HealthBizWatch Authorの大川耕平です。

なんと、2022年はwell-being元年なのだそうです(笑)
今回もこのテーマで身近なビジネスモデルにフォーカスします。

特集:ウェルビーイング・アイテム研究編

well-beingアイテムとしてのスターバックス

well-being領域にポジショニングしたいサービスブランドは多数存在しています。
そう思い、そしてチャレンジ中のサービスブランドの中でも最先端をいくお手本がスターバックスではないでしょうか。

well-beingサービスブランドとしてのスターバックスの背骨は?

私の個人的なwell-beingフレーム評価は最後に記載しておきますが、スターバックスは今や国内で1,685店舗(2021年9月時点)、ロイヤルプログラム会員制度Starbucks Rewardは始めてから4年で800万人を突破するという多くの生活者に愛されているサービスブランドです。

何がスターバックスの魅力の秘密なのでしょうか?

スターバックスの全世界的な拡大路線の先頭に立った前会長のハワード・シュルツが設定した「サードプレイス」というコンセプトは特に有名です。
ハワード氏が経営に関与してから最初に着手したのが「顧客との絆づくり」です。
コーヒーを通じた顧客体験の創出を模索する中で生まれたコンセプトですね。

つまり、being=あるべき姿としてのサードプレイス。
それを具現するためのdoingをいかに創っていくか?をミッションステイトメントの言語化からスタートします。1990年だったと聞いています。

初期設定したステイトメントで成長路線を爆進するも一時期低迷(2006-7)を味わい、再定義されたものが現在のものです。
滅多に他社のステイトメントを味わう機会はないと思うので、じっくり、できれば音読してみてください!

・・・・・・・

OUR MISSION
人々の心を豊かで活力あるものにするために
ひとりのお客様、“一杯のコーヒー”、そしてひとつのコミュニティから

OUR VALUES
私たちは、パートナー、“コーヒー”、お客様を中心とし、
Valuesを日々体現します。

お互いに心から認め合い、“誰もが自分の居場所と感じられるような”
文化をつくります。

勇気を持って行動し、現状に満足せず、新しい方法を追い求めます。
“スターバックス”と私たちの成長のために。

誠実に向き合い、威厳と尊敬をもって心を通わせる、
その瞬間を大切にします。

一人ひとりが全力を尽くし、最後まで結果に責任を持ちます。

私たちは、人間らしさを大切にしながら、成長し続けます。

・・・・・スターバックスWebsiteより


いかがでしょうか?

同じ価値観を共有したパートナー(現場スタッフ)が最後まで責任を持つ覚悟で、誰もが自分の居場所と感じられるような文化づくりが各店舗で展開されているのがスターバックスなのです。
価値観beingが共有され、責任を持つdoingが各自の裁量になっている現場の熱量が低いはずないですよね。

最後の1行が素晴らしいのは、ここまで読み進んでいただいている方は気づいていると思うのです。
それはまさにスターバックス自体がwell beingしていく宣言なのです!


<HBWからの提案>

先のステイトメント文章にある “ ” 部分に貴社のサービス、事業を入れてみてください。
しっくりと流れる文章になっているでしょうか?
違和感をどこに感じるでしょうか?

このワークでの気づきは貴社のwell being化の強力な補助線につながるはずです。

well-beingアイテム・フレームでの評価(大川個人的評価)

・共感項目
a)プロダクト・サービスの世界観に共感(価値観共感):◎
b)使用することで気分が上がる&期待感がある(自己効力感):◎

・やりがい項目
c)なんだかんだ言って継続利用している(自分ゴト感):◎
d)継続して使っている自分を好ましく思っている(成長感):◯
e)継続使用しながら工夫していて、学びもある(発見感):◯

・繋がり項目
f)価値観共感を共有したい欲求がある(貢献感):ー
g)仲間ができ、お互い使用を認められると嬉しい(交流感):◯

凡例:
◎=2:とても感じる
◯=1:感じる
ー=0:なんとも感じない
△=-1:むしろマイナス
×=-2:かなりマイナス

スコア:9ポイント


●大川へ直接お問い合わせや質問などがあればこちらへ。
ディスカッションも大歓迎です!
https://healthbizwatch.com/consultation?athr=12

健康ビジネスキーワード

「正しいから理解され受容されるというロジックはもはや通用しない」

人は本来、正しいかどうかではなく、伝わったことで判断します。
伝えるではなくて、伝わることを真剣に考えるべきで、伝わらないこととはないのと同じです。
健康ビジネスは「正しい一辺倒」になりがちなビジネス領域です。
正しく、良いサービスなのに支持されないのであれば伝わっていないのです。
あなたの健康サービスはいかがでしょうか?

今週の注目記事クリップ

[1]国立精神・神経医療研究センターなど、睡眠休養感がカギを握る:健康維持・増進に役立つ新規睡眠指標の開発
https://www.ncnp.go.jp/topics/2022/20220224p.html
朝の目覚めの時に生じる休まった感覚、すなわち「睡眠休養感」が成人の健康維持において重要であることを、米国睡眠研究資料に含まれる疫学データを用いて明らかにした。(2022/02/24)

[2]科学技術振興機構など、コロナ下での人々の孤独に関する調査を実施
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20220224/
2022年2月に日本在住の約3,000人を対象に調査。4割近くの人が孤独感を抱えており、新型コロナの感染拡大から2年近くが経った時点においても、孤独感はほとんど減少してないことが明らかになった、など。(2022/02/24)

[3]イオン、“着る、疲労回復”「トップバリュ セレクト セリアント」の平織生地シャツパジャマ初登場
https://www.aeon.info/news/release_35702/
「セリアント ウェア」は2019年3月に販売開始し、同年秋の一般医療機器登録以降、疲労回復ウェアとして展開。継続的に着用することで、疲労回復や血行促進、筋肉の疲れを軽減するといった効果が期待できる。(2022/02/24)

[4]ライフログテクノロジー、カロミルユーザーの「目標体重の設定値による体重増減傾向」について調査
https://www.calomeal.com/pressrelease/20220224.html
食事記録の継続期間別でみると、減量目的かつBMI25以上のユーザーでは、1ヶ月間継続では78%、3ヶ月間継続では82%、6ヶ月間継続では83%のユーザーが減量を達成していた。(2022/02/24)

[5]ハルメクホールディングス、老人ホーム・介護施設・高齢者向け住宅を紹介する「ハルメク 介護と住まいの相談室」を開始
https://www.halmek-holdings.co.jp/news/press/2022/88fs0jmc179/
女性誌販売部数No.1「ハルメク」を発行するハルメクグループが“終活”分野に参入。50社、1,600施設以上の中から、お客様の希望や状況にあった介護施設・高齢者住宅を紹介。(2022/02/24)

[6]リクルート、食生活で健康を意識する人が約8割 不健康な食生活のリセットを心掛けた「ととのえ飯」が広がると予測(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001407.000011414.html
ホットペッパーグルメ外食総研が開催する「トレンド座談会」レポート。食生活において健康を意識することがあるかについて全国の20代-60代の男女1,034名にアンケート調査を実施。(2022/02/24)

[7]LINE、LINEリサーチ:流行体感から読み解くサービス未来予測 流行予想シリーズ~代替肉編~
https://research-platform.line.me/archives/39725508.html
15回目は、主に植物性原料から作られる「代替肉」を取り上げる。代替肉の認知率は全体で84%、現在利用率は全体で10%、利用意向のある人は全体で48%。1年後には約3人に1人が利用していそうというイメージ、など。(2022/02/25)

[8]キリンビバレッジ、「企業の健康経営と従業員への健康支援」についての意識調査
https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2022/0228_01.html
コロナ禍前より健康支援の取り組みが増加している企業は64.6%、健康経営と健康支援に関する意識の高まりがうかがえる結果に。コロナ禍以降、健康経営に携わる経営層・部門担当者は「人材の強化」を最も課題だと感じている、など。(2022/02/28)

[9]花王とドコモ、ヘルスケア領域における協業に合意
https://www.kao.com/jp/corporate/news/business-finance/2022/20220228-002/
花王がPreferred Networksの協力により新たに開発した仮想人体生成モデルと、ドコモの「dヘルスケア(R)」などを活用し、一人ひとりへの最適なヘルスケアソリューション提案を目指す。(2022/02/28)

[10]NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション、ソーシャルリスニングでわかる消費行動の変化の兆し~「ダイエット・運動」編~
https://www.nttcoms.com/service/social/column/20220228/
「健康」のTwitter関連投稿のキーワードや企業による健康をテーマとしたSNSキャンペーンのランキングから、消費行動に関係する「ダイエット」「運動」「美容」に関するソーシャルリスニング分析を実施。(2022/02/28)

[11]住友生命、神奈川県茅ヶ崎市において「Vitality」を活用した事業を開始【PDF】
https://www.sumitomolife.co.jp/about/newsrelease/pdf/2021/220228.pdf
https://www.sumitomolife.co.jp/
茅ヶ崎市住民の健康づくりに向けた行動変容を促進すべく、Vitality健康プログラムの一部を活用した事業「茅ヶ崎 バイタリティ・ウオーク」を実施する。(2022/02/28)

[12]CCCマーケティング、1歳刻み!7,000万人の購買商品ランキング調査「栄養ドリンク・エナジードリンク」購買商品ランキング(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000750.000000983.html
男女総合ランキング1位「モンスターエナジー」、2位「レッドブルエナジードリンク」、3位「オロナミンC」。男性は40代を境に、女性は30代を境に、エナジードリンクから栄養ドリンクへ購買行動がシフトする傾向。(2022/02/28)

[13]セルフケアテクノロジーズ、日本発 Apple Watch対応の睡眠記録・分析・改善アプリ「セルフバンク」をローンチ!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000060548.html
睡眠の質を測定、改善できる無料の健康管理スーパーアプリ。Apple Watchを付けて寝るだけで、睡眠の質と時間から睡眠スコアが測定できる、など。(2022/02/28)

[14]アジャイルウェア、7割以上がリモートワークで運動不足を実感ーリモートワークと運動習慣のアンケートを実施ー
https://agileware.jp/press/2022_0301/
リモートワークをしている20-50代の男女200名を対象に調査。運動習慣をつけるために効果的だと思うことは1位「ご褒美がある」2位「誰かと一緒に運動する」。7割以上が運動習慣をサポートする福利厚生を「使いたい」と回答、など。(2022/03/01)

[15]MEFREE、[糖尿病クリニック共同開発] 低糖質・低脂質の秒でできる完全栄養カレーをリニューアル発売(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000088328.html
コレデカレーは、“秒でできる完全栄養食”として昨年11月に発売。今回、糖尿病クリニックである銀座有楽町内科の山村医師指導の下、血糖値スパイクが起きにくいように糖質バランスも考えて味重視に改良している。(2022/02/28)

[16]『mHealth Watch』注目ニュース:オムロン、JMDCと資本業務提携契約締結
https://mhealthwatch.jp/japan/news20220307
今回の資本業務提携によって、「健康機器(計測データを含めて)」と「健診データ、レセプトデータ」を組み合わせて新しい価値を生み出し、サービスとして提供していくことになります。(2022/03/07)