こんにちは、渡辺武友です。
ウェルビーイング経営を支援する上で、重要となるのが「社会的健康」です。
今回は「社会的健康」の施策とはどのようなものか?
お伝えします。

特集:健康ビジネス・マーケティング&収益化編

動かなかった人を動かす「社会的健康」へのアプローチ


10月8日配信メルマガでは「ウェルビーイング経営における社会的健康とは?」についてご紹介しました。
その中で、ウェルビーイング経営を実現するために重要なファクターとなるのが「社会的健康」であることをお伝えしました。

「社会的健康」へアプローチすると

・組織の活性化(健康を企業文化に取り入れる)
・動かなかった人を動かす

などの効果が期待できます。


今回は、「社会的健康」を施策に導入することのメリットをお伝えします。

10月8日配信の記事の確認はこちら
「ウェルビーイング経営における社会的健康とは?」(10月8日配信)

組織の活性化


「社会的健康」ではコミュニティ単位で考えることがポイントです。
コミュニティとは、組織全体といった大きな単位だけでなく、部門、課、数名のチームなど、人が2人以上いればコミュニティです。

狙いとしては、人が影響し合うことでエンゲージメントをよりよい状態にし、仕事に良い影響を与えることです。
仕事ではうまくいかないことが続くことがありますが、提供する健康施策により、チームで困難を乗り越える喜びを感じてもらうことで、仕事への励みになることがあります。

米国のWellbeing Programの多くが、ここを起点にサービス展開していると言えます。

動かなかった人を動かす


健康課題があり、個別に改善施策(健康指導など)を提供しても行動できない人がいます。
このような人は強く言ったからと行動することはなく、例えば、健康施策を案内しても登録はしたものの全く取り組まず、すぐに諦める人も多いでしょう。

企業としては、健康課題がある動かない人をなんとかしたい。
でも、全従業員に均等に機会を与えたいといった相反するような考えもあります。

そこで効果的なのが「社会的健康」へのアプローチです。

「社会的健康」へのアプローチにはいくつかやり方があります。
今回は2つご紹介します。

物理的アプローチ


物理的アプローチには、健康行動を意識させないで、結果的に健康行動させることができます。

わかりやすいものとしては、会社の所在地を駅から徒歩20分程度のところにすると、毎日往復40分は歩かせることができます。
ただし、このやり方には弊害もあります。
お客様にも40分歩いてもらう必要があります(タクシーを使ってもらうなど)。
また、駅から遠いことが理由で人材が集まりにくくなる場合もあります。

社会的健康のために物理的アプローチをするなら、もっと取り組み自体に従業員が魅力を感じられるものがよいでしょう。

例えば、全体的に肥満傾向になりやすいとした場合、その原因に食べ過ぎがあるとしましょう。
食べ過ぎている要因として、社員食堂で早食いになりやすい環境が原因の場合があります。
社員食堂の席が少なく交代制のため、待っている人が見えると、つい早食いになることがあります。

対策として食堂をカフェスタイルにして、会話をしながらゆっくり食べることを推奨します。
今まで会話もなく、黙々と食べていたときは早食いになりやすかったのが、仲間と会話することで、箸を止める時間をつくることができ、早食いを抑制する効果があります。
実行するためには、食事タイミングやスペースの見直しが必要となります。

チーム対抗イベント


現在国内ではウォーキングイベントなど、多くの企業が取り組んでいます。
海外では、「ウォーキングは健康課題がある人が行うもの」と思われている地域もありますので、ウォーキング以外の取り組みも盛んです。

例えば、「1日の水分量をチェックする」「朝数分でできる健康行動のお題が通知される」など、短期間で健康効果を狙うのではなく、行動ができたことに満足感を得られるレベルから提供するプログラムが用意されています。

米国のThrive Global社が提供するサービスでは、「マイクロステップで進める」とコメントしています。
無理なく、離脱率が低く、継続率の高いプログラムがポイントとなります。

チーム対抗で楽しむことを主眼に置くことで、つらい健康行動とは感じさせず、健康課題があり自分からは動かない人でも、チームのために簡単なものなら参加しやすくなる効果があります。


このように、コミュニティの力で動きやすい状況を作り、簡単な健康行動に取り組むことで数値の改善などが見えると、個別プログラム参加のハードルを下げる効果もあります。

直球勝負では難しかったことも、「急がば回れ」で課題解決につながることがあります。
社会的健康へアプローチすることは、健康課題解決の「急がば回れ」策とも言えます。

米国の社会的健康の取り組みを事例で紹介


先行する米国の法人市場では、どのような企業がどのようなサービスを提供し、どれくらいの収益を上げているのか?
気になるところだと思います。

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その調査から具体的な事例を交えて解説するセミナーを開催します。

すでに10月に2回開催しました。
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解説:
脇本和洋、渡辺武友(スポルツ/ヘルスビズウォッチ)

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2024年11月20日(水) 17:00 - 18:30(開場16:45)
2024年11月27日(水) 16:00 - 17:30(開場15:45)

開催場所:
インフォーマ マーケッツ ジャパン株式会社
東京都千代田区鍛冶町1-8-3 神田91ビル 2F

定員:各回15名

費用:無料

主催:
株式会社スポルツ、インフォーマ マーケッツ ジャパン株式会社


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健康ビジネスキーワード

「需要の平均?」

なんでも平均を求めたがる傾向のある日本。
しかし、需要の平均は存在しない。
需要を表現するひとつの側面の言葉としてのトレンドがある。

そのトレンドも今や細分化した細かいトレンドの集合体と捉えた方が間違いない。
時代は平均から個性へ向かっている。

今大切なことは、ひとりのインサイトを深掘りした価値提案に可能性があり、
そこからスモールマス・ビジネスが広がる。

これは新規事業開発の肝です。


※スモールマス:
大集団ほどの規模をもたない小規模な集団だがしっかりとした経済圏を形成

今週の注目記事クリップ

+++★注目記事クリップ★+++

[1]Otsuka Precision HealthとAmalgam Rx、アルツハイマー病介護者向けアプリを発表
https://mhealthwatch.jp/global/news20241030
アルツハイマー病と診断された家族を介護者がサポートできるように設計されたデジタルアプリケーション『Elevmi』をリリース。(2024/10/30)

[2]Sleep Numberの新たなスマートベッド『ClimateCool』
https://mhealthwatch.jp/global/news20241030-2
睡眠のニーズや好みが異なるカップルに最適な『ClimateCoolスマートベッド』を発表。同製品は優れた冷却技術を搭載しており、一緒に寝ている2人のそれぞれの睡眠に合わせて寝心地を調節できる。(2024/10/30)

[3]Aktiiaが110億の血圧データをAIに学習させ、臨床的に認定されたアプリが誕生
https://mhealthwatch.jp/global/news20241031
Aktiiaは、同社のアプリがスマートフォンのカメラから正確な血圧と心拍数の測定値をユーザーに提供できると主張している。(2024/10/31)

[4]AI搭載の植毛ロボット、脱毛症患者に朗報。手術時間を従来の1/3に短縮、定着率も向上
https://mhealthwatch.jp/global/news20241101
脱毛症の問題が社会的に注目されるようになり、中国の植毛市場は急速に発展し始めた。(2024/11/01)

[5]新しいFCC規則では、すべての携帯電話は補聴器対応でなければならない
https://mhealthwatch.jp/global/news20241101-2
連邦通信委員会(FCC)は、米国で販売されるすべての携帯電話(スマートフォンを含む)が補聴器と互換性があることを義務付ける規則を発表。(2024/11/01)

[6]『mHealth Watch』注目ニュース:デジタル高血圧ソリューションは本当に改善、コスト削減するのか?
https://mhealthwatch.jp/global/news20241111-2
高血圧の改善に投薬管理に代わり、デジタルソリューションが役立つのかを分析したレポートです。(2024/11/11)

[7]明治、「ザバス-食事記録とスポーツ」を開発
https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2024/1030_01/
競技に必要な栄養知識を学べ、栄養管理に役立つ情報を提供するスポーツ競技者向けアプリ。「手軽なスポーツ栄養の教科書」をコンセプトに、食事記録、管理栄養士からのアドバイス、スポーツ栄養学の情報などを提供。(2024/10/30)

[8]LAVA International、ベトナム国内にてEMSフィットネス事業を展開する「25 FIT」社と提携しベトナムへ事業進出【PDF】
https://lava-intl.co.jp/pdf/25fit_renewal_241030.pdf
https://lava-intl.co.jp/
LAVAの海外進出はシンガポールに次いで2か国目。LAVAの人気コンテンツを複数導入し、一挙17店舗を年内にフルリニューアルオープン。(2024/10/30)

[9]エリアリンク、コロナ禍以降広がる自宅での運動と自宅のスペースに関する意識調査【PDF】
https://www.arealink.co.jp/wp-content/uploads/2024/10/ccb7d84abe8bf552c6336b8f66d4d12a.pdf
https://www.arealink.co.jp/
「普段から健康に気を付けている」と回答した500名を対象に自宅での運動に関するアンケート調査を実施。自宅で運動したい人は約6割、始めたくても始められない要因は「時間や自宅スペースが足りていない」。(2024/10/30)

[10]ロート製薬、大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオンにて「再生医療が身近になった2050年のミライ社会」を体験
https://www.rohto.co.jp/news/release/2024/1030_01/
今回は、第一弾として「ミライの再生医療」に関する展示内容をお知らせいたします。展示ブースでは、大型ビジョンを通して再生医療が日常に浸透した都市生活を疑似体験いただけます。(2024/10/30)

[11]創通メディカル、[MYTREX]女性の疲れ・疲れを癒す“リフレッシュ方法”に関する意識調査を実施(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000111.000047658.html
20代~40代の日常的に体の疲れを感じている女性を対象に調査。慢性的な疲れを感じている一方で、疲れの癒やし方がわからない“からだメンテ迷子”の女性が7割もいることが明らかに、など。(2024/10/30)

[12]富士経済、サプリメントの国内市場を調査
https://www.fuji-keizai.co.jp/press/detail.html?cid=24100&view_type=2
この調査では、27の訴求効能別にサプリメント市場を分析した。脂肪・コレステロール値改善を中心に苦戦し、縮小の見込み。スポーツサポートや美容効果は好調を維持。(2024/10/30)

[13]ニッスイ、「シニアの食生活の実態に関する調査」結果
https://www.nissui.co.jp/news/2024103101.html
全国のシニア層(50-70歳代)の男女600名を対象に食生活の実態に関する調査を実施。健康維持のため栄養バランスを重視する傾向。フレイル予防はまず食事、運動意識も高いが筋トレへの意識は低い、など。(2024/10/31)

[14]ヘルスケアテクノロジーズ、ワイモバイルから発売する「らくらくスマートフォン a」に健康相談ができる「かんたんHELPO」アプリを搭載
https://healthcare-tech.co.jp/news/20241031.html
らくらくスマートフォン aをご利用のお客さまは、ホーム画面の専用ボタンを押すだけで、アプリのインストールが不要で24時間365日いつでも何度でも追加費用なしで、専属の医療専門チームにチャットで健康相談ができます。(2024/10/31)

[15]サイエンス、ミラブルが医療機器に!一般医療機器として電動式生体用洗浄器を開発(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000098081.html
ミラブルをご使用いただいた多くのお客様のご意見をもとに肌への洗浄ならびにその効果から医療機器としての活用を目指し、この度一般医療機器・電動式生体用洗浄器を開発致しました。(2024/10/31)

[16]味の素、10~20代の約8割が「スマホを見ながら食事をしている」と回答!スマホを置いて“音”で食事本来のおいしさを楽しむ「音飯プロジェクト」を始動(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000092524.html
全国の10~50代の一人暮らしをしている500名を対象に「スマホ見ながら飯」に関する調査を実施。音楽やラジオを聴きながら食べる「音飯」では、食事に集中している人の割合が多いことが判明。(2024/11/01)

[17]矢野経済研究所、フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場に関する調査を実施(2024年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3666
2023年のフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場は、前年比108%の750億5,400万円と推計。市場は継続して好調に推移、更年期ケア分野とセクシャルウェルネス分野の注目度が更に高まる。(2024/11/01)

[18]issin、光文社「STORY」と平均-3.3kg体重減・満足度96%の生活習慣改善サービス「スマートデイリー」、コラボキャンペーンを開催!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000103350.html
生活習慣改善サービス「Smart Daily(スマートデイリー)」と光文社「STORY」のコラボキャンペーン第1弾。「スマートデイリー」の申し込みで「STORY」を毎月お届け!(2024/11/01)

[19]メドピアとアルフレッサ、次世代のヘルステック起業家を生み出すピッチコンテスト ファイナリストを決める投票がスタート
https://medpeer.co.jp/press/13522.html
投票と審査により応募52社の中から8社が選ばれ、12月13日(金)に行われるメイン会場での「ピッチファイナル」に登場します。(2024/11/05)

[20]キッコーマンニュートリケア・ジャパンと主婦の友社、共同で「更年期に大切な4つのこと(+1)キャンペーン」スタート(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002492.000002372.html
このキャンペーンは、「更年期に大切な4つのこと」にもうひとつ「自分だけのプラスワン(+1)」を探して加え、「更年期5つのアクション」を完成させることで、更年期をより健やかに過ごす自分なりの過ごし方へと導くもの。(2024/11/05)



+++★デジタルヘルス解説動画(解説:渡辺武友)★+++

【デジタルヘルス・ビジネスの疑問解消!】
デジタルヘルスのビジネスに関わる人に役立つ情報をお届けします。

第45回 ヘルスケア・イノベーションの壁(5分35秒)
https://youtu.be/JznXItslt7E