こんにちは、渡辺武友です。
新規ビジネスを加速するためには必要なことがあります。
これを事前にやっておくかどうかで、あなたのビジネスは2倍にも3倍にも加速します。

今回は「ヘルスケアビジネスにおけるリーン開発で必要なこと」をお伝えします!

特集:健康ビジネス・マーケティング&収益化編

ヘルスケアビジネスにおけるリーン開発で必要なこと

先月の「健康ビジネス・マーケティング&収益化編」では、新規ビジネスを検討する際、他社がすでに失敗したビジネスプランを避けるためにするべきことをお伝えしました。

先月の記事はこちら

「ヘルスケアビジネスで失敗を回避するヒント」

ぜひ失敗しない新規ビジネス企画をしていただきたいのですが、企画段階で失敗要因を排除できていればすべてOKかと言うと、それほど単純にはいかないのが新規ビジネスですね。
リリースしてはじめて気づく落とし穴に遭遇することはよくあることです!

現在求められるリーン開発やアジャイル開発では、「都度対応すればよいのでは?」と思われるかもしれませんが、それでは時間がかかり過ぎます!

今回は、リーン開発で求められるスピード感に適したやり方をお伝えします。

求められるリーン開発におけるスピード感

現在、リーン開発やアジャイル開発など、スピード感のあるビジネスの進め方が求められるようになってきました。

例えば、リーン開発においては仮説から最低限の質を備えた試作品を準備し、顧客に提供、そこで得られた反応から改善をしていくわけですが、ヘルスケアビジネスのように、ある程度継続利用することで効果が得られるものの場合、ここで記載したリーン開発の進め方では遅いのです!

なぜ遅いのかと言うと、例えば、提供するヘルスケア商品・サービスを使って健康効果を出すために10の工程が必要だとしましょう。
最初は個人情報や属性の登録、次に目標設定、そして最初にやる行動が決まるとします。

実際に使ったユーザーが2つ目の工程である「目標設定」でつまずいたとしましょう。
そこで早くも脱落してしまいました。

このように10工程中、仮に6つの工程で8割のユーザーが脱落する結果になったとしたら、提供した商品やサービスでは利用者の2割しか結果を出してくれないことになります。

この結果を見てから最速でリニューアルプランを検討しようとなるわけですが、2割しか到達者がいないという事実を突きつけられると、そもそもリニューアルしたところで大幅に改善できるのかが気になってきます。
このビジネスを存続すべきか?と考えることになりかねません。

このような進め方では、何度リニューアルすれば満足いく結果が得られるでしょうか?
それにはどれくらいの時間が必要でしょうか?

テストして分析して改善して、とやっていたら、もしかすると満足いくまでに5年くらいかかりそうです!
これでは名前ばかりのリーン開発です。

最初に用意すべき“バックアッププラン”

最速でビジネス開発するために、最初に検討していただきたいことがあります。
それは“バックアッププラン”です。

“バックアッププラン”とは、課題が起きたときに発動する対策を事前に決めておくことです。

課題が起きてから対策を考え準備していると時間がかかり、準備できた対策を提供しても、ユーザーはすでに離脱し、時間が経てば経つほど戻ってこない可能性があります。

ですので、想定できる対策は事前に検討しておくべきです。
そうすれば何かあっても焦らず対応でき、うまく乗り越えたときにユーザーとの信頼関係が生まれ、継続に貢献します。

そのような素早い対策ができるようにするために“バックアッププラン”を準備しておきます。

“バックアッププラン”により即対応していけば、最初の提供時から課題改善に取り組めるため、利用率ダウンを避けることができます。

“バックアッププラン”の作成

“バックアッププラン”の作成方法をお伝えします。
企画がある程度完成したら、企画を検討してきた視点を一度忘れて、徹底した顧客視点に立ちます。

そのときの顧客視点は“うまくいかない人になりきる”ことです!

そして、商品サービスを提供するすべての工程を否定してください。
思いつく限りダメ出ししてください。

自身がメインで企画開発してきたなら、うまくダメ出しできない可能性がありますので、他のチームメンバーや第三者に徹底的にやってもらうとよいでしょう。

あとはその課題に合わせて、対策を検討します。
それを工程ごとにまとめておけば、いざというときに焦らず対応できます。

このように“バックアッププラン”を組み込むことで、加速度的にビジネスをブラッシュアップでき、理想的なリーン開発につながります。

健康ビジネスキーワード

「妄想」

ビジネスで使われる平均的な価値は、実はマーケット側には存在しません。
ビジネスは答えのないゲームと言われています。
コントロール・管理できる範囲は限られており、「便利」から「意味がある」への価値観シフトが起こっています。

意味あるイノベーションは新しい結合から生まれます。
平均からは生まれません。
管理できない、妄想が価値あるモノ・サービスづくり、時代をリードする最重要ファクターではないでしょうか。

妄想を歓迎する文化があるか否か、いかがですか。

今週の注目記事クリップ

+++★注目ニュース解説動画(解説:里見将史)★+++

【今回の注目】

パラマウントベッド、2024年度も「睡眠の大切さを学ぶ中学生向け教育プログラム」の提供を実施(2024/05/22)
https://www.paramount.co.jp/news/detail/344

→解説はコチラ
若年層の健康リテラシー提供の重要性について(6分34秒)

https://youtu.be/Xm7SHEcuS74



+++★注目記事クリップ★+++

[1]NTTデータ経営研究所、人生100年時代における次世代シニアの介護に関する意識調査を実施
https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/240529-2/
調査の結果、「介護人材の不足は約9割が認識、民間サービス、介護ロボット活用などで家族や身内の負担軽減したい」「専門家には頼りたいが、ケアプランは相談の上、自分で作成したい」などが明らかになった。(2024/05/29)

[2]第一三共ヘルスケア、もはや災害レベルの熱中症には、暑熱順化とリスクを下げる正しい知識が必須に“地球沸騰化”時代の、新・熱中症対策
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/selfcare/nettyusyo-01/
熱中症の第一の予防策は、本格的な夏が到来する前から暑さに強い体づくりをしておくことです。そのための方法が、運動や入浴などで日常的に汗をかくようにして、体を暑さに対応しやすくする「暑熱順化」です。(2024/05/29)

[3]電通、日本の約10倍も!?中国でヘルステック活用が進む理由とは?
https://dentsu-ho.com/articles/8930?__hstc=201534478.ec622be1fef23465787869fa106cb4b8.1694518059991.1715682381096.1717506907776.38&__hssc=201534478.4.1717506907776&__hsfp=397265834
電通では中国でも大規模調査(日本の「ウェルネス1万人調査」の主要項目について同一内容で調査)を実施しています。その結果、同様の商品・サービスの活用が、日本よりも大きく進んでいることが明らかになりました。(2024/05/29)

[4]ソノヴァ・ジャパン、会話を徹底研究した注目の聞こえソリューション“ルミティ”に新製品(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000118181.html
小児専用補聴器「フォナック スカイ L-M」「フォナック スカイ L-SP」、パワータイプ補聴器「フォナック ナイーダ L-SP」の全3モデルを発売。赤ちゃんからシニアまで、全世代の難聴ニーズに応える豪華ラインナップ完成。(2024/05/29)

[5]世界のフィットネスジム利用率、コロナ禍前を上回る(Fitness Businessより)
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/2179
フィットネステック大手のABCフィットネスが、世界100カ国以上の4,000万人の会員と30,000以上のスタジオ/ジムの利用率の調査結果をまとめた。(2024/05/29)

[6]ヤプリ、歩数計機能が搭載された「ヘルスケア機能」をリリース
https://mhealthwatch.jp/column/news20240529
このたび提供を開始する「ヘルスケア機能」は、ヤプリが提供する組織エンゲージメントの課題解決サービス「Yappli UNITE」で、健康経営を促進する機能として利用できます。(2024/05/29)

[7]RIZAP、「GENOVA」×「chocoZAP」chocoZAP120万人以上の会員様に向け 健康に関する映像コンテンツ「Medical DOC News」の配信開始
https://www.rizapgroup.com/news/detail?topics_id=1006
chocoZAP店内のマシン・個室ブースに設置されたタブレットを通じて、トレーニングマシンに設置されたタブレットでは健康や運動に関する情報、個室ブースでは医療記事やクリニック情報など、シーンに合わせた適切な情報の提供を行ってまいります。(2024/05/30)

[8]弘前大学と雪印メグミルク、共同研究講座「ミルク栄養学研究講座」
https://www.meg-snow.com/news/2024/22667/
健康ビッグデータ解析より、骨代謝や骨強度は、日常的な牛乳・乳製品摂取と関係することが示されました。(2024/05/30)

[9]クリニックフォアグループ、喫煙者に聞いた!「タバコミュニケーション」に関する実態調査(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000096150.html
74%の喫煙者が「喫煙所でのコミュニケーションで仕事が円滑に進んだ経験がある」と回答!メリットを感じつつも「禁煙したい」人は73%、理由は「お金がかかる」「家や服の匂いが気になる」。(2024/05/30)

[10]アクサ生命保険、世界16の国と地域で実施、アクサのマインドヘルス調査【PDF】
https://www2.axa.co.jp/info/news/2024/pdf/240531.pdf?_gl=11rh5pq3_gaMTM0OTU5MTg4OS4xNzE3NTA1MTM0_ga_3MXLG2Z634*MTcxNzUwNTEzNC4xLjAuMTcxNzUwNTEzNC4wLjAuMA..
https://www.axa.co.jp/
調査結果から、マインドヘルスが不調な人の割合は、対象国中で日本が最下位になりました。また、従業員のマインドヘルスに対する企業のサポート体制構築の重要性が改めて示され、職場における対策が大きな課題として浮き彫りになっています。(2024/05/31)

[11]ジーンクエスト、福利厚生サービスおよび保険商品が付帯した遺伝子解析サービスの発売を開始~遺伝子解析結果の活用と合わせてより健康的に~
https://genequest.jp/topics/news/0/683
ベネフィット・ワンおよび三井住友海上火災保険がそれぞれ提供する福利厚生サービスおよび保険商品を付帯させた遺伝子解析サービス「ジーンクエストALL 福利厚生プラン」を、法人向けに発売開始いたします。(2024/05/31)

[12]無害な刺激で神経性の痛みを解消するウェアラブルデバイス Theranica(TECHBLITZより)
https://techblitz.com/startup-interview/theranica/
偏頭痛を含む神経性疼痛疾患を、薬を投与することなく治療できるウェアラブルデバイス「Nerivio」を提供するTheranica。日本を含むグローバル展開を目指す同社の共同創業者でCEOのAlon Ironi氏に、創業の経緯や将来展望を聞いた。(2024/05/31)

[13]ファンケル、機能性表示食品「楽ひざ」を改良新発売
https://www.fancl.jp/news/20240043/news_20240043.html
「ひざ関節の違和感を和らげる機能」に、「加齢に伴う筋力の低下を感じている方の筋肉量の維持に役立つ機能」を追加。旧来品と同処方ながら、配合成分の特長を徹底解析し、新たな機能訴求を追加することに成功しました。(2024/06/03)

[14]メタジェン、アルツハイマー病において、酪酸産生菌の存在比が低いことが明らかに
https://metagen.co.jp/2024/06/03/20240603-0937/
アルツハイマー患者や軽度の認知障害の患者では一部の腸内細菌が有意に低いことを明らかにしました。今後の研究では、本研究結果を基に、腸内細菌をターゲットとした新しい治療法の開発や予防戦略の確立が期待されます。(2024/06/03)

[15]エムスリー、ホワイト・ジャック・プロジェクト第7弾として健康保険組合向け支援事業を展開するミナケアを子会社化【PDF】
https://corporate.m3.com/assets.ctfassets.net/1pwj74siywcy/5DwMMcc2NG8dFzsIosEesG/fb80f2c64b4b495b3784479f3cfa61ff/20240603_Public_J.pdf
https://corporate.m3.com/
ミナケアが保険者に対するコンサルティングサービスを提供することにより蓄積された健康データと、エムスリーグループのアセットをかけ合わせることで、予防医療に関する新たなサービスの開発・提供を推進します。(2024/06/03)

[16]フォーネスライフ、認知症などの将来の疾病リスクがわかる「フォーネスビジュアス」ご購入やコンシェルジュ面談などが、WEBに加え電話でも簡単に!
https://foneslife.com/news/20240603-1/
今般の電話対応の拡充により、パソコン・スマートフォンの操作にご不安のある方などを含め、より幅広いお客様がサービスをご利用いただきやすい体制を構築しました。(2024/06/03)

[17]ザ・ファージ、糖尿病患者向けの栄養指導業務の実態調査を実施(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000110505.html
令和6年度診療報酬改定における意識調査。第67回日本糖尿病学会年次学術集会にて、糖尿病患者向けの栄養指導業務の実態を実施し、アンケートレポートを公開。(2024/06/03)

[18]花王、皮脂RNAモニタリング(R)技術を用いた受託分析サービスをヘルスケアシステムズ社を通じて開始
https://www.kao.com/jp/newsroom/news/release/2024/20240604-001/
皮脂RNAモニタリング技術が広く利活用されることで、皮膚科学、健康科学、医療をはじめとするさまざまな領域での研究が深化すると考えます。(2024/06/04)

[19]Concert HealthとWellSpan Healthが提携し、プライマリ・ケア患者に即日行動医療サービスを提供
https://mhealthwatch.jp/global/news20240531
米国ペンシルベニア州中南部とメリーランド州北部のプライマリ・ケアの医療従事者に、デジタルヘルススタートアップのプラットフォームを通じてサービス提供可能となる環境を整えた。(2024/05/31)

[20]『mHealth Watch』注目ニュース:SBI損害保険、サプリム、自動車保険の法人契約者へ睡眠障害リスク計測サービス『Sleep Doc』の無償提供を開始
https://mhealthwatch.jp/japan/news20240610-2
今回の自動車保険に睡眠サービスを連動させた提供の仕組みは、保険の付帯サービスとしての健康サービスの提供以外にも、参考になりそうな気がしています。(2024/06/10)