HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
コロナ禍で加速したホームフィットネス領域の可能性の3回目になります。

特集:サービスデザインと健康の関係編

ホームフィットネス時代の到来(後)

今回もどんなホームフィットネス事業プレイヤーがいるかの紹介と分析で、後編になります。

前回ホームフィットネスサービス・プロバイダーを2つに分類しました

  • デバイス(専用マシン含む)型
  • アプリ(スマホ&PCタブレット)型、または両者の組み合わせになります。

前回デバイスを紹介したので、今回はアプリについてです!!

※前編はこちら
※中編はこちら

アプリ(スマホ&PCタブレット)型にはどんなものがあるか?

1)何がルーツか?

昨今提供されているスマホで使えるアプリの原型は、ビデオ(動画)だと思われます。
ホームフィットネス動画といえば、2007年に大ヒットした「ビリーズ・ブートキャンプ」という短期集中エクササイズビデオを記憶している方も多いのではないでしょうか?

テレビショッピングで短期間に150万セットという大ヒットはブームとなりました。
ホームフィットネスの本格化を訴求するメディア記事も見かけましたが、しばらくしてブームダウンとなります。

フィットネスのやり方を動画で、自分の好きな時間に自宅で見ることのできることが魅力であるのと同時に、これだけだと継続に繋がらないということが、この時のブームで明確になりました。

ビデオからの一方向コミュニケーションだけでは、継続は難しいことが経験的に判明しました。しかし、ブームに相乗りするフィットネスビデオが多数市場に投入されましたが、パッとしなかったのも頷けます。
 

2)代表的なアプリの分類

A:フィットネス系
B:ランニング系
C:食事・コンディショニング系

<メディア移行での課題>

AとBの世界は元々アプリ以前から存在していたカテゴリーです。
書籍から始まり、ビデオパッケージとして流通し、やがてウェブサイトの静止画での表現から動画になり、アプリに移行するという流れでベースとなるメディア形式を変えながら現在に至っています。

このメディア乗り換えの歴史が、実は曲者であることに気づくか否かがこの領域でのビジネス成功の鍵を握っています。さて、どういうことでしょうか?

・新しいメディアに旧コンテンツを単純置き換えだと100%失敗する

・新メディア特性理解が肝であり、ユーザーの使い方の熟知が必須となる

・コンテンツホルダーはコンテンツに価値があると勘違いしている
→これはアプリになった時点で商品だったコンテンツが、サービスに移行していて、使われてこそ価値があるのに、その局面にどう介入していいか理解できていないことを意味しています。上手くいっていないコンテンツホルダーが陥っている局面はこのパターンが90%です。

<タッチポイントの理解>

それではCに関してはどうでしょうか?
食事・コンディショニング系のコンテンツもAとCと同じようにメディア移行をしてきたのですが、圧倒的に異なる点がいくつかあります。

  • 食事機会は一日3回ある
  • 知識の提供だけではなく利用者のインプットがサービスの一部として機能
  • 一日単位で複数回のタッチポイントを前提とした設計の必要性

結論から言うと、利用者目線のサービスデザインへの注力が起こりやすい領域であり、現在もこの分野をリードしているアプリは、みなユーザー視点と共創スタンスで進化しています。

提供側がコンテンツであるAとB
利用者側がコンテンツであるC
と言う構図になっていることがわかります。
 

3)注目アプリ紹介

我々が注目しているアプリを紹介していきます。
ここで紹介できるのはごく一部で、これ以外にも優秀なアプリは存在します。

A:フィットネス系
・Nike training club
https://www.nike.com/jp/ntc-app

・adidas training 筋トレワークアウト
https://apps.apple.com/jp/app/adidas-training-%E7%AD%8B%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88/id1035263816

世界2大スポーツメーカーのアプリです。
メニューの充実、商品との連動、コミュニティの存在や無料有料によるサービス展開など総合力が魅力です。

・WEBGYM
https://www.sportsoasis.co.jp/webgym_app/
スポーツクラブ各社がアプリを持っていますが、この東急オアシスのものは「いつでも、ジムを持ち歩く」工夫が見られる秀逸アプリです。

・ボディクエスト(PC|スマホ|タブレット)
https://www.bodyquest.jp/
オンラインパーソナルトレーニングの元祖。継続率とともに顧客満足度も高いのが特徴です。

<今後注目>
・Benefitness
https://benefitness.me/lp
オンラインフィットネス教室アプリ。このタイプの顧客ダイレクト価値提供スタイルは今後も増加します。

・アージュ オンラインLABO(PC|スマホ|タブレット)
https://2017.age55.co.jp/age-labo
実績あるインストラクターが始めた会員制有料オンラインレッスンとして順調にスケールしている秀逸なケースです。

B:ランニング系
上記フィットネス系で紹介した2大スポーツメーカーは、ともにランニングアプリも展開しています。また、ランニングに利用するデバイスのアプリも存在します。
→adidasは世界最大ランニングアプリRuntasitcを買収済み

・Runkeeper
https://runkeeper.com/cms/ja/
これはアシックスが買収したアプリ。同社もランニングに強みを持つことで今後の展開が楽しみです。

・Strava
https://www.strava.com/?hl=ja-jp
ランニングとサイクリングアプリ。ユーザビリティー抜群で、連動の可能性範囲が広いと思われます。

・TATTA
https://runnet.jp/smpapp/tatta/
ランニング大会連動型アプリ。

C:食事・コンディショニング系
・あすけん
https://www.asken.jp/
ダイエットのための食事記録サービスとしては老舗であるばかりか、自分が選択するアクティビティの記録も可能。ここと様々なアクティビティとの連動による価値創出は可能性大です。

・My fitness pal
https://www.myfitnesspal.com/ja/
フィットネス・ワークアウトフリーク向けの食事管理アプリの決定版。アプリ連携の数と質は世界No.1。このアプリのサービスプロセスから多くの学びがあります。

・Atleta
https://www.climbfactory.com/atleta/
チームスポーツ単位でのコンディショニングアプリの先分け的存在。

・Google fit
https://www.google.com/intl/ja_jp/fit/
健康管理アプリの代表格の一つ。

※ここに挙げたものが全てではないことを改めて断っておきます。

 

<共通課題は継続性>

3カテゴリーのアプリは日進月歩で展開していますが、利用者の継続利用率が共通の課題になっています。
対象と提供価値の組み合わせはそれぞれ異なるのですが、継続ソリューションとして最も効果的なものは「仲間づくり≒コミュニティ」になります。

 

<今後の方向性>

ホームフィットネスを構成するフィットネス機器×スマホ(アプリ)×リアル(施設利用ではない)がフィットネス人口の80%になる社会が間近にきています。
それはホームフィットネス経済圏が・・兆円という時代です。
ホームフィットネスという言葉を今回あえて使いましたが、フィットネスがもたらすウェルビーイングスタイルを意味します。

フィットネス施設だけを閉じて捉えていた時代から、生活の中のフィットネスと食事と休養と睡眠と入浴とコミュニケーションと仕事も含めた快適ドライブを、デジタルがサポートするオープンな経済圏に移行するのだと思います。
このプロセスをしっかりと見届けていきたいと考えています。


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「幸せの4つの因子」

幸せの要因はたくさんある中で、心的要因を因子分析すると4つあるといわれています。

第一因子:「やってみよう!」因子
自己実現と成長の因子

第二因子:「ありがとう!」因子
繋がりと感謝の因子

第三因子:「なんとかなる!」因子
前向きと楽観の因子

第四因子:「あなたらしく!」因子
独立とマイペースの因子

この4つはそれぞれを推進する目安です。
ですが、この4つを知るか知らないかは大きな差を生むと思うのです。

※「幸せのメカニズム」実践・幸福学入門 前野隆司著 講談社新書 より

今週の注目記事クリップ

[1]明治、「オリゴスマート カフェオレ」「オリゴスマート ココア」新発売
https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2021/0922_02/
“フラクトオリゴ糖”を配合した「オリゴスマート」シリーズより。糖として吸収されない“フラクトオリゴ糖”は、1979年から同社が素材の特長に注目し、長年にわたり研究しているオリゴ糖。(2021/09/22)

[2]クラブツーリズムとフューチャーセッションズ、官民連携によるスポーツの価値を活用した滞在型ツアーで新たな地域価値を創造【PDF】
https://www.club-tourism.co.jp/jpn/wp/media/2021/09/%E3%80%90FNL%E3%80%91press21-20_01.pdf
https://www.club-tourism.co.jp/
今回のプロジェクトは、環境省による「国立・国定公園での滞在型ツアー推進事業」の一環。国立公園での自然体験、地元Jリーグクラブ、スポーツの価値を活用した新しいツーリズム企画の実施に取り組む。(2021/09/22)

[3]ロート製薬、運動精子濃度テストキットで得られる精子カウントが臨床検査の値と高い相関があることを確認
https://www.rohto.co.jp/research/researchnews/research/2021/0922_01/
今回、大阪大学医学部附属病院産科婦人科に協力いただき、「dotest(R)スマートフォン用運動精子濃度テストキット」の精度を評価した結果、臨床検査(検鏡)と本精子キットに高い相関があることを確認した。(2021/09/22)

[4]シード・プランニング、スリープテック関連市場における事例・需要性調査
http://www.seedplanning.co.jp/press/2021/2021092201.html
海外シンクタンクは、日本の睡眠不足による経済損失は年間15兆円に上ると試算。本書は、近年盛り上がりを見せる日本のスリープテック市場について、参入企業と活用事例・市場概況について幅広く情報収集、整理したレポート。(2021/09/22)

[5]【世界アルツハイマー月間】3人に1人が認知症に~高齢者・エイジテック市場に関わる企業が見るべきデータ~(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/category-marketing-research-210922-1
アルツハイマー病とは、記憶・思考能力・行動に障害が出る脳の病気で、認知症の原因となる(国内では認知症患者の7割近くがアルツハイマー病を原因としている)。(2021/09/22)

[6]国立がん研究センター、多目的コホート研究:食事のGIおよびGLと死亡リスクとの関連について
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8784.html
GIと死亡リスクの解析の結果、GIが高いほど全死亡リスクは高く、GIが最も低いグループと比較して、GIが最も高いグループの全死亡リスクは14%高いことがわかった。(2021/09/24)

[7]大阪大学・カーブスジャパン・日本イーライリリー、女性を対象とした運動器慢性疼痛と運動の関連に関するデータを公表【PDF】
https://news.lilly.co.jp/down2.php?attach_id=814&category=19&page=1&access_id=2150
https://news.lilly.co.jp/
30分のサーキット式Aerobic-resistance trainingを3ヶ月間継続した参加者ではCMPの改善を認め、特に週2回以上の運動参加により、破局的思考、腰と膝の機能改善を認め、効率的な運動として臨床的有用性が期待される。(2021/09/24)

[8]セブン-イレブン・ジャパン、「MedQuick抗原検査カード」「PCR now PCR検査カード」セブン-イレブン店舗にて取り扱い開始
https://www.sej.co.jp/company/news_release/news/2021/202109241000.html
国内コンビニ初、プリペイドカード型抗原検査・PCR検査サービス。店舗でプリペイドカード購入後、専用サイトにて住所等の必要事項を入力することで、各検査キットが自宅等に郵送される。(2021/09/24)

[9]富士フイルムビジネスイノベーション、「CocoDesk」千葉県・埼玉県内のショッピングモールや駅にも設置を拡大
https://www.fujifilm.com/fb/company/news/release/2021/73543
「CocoDesk」は、ビジネスパーソンが外出先や移動中のスキマ時間を活用し、密閉・密集・密接を避けながら安全・快適にデスクワークやWeb会議などのテレワークを行える個室型ワークスペース。(2021/09/27)

[10]LINEリサーチ、「歯の健康・オーラルケア」について調査を実施
https://research-platform.line.me/archives/38718610.html
歯の健康について、約9割の人が重要だと思うと回答。歯磨きをするタイミングは「寝る前」と「朝食後」が多い傾向。「デンタルフロス」や「歯磨き粉」による歯のケアが主流。(2021/09/27)

[11]クラブビジネスジャパン、「Fitness Business No.116」を発刊
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/721
フィットネス業界の動きが分かる経営情報誌。特集は「コロナからの回復」。

[12]『mHealth Watch』注目ニュース:Amazonのイベントでヘルスケア関連多数紹介
https://mhealthwatch.jp/global/news20211004
Amazonの製品発表の記事を紹介。今回取り上げたものはどれもヘルスケアに関連するものです。運動や食事といったフィジカルに対するアプローチや、高齢者の見守りなど、日々の生活を支援するためのものまで、どれもサブスクリプションが前提となった商品サービスとなります。(2021/10/04)