こんにちは。脇本和洋です。

本メルマガでは海外のヘルスケアサービスの最新動向をチェックしています。
今回も2025年の注目動向である「生成AIの活用」についてお伝えします。

特集:海外事例にみる継続支援アプローチ編

生成AIをヘルスケアサービスに活用する時の課題(その2)


こんにちは。スポルツ脇本です。

2025年のヘルスケアビジネスを検討する上で注目となる「生成AIの活用」。

この1か月間だけでも、

  • トランプ大統領が「米国のAI開発を推進する大統領令」に署名
  • 中国から安価で高性能な生成AIが登場
  • ソフトバンクグループとOpenAI(生成AI開発企業)が提携を発表

など、生成AIは大きな流れとなってきています。

この動きに対して、今後のヘルスケアサービスが影響を受けないことはないでしょう。

現在、私たちは生成AIを活用したヘルスコーチングサービスを開発中ですが、その可能性を日々感じるとともに、克服すべき課題の多さにも気づいている所です。

本編では、ヘルスケアサービスの継続利用に大きな影響を及ぼすと予想される「生成AIの活用」の課題について、我々が経験していることも交えてお話しします。


※参考>本編のバックナンバー(2025年1月号)
生成AIをヘルスケアサービスに活用する時の課題

生成AIをヘルスケサービスに応用する時の課題(その2)


前号では、ヘルスケアサービスに生成AIを活用する課題として、

  • 課題1:生成AIとの対話は無限に続くが、それで問題ないのか?
  • 課題2:生成AIの出力は安全なのか?
  • 課題3:生成AIらしさを発揮できているか?

について紹介しました。今号はその続きです。

■課題4:生成AIとのやりとりだけで、人は動くか?


ご存じのとおり、生成AIは機械学習AIの次に登場したAIの一種です。
人ではなく、一つのシステムです。

よほど健康の悩みが深くない限り、システムに向かってもくもくと健康行動のヒントを得ていこうという人は少ないでしょう。
つまり、いくら流行りの生成AIを入れたところで、継続率はそれほど高まらない可能性があるのです。

解決の方向性は、人(専門家)が寄り添う要素を取り入れることです。
人に見られている状況を作り出し、必要に応じて人が介入することで、生成AIを人を補完するツールとして位置づけることが重要です。

■課題5:費用対効果は本当にいいのか?


課題4をクリアして、継続率の高いサービスに仕上がったとします。
ただ、生成AIを使うと当然、使用料がかかります(例:chatGPTを使うと利用量により支払う金額が決まっています)。

また利用料だけでなく、運用費(安全性を確保するための様々なチェック)というものがかかります。
これらの費用を上回るビジネス上のメリットがあるかということです。

解決の方向性は、利用シーンを限定し「従来の方法」と比較して費用対効果を検証することです。

たとえ生成AI活用にコストがかかっても、従来の方法より高い効果が期待できるなら、十分に採用する価値があります。
この部分を検証し生成AI活用を判断することになります。

■課題6:社内にどう説明したらいいか?


生成AIのヘルスケアサービス活用が検討され始めたばかりの日本では、これが最初に直面する課題となります。
生成AIをヘルスケアサービスで活用した事例がまだ少ないため、自社の商品に結び付けた時のイメージがもてないからです。

また、従来の機械学習型AIを使ったサービスと生成AIを活用したサービスの違いを社内で適切に説明できなければ、検討が進みません。

解決の方向性は、まず生成AIを活用したヘルスケアサービスについて体系的に学び、実際に使って体験することです。

理想的なのは、自ら生成AIを活用したヘルスケアサービスを簡易的に作ってみることですが、専門性が求められるため、開発経験者の話を聞くだけでも理解が深まるでしょう。

「ヘルスケアサービス×生成AI活用」をリアリティもって知るには?


我々は生成AIを活用したヘルスケアサービスの開発を日々行っています。

その過程で得た知見や経験を共有するセミナーを以下の通り開催します。
ヘルスケアサービスの企画開発での生成AI活用を模索されている方にお勧めです。


セミナーでは、

  • 海外で進むヘルスケアビジネスでの生成AI活用は?
    (WHOの生成AIアドバイスサービスを解説します)
  • ヘルスケアサービスのアイデア出しに生成AIを活用するポイントは?

をお伝えします。


同内容のセミナーを、

・2月19日-20日(渋谷)
・2月26日(ヘルスケアIT2025東京ビッグサイト)

にて予定しています。
2月26日開催分は満席となりましたので以下日程をご案内いたします。


●2月19日-20日(渋谷)開催分
生成AIを活用した「ヘルスケアビジネス企画開発」解説セミナー
(少人数制、無料)


★★お申込み方法(ご注意ください!!)

開催直前につき、上記ページではお申込みをお受けできないことがあるため、お手数ですが以下ページのお問い合わせ欄に、
ご希望の日にちと「生成AIを活用したヘルスケアビジネス企画開発解説セミナー参加希望」と記載いただき、お申込みください。
https://hbw-sportz.com/fm/18944/lCAXOnj7

健康ビジネスキーワード

「曲線で考えるヘルスケアサービス」

ヘルスケアサービスの継続には「成果曲線」「学習曲線」「感情曲線」の理解が不可欠です。

成果はすぐに現れず、停滞期を経て伸びる(成果曲線)。
正しい知識や習慣を身につけるにはある程度の時間がかかる(学習曲線)。
そしてモチベーションは波がある(感情曲線)。

この3つを前提に停滞期支援、学習促進、感情ケアを支えるデザインができるか否かが成功の鍵となります。
あなたのサービスはどの曲線に対応できているでしょうか?

今週の注目記事クリップ

+++★注目記事クリップ★+++

[1]目指すはデジタルヘルス分野の「Shopify」世界の製薬大手も顧客に抱えるHuma(TECHBLITZより)
https://techblitz.com/startup-interview/huma/
「デジタルヘルス分野のShopify」のように、従来と比較してはるかに簡単に医療向けアプリが開発できる仕組みをつくったHumaは、退院後も遠隔地から患者の状態を確認できるアプリや、臨床試験のスピードを早めるための技術を提供している。(2025/02/06)

[2]DarioHealth、GLP-1減量サービスを強化
https://mhealthwatch.jp/global/news20250206-2
総合的な医療向け減量プログラムのために、DarioHealthの「GLP-1行動変容ソリューション」に処方機能を追加するため、デジタルヘルスプロバイダーであるMediOrbis社との提携も発表した。(2025/02/06)

[3]栄養管理もAIにお任せ?撮影・入力作業不要の完全自動カロリートラッカー『The Drop』
https://mhealthwatch.jp/global/news20250207
『The Drop』はAIカメラ搭載のウェアラブルカロリートラッカー。胸に着けておくだけで食事内容を認識し、カロリーを自動計測するという。(2025/02/07)

[4]『mHealth Watch』注目ニュース:SpaceX、宇宙での人類の生存と生産性を研究するための提案募集
https://mhealthwatch.jp/global/news20250217
Elon Musk氏のSpaceXは、長期ミッション中の健康とウェルビーイングの向上に焦点を当て、人体が宇宙にどのように適応するかを研究するための提案を企業から募集すると発表した。(2025/02/17)

[5]ブレインスリープ、着て寝るだけで究極の疲労回復を実現!一般医療機器「ブレインスリープ ウェア リカバリー」発売!
https://brain-sleep.com/blogs/news/11668
「ウェア リカバリー」は着用するだけで『疲労回復』『血行促進』『筋肉のハリコリの軽減』『筋肉の疲れ緩和』4つの効能効果を発揮します。(2025/02/05)

[6]ヤマトホールディングスとアルフレッサ、自動車運送事業者の従業員の健康管理と重症化予防に向けてオンライン医療を中心としたサービスを提供する新会社を設立
https://www.yamato-hd.co.jp/news/2024/newsrelease_20250206_3.html
このたび、ヤマトHDとアルフレッサは、「株式会社MY MEDICA」を設立し、自動車運送事業者を対象に、従業員の健康管理と重症化予防を行うサービス「MY MEDICA」の提供を開始します。(2025/02/06)

[7]頭皮laboと福島大学、髪と頭皮とストレスに関する共同研究を開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000156806.html
本研究では、平研究室のイメージングステレオ分析技術を応用し、髪と頭皮と人のストレスに関する相関性から理美容室で未病を推進できる全く新しいサービスの構築を目指します。(2025/02/06)

[8]サプリム、姿勢や運動フォームの正しさをAI判定するコンテンツを簡単に制作できる「姿勢・運動チェックビルダー」を販売開始【PDF】
https://www.sapplym.com/assets/img/SapplyM_Press_Release_20250206.pdf
https://www.sapplym.com/
「姿勢・運動チェックビルダー」および「姿勢・運動チェックビルダー」で作成したコンテンツを用いて、ユーザーがスマホで姿勢・運動フォームのチェックを行う「姿勢・運動チェック」を企業向けに販売、およびAPI提供を行います。(2025/02/06)

[9]ボディスプラウト、男性の腰を下着でサポート 累計販売50万枚突破の「整体パンツ」から上位モデル「整体パンツ ZERO W」登場(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000057.000051180.html
「骨盤を正しい位置にキープする」特許取得の製法で男性の腰回りの負担を軽減。より耐久性を増してタフでアクティブな毎日をサポート。(2025/02/06)

[10]CureApp、減酒治療補助アプリ 薬事承認へ
https://cureapp.blogspot.com/2025/02/blog-post.html
厚労省薬事・食品衛生審議会(プログラム医療機器調査会)が承認を了承。アルコール依存症における治療補助アプリの薬事承認了承は日本初となります。(2025/02/07)

[11]日本デジタルヘルス・アライアンス、ヘルスケア領域に特化した生成AI活用のガイドラインを改訂「ヘルスケア事業者のための生成AI活用ガイド」第2.0版
https://jadha.jp/news/news20250207.html
本ガイドライン第2.0版は、生成AIを巡る最新の技術動向を反映し、RAG(Retrieval-Augmented Generation)や国産大規模言語モデルなどの新技術を解説するとともに、ヘルスケア領域における国内外の活用事例を大幅に拡充しました。(2025/02/07)

[12]プロラボホールディングス、「SUIMIN BEAUTY LOUNGE(睡眠ビューティラウンジ)」オープン!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000103.000018221.html
本施設には、睡眠・栄養学に関する専門資格者が常駐し、不眠や自律神経の乱れなど現代人が抱える睡眠の悩みに特化した「睡眠美容のソリューションサービス」を提供します。(2025/02/07)