こんにちは。脇本和洋です。

[海外事例にみる継続支援アプローチ編]では、健康サービスの継続利用を促す「基本」と、海外で注目したい「継続支援アプローチ」を紹介しています。

今号では、コロナ禍で注目されている「オンラインフィットネスサービス」から、2社の継続支援アプローチをみましょう。

特集:海外事例にみる継続支援アプローチ編

オンラインフィットネスサービスの注目事例2社

コロナ禍の元、自宅で行うオンラインフィットネスが注目されています。
この市場は、Online Fitness(Virtual Fitness) marketと呼ばれます。

QYResearch 社が2020年に発表したレポートによると、世界のOnline Fitnessの市場規模は、2019年の約31億ドル(3,100億円)から、2026年には330億ドル(3.3兆円)になると予想しています。

まず、最も成功している企業は、本メルマガで2016年から紹介している「Peloton」(2020年売上1,800億円)でしょう。

そして、iFits(資金調達200億円)、Tonal(資金調達200億円)、Mirror(資金調達75億円)、Future(資金調達35億円)などが続きます。

今号では、Pelotonを追随しているこれらの企業の中から継続利用を促す視点で、参考になる点の多い、iFitsとFutureをみましょう。

注目事例1:トレーナーといっしょに走っている感を演出する「iFits」

■事例名:iFits
https://www.ifit.com/

■設立:2013年

■資金調達:200億円(2021年2月時点)

■売り先:B-C(個人)

■サービスの概要

・運動機器(トレッドミル、フィットネスバイク等)をまず購入する。機器は3社(NordicTrack、PRO-FORM、FREEMOTION)の中から購入する
例:NordicTrackのトレッドミル360,000円

・例えばトレッドミルを購入すると、単にその機器を購入するだけでは見られない映像を見ながら運動ができる。具体的には、世界各地の美しい都市や砂浜、緑豊かな自然の中をトレーナーといっしょに走っている感のある映像が表示される

映像例)
https://www.ifit.com/
(このページの中ほどに3分程度のサービス紹介動画があります)

■金額:月額14.99ドル+機器金額

■継続的な利用を促す工夫

・「いっしょに走っている感」を演出
単にコースの映像を映すだけでなく、実際にトレーナーがそのコースを走っており、掛け声をかけ、「いっしょに走っている感」を演出する。また、プログラム数は増加し、飽きさせない工夫がある

注目事例2:自分に合ったコーチを見つけやすくする「FUTURE」

■事例名:FUTURE
https://www.future.co/

■設立:2017年

■資金調達:35億円(2021年2月時点)

■売り先:B-C(個人)

■サービスの概要

・パーソナルコーチからフィットネストレーニングを受けることができるサービス

・フィットネスの目的やトレーニング頻度などの質問に答えると、コーチの候補が男女複数示される。コーチの職歴・専門性・趣味なども示され、自分の好みにあった人を選べる

・コーチとテキストメッセージを通じて、目標の設定、週毎の計画、進捗の確認などを行う。目標設定は一週間かけて行われ、ユーザーのコミットメントを引き出す。また、週ごとの計画は、ユーザーの好みやスケジュールに合わせて調整され、より実効性を高める

■金額:149ドル/月

■継続的な利用を促す工夫

・自分に合ったコーチを選びやすくする
自分でコーチを選べるしくみ。最も特徴的なのは、コーチはプロフィールを積極的に開示している点(キャリア、なぜコーチをしているか、専門、学位、趣味等)。
コーチとの間で共通の話題があったり、その生き方に共感できる部分があると、より長く続けやすくなることを狙っている

・最初の一週間は運動より目標設定に集中
同社のプログラムでは、運動を続けるための高いコミットメントを引き出すため、最初の1週間は運動はせず、目標設定を行う。そして、いまなぜ運動をするのかを明確にするという

オンラインフィットネスにみる継続支援の工夫:「継続ドライバ」視点でチェックする

継続ドライバをご存じでしょうか。

継続ドライバは、継続利用度を高めるためのアイデアだしをする際に役立つ基本的な切り口であり、スポルツが2007年から提唱している考え方です。

インセンティブ/ヘルスナレッジ/モニタリング/IoTリンケージ/ゲーミフィケーション/ヘルスコミュニケーション/パーソナライズ/コミュニティという8つの切り口があります。

(参考)継続ドライバについて、10分で解説する動画あり
https://healthbizwatch.com/news-014

今回紹介した2つの事例を継続ドライバ視点でチェックしてみましょう。

●iFits

・ゲーミフィケーション
継続ドライバの一つである「ゲーミフィケーション」は、健康以外の目的で、健康行動を促すものです。この事例の世界各地の美しい風景の中を走るといったエンターテイメント性も含みます

・ヘルスコミュニケーション
継続ドライバの一つである「ヘルスコミュニケーション」は、専門家とのコミュニケーションにより健康行動を促すものです。この事例では、1対多の形ですが、トレーナーが声かけを行います

●FUTURE

・パーソナライズ
継続ドライバの一つである「パーソナライズ」は、一人ひとりに対して様々な個別化を行い、継続支援を促すものです。この事例では、一人ひとりにコーチがついてその人に合った指導をしていきます

・ヘルスコミュニケーション
iFitsと同様に、専門家(コーチ)がでてきます。専門家と、1対1でやりとりをして継続しやすくします

今回紹介した事例のテーマは「運動を継続すること」です。
このテーマに対しては、

・ゲーミフィケーション
・パーソナライズ
・ヘルスコミュニケーション

といった継続ドライバが効きそうだということがわかると思います。
(トップ企業であるPelotonもこのドライバを使っています)

このように、継続ドライバ視点でみると、テーマごとに海外の注目企業には、いくつかの共通点を発見できます。

あなたがお考えの健康サービスの継続利用度の向上を考える時、あなたのテーマと同じくする海外の注目事例が、どのような継続ドライバを使っているかをチェックし、企画進行することをお勧めします。

参考>健康サービスの継続利用、隠れた切り口

実は今回の事例の中で、もう一つ知っておきたい継続支援の切り口があります。
ヘルスコミュニケーションで専門家を登場させる際の重要ポイントです。

その内容は、「ヘルスビズウォッチ・アカデミー」にて音声コンテンツでお届けします。(4月22日に配信予定)

継続利用度を高めるポイントをさらに深く理解したい方は、ぜひこちらもご活用ください。

「ヘルスビズウォッチ・アカデミー」の内容紹介はコチラ!
(各コンテンツ内容がわかるよう、動画でも紹介しています)
↓↓↓
https://healthbizwatch.com/news-011

健康ビジネスキーワード

「コーポレイト・マッスル」

組織機能の
早さ、
強さ、
可動域の広さと持久力、
そして調整改善力を備えた筋力のことを
コーポレイト・マッスルと言いたい。

鍛えていない筋力は弱化するのは人間の筋肉と同じです。

また、いつからでも鍛え強化できることも一緒です。
可動域と調整改善力が肝です。
貴社のコーポレイト・マッスルはどんな状態ですか?

今週の注目記事クリップ

[1]ガーミンジャパン、健康づくりに役立つコンテンツを発信「これならできる!頑張りすぎない健康3か条」を紹介
https://www.garmin.co.jp/news/pressroom/news2021-0407-3keypoints-for-health/
本コンテンツでは、誰でも気軽に始められるポイントを3か条で分かりやすく説明。無理なくできる、生活習慣改善のための3か条は、「測ってみる」「褒め合える仲間をつくる」「周囲に目標を宣言する」こと。(2021/04/07)

[2]順天堂大学、女性アスリートの遺伝的なケガのリスクが明らかに
https://www.juntendo.ac.jp/news/20210407-01.html
2000名以上のアスリートを対象とした調査・解析により、遺伝的に肉離れしにくい女性アスリートは疲労骨折のリスクが高いことを発見。(2021/04/07)

[3]深刻なアラフィフクライシス、中年女性に訪れる暗闇の本音(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/category-marketing-research-210407-1
人生の中で最も心労が重なる更年期の女性たち、一体どんなことに悩んでいるのか?一般的な定量調査や統計だけでは読み解けないアラフィフクライシス世代の本音を、大手質問サイトの発言小町からピックアップした。(2021/04/07)

[4]ジョンソン・エンド・ジョンソン、「めまもり」プロジェクト始動!【PDF】
https://acuvuevision.jp/sites/acuvue_jp/files/acuvue-press-0231.pdf
https://acuvuevision.jp/company
「めまもり」プロジェクトは、人生100年時代の人々の目の健康「クオリティ・オブ・ビジョン(QOV)」を家族で守る啓発活動。目の健康寿命を延ばすため、各世代に合った「知る。気づく。行動する。」情報を自社アプリ「My アキュビュー(R) +(プラス)」内に随時更新。(2021/04/08)

[5]膣内環境、ニーズに応える国内初の機能性表示食品(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/category-trend-5-210408-1
「膣内環境を良好にし、膣内の調子を整える」を表示する機能性表示食品「ココラクト」が、今月発売される。生理ブームや「膣内フローラ」の認知の広がりで、デリケートゾーンに着目した健康意識は、今女性たちの間で高まり始めている。(2021/04/08)

[6]ロート製薬、社内起業家支援プロジェクト「明日ニハ」でマルチジョブを推進
https://www.rohto.co.jp/news/release/2021/0409_01/
「明日ニハ」は、社員の中から起業家を支援する社内プロジェクト。健康社内通貨「ARUCO」を活用した社内クラウドファンディングにより出資額が決定。応募条件は「Well-being」に繋がる事業領域であること。(2021/04/09)

[7]日本コカ・コーラ、自販機サブスクリプションサービス「Coke ON Pass」新登場
https://www.cocacola.co.jp/press-center/news-20210409-11-4
「Coke ON Pass」は、全国の「Coke ON Pay」対応自販機34万台を対象に、月額料金2,700円でコカ・コーラ社のお好きな製品を1日1本お楽しみいただける定額サービス。本サービスの提供を通じて、「Coke ON」を通じたおトクで楽しい飲料体験の在り方を提案。(2021/04/09)

[8]森永乳業、「菌曜日のビフィズス菌トレ」開始!
https://www.morinagamilk.co.jp/release/newsentry-3640.html
毎週金曜日に、「ビフィズス菌トレレシピ」の紹介やTwitterを活用したキャンペーンなど、さまざまな取り組みを実施。2020年からビフィズス菌を摂っている長友選手の腸内フローラ情報を公開するなど、ここでしか見られない情報も掲載。(2021/04/09)

[9]花王、個の深い悩みに焦点をあてて満足度を高める「N=1(エヌワン)起点のサービス開発」をスタート
https://www.kao.com/jp/corporate/news/products/2021/20210412-001/
アイデアや技術を社内の研究所から公募し、第一弾として、一人ひとり異なるへその形状に対応して汚れを除去するへそごま除去パックと、足のニオイ汚れに悩む方に向けた足用石けんを商品化。(2021/04/12)

[10]博報堂、生活者の美容に関するSDGsアクションを広げるプラットフォーム「EARTH MALL BEAUTIES」の提供を開始
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/90097/
「EARTH MALL BEAUTIES」では、オリジナルで開発した「サステナブルな美容クラスター」を活用。「サステナブルな美容クラスター」は、企業と協働して取り組むプログラム開発において全面的に活用していくほか、WEBサイトで生活者向けの診断コンテンツとして紹介し、日常の買い物のヒントを提供。(2021/04/12)

[11]まくら、枕の診断型オンラインショップ「pillow.jp」オープン
https://www.pillow.co.jp/news/detail20210412-1/
pillow.jpでは、最短5分程度、最大41項目の簡単な質問に答えるだけで、ピッタリの枕や睡眠スタイルなど、合計8つの要素を自動的に判定。枕は、255種類の中からピッタリの枕を3つ(相性度1位-3位)選び出す他、約23万通りの組み合わせから、ユーザーに合わせたオーダーメイド枕も一緒に提案。(2021/04/12)

[12]矢野経済研究所、サブスクリプションサービス市場に関する調査を実施(2021年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2696
2020年度のサブスクリプションサービス国内市場規模はエンドユーザー(消費者)支払額ベースで、前年度比28.3%増の8,759億6,000万円であった。2020年度はサブスクリプションサービス利用のきっかけづくりになった年になったといえる。(2021/04/13)

[13]ソニーネットワークコミュニケーションズ、ヘルスケアサービスの効率的な立ち上げを支援するサービスプラットフォーム「X.SINCE」を提供開始
https://www.sonynetwork.co.jp/corporation/release/2021/pr20210413_0058.html
「X.SINCE」はヘルスケア領域で新規サービスを開始する企業を対象としており、プラットフォーム上の機能やデザインを、サービス開発のコンセプトに合わせてカスタマイズすることで、オリジナルのサービスやアプリをスピーディーに立ち上げることができる。(2021/04/13)

[14]フィリップスとCogSmart、脳ドック用プログラム「BrainSuite」提供開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000118.000019698.html
BrainSuiteでは、スクリーニング(認知機能・脳健康状態および将来の認知症リスクの分析)のみにとどまらず、オンライン問診の測定結果と医学エビデンスに基づき、個々人に適した将来の認知症予防のためのアドバイスを自動で提供。(2021/04/13)

[15]『mHealth Watch』注目ニュース:Fitbit、スマートウォッチの血圧追跡調査を開始
https://mhealthwatch.jp/global/news20210419-2
ここ1、2年、ウェアラブルデバイスで計測できる項目が増えてきています。大切なのは、これら利便性を高めた機能をどう活かすか?です。(2021/04/19)