こんにちは、里見です。
ヘルスコーチングでは、対象者に話してもらうためにコーチから問いかけ、質問を行います。
このコーチからの質問が対象者の「気づき」につながり、行動変容をサポートしていきます。

そこで、今回はコーチの問いかけから対象者の「気づき」につながるプロセスと、その気づきが主体的な行動に変化していく流れについて、解説したいと思います。

特集:ヘルスコーチングの視線編

ヘルスコーチングの可能性を探る:気づきから行動の加速へのプロセス

1、質問型のコミュニケーションの意図

ヘルスコーチングでは双方向のコミュニケーションが基本です。
一方的な指導型のコミュニケーションと異なり、会話の中心は対象者です。
双方向のコミュニケーションでは、どちらか一方が話をしたら、相手にも話をする機会、きっかけを与えることが必要になります。

そこで、コーチは「質問」によって対象者に問いかけ、対象者側に話すきっかけを作っていきます。

では、なぜ対象者に話してもらうかというと、ヘルスコーチングでは対象者の考えを身体の外に「言語化して出す」ことがポイントになっているからです。

対象者は言語化する過程で、いろいろと考えたり、また考えを整理したりするのです。その時に、「気づき」が生まれるのです。

この自らの気づきこそが、自分ごと化され主体性を持った行動変容、健康行動の取り組みへと影響していきます。

2、質問から健康行動への7つポイント

ヘルスコーチからの質問から健康行動の取り組みへのプロセスを分解すると以下のようになります。

1)質問(ヘルスコーチ → 対象者)
  ↓
2)考える、イメージ(対象者)
  ↓
3)言語化・身体の外へアウトプット(対象者 → ヘルスコーチ)
  ↓
4)気づき(対象者)
  ↓
5)承認(ヘルスコーチ → 対象者)
  ↓
6)自分ごと化・主体性(対象者)
  ↓
7)行動変容・健康行動への取り組み(対象者)

プロセスを分解すると上記のような流れになりますが、このプロセスの中にヘルスコーチングとしての要素、アプローチを入れてコミュニケーションと取っていきます。

それでは、上記のプロセスを一つ一つ説明していきたいと思います。

1)質問(ヘルスコーチ → 対象者)
コーチからの「質問」は、ただ脈略もなくぶつけるのではなく、「効果的な質問」でなくてはなりません。
ヘルスコーチは意図的に、例えば以下のようなことを狙って「効果的な質問」を投げかけます。
特に、対象者が見えていない部分、視点などに目が向くように狙って質問することで、気づきにつながっていきます。

例)
・変化を見つける
・出来ていることを見つける
・プロセスに目を向ける

2)考える、イメージ(対象者)
コーチからの質問を受けて、対象者はその質問に対して自分の中で、まずは受け止めます。
そして、そのヘルスコーチからの質問によって、対象者自身の中では、以下のようなことが起きます。

・考えを整理する
・イメージしてみる
・具体的な部分を見つけてみる
などなど

3)言語化・身体の外へアウトプット(対象者 → ヘルスコーチ)
ヘルスコーチからの質問を受けて、対象者は自身の中で考えたりイメージを膨らませたことを言語化して、身体の外に出していきます。
この身体の外に出す行為は、直接的な会話であってもテキストによるアウトプットでも同様になります。
この時、言語化して身体の外に出す際に、以下のようなことが対象者の中で起きていきます。

・考えたことを整理する
・言葉を選ぶ
・伝わりやすいように具体的に表現する
などなど

4)気づき(対象者)
上記2)と3)で、考えたり、イメージしたことを言語化して身体の外に出す作業によって、対象者自身の中で気づきが生まれていきます。
この作業を通して得た気づきは、人によって促されたことではなく、対象者自身の考え、イメージから得た気づきになっているのです。
この自ら得た「気づき」こそが重要なポイントで、次の承認のステップを経て5)、6)につながっていきます。

5)承認(ヘルスコーチ → 対象者)
対象者が言語化して身体の外に出すことで、対象者自身に気づきが生まれますが、この言語化された内容をヘルスコーチは受け取り、承認を含めてフィードバックを行います。
このヘルスコーチからの承認を含めたフィードバックによって、自己肯定感や自己効力が高まりゴールに向かって前向きな取り組みになっていきます。

6)自分ごと化・主体性(対象者)
上記4)で発見した気づきは、対象者自身の中から自ら見つけたものです。
行動との向き合い方として、受け身で行う行動と主体性を持って向き合う行動とでは、同じ健康行動への取り組みであっても、異なるものになっていきます。

やはり自らの気づきがベースにある行動への取り組みは、主体性を持った取り組みへと変化していきますし、取り組みを継続し、習慣化していくための工夫の仕方などにも関係してきます。
また、ヘルスコーチからの承認がさらに主体性を持った取り組みへと加速していきます。

7)行動変容・健康行動への取り組み(対象者)
ゴール、目的に向かう過程では、行動への取り組み、継続的な取り組みは重要です。
この自らの気づきをベースに行動と向き合うことで、自己効力が高まりゴールに向かって行動を加速させることにつながるのです。

3、気づきから主体性を持った取り組みに

ヘルスコーチングでは、目標に向けた行動の継続にフォーカスし、自走できるスタイルを見つけていくために継続的なコミュニケーションで寄り添います。

このベースになってくるのが、対象者の自らの気づきから主体性を持った取り組みにつなげていくプロセスなのです。

主体性を持った取り組みに変えていくコミュニケーション、アプローチこそが、ヘルスコーチングの特徴とも言え、その基本になっているのが言語化して身体の外に出すコミュニケーションであり、そこから生まれる自らの気づきなのです。

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[6]味の素、「完全栄養の主食」の開発・販売を行うベースフードと取引契約締結【PDF】
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https://www.ajinomoto.co.jp/
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[7]順天堂大学、「女性アスリートダイアリー(Female Athlete Diary)」を発売!
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https://www.ccbji.co.jp/news/detail.php?id=953
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[9]FiNC Technologies、FiNCアプリのライフログ記録機能に「運動」を追加!
https://company.finc.com/news/14643
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[10]アップルジャパン、Apple Watchで心肺機能の通知が利用可能に
https://www.apple.com/jp/newsroom/2020/12/cardio-fitness-notifications-are-available-today-on-apple-watch/
iOS 14.3とwatchOS 7.2により、Apple WatchのユーザーはiPhone上のヘルスケアアプリケーションで自分の心肺機能のレベルを確認でき、心肺機能のレベルが「低い」となった場合にはApple Watch上で通知を受け取ることができる。(2020/12/15)

[11]asken、2020年急上昇トレンドキーワード発表!あすけんユーザーが食べた市販食品ランキング
https://www.asken.inc/news/2020/12/15/2020
食事管理アプリ「あすけん」において、2020年1月-10月末までに480万人のユーザーが登録した食事記録7.4億件から、もっとも多く食べられた市販食品を集計し、2019年と比較して急上昇している食品から見える今年のトレンドキーワードをピックアップ。(2020/12/15)

[12]キユーピー、特設サイト「サラダストック」を開設
https://www.kewpie.com/newsrelease/2020/1977/
キユーピーは、サラダを作り置きする「サラダストック」を提案し、調理のポイントやレシピを特設サイトで公開。サイト開設に合わせ、“冬の鍋料理で余りがちな野菜を使い切るレシピ”と、“単品野菜で作る箸の止まらない無限レシピ”、“食卓に彩りを添えるサラダレシピ”などを新たに考案。(2020/12/15)

[13]ファーマフーズ、日本初!論理的思考力を維持する機能性表示食品が受理
https://www.pharmafoods.co.jp/news/detail/273
ファーマフーズの、「ファーマギャバ」を配合したサプリメントが、機能性表示食品制度で初めて「論理的思考力を維持する機能」で消費者庁に届出受理された。(2020/12/15)

[14]米Google Playが選んだ2020年ベストアプリは睡眠改善の『Loóna』、コロナ時代を反映
https://mhealthwatch.jp/global/news20201209
『Loóna』は2020年受賞するにふさわしいアプリだ。睡眠を改善するこのアプリは、日中に溜まり、睡眠中に増幅するネガティブな感情にユーザーが対処するのをサポートする気分転換体験を約束する。(2020/12/09)

[15]Apple、「Apple Watch」で血圧測定が可能に?特許出願から見るAppleのヘルスケア戦略
https://mhealthwatch.jp/global/news20201215-2
Appleは、「Apple Watch」で日常的な血圧計測が可能になるような開発をしているという。この取り組みは、Appleによるアメリカの特許商標庁への申請から読み解くことができる。(2020/12/15)

[16]『mHealth Watch』注目ニュース:バンダイ、キャラクターを育成・進化させるウェアラブル端末型玩具『バイタルブレス』
https://mhealthwatch.jp/japan/news20201221
『バイタルブレス』は、健康やスポーツが入り口ではなく、あくまでも玩具、ゲームが目的のウェラブル端末であり、自分の活動データである心拍数・歩数などのデータも、ゲーム内で育成・進化に活用されるため、健康やスポーツに興味がない人であっても、自身の活動データに意味を持たせることができます。(2020/12/21)