こんにちは、渡辺武友です。
今年もHealth Biz Watchと同時にmHealth Watchも運営してきました。
mHealth Watchで取り上げた記事で、昨年と今年の違いは、やはり新型コロナ以降ではヘルスケア業界も変化が起きているということでしょう。
今回は「注目ニュース」で取り上げた新型コロナにまつわる記事から気になるポイントをチェックします!

特集:健康ビジネス・マーケティング&収益化編

2020年、「注目ニュース」で取り上げた新型コロナ関連動向

今年もmHealth Watchでは毎日のニュースクリッピング、週1回の「注目ニュース」の掲載を行ってきました。
今年の「注目ニュース」は、すでに45本掲載してきました。

毎年恒例ではありますが、今年も「注目ニュース」を振り返ってみます。
今年のテーマは「新型コロナ関連動向」です。関連記事は8本になります。
その中から2つの視点で見ていきたいと思います。

在宅フィットネスで伸ばした要因

・自宅でパーソナルトレーニング『へやトレ@オンライン』提供開始(4月27日掲載)
https://mhealthwatch.jp/japan/news20200427

・Peloton、自宅フィットネス増加でQ3の決算報告は売上も会員も大幅増(5月25日掲載)
https://mhealthwatch.jp/global/news20200525-2

・実はさほど増えていない?コロナ禍での運動実践者(6月1日掲載)
https://mhealthwatch.jp/japan/news20200601

最初の3本は運動に関するものになります。
第一波が猛威を振るった時期で、各国で自粛要請もあり、リアルでの活動ができなくなりました。
この状況になったことで、芸能人、スポーツ選手などによる自宅でできる運動動画が多く公開され話題となりました。
リアルな場を提供してきたフィットネスクラブの参入も一気に増えたのもこのときです。

運動動画が増えたのに対し、実際に取り組んだ人が多くなかったと報告しているのが6月1日の記事です。
第一生命経済研究所により国内アンケートから集計したものになります。
同様の調査で、有料オンラインプログラムの利用率が低かったとの報告も出ています。

それに対し、在宅フィットネスである米国のPelotonは会員数、売上共に大幅に伸ばしています。
これを「日本と米国の国民性による差」としてだけ見るべきでないと考えます。
米国でも元から運動しない人はやらないですし、歩く程度しか運動できていない人が外出自粛になったからと、他の筋力トレーニングまでやれる人は多くはありません。

Pelotonの在宅フィットネスは、新型コロナ以前から話題となり、注目を集めてきました。
「機会があればやりたいけど、高額だし、今は外で運動できるから(もしくは、フィットネスに通っているから)いいかな」
と思っていたような人が、外での運動が制限されたことで、「今がやるべきとき」と考え、一気に流れ込んできたのでしょう。

屋外や室内でも特定の場所でやっていたものを、単純に自宅でもできるものとしただけではなく、自宅でやるからこその魅力、価値を磨いてきた企業がコロナ禍でも伸ばしてきたと言えます。

ニューノーマルへのアプローチ

・JR東日本高輪ゲートウェイ駅で消毒ロボ『パトロ』の実証実験開始(7月20日掲載)
https://mhealthwatch.jp/japan/news20200720-2

・調査:世界的なパンデミックによりデジタルヘルスが加速(9月23日掲載)
https://mhealthwatch.jp/global/news20200923

・デジタルヘルスパスポート『CommonPass』、旅行と貿易の再開を支援するためのテストを開始(10月19日掲載)
https://mhealthwatch.jp/global/news20201019

1つ目の記事は第一波が過ぎたタイミング、2つ目の記事は第二波が過ぎたタイミングのもの、3つ目の記事は活動の制限が緩和されつつある時期のものになります。

まず7月20日の記事は国内のもので、山手線に新たにできた駅「高輪ゲートウェイ」に導入されたロボットです。
この駅は、キオスクの自動化、清掃ロボット導入など、最先端の技術を取り入れた駅として話題となりました。
『パトロ』は駅構内を巡回警備するロボットです。そのロボットに消毒機能を付加しました。
新型コロナが流行したからこそ生まれた、ニューノーマル時代(非接触)のツールとなります。

10月19日の記事も、ニューノーマル時代に合わせた新たな常識を模索する取組となっています。

9月23日の記事は、新型コロナ以前と9月までのデジタルヘルスの動向をAccentureが調査したものです。
「新型コロナ以前では、2018年まで伸びてきたデジタルヘルスの採用が落ち込んできていたが、ロックダウンを受けて急激に盛り返している」と伝えています。

スマートフォンのブームにより、連動するウェアラブルやアプリが多く登場してきました。
しかしそのブームも5年も経つと目新しさもなくなり、飽きられてもきていました。
無駄になる可能性があるアプリを闇雲にダウンロードしたくない。との意識も持つようになってきているのでしょう。
多くのアプリで健康管理を頑張らなくても、それなりに健康は維持できると考えるようになった矢先に、強制的なロックダウンで、生活スタイルが強制的に変えられ、改めてデジタルヘルスを見直す動きが起きていることがわかります。

では、今後もデジタルヘルスは伸び続けていくかと言うと、一概には言えないでしょう。
新型コロナが終息することになれば、我慢していたときに仕方なく使っていたものは手放したくなります。
しかし、使ってもらっている今、今後も自分には欠かせない存在になれるか?もっと言えば、時代時代に合わせて必要な存在になれるような仕組みを、形を変えながら提供し続けられるかが、ニューノーマル時代を生き残れるものになるのでしょう。

ニューノーマル時代に求められる自動ヘルスサポート

皆さんのビジネスは“健康課題の解決”です。
これは時代が変化しても、ヘルスケアに関わる以上、変わることはありません。

ユーザー(患者)任せにしたツールでは、一部の率先的に使える提供者にとって“優等生ユーザー”だけのものになってしまいます。

これから求められるデジタルヘルスは、ユーザーの気持ちに寄り添える存在になることではないでしょうか?

時代が変化しようとも、支持されるヘルスケアでのビジネスモデルはあります。
今回ご紹介したPelotonも、最先端のテクノロジーを導入しているだけではありません。
ユーザーの気持ちに寄り添う仕組みを持っているためです。

これから、医療(メディカル)と健康(ヘルス)は、ますます連動したサービスが必要となってきます。
単純に正しいことを伝えるだけでは、ユーザーは行動してくれません。
ユーザーが自ら行動する仕組みを“自動化して”提供することが望まれています。

今回開催する勉強会テーマは、
「患者の服薬支援や生活習慣の改善のためにヘルスでの継続支援成功から学び、サービス自動化を目指す」

まさにメディカルとヘルスが融合した次世代型ヘルスケアを目指すために必要な要素になります。

みなさんと一緒に、次世代型ヘルスケアを作り上げていきたいと思います。
ご参加お待ちしております。

<<患者利用度を高めるサポート自動化の仕組み作り>>

少人数制無料セミナー

日時:12月14日(月)受付17:45/セミナー18:00-19:30
会場:Zoomミーティング(アプリのご用意は各自でお願いします。)
定員:10名

詳細・お申込みはこちら
https://healthbizwatch.com/seminar/hbw-012

お申込み後、担当者よりご連絡いたします。
参加は同一部門(企業)から1名とさせていただきます。
同一部門で別の方が参加の際は、別の日程をご案内させていただきます。

健康ビジネスキーワード

「計測できることが改善できる」

アクション数値はコントロールできるけど、その結果の数値はコントロールできない。でも、結果をより良くしたいのがビジネス。アクションと結果のギャップから課題を抽出し、改善アクション値をコントロールして改善へ向かう。

今週の注目記事クリップ

[1]日立製作所、ニューノーマル時代の新たな働き方の確立に向け、多様な日立グループ30万人が取り組むさまざまな抜本的改革のノウハウ・技術を体系化し販売開始
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2020/11/1125.html
本サービスでは、業務内容や働き方にあわせたペルソナ別のサブスクリプション型メニューにより、多様なニーズに応え、従業員一人ひとりのデジタルシフトと生産性向上を支援。(2020/11/25)

[2]キューサイ、100歳100人実態調査
https://corporate.kyusai.co.jp/news/detail.php?p=4399
今回は過去4年間の調査結果をひも解き、元気な100歳から学ぶコロナ禍で実践したい健康維持の取り組みについて、過去のリリースでは未発表の調査結果も交えながら紹介。(2020/11/25)

[3]NTTデータ経営研究所とVIE STYLE、イヤホン型脳波計の実用研究に成功
https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/201125.html
EAR2BRAINというイヤホン型脳波計の信号から頭皮上の脳波を推定する技術開発に成功し、思っただけで機器を操作するブレインコンピューターインターフェースの精度を向上できることがわかった。(2020/11/25)

[4]ココカラファイン、「curonお薬サポート」の導入が決定【PDF】
https://corp.cocokarafine.co.jp/news/pdf/20201125_PR01.pdf
https://corp.cocokarafine.co.jp/index.html
ココカラファインは、MICINが提供するオンライン服薬指導サービス「curon(クロン)お薬サポート」を、ココカラファインヘルスケア調剤取扱店舗全店に導入することを決定。2021年1月から全店で、オンライン服薬指導への対応を開始予定。(2020/11/25)

[5]パラマウントベッド、早稲田大学本庄高等学院と共同で学習効果や運動能力の向上を目的とした睡眠研究を開始
https://www.paramount.co.jp/news/detail/162
本研究では、同校の寮生を中心とした生徒50名が約6か月間、パラマウントベッドの睡眠計測センサー「Active Sleep ANALYZER」を使い、各自の睡眠状態を測定。また、同生徒の健康等に関する情報についても、睡眠データと比較し睡眠環境や生活リズムなどの改善方法を検討・検証する。(2020/11/25)

[6]アイレクススポーツライフ、「アイレクス・オンラインフィットネスクラブ i-LIFE」グランドオープン!
https://www.ilex-sports.com/archives/news/1211
アイレクスi-LIFEは施設に通わなくても、自分の好きな時間を使って、動画やライブ配信による様々なレッスンやエクササイズが受けられる。リアルのような多様性、楽しさ、クオリティ、ホスピタリティにあふれたクラブライフが楽しめる、全く新しい仮想フィットネスクラブ。(2020/11/25)

[7]クリア電子、日本初上陸となる子ども向けのウェアラブルデバイス「Ai/Glasses」の予約販売を開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000056632.html
Ai/Glassesは、6軸モーションセンサーで目・首を計測し、マイクロCPUがAi処理を行い、Bluetoothを通じてスマホに転送され、専用アプリで目・首の姿勢や習慣のデータを確認できる。分析されたデータに基づき、目・首の正しい姿勢や習慣をアドバイスする。(2020/11/25)

[8]エムティーアイ、約1万人の調査で約7割が月経前に身体の不調を経験
https://www.mti.co.jp/?p=27423
約1万人の女性の月経前の身体やこころの不調の程度について分析。その結果、約7割の方が月経前に身体の不調を感じており、約四人に一人が月経前の何らかの症状により仕事や家事に支障をきたしていることが分かった。(2020/11/26)

[9]富士通コネクテッドテクノロジーズ、シニア向けSNS「らくらくコミュ二ティ」、温泉情報サイトとアプリ配信を開始
https://www.fujitsu.com/jp/group/fcnt/about/resources/news/20201126.html
「らくらくコミュニティ」は、共通の趣味や話題を通じて会員同士が交流できる安心・安全なインターネット上のコミュニケーションの場で、現在は会員数218万人の日本最大級のシニア向けSNS。このSNSに加え、この度拡充した温泉情報サイト「らくらく湯旅」をはじめ、ニュースやクイズ・脳活等の便利で楽しいコンテンツも提供。(2020/11/26)

[10]ウェルネス・コミュニケーションズ、健康管理クラウドサービス「HSS」、Web会議ツール「Zoom」と連携開始【PDF】
https://wellcoms.jp/common/frame/plugins/fileUD/download.php?type=news_file&p=news_file_170.pdf&token=e683c69885db2df7e4cdd2261b3737f935644aa1&t=20201202134054
https://wellcoms.jp/
連携により保健指導・面談の日程調整完了と同時にZoomミーティングの発行とメール通知が可能となり、オンラインを活用した従業員の健康管理業務をさらに効率よく実施することができるようになった。(2020/11/26)

[11]凸版印刷、セルフケア動画コンテンツを販売
https://www.toppan.co.jp/news/2020/11/newsrelease_201127_2.html
ハーバード大学医学部客員教授の根来秀行氏監修のもと、コンディションのセルフケアを支援する動画コンテンツ「パフォーマンスアップに導く24時間の過ごし方」を新たに制作。(2020/11/27)

[12]ネクストミーツ、「フェイクミート」が焼肉チェーン49店舗で日本初の焼肉用代替肉として販売開始(TechCrunch JAPANより)
https://jp.techcrunch.com/2020/11/27/yakiniku-like-nextmeats/
「焼肉のファストフード」をコンセプトにした「焼肉ライク」は、ネクストミーツによる大豆を用いた焼肉用代替肉「NEXTカルビ 50g 290円(税抜)」と「NEXTハラミ 50g 310円(税抜)」を国内全49店舗で販売すると発表した。(2020/11/27)

[13]花王、研究レポート:他人は顔のどこを見て「若々しい」と判断する?
https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2020/20201130-002/
「若々しさ」を判断する際には、見た目の年齢が若く見えるかどうかに加え、イキイキ感や清潔感といった印象も重要であることがわかっている。他人が顔のどこを見てこれらの印象を判断しているのかを調べたところ、ある傾向が明らかになった。(2020/11/30)

[14]東京海上ホールディングスとケアネット、ヘルスケア領域において資本業務提携【PDF】
https://www.tokiomarinehd.com/release_topics/release/l6guv3000000bmb0-att/20201130_Alliance_Agreement_with_CareNet_j.pdf
https://www.tokiomarinehd.com/
2社は、データとテクノロジーを駆使した新たな保険商品とヘルスケアサービスの開発に向けて「資本業務提携基本合意書」を締結。(2020/11/30)

[15]ヒュプノス、世帯年収と睡眠投資の関係調査
https://min-katsu.com/sleep/24889/
世帯年収と、使用している寝具の値段や、睡眠への考え方との関係を調査。その結果、世帯年収が高い人ほど、使用している寝具の値段が高く、使用している寝具が自分に合っていると感じ、睡眠が仕事に大切だと感じる傾向にあることがわかった。(2020/11/30)

[16]シルタス、スーパーのDXを加速!「SIRU+Biz」の提供を開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000031233.html
「SIRU+Biz」は、購買データとSIRU+ユーザーの栄養状態や興味を持っている商品、実際の購買実績を併せて分析きるツール。顧客の健康ニーズを的確に把握することで、商品の品揃えや棚割を最適化し、販売促進に活かすことができる。(2020/11/30)

[17]沖電気工業・京都大学・ヘルステック研究所、睡眠改善ソリューションの実証実験を開始
https://www.oki.com/jp/press/2020/12/z20062.html
睡眠の問題を抱えた働く世代を対象に、スマートフォンアプリを通じて個別化された行動変容メッセージを送る睡眠改善ソリューションの実証実験を開始。本アプリは一般的な健康アドバイスと異なり、個人に寄り添ったメッセージを配信することでメッセージへの受容性を高め、継続的な利用を促す。(2020/12/01)

[18]Go Find YOKOHAMA 事務局、Go Find YOKOHAMA ラン&ウォークキャンペーン
https://www.welcome.city.yokohama.jp/eventinfo/ev_detail.php?bid=yw9187
同キャンペーンは、GPS機能を搭載したスマートフォンアプリ「DISTRICT」を活用しており、制限時間内に横浜市内の観光名所や地域おすすめスポットに設置されたアプリ上のチェックポイントを走ったり、歩いたりしながら巡る。(2020/12/01)

[19]Fitbitが有料の健康増進サービスを日本で提供、法人向けはJMDCが独占販売(日経デジタルヘルスより)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/09240/?ST=ch_digitalhealth
米Fitbitは日本で個人にカスタマイズした有料の健康増進サービス「Fitbit Premium」の提供を始めた。法人向けの販売は、健康・医療データの分析サービスを提供するJMDCが担う。(2020/12/01)

[20]Nike、アプリで紐を締められるスニーカー『Air Jordan XI Adapt』
https://mhealthwatch.jp/global/news20201125
Nikeは、スマートフォンのアプリ操作で自動的に紐の締められるスニーカー『Air Jordan XI Adapt』を発表した。スマートフォン用アプリ「Adapt」を操作すると、『Air Jordan XI Adapt』に組み込まれたモーターが作動し、紐が自動的に締め上げられる。(2020/11/25)

[21]PearTherapeutics、慢性不眠症の電子処方薬『Somryst』を発売
https://mhealthwatch.jp/global/news20201126-2
Pear Therapeutics社は、『Somryst』と呼ばれる22歳以上の成人の慢性不眠症に対する処方デジタル治療薬の利用可能性を発表した。(2020/11/26)

[22]「Uber Eats」で処方薬の配達サービス-まずテキサス州3都市で
https://mhealthwatch.jp/global/news20201127-2
Uberは、「Uber Eats」アプリを使った処方薬の配達サービスを、テキサス州のダラス、オースティン、ヒューストンで開始することを米CNETに対して明らかにした。(2020/11/27)

[23]Fitbit、スマートウォッチでコロナ感染を発症前に発見できる可能性
https://mhealthwatch.jp/global/news20201201-2
Fitbit共働創業者&CTOのエリック・フリードマン氏によると、同社のスマートウォッチとスマホを健康センサーとして使い、呼吸・心拍などの生体シグナルを日常的に計測することで、健康状態を予測する研究を実施。(2020/12/01)

[24]『mHealth Watch』注目ニュース:『ルナルナ』 誕生から20年、新たな一歩を踏み出す
https://mhealthwatch.jp/japan/news20201207
今回、サービス提供から20年目を迎え、新しいビション、そして新しいロゴ、そしてテーマを「FEMCATION(フェムケーション)」として新たな価値を提供しようと動き始めています。(2020/12/07)