[ヘルスビズウォッチ特集企画]第7回:「顧客関係性の再定義」
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
基本中の基本から2025年をスタートしましょう。
特集: ヘルスビズウォッチ特集企画
ヘルスケア・サービスの顧客との関係性は「商品を購入してもらう関係」だけにフォーカスされているケースがまだ多いと感じているのは我々だけでしょうか。
健康という長期的な価値を提供していくヘルスケア・サービスでは、表面的な関係では限界があり、本質的な価値提供には至りません。
ここで重要なことは「顧客関係性の再定義」です。
関係性を「一方的な提供者と消費者」から「健康の共創パートナー」へと再定義することで、新たな可能性が見えてくることを今回はお伝えしたいのです。
「顧客関係性を共創パートナーへ」という言葉
知っている:90%
着手した:50%
継続している:5%
※100×0.9=90×0.5=45×0.05=2.25
顧客関係性の再定義は、実際的に行動することでのみ理解が得られる領域なので、実践者とそうでないプレイヤーとの差は縮まりません。ここポイントです!
上の試算のように、このコラムが直接影響したかは別にして、顧客関係性の再定義の必要を感じたビジネスパーソン全員の中でやり切る方は2~3人です。
これから解説する顧客関係性の再定義アプローチを全てやり切っているのであれば、これ以上読む必要はありません(笑)
代表的なものは以下の3つです。
- 健康づくりは継続的なプロセスである
- 顧客エンゲージメントがサービスの持続性を高める(決める)
- 顧客は理解されたいと感じている
健康づくりは継続的なプロセスである
一瞬にして健康が望む状態にチェンジするということは起こりません。
健康の維持・向上は健康行動の継続によって得ることができるものです。
健康行動は数週間、数ヶ月間の継続プロセスが必須となります。
顧客と伴走し続けるパートナー的存在であり続ける必要があります。
消費行動を点として捉えるビジネスデザインは過去のものです。
顧客時間軸線上に価値創造があります。
顧客の行動プロセスにフォーカスする接点持続体制を持っているでしょうか?
行動内容として顧客を理解するという取り組みをしているか?ということになります。
借りてきたマニュアルで作るペルソナより、一人の顧客の具体的行動内容が重要です。
顧客の健康づくりプロセスに持続的な関係を持っていますか?
顧客エンゲージメントがサービスの持続性を高める(決める)
顧客がサービスに愛着を感じ、継続的に利用してくれるためには、一過性ではなくエンゲージメントを生む仕組みが重要になります。
関係性を「信頼し合うパートナー」としてデザインし、運用していくことでサービス自体の価値も高まり、顧客満足も向上していきます。
顧客をどれだけ信頼していますか?
顧客は理解されたいと感じている
ヘルスケア・サービスを利用する顧客は、自分の悩みや目標を理解されたいと感じています。
顧客を単なるデータのやり取り相手とするのではなく、「個別の理解」「個別の感情」を含む再定義をする必要があります。
顧客の感情をどれだけ大切にしていますか?
それをどのように伝えていますか?
既に運用が始まっていて時が経っているサービスの動きが鈍くなることがよくあります。
そんな時「顧客関係性」を維持している構成要素の歪みを矯正すると復活することがよくあります。
その時の処方が今回紹介した3つの問い「顧客関係性の再定義」になります。
顧客窓口担当
サービス運用担当
マーケティング担当
統括マネジメント担当
などに対して、3つの問いを投げかけてみてどうあるべきか?
ディスカッションしてみてください。
「あ~~そこ!!!」
「う~~~ん なるほど!!!」
きっと密度の濃いアウトプットを共有でき、改善に向けてダッシュできるはずです。
●大川へのお問い合わせや質問などがあればこちらへ(直接届きます)。
ディスカッションも大歓迎です!
健康ビジネスキーワード
「失敗と成功はセット」
昨年末には「期待値」を一旦下げてみませんかという投げかけをしました。
今年の初めは「失敗しませんか」と提案します。
失敗と成功はセット販売しかできないのだそうです。
単品注文は一切受け付けられておりません。
失敗をとても恐れるヘルスケア・サービス領域だからこそ、
リーダー層が率先して失敗してみるのはいかがでしょうか?
今週の注目記事クリップ
+++★注目記事クリップ★+++
[1]Amazon Health ServicesにHinge Healthが加わりMSKケアを提供https://mhealthwatch.jp/global/news20241220
デジタル筋骨格ケアプラットフォームを提供するHinge Healthは、 Amazon Health Servicesと提携して、個人がAmazon Healthのウェブサイトで雇用主または健康保険を通じて補償資格を確認し、補償されている場合はデジタルプラットフォームを通じてMSKケアにアクセスできるようになった。(2024/12/20) [2]マンダム、「笑顔のつもりなのに笑顔に見られない」アッパーミドル男性の表情には表情筋を動かすトレーニングが有効であることを立証
https://www.mandom.co.jp/release/2024121802.html
無表情時の40歳代と60歳代の男性を比較すると、60歳代の男性のほうがネガティブ情動の割合が高いことが分かりました。我々は、表情筋の動きを良くするトレーニングが表情表出の改善につながると考え、表情筋トレーニングメソッドの効果を検証しました。(2024/12/18) [3]オシロ、「世代間を超えて仲良くなれる」オンラインコミュニティの実態を分析 年齢差20歳以上のつながりが生まれているコミュニティは4割以上
https://osiro.it/news/13250
オンライン上で「人と人が仲良くなる」ためにコミュニティを科学する研究や分析を促進し機能実装へ。オンラインコミュニティ専用プラットフォーム「OSIRO」が独自の分析結果を公開。(2024/12/18) [4]ライオン、新入社員研修にてオーラルヘルスケアプログラムを実施 継続アプローチで新入社員の約8割がデンタルフロスの習慣定着【PDF】
https://doc.lion.co.jp/uploads/tmg_block_page_image/file/10359/20241219_02.pdf
https://www.lion.co.jp/ja/
本年の研修では、デンタルフロスを使う習慣の定着をより図るために、研修2ヵ月後にも、デンタルフロスと啓発リーフレットを追加配付しました。その結果、研修前の44%から77%(研修前の1.8倍)まで増加しました。(2024/12/19) [5]パナソニック ホールディングスとBHQ、地域の従業員向けに『クイックBHQドック』サービスとしてトライアル開始
https://news.panasonic.com/jp/press/jn241219-2
脳の健康状態の指標であるBHQ(Brain Healthcare Quotient)を、推定値としてWEB上で手軽に計測できるWEBアプリを新たに開発し、『クイックBHQドック』サービスとして自治体を通じた地域の中小企業の従業員向けにトライアルサービスを2024年12月より開始いたします。(2024/12/19) [6]グンゼ、身体バランスをサポートする「履くインソールカバー」COSMEDICAL(コスメディカル)新発売
https://www.gunze.co.jp/corporate/news/2024/12/20241219001.html
足指のアーチ、土踏まずのアーチ、衝撃を受けるかかとに3つのクッションを配置することで足底を包み込み、快適な履き心地を実現した「履くインソールカバー」を開発しました。(2024/12/19) [7]Sapeet、店外行動の可視化で顧客とのつながり強化、フィットネスの新たな顧客体験を提供(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000026498.html
今回リリースしたアクティビティ機能では、24Hジムや自宅での自主トレーニングなど、トレーナーが付いていない状況での顧客と店舗のつながりの強化を目指し、顧客のトレーニング成果の創出や、店舗のサービス品質の向上をサポートします。(2024/12/19) [8]2024年度版「保健指導アトラス」を公開!保健指導に携わる人が知っておきたい法律・制度(保健指導リソースガイドより)
https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2024/013539.php
「保健指導アトラス」は幼年期~高年期まで、相談に訪れる各年代の方々に関係が深いと考えられる法律・制度を原文で確認できる一覧です。ぜひご活用ください。(2024/12/19) [9]エーテンラボ、10代-80代を調査!2025年習慣化したいこと総合第1位は「ダイエット」 世代別ランキングではZ世代とシニアで「睡眠」がトップに
https://a10lab.com/press-20241220/
習慣化・行動変容に関する理解、研究を深める『みんチャレ習慣化ラボ』にて「2025年から新たに習慣化したいこと」に関する調査・分析を実施。全体の8割が、スマホアプリを活用して習慣化に取り組んでいる。(2024/12/20) [10]asken、写真を撮るだけで食事記録ができる『あすけん』の「AI画像解析機能」がリニューアル!
https://www.asken.inc/news/20241220-aianalysis
『あすけん』アプリ内で提供している「AI画像解析機能」の精度向上に継続的に取り組む「みんなの写真で精度向上!あすけん SHOT プロジェクト」を始動。(2024/12/20) [11]ビズヒッツ、「専門家の記事監修に関する意識調査」を実施(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000226.000041309.html
全国の男女513人に「専門家の記事監修」についてアンケート調査を実施。その結果をランキング形式でまとめました。専門家による記事監修があると信頼度が上がる人は88.1%、など。(2024/12/20) [12]パーソル総合研究所、「若手従業員のメンタルヘルス不調についての定量調査」を発表
https://rc.persol-group.co.jp/news/202412241000.html
本調査では、若年層におけるメンタルヘルス不調の背景を解明し、企業が取り組むべき具体的な対策を示唆することを目的に実施しました。(2024/12/24) [13]フラー、「健康・ヘルスケアアプリ市場の動向とランキング2024年版」を公開
https://www.fuller-inc.com/news/202412-healthcare-apps-report-2024
App Apeで2024年10月にMAU500以上を計測したアプリのうち、ヘルスケアアプリのアプリ数は1,788個で、全体に占める割合は約5%。1日におけるヘルスケアアプリの平均起動回数は2.8回、1ヶ月における平均利用個数は1.3個。(2024/12/24) [14]TIMEFLIKを運営するAPPOSTER JAPAN、スリープテック市場へ初参入!健康的な毎日をサポートするスマートリング「b.ring」を発売(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000125444.html
「b.ring」は、詳細な睡眠パターン分析を通じて、ユーザーがより深く回復力のある睡眠を取れるようサポートします。(2024/12/20) [15]『mHealth Watch』注目ニュース:明治、腸内タイプ別パーソナルケア『Inner Garden』を提供開始
https://mhealthwatch.jp/japan/news20250106
今回、明治が提供を開始した腸内タイプ別パーソナルケアは、「チェック&ソリューション」の型になっています。(2025/01/06) [16]インサイツ、特定保健指導“成果の見える化”コンソーシアムの活動実績が厚生労働省ホームページに掲載されました
https://insights.jp/news/20250109
厚生労働省補助金事業採択をきっかけに発足した「特定保健指導“成果の見える化”コンソーシアム(旧:モデル実施コンソーシアム)」の補助金期間終了後の事業展開について取り纏めた結果が厚生労働省ホームページにおいて公開されました。(2025/01/09)
+++★デジタルヘルス解説動画(解説:渡辺)★+++
【デジタルヘルス・ビジネスの疑問解消!】
デジタルヘルスのビジネスに関わる人に役立つ情報をお届けします。
第49回 フェムテック・スマートリング『EvieMED Ring』をFDAが認可(8分10秒)
https://youtu.be/yNksuI_eiZE