[健康ビジネス・マーケティング&収益化編]ニューノーマルにおける新たなヘルスケアビジネスの形
こんにちは、渡辺武友です。
ヘルスケアビジネスにおける“ニューノーマル”とは?
すでにはじまったニューノーマルにおける勝ち要因をみていきます!
特集:健康ビジネス・マーケティング&収益化編
COVID-19により、ニューノーマルがはじまったと言われています。
それはヘルスケア業界も例外なく大きな影響を受けています。
多くの新規ビジネスが一時凍結、再スタート時期未定。既存ビジネスは“7割経済”はよい方で、1割にも満たないものも続発している状況です。
渦中の今だからこそ、ヘルスケアビジネスにおける“ニューノーマル”が何かを捉え、明日へとつなげていきましょう!
10年周期で訪れるニューノーマル
ニューノーマルは過去2度あり、今回が3度目と言われています。
1度目が2000年ごろのインターネットの本格的な普及。2度目が2008年のリーマン・ショック。そして3度目が今年全世界に広がったCOVID-19による経済活動の強制的な停止、抑制です。
ほぼ10年周期で起きていることがわかります。
ではニューノーマルによって、ヘルスケア業界ではどのようなことが起きたのでしょうか?
代表的なところでは、1回目の2000年はe-Healthの勃発です。
医療現場では電子カルテの導入から普及。専門職および一般ユーザーに広がったインターネットを使った情報サービス(代表的なものとしてWebMD、Everyday Healthなど)の急拡大です。北米だけで500以上のサービスが一気に立ち上がりました。
2008年以降を見ていくと、第1期とも言えるPHR(パーソナルヘルスレコード)のブーム。GoogleやMicrosoftなどIT関連の会社が多くヘルスケアに参入してきました。
また、スマートフォンが爆発的に普及したのも2008年以降です。
同時にスマートフォン専用のアプリによるヘルスケアサービス、フィットネストラッカーの普及が進み、今までのIT活用とは次元が変わったと言えます。
ヘルスケアの新たなニューノーマル
3回目のニューノーマルである今年は、前回までと比べて、より強制的に環境変化を求められています。
明確に「このようなムーブメントだった」と言えるのは来年になってからですが、現状で言えることは「リアルとオンラインの融合」ではないでしょうか!?
国内で見ていくと、医療では遠隔(オンライン)健康医療相談、オンライン診療、オンライン服薬指導の普及が大きな出来事でしょう。
今までは制約があり進んでいなかったオンライン診療が、厚生労働省による0401発出の時限的・特例的な運用の緩和により、16,000もの医療機関で一気にスタートしました。
これにより感染症のリスクを避けるため、来院できなくなった患者が、定期診療であればオンラインで行い、必要なときは直接診療(リアル)してもらうなどの選択肢が増えました。
健康では、健康食品などの通販・デリバリーの普及が挙げられます。
顧客はネットから選択して注文しリアルにモノが届く。目新しいものではありませんが、現在の市場が求める、これも「リアルとオンラインの融合」の一つの姿です。
COVID-19以降も変わらず、もしくは今まで以上に売上を伸ばしたものとしては、米国のPelotonとMedifastが突出した存在と言えます。
PelotonとMedifastの成長に関しては、脇本が詳しく解説しているので、バックナンバーを見ていただくとして、この2社の特長も「リアルとオンラインの融合」です。
どちらも、よりよい体験、または結果を得るためにオンラインを通し、リアルな人が支援することで継続に貢献しています。
「リアルをオンラインに置き換えただけ」
例えば、フィットネスの指導をビデオ配信にしただけ、ダイエットなど、リアルな指導をシステムに置き換えただけのものは、緊急事態のため、一時的には利用されることはあっても、定着には至らなかった(飽きられた)との声が、すでに多く聞かれています。
「リアルをオンラインに置き換えただけ」では、代替手段までに留まってしまいますが、「リアルとオンラインの融合」は、新たな価値を生んでいます。
「リアルとオンラインの融合」がどのように新たな価値を生んでいるかというと、それは顧客の現状に対する不満点を解消するためのアプローチになっているためです。
例えば、「リアルで人に見てもらえば続くことができる人」には、何の制約もないビデオ配信では、どれだけわかりやすい動作方法を解説されてもそれを観るだけでは、本来の願望は達成されていないことになります。
オンラインの中でも、リアルを感じる見守りの要素を効かせることで、顧客の願望とマッチすることになります。
顧客の現在感じているストレス、願望にアプローチした「リアルとオンラインの融合」がカギとなっているのが、ヘルスケアにおける新たなニューノーマルと言えるでしょう。
ビジネス事例を深く読み解く
成功するビジネス事例を参考にするには、深い部分でどのような工夫をしているのか読み解く必要があります。
表面的なことだけを真似しても、うまくいくことはありません。それは多くの失敗事例と見比べれば、成功するものと失敗するものの差がわかります。
このメールマガジンでお伝えしてきた事例の多くは、ポイントになる部分を絞って紹介してきました。
それは限られたスペースで、いきなり深い部分の話しをして、難解に感じてしまうことを避けるためです。
今まで、その深い部分の解説は個別のサポートの中でのみお話ししてきましたが、11月からはじまる「ヘルスビズウォッチ・アカデミー」では、『今こそ明かされる健康ビジネス成功・失敗事例』として、成功要因や失敗要因がどこにあったのかを詳しく解説していきます。
一歩踏み込んだ情報でヘルスケアビジネスを成功に導けるよう「ヘルスビズウォッチ・アカデミー」をご活用ください。
本日よりお申込みを受け付けます。スタート記念特別価格でご提供いたします。
「ヘルスビズウォッチ・アカデミー」の紹介・お申込みはこちら
https://healthbizwatch.com/news-011
健康ビジネスキーワード
「サービスデザイン」
方向性を持った魅力的な体験をデザインし、継続させ、喜びを感じてもらう仕組みをつくること。
今週の注目記事クリップ
[1]スクラムベンチャーズ、日本の食産業を代表する6社と共に、グローバルのスタートアップと連携する、サスティナブルな事業共創プログラム「Food Tech Studio - Bites!」をスタート
https://scrum.vc/ja/2020/09/29/press-release-2020-09-30/
「Food Tech Studio - Bites!」では、オープンイノベーションを通じて、新素材やIoT調理家電、食のパーソナライゼーションといった新サービスなど、テクノロジーを活用して食分野に新たな価値を創造する。(2020/09/29)
[2]ファンケル、「健康ニーズ」に関する意識調査【PDF】
https://www.fancl.jp/news/pdf/20200930_kenkounizunikansuruishikityousa.pdf
https://www.fancl.jp/index.html
全国の25歳から74歳の男女を対象に、『ご自身の健康悩みに関する意識調査』を実施。「約84%の人が『何らかの健康ニーズ』があると回答し、3年連続で8割を超える」「3人に1人が健康ニーズに対してサプリメント・健康食品で対処」などの結果となった。(2020/09/30)
[3]おいしい健康とABC Cooking Studio、「おいしい健康クッキングプログラム」初のオンライン料理教室を開催
https://corp.oishi-kenko.com/news/20200930.html
記念すべきはじめての開催は「1型糖尿病患者さんに向けたオンラインカーボカウントセミナー・料理デモレッスン」。主に小・中学生を対象とした1型糖尿病患者さんとそのご家族にプログラムを実施。(2020/09/30)
[4]SOMPO未来研究所、SOMPO未来研レポート Vol.77
http://www.sompo-ri.co.jp/issue/quarterly/q77.html#1
掲載論文は、「新型コロナウィルスによるパンデミック発生と事業継続リスク」「なぜ日本では認知症有病率・発症率が増加しているのか?」など。(2020/09/30)
[5]SOELU、Podcastにて瞑想ラジオをスタート(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000010661.html
ヨガやトレーニングをオンラインライブレッスンで提供するSOELUが、瞑想ラジオをスタート。SpotifyやGoogle PodcastsなどのPodcast内でいつでもどこでも無料で視聴が可能。(2020/09/30)
[6]Welby、「Welbyマイカルテモール」サービスを開始
https://welby.jp/category/news/201001160000.html
「Welbyマイカルテモール」は、「Welbyマイカルテ」を利用する2型糖尿病・高血圧症・脂質異常症などの生活習慣病患者さんや、予防・健康管理などで利用する方々を対象としたオンラインショッピングサービスで、患者・利用者の健康管理に関わる商品(家庭用医療機器や食品など)をラインナップする予定。(2020/10/01)
[7]ミズノ、スポーツ動画専用アプリ「yabme」提供開始
https://corp.mizuno.com/jp/newsrelease/2020/20201001.aspx
「yabme」は、スポーツの新たな楽しみ方を提供するスポーツ動画専用アプリ。アスリートや一般ユーザーが投稿するスポーツのスゴ技に挑戦し、ユーザー自ら撮影した動画を投稿し共有することができる。(2020/10/01)
[8]アシックス、バーチャル駅伝レース「ASICS World Ekiden 2020」を開催
https://corp.asics.com/jp/press/article/2020-10-01
「ASICS World Ekiden 2020」は、42.195kmを6区間に分割した駅伝形式のリレーマラソンで、1チームあたり6人まで登録可能。ランナーは、「ASICS Runkeeper」を利用して自身の担当距離を走り、各チームに提供する独自の「デジタルたすき」をつないでゴールを目指す。(2020/10/01)
[9]大塚製薬、ボディメンテ「全国統一 体調管理力模試」開催
https://www.otsuka.co.jp/bdm/winter-campaign-2020/
ボディメンテ ドリンク or ボディメンテ ゼリーを購入したレシートで模試にチャレンジ!本番のパフォーマンスを左右する健康リスクに関する自分の知識レベルを確認し、コンディショニングを学んで成功を手に入れよう。(2020/10/01)
[10]日本総合研究所とFRONTEO、エンゲージメント向上を核としたAI活用による人事組織改革サービスの提供を開始
https://www.fronteo.com/20201001
本サービスは、従業員の就業状況や心理状態を自然言語処理AIエンジン「KIBIT(R)(キビット)」で分析することを起点に、個別のフォローや人事制度の改定といった各種施策の支援を行うことで、従業員の組織へのエンゲージメント向上を図るもの。(2020/10/01)
[11]GYYM、個別入会せずに様々なフィットネス施設に通える運動をより身近で自由にするWEBサービス“GYYM”正式ローンチ(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000059303.html
ユーザーは、GYYMで「ジム等の検索」「予約」「決済」「都度利用」が可能。予約情報は、GYYMが予めジム等に共有するため、施設での入会手続き等は原則、一切不要。GYYMが提携するジム・フィットネスの中から、好きな時に自由に選んで利用可能。(2020/10/05)
[12]グローバルニュートリショングループ、アイメックRD、インテグレートが3社業務提携
https://global-nutrition.co.jp/information/2020-10-05_gng-release-gng-rd-itg/
3社は業務提携し、ヘルスケア分野における事業・商品コンセプト開発からマーケティング戦略立案と実施などのビジネス戦略と、それに紐づく機能エビデンスや機能性表示食品の取得を一気通貫で行う「統合型機能性食品開発戦略サービス」の提供を開始。(2020/10/05)
[13]女性のサプリ摂取ピークは50代、健康ニーズ高いのに60代以上はなぜ摂取率低い?(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/research-201006-1
「加齢とともに健康意識は高まるから、サプリ摂取率は年齢とともに上がる」と予想する人が多いと思うが、そうではない。全年代の中で最も摂取率が高いのは50代で、60代以降は下がっていく。なぜ?(2020/10/06)
[14]asken、筋トレ効果を高める食事をAI栄養士がアドバイス【あす筋ボディメイクコース】登場!
https://www.asken.inc/news/2020/10/7/ai
新コース【あす筋ボディメイクコース】への食事記録で、食事のエネルギーやPFC量だけでなく、筋肉をつくるために必要な補酵素であるビタミン・ミネラルの摂取量も栄養素グラフで可視化され、次の食事では何を選べばよいか、AIあすけん管理栄養士の「未来さん」がアドバイスをしてくれる。(2020/10/07)
[15]矢野経済研究所、スポーツシューズ市場に関する調査を実施(2020年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2496
ランニングシューズ市場では、市民ランナーのパフォーマンスアップを目的としたトレーニングシューズ「スマートシューズ」の競争が激化する見込みである。(2020/10/07)
[16]新社会システム総合研究所、ドコモの医療・ヘルスケア領域のICT化の推進
http://www.ssk21.co.jp/seminar/S_20435.html
開催日は11月20日(金)。講義内容は「NTTドコモのスマートライフ事業中期戦略」「ヘルスケア領域におけるドコモの戦略」「日々使いしたくなることを目指したコンシューマー向けヘルスケアサービス」など。
[17]安眠を誘う機能を向上させたBoseの睡眠用イヤホン『Sleepbuds Ⅱ』発売
http://mhealthwatch.jp/global/news20201001-2
『Sleepbuds Ⅱ』は基本的に騒音を消すイヤホン。住まいの外から聞こえる車や話し声などの騒音、あるいはベッドの隣で寝ているパートナーのいびきなどをシャットアウトする。(2020/10/01)
[18]healthTECH JAPAN:ノバセラ、心電図機能付きイヤホン『Cardiophone』を発表
http://mhealthwatch.jp/feature/news20201002
ノバセラ社はhealthTECH JAPANにて、音楽を楽しみながら健康管理ができるワイヤレスイヤホン『Cardiophone』を新たに紹介する。『Cardiophone』は左右がケーブルでつながっていない独立型イヤホンで、いわゆる「完全ワイヤレスイヤホン」だ。ここに心電図としての機能を搭載し、事前に心房細動の発生を予測する。(2020/10/01)
[19]healthTECH JAPAN:S'UIMIN、自宅で脳波を簡単に取得できる睡眠計測サービスを開始
http://mhealthwatch.jp/feature/news20201002-2
S'UIMIN社はhealthTECH JAPANにて、9月から提供を開始した睡眠計測サービス『InSomnograf(R)』を紹介する。『InSomnograf(R)』は、自宅で脳波も計測できるデバイスを使うことで、これまでになく簡便で客観的に睡眠を評価できる。(2020/10/02)
[20]『mHealth Watch』注目ニュース:ライフログテクノロジー、『カロミルアドバイスforビューティー』を発売開始
http://mhealthwatch.jp/japan/news20201012
今回注目するのは、ライフログアプリの新しい活用、展開に関するニュースです。本サービスはエステティックサロンや該当するサービスを提供する企業や個人向けのもので、顧客の食事・運動・バイタルの管理・指導がオンラインで手軽にできるサービスです。(2020/10/12)