝ている間に健康増進!nishikawa初のリカバリーウェア[エアーリカバリー]スリープテックウェアが新登場!【PDF】
https://www.nishikawa1566.com/news/news_file/file/20241126141405.pdf
https://www.nishikawa1566.com/
“休養の質”向上をサポートするスリーピング・ギアシリーズ[エアーリカバリー]を新たに展開。一般医療機器[エアーリカバリー]スリープテックウェアの効能は、疲労の回復・改善/血液循環の改善/新陳代謝の促進など。(2024/11/26)
[15]グローバルニュートリショングループ、GLP-1薬が世界の食品業界を揺るがす、ほか
https://global-nutrition.co.jp/gnggn/globalnews-20241126/
GNGグローバルニュース2024年11月26日号。「Ozempic」などのGLP-1受容体作動薬はもともと糖尿病の治療薬として開発されたが、この薬は食品・飲料業界に革命を起こす可能性がある。(2024/11/26)
[16]日本を含む世界のフィットネス市場が成長軌道へ、既存事業者も回復(Fitness Businessより)
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/2316
世界各国で過去最高の会員数と参加率を記録。日本のフィットネス市場も、新興の業態だけではなく、総合業態を主力として展開していた既存事業者も業績を回復させ、成長してきていることが明らかになってきた。(2024/11/25)
[17]RX Japan、「第11回 ウェアラブル EXPO -ウェアラブル[開発]・[活用]展-」
https://www.wearable-expo.jp/
開催期間は2025年1月22日(水)~24日(金)。最新のウェアラブル端末から、活用ソリューション、AR/VR技術、最新ウェアラブルデバイス開発のための部品・材料まで、ウェアラブルに関する全てが出展します。
[18]インフォーマ マーケッツ ジャパン、「健康博覧会2025(第43回)」
https://www.this.ne.jp/
開催期間は2025年2月26日(水)~28日(金)。43年目の開催を迎える「健康」分野で国内最大のビジネストレードショー。健康に関連する製品・サービスが広く展示され、国内外の鉄板&最新トレンドがわかるビジネスセミナーも多数実施。
[19]『mHealth Watch』注目ニュース:NTTドコモとRIZAP、業務提携契約を締結
https://mhealthwatch.jp/japan/news20241202
今回注目したのは、ドコモとRIZAPが業務提携契約を締結し、chocoZAP利用者とdヘルスケア利用者を相互に送客し、ドコモポイントを活用したパッケージを提供するというニュースです。(2024/12/02)
+++★デジタルヘルス解説動画(解説:渡辺武友)★+++
【デジタルヘルス・ビジネスの疑問解消!】
デジタルヘルスのビジネスに関わる人に役立つ情報をお届けします。
第48回 世界の医療費は2025年に10.4%上昇する(4分39秒)
https://youtu.be/_gdHuzHeyxw