HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
新テーマコラムの第二弾となります。
well-beingやウェルネスという言葉が各分野で当たり前のように使われ始めています。
このトレンドの意味をより身近に感じていただきたいと思っております。

特集:ウェルビーイング・アイテム研究編

well-beingアイテムとしての「サウナ」

しつこいですが、
「全てのサービス・ビジネスモデルはウェルネスやwell-beingへと向かっていく」という仮説のもとに、well-beingに寄与するプロダクトやサービスにどんなものがあり、そのビジネス的な可能性はどうなっていくのか?を模索していくのが本コラムの新たなチャレンジです。

ウェルネスとwell-beingともに精神的、身体的、社会的に良好な状態を指します。
ほぼ同意として本コラムでは扱っていきます。

今回は、well-beingアイテムとしての「サウナ」をフレーム分析してみて、そこから何を学びとして抽出できるかを考えます。

その前に、

well-beingアイテム・フレームの設定

今回仮設的にはなりますが、前々回で紹介した幸福学4因子やwell-being感覚感情項目をベースにアイテム・フレームを設定しました。

・共感項目
a)プロダクト・サービスの世界観に共感(価値観共感)
b)使用することで気分が上がる&期待感がある(自己効力感)

・やりがい項目
c)なんだかんだ言って継続利用している(自分ゴト感)
d)継続して使っている自分を好ましく思っている(成長感)
e)継続使用しながら工夫していて、学びもある(発見感)

・繋がり項目
f)価値観共感を共有したい欲求がある(貢献感)
g)仲間ができ、お互い使用を認められると嬉しい(交流感)

このように、プロダクトやサービスを利用するユーザー側が感じるであろう7感覚の設定にして、どんどん運用しながら修正を加えていくことにします。

これを仮設的well-beingフレームワークとしてプロダクト&サービスに当てはめて分析しながらビジネスチャンスを探っていきます。

well-beingアイテムとしての「サウナ」

昨今のサウナブームは、ヘルスケアやウェルネス事業に関与している方々であれば周知と思います。
若者を中心に「心と体が整う」感覚が共有され拡散され今日に至っています。
2021年にはサウナ愛好家は2,584万人(出所:日本サウナ・温冷浴総合研究所)とコロナ禍によって前年より減っているのですが、月4回利用者は増加しているとのことです。

サウナは元々存在していた施設ですが、なぜここまでのブーム、つまり多くの生活者の心を掴んだのでしょうか?また、これは一時のブームで終わるのでしょうか?

今回設定したフレームで分析してみます。
これは、あくまでも大川の主観がベースになっていますが、複数人にヒアリングもしています。

(凡例)
2:とても感じる
1:感じる
0:なんとも感じない
−1:むしろマイナス
−2:かなりマイナス

a)価値観共感 (2)
→サウナ作法の実践により「整う」実践者への共感

b)自己効力感 (2)
→作法に従うことで自分の変化を実感。事後もスッキリ

c)自分ゴト感 (2)
→自分の習慣としての取り入れ可能で欲している

d)成長感 (2)
→整える習慣化ができている自分

e)発見感 (2)
→様々なサウナ巡りの楽しみと、様々なサウナー観察の面白さ

f)貢献感 (0)
→サウナムーブメントに何も貢献できてはいない。けど将来は分からない
アウトドアサウナセットを購入してイベント開催とか…

g)交流感 (2)
→仕事関係の若い仲間にサウナーが多く、共通話題で盛り上がる

スコア:(12)になります。
スコアが持つ意味に関しては今回切り込みません。数多くの比較対象があって見えてくることは追々アプローチしていきますのでご期待ください。


<well-beingポイントの発見>

・「整う」というサウナ行動を通して実感できる感覚を言葉化し、それが広まったことが現在のブームの肝であり、へそだと思います

・サウナ→水風呂→外気浴という「整う」プロセスデザインが明確になり、それが作法として多くの興味者に共有されたことで、まさに「サ道」が確立された

・再現性ある分かりやすい作法にしたがっての追体験で得ることのできる「整う」感は、その時から自分の整うストーリーになってしまいます。一度体験した人のリピート率の高さの秘密がここにあると思います

サウナからの学びは、再現性ある顧客満足の伴う実感プロセスを明確に提示できるか?ではないでしょうか。
少し表現を変えると「事前期待として明確な価値体験の連続性」があることがwell-beingアイテムとしてスケールする要因だと思います。

  • 再現性
  • 事前期待
  • 顧客満足の伴う実感プロセス
  • 明確な価値体験の連続性

自社プロダクト&サービスには、この4つのキーワードが当てはまっているか早速チェックしてみましょう。Well-beingアイテム化のヒント発見になるはずです。


※well-beingアイテム・フレーム簡易版(PDF)は以下ページよりダウンロードできます。
ご自分にとってのwell-beingアイテムを複数評価・比較してみてください。
気づきがあるはずです。(2022年3月31日まで)
https://healthbizwatch.com/member/hbw2202


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https://healthbizwatch.com/consultation?athr=12