[ヘルスコーチングの視線編]ヘルスコーチングの可能性を探る:健康行動の継続、定着化に向けたステップ
こんにちは、里見です。
健康課題の改善、解決には、健康行動の継続が不可欠です。
これは、多くの人が頭では理解していることなのですが、いざ生活の中で取り組んでみると、どれだけ難しいことなのか多くの人が経験、体験しています。
今回は、この健康行動の継続、定着化に向けたステップごとのヘルスコーチングのアプローチをご紹介したいと思います。
特集:ヘルスコーチングの視線編
健康行動の継続、定着化に向けては、いくつかのステップ、プロセスが存在します。
また、このステップでは、トライ&エラーを繰り返しながら、一人ひとりのライフスタイルにフィットさせていくことが必要であるため、同じ行動の取り組みであっても人それぞれのやり方は異なってきます。
<行動の定着化に結びつけるためのステップ>
1、正しい情報
↓
2、正しい理解・自分に合った情報の選択
↓
3、行動の選択
↓
4、行動の実践・工夫・入れ替え
↓
5、行動の定着・習慣化
行動の定着化に向けては、上記のようなおおまかなステップ、プロセスが存在します。
それでは、ステップごとのヘルスコーチングとしてのアプローチ、要素をご紹介していきたいと思います。
1、正しい情報
ヘルスコーチングでは、対象者の目標、目的に向けて、様々なアプローチ、プロセスに応じた情報や行動にフォーカスした情報を積極的に提供していきます。
しかし、この「情報提供」には、健康的な生活、健康的な行動、習慣の実践のための「正しい情報」ということが大前提になります。
サポートする側であるヘルスコーチは、健康分野の正しい知識を有している、見極める能力が必要で、その正しい健康知識や情報を対象者のライフスタイルや目的、ゴールに合わせてパーソナライズして提供することがポイントになります。
2、正しい理解・自分に合った情報の選択
上記の「1、正しい情報」のステップで間違ってはいけないのが、健康知識の提供や正しい情報を伝える際に、専門家が教えるといったティーチング的なアプローチにならないことです。
正しい情報の提供は、あくまでも対象にとっての選択支援の役割であって、押し付けたり、指導的なアプローチではありません。
ヘルスコーチは、主体者である対象者をしっかり理解し、その上で対象者に合わせた知識や情報をカスタマイズして伝え、知識レベルのアップや行動の選択支援のためのアプローチを行うのです。
正しい情報の上で正しく理解することで、対象者自身その情報を自分ごと化しやすくなります。正しい理解は、自分ごと化するための選択支援なのです。
逆に、誰かにススメられた情報やティーチング的なアプローチでは、そこには「他者」が存在するため、自分ごと化され難いケースが多く、自ら選択する意思も薄れてしまうのです。
3、行動の選択
ヘルスコーチングでは、「ゴール」と「行動」を明確に切り分けてアプローチします。
「ゴール」に向けて取り組むことが「行動」です。「行動」が伴わないと「ゴール」に近づくことはできません。
そのため、対象者自らが自分ごととして捉えて、自分で行動を決め、自らが取り組むことが重要です。
自ら決めたことが自分ごと化されない限り、実際の行動につながらないのです。
人が決めたことや人に言われたこと、また人からススメられたことは、自分ごと化されにくく、実際の行動に落として取り組んでみても、少し距離を感じてしまうものです。
行動の選択を支援する際には、対象者をしっかり理解し、その上で対象者に合わせてカスタマイズして行動の選択をサポートすることが大切です。
例えば、スタート前や途中のコミュニケーションで、対象者の目的やゴールはもちろん、ライフスタイルや家族構成、これまでの経験や価値観、失敗談などなど、具体的にヒアリングした情報を用いて、対象者に合わせてカスタマイズして行動の選択肢を提示していきます。
対象者にとって提示された行動は、自らに沿っている、合っている情報だと感じられるため、自分ごと化しやすくなるため一歩を踏み出しやすくなります。
4、行動の実践・工夫・入れ替え
ヘルスコーチングでは、「ゴール」に向けて「行動」に取り組むことになります。
しかし、これまでの生活の中に新たな健康行動を追加する過程では、様々なハードル、障害が立ちはだかるのが当然で、スムーズにいかないことの方が普通です。
生活習慣や行動は、「我慢」や「無理」で一時的に出来たとしても、やはり継続するとなると「我慢」や「無理」だけでは通用しません。
また特に注意したほうが良いポイントとして、行動に対して真剣に向き合えば向き合うほど、行動をクリアしたい、身に付けたいといった結果への意識が強くなっていきます。
そのため、なかなかクリアできない行動への意識が強まっていき、「我慢」や「無理」で、なんとか克服しようという意識が強くなっていくものなのです。
取り組みの中では、出来ない行動をどうにか克服しようという意識も大切なのですが、このようなケースで必要になるのは「我慢」や「無理」で克服することではなく、取り組み方の工夫や変化など、自身に合うような柔軟なアプローチなのです。
また、行動への取り組みの中では、対象者にとって取り組みやすい行動となかなか取り組みづらい行動がハッキリ見えてきます。
通常、出来ないことや取り組みづらいことの方に意識が向かいがちですが、出来ていること、取り組みやすい行動に目を向けて早めに見つけ、その出来ている部分をより習慣化、定着化に向けて工夫していくことが大切です。
その際、「出来る行動」「出来ない行動」の違いや自身の取り組みをしっかりと把握する、棚卸ししてみるアプローチも必要です。
「出来る行動」を作りだすために「出来ない行動」にも目向けるアプローチを効果的に活用して、「出来る行動」に活かしていくこともポイントです。
5、行動の定着・習慣化
自ら選択した「行動」の取り組みが継続できない場合には、やり方を変えて試してみたり、工夫を繰り返して試行錯誤はしますが、根本的に無理な場合には「ゴール」に向けた「行動」そのものを入れ替えれば良いのです。
生活習慣を変えて、新しい「行動」を生活習慣の中に定着化、習慣化させていく上では、やはり無理して我慢を重ねて克服することよりも、自身に合ったやり方、取り組みを自身で選択してトライ&エラーを繰り返しながら身につけていくことがポイントになってきます。
無理や我慢で克服や習慣化できるものではありません。
無理や我慢で一時的に継続できたとしても、習慣化、定着化は難しいものなので、出来ることに目を向けたアプローチが重要です。
基本的なアプローチとして、「出来ている行動」に目を向けて早めに見つけ、その出来ている部分をより習慣化、定着化に向けて工夫していくことのほうが大切なのです。
「出来る行動」に目を向けることで、「出来ている」感覚に自身で気づき、その気づきが自信につながり、自己効力感が高まるのです。
この自ら発見した「出来ている」感覚による自己効力感の高まりが、行動の加速へとつながり、行動の継続の原動力になって、目的やゴールに近づいていくのです。
指導するティーチング的なアプローチでは、「正しいやり方を教えるだけ」であって、対象者自らが気づき行動する主体性が生まれません。
その反面、ヘルスコーチングのアプローチでは、自身に合ったやり方、取り組みを自身で選択してトライ&エラーを繰り返しながら身につけていく主体性を持った行動へとつながっていくのです。
今回は、健康行動の継続、定着化に向けたステップごとのヘルスコーチングのアプローチに関してお伝えしました。
ヘルスケアサービスにおいて「継続」は重要なテーマで、外すことができないアプローチです。
その中で、ヘルスコーチングは継続に働きかける効果的なアプローチの一つです。
米国のヘルスケアサービスの事例をみていても、「継続」に注力する事例が多く、近年、米国の医療保険業界も健康サービスを強化する動きが顕著になってきており、その健康サービスをみていると「継続」がトレンドになってきております。
そこで、米国の大手医療保険会社が共通して導入する健康サービスをご紹介して、その健康サービスの中で、共通して提供されているサービスやブームとなっている健康サービスについてお届けするセミナーを開催します。
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みなさんのご参加お待ちしております。
ー医療保険のサービスブームをおさえる!ー
<<米国の医療保険会社10社に見る健康サービスのトレンド>>
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同一部門で別の方が参加の際は、別の日程をご案内させていただきます。
健康ビジネスキーワード
「プロジェクト・フローの変化」
大量消費が既定路線だった頃
プロジェクトはウォーターフォール型(一方向パワーコマンド式)
でこそ、良い結果が生まれた。
しかし、昨今は分からないからプロジェクトをやる
というスタンスが重要。
多方向可変的模索
=やってみる前に何をしたらどうなるか分からないプロジェクトが
今後のメインストリームになります。
今週の注目記事クリップ
[1]味の素、スマートフォン用アプリ「100年健脳手帳(TM)」を公開
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2021_05_19_01.html
本アプリは、ユーザーの食事、運動、睡眠データを分析し、その内容に応じてカスタマイズされた、認知機能を維持するために役立つ生活習慣のアドバイスやレシピを「アジパンダ(R)」が提案する。(2021/05/19)
[2]イミニ免疫薬粧、免疫力を見つめるブランド『イミニ』から「滋養野草」が新発売
https://dinos-corp.co.jp/news/2021/05/19135439.html
宮古島の指定農場で育てた5種の国産野草をまるごと濃縮し、51種類の国産酵素や、自然免疫研究で注目され身体の戦うチカラをサポートする成分"植物発酵LPS"を加えた健康食品。(2021/05/19)
[3]ハウス食品、フルーチェがもたらすリラックス効果が明らかに【PDF】
https://housefoods.jp/company/news/pdf/20210519_release_v2.pdf
https://housefoods.jp/
金沢工業大学との共同研究にて、牛乳でつくる液体デザートベース(フルーチェ)の調理・喫食によるリラックス効果を検証。ただ休憩するよりも、デザートベース作成時のほうがより高いリラックス効果が得られることがわかった、など。(2021/05/19)
[4]ウェルネス・コミュニケーションズ、健康管理クラウドサービス「ヘルスサポートシステム(HSS)」に新機能追加!
https://wellcoms.jp/common/frame/plugins/fileUD/download.php?type=news_file&p=news_file_192.pdf&token=0fc425229d8f4ea4cef825bc96c5e34b5e796454&t=20210520151746
クラウド上で健診データなど、従業員の健康関連情報を一元管理することができる「ヘルスサポートシステム(HSS)」に、Microsoft 365連携のオプション機能を追加した。(2021/05/20)
[5]グローバルニュートリショングループ、生食からスナックまで日本人の魚食量を増やす様々な取り組み
https://global-nutrition.co.jp/blog/2021-05-20/
ウェルネスフード・ワールド第92回。今回のウェルネスフード・ワールドは、魚の脂の機能性と日本人の魚離れを解決し、魚食量をけん引する様々な取り組みについて取り上げる。(2021/05/20)
[6]PwCコンサルティングとサンリオエンターテイメント、幸福学・脳科学の知見を活用した“Kawaii”についての共同研究を開始
https://www.pwc.com/jp/ja/press-room/kawaii-project210520.html
主な研究内容は、「Kawaiiは幸福度・脳の健康状態にどのように関係しているのか」「Kawaiiによって、どのようにWell-beingが実現できるのか」など。(2021/05/20)
[7]フェムテック市場どうなる?国内外の最新動向・課題・未来予測2021(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/c-case-20200110-1
とどまる所を知らない国内のフェムテックブーム。ウーマンズラボ編集部にも頻繁に届いているフェムテックに関する情報リクエストの中から、特にリクエストの多い質問「国内外の動向」「現在の課題」「今後の市場可能性」について回答。(2021/05/20)
[8]PHC、健康経営支援システム「WellsPort Analytics」を新発売
https://www.phchd.com/jp/phc/news/2021/0521
「WellsPort Analytics」は、従業員の健康関連データを一元管理し、健康課題の分析と可視化を通じて、従業員の健康増進と企業の健康経営をサポートするサービス。(2021/05/21)
[9]ココカラファイン、ココカラファイン薬局で健康セルフチェックができる!検体測定室設置店舗を111店舗に拡大【PDF】
https://corp.cocokarafine.co.jp/news/pdf/20210524_PR01.pdf
https://corp.cocokarafine.co.jp/
地域の人々の健康増進及びセルフメディケーションの推進を目指し、検体測定室設置店舗を拡大。これにより、血糖値の測定が30店舗で、また血糖値・HbA1c・脂質3項目の測定が健康サポート薬局を中心とする81店舗で可能となった。(2021/05/24)
[10]RIZAP、おやつカンパニー×ライザップのコラボ商品「BODY STAR」2品を新発売
https://www.rizapgroup.com/news/press-releases/20210524-01/
おやつ感覚で楽しみながらボディメイクをサポートする「ライザップ×BODY STAR プロテインスナック(ステーキ味)」と「ライザップ×BODY STAR 毎日食べるアミノショコラ(チョコレート味)」を開発。(2021/05/24)
[11]バスリエ、医療従事者は「お風呂に入る回数が多い人ほど、仕事のミスをしにくい」入浴×仕事×睡眠の調査報告を発表(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000080.000050030.html
健康とお風呂の診断サービス「お風呂診断」のなかで、医療従事者・福祉業界で働く757名の回答を分析。本調査の結果、平日の湯船に浸かる回数が多い人ほど精神面が安定しており、睡眠の質が高いことがわかった。(2021/05/25)
[12]東急スポーツオアシス、NORITZのおふろ時間を楽しむアプリ「おふろのじかん」と「WEBGYM」がコラボ!
https://www.sportsoasis.co.jp/co/news/info/det864.html
ノーリツ公式のおふろ時間を楽しむアプリ「おふろのじかん」にて、入浴前から入浴後に行うエクササイズ「おふろワクワークアウト」を提供。入浴前・入浴中・入浴後で適切な運動方法を提供し、コロナ禍による運動不足解消を提案する。(2021/05/26)
[13]Teladoc Health、『myStrengthComplete』を使ったメンタルヘルスケアサービスを構築
https://mhealthwatch.jp/global/news20210524-2
ユーザーに統合されたメンタルヘルスケアを提供するために、最新プログラムである『myStrengthComplete』を使って、Teladocのセラピストと精神科医がオンデマンドで対応する。(2021/05/24)
[14]『mHealth Watch』注目ニュース:ライフログテクノロジー 咀嚼回数計『bitescan』の食事記録に食事画像解析APIが採用
https://mhealthwatch.jp/japan/news20210531-2
咀嚼回数計『bitescan』は、装着して食事をすることで、食事中の咀嚼回数やスピードがカウントされ、スマートフォンアプリで見える化が可能です。食事画像解析と連動することで、食事の内容と咀嚼回数とスピードとの関係性が見えてくるため、より咀嚼回数への意識の継続につながるということです。(2021/05/31)