こんにちは。脇本和洋です。

[海外事例にみる企画ヒント編]は、健康ビジネスの高収益化をテーマに、サービス、マーケティング、事業運営のヒントを海外事例からお届けしています。

今号は、米国の法人向け健康サービス提供企業で、売上好調を維持するLivongo Healthが重視するKPI指標を紹介します。

特集:海外事例にみる企画ヒント編

売上好調Livongo Healthが最も重視するKPI指標とは

Livongo Healthは、2019年に上場したベンチャー企業で、主に糖尿病の人に向けたプログラムサービスを提供しています。

コロナ禍の2020年1月から3月でも売上は68億円(前年同時期比で約2倍)を達成しています。Livongo Healthは、顧客から信頼を獲得し、長く続けてもらい、愛されることを中核にした経営を行っています。

今号では、そのためにLivongo Healthが重視するKPI指標を紹介します。

Livongo Healthの事業概要

■企業名:Livongo Health Inc
https://www2.livongo.com/

■設立:2014年

■ターゲット:主に糖尿病、高血圧等の慢性疾患を持つ人(現在のところ、B-B販売が中心)

■事業内容(収益源):企業・保険会社向けの生活習慣病(主に糖尿病)の予防プログラムの販売

■実績:売上170億円(2019年)

■資金調達額:235億円(2020年6月時点)

■サービス概要
糖尿病患者、高血圧患者向けのコーチングサービス。糖尿病患者は、自宅で血糖測定器を使って日々血糖値を測定します。そのデータがアプリに送られてくると、AIが自分と類似した人のデータ・成功行動を解析し、簡易アドバイス提供します。また、血糖値が適切な値を大きく超える場合、電話で糖尿病コーチが対応します。

経営の中核KPIとなっているNPS®とは

Livongo Healthは経営の中核KPIを、『NPS』においています。NPSについては2020年3月24日の本メルマガでも紹介していますが、ここでNPSについて振り返っておきましょう。

NPSとは「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略で、簡単に言えば、顧客からどれだけ信頼を得ているかを測る指標です。

NPSの優れている点は、事業の収益性(顧客あたりの総利用金額=LTV)と相関が高いため、NPSを高めていくことが高収益化に直結するという点です。

NPSを測るにはたった一つの簡単な質問をします。

●質問:あなたは、この健康商品(サービス)を家族や友人にどの程度おすすめしたいと思いますか?0から10点で評価してください。

上記質問をアンケートで行い、9と10をつけた人を推奨者、7と8をつけた人を中立者、0から6点をつけた人を批判者とし、推奨者の割合(%)から批判者の割合を引いたものをNPSとします(NPSはマイナスの場合もあります)。

NPSを測定・分析しながらサービスを改善している

Livongo Healthは、自社サイトでも、NPSが64を獲得していることを大きく記載しています(NPSは業界ごとに平均があり、プログラムサービスの中では上位に入る数値です)。

また、同社CEOのTullman氏はインタビューで、経営で最も重要視するKPI指標は「NPS」であると公言しています。「自分たちはどれぐらい顧客から愛されているか?(信頼を得ているか?継続してもらえているか?)、それが大切です。我々は、その測定にNPSを活用しています」と述べています。

Livongo Healthは、NPSの調査結果を様々な角度で分析し、サービスレベルを磨いてきました。特に、直近のAIと人的サービス(ヘルスコーチングサービス)をベストマッチさせたサービスは顧客から高く評価されています。

つまり、NPSは測定だけでなく分析まで行い、次のアクションに結びつけることが大切ということです。

また、同社CEOへのインタビュー記事には記載はありませんが、NPSが高く、顧客から高い信頼を得ていることで、

  • 解約率が少なく、初期のサービスを長く販売できている
  • 解約率が少なく、他の商品の販売可能性が高まっている
  • 口コミが生まれやすく、集客も自然とうまくいっている

上記の効果も当然予想されます。

3月に紹介したPeloton、そして今回のLivongo Health、いずれもベンチャーで上場を果たした企業が重視するNPSという指標。
これから注目のKPI指標になると思います。

NPSの基本を、メール講座で学びたい方へ

今回紹介したNPSという指標に関しては、日本の健康業界ではまだ本格的な活用は進んでいないのが現状でしょう。是非、海外の成功企業のようにうまく使いこなし、事業成功へのスピードを高めたいものです。

そこで、健康業界での新しい「高収益 KPI」活用法(7日間集中無料メール講座)を用意しました。

健康業界での新しい「高収益 KPI」活用法(7日間集中無料メール講座)

■メール講座でわかること
メール講座は、NPSについてよく知らない、活用法がよくわらないといった初心者の方を対象に、基礎から解説します。また、健康業界での事例にも触れながら理解を深めていただきます。

■メール講座はこんな方におススメ

  • 顧客からの信頼を高め、健康業界のキモである「継続率」を伸ばしたい方
  • 新規事業のPOC(実証実験)を行うも、今一歩納得した分析ができていない方
  • 社内で事業収支に直結するKPIを設定し、メンバーや上司との共通言語にしたい方
  • 事業仮説を立てるのは得意だが、事業検証がやや不得意の方

■メール講座を希望される方
お申込みは以下のサイトからお願いします。https://healthbizwatch.com/info/post_527.html

※ NPS ®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

健康ビジネスの現場で使えるキーワード

「フィジカル・タッチポイントの新たな役割」

施設サービス事業者にとってのデジタル活用のポイントは先週紹介した接触なき経験の質への着手から始まり、それがあるがゆえに具体的なタッチポイント(接触時)品質がますます高まるという流れが重要です。

今週の注目デジクリップ! <11クリップ>

[1]矢野経済研究所、働き方改革ソリューション市場の調査を実施(2020年)https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2450
矢野経済研究所は、国内の働き方改革ソリューション市場を調査し、主要7領域における製品カテゴリー別の動向、参入企業の動向、将来展望を明らかにした。2020年度の働き方改革ソリューション市場規模は前年度比11.0%増の5,186億円を予測。(2020/06/11)

[2]経済産業省、「健康投資管理会計ガイドライン」を策定https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200612001/20200612001.html
本ガイドラインは、企業が健康経営を効果的に実施し、資本市場をはじめとした様々な市場と対話するための枠組みを示すもの。(2020/06/12)

[3]参天製薬、テレワーク疲れなどによる目の不具合解消に向けたアイケア情報を提供【PDF】
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4536/tdnet/1848809/00.pdfhttps://www.santen.co.jp/ja/
新たな生活様式において、日本眼科医会の協力のもと、自社のWebサイトや公式LINEアカウント等を通じて、目の不具合解消に向けた情報発信を強化。提供する情報は、VDT症候群、デジタルデバイスの使い方、目のストレッチについてなど。(2020/06/12)

[4]世界の消費者が「支持する成分」「不健康と思う成分」(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/world-200612-2
食品・医薬品・化粧品に使用される成分の中で、世界の消費者に最も健康的と支持されているのは「アロエベラ」だったことが、グローバル市場調査会社のデータでわかったという。約半数の48%が不健康な成分として挙げたのは大麻・マリファナだった。(2020/06/12)

[5]ぜん、最新のウェアラブルデバイスで医師が健康状態をリアルタイム確認&フィードバックが可能な新サービスをスタート(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000043196.html
ぜんが共同運営する「ウェルビーイングクリニック駒沢公園」は、FitbitやApple Watchなどの最新のウェアラブルデバイスを使用し、心拍などの健康状態を医師がリアルタイムでチェック、フィードバックが可能なシステムを構築。心臓病や糖尿病のケアに最適な当サービスは、7月にリリース予定。(2020/06/15)

[6]グローバルニュートリショングループ、2020年上期日経MJヒット商品番付 デジタル生活全面に、ほか|GNGニューズレター6月16日号
https://global-nutrition.co.jp/gngnl/gng-newsletter-20200616/
国内ニュースからは、日本経済新聞社がまとめた2020年上期(1~6月)日経MJヒット商品番付について、健康食品産業協議会など4団体、機能性表示食品の疑義を評価する「第三者機関」設置 といった話題を取り上げている。

[7]アライアンス、ドイツ製IoTフィットネスマシン「milon」永田町ショールームをOPEN(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000060071.html
永田町ショールームでは「milon」システムが可能とする各種健康デバイスとのAPI連携・個人の健康ビックデータ取得・分析、施設運用に必要なソリューションもトータルで提案できる国内初のオープンイノベーション型のショールーム。(2020/06/16)

[8]新社会システム総合研究所、保険外領域で成長するヘルスケアマーケットの攻略
http://www.ssk21.co.jp/seminar/S_20270.html
開催日は8月5日(水)。ヘルスケアは成熟化社会における国内最大の成長マーケットといえる。講義では、ヘルスケアマーケットの特徴と変化を踏まえ、成功事例やトピックスを示しながら、マーケット攻略の着眼、戦略構築のポイントについて解説。

[9]Pelotonのフィットネスアプリがついに「Apple TV」に登場http://mhealthwatch.jp/global/news20200611
3月に無料トライアル期間を30日間から90日間に延長したことを発表して以来、Pelotonはテレビのサポートを拡大している。4月には「Android TV」への対応を追加し、米国時間6月2日には「Apple TV」アプリを正式にローンチしたと発表した。(2020/06/11)

[10]自宅でも身体の変化がデータ化できる!スマホで管理できるレーザー測定器セット『Kiko』
http://mhealthwatch.jp/global/news20200612
『Kiko』は身長計と体重計がセットのアイテム。自分の体重の管理はもちろん、家族の健康状態もスマホで管理できる新しいヘルスケアキット。(2020/06/12)

[11]『mHealth Watch』注目ニュース:Sharecare、ビヨンドコロナでの新サービススタート
http://mhealthwatch.jp/column/news20200622-2
米国でも経済活動が再開されたため、企業向け健康プロバイダーも経済活動再開を意識したコンテンツやツールの展開が目立つようになってきました。早い展開である以上、完全新規で提供しているわけではありません。今回のSharecareのように既存コンテンツを流用したものが多く出てきているようです。(2020/06/22)