[健康ビジネス・マーケティング&収益化編]これから主流となるPay For Successに向けて
こんにちは、渡辺武友です。
今後、ヘルスケアビジネスに求められる役割は大きく変革します。
でも焦る必要はありません。
そのヒントはすでに手元にあるのですから!
特集:健康ビジネス・マーケティング&収益化編
日本国内医療費が42兆円を超え、世界一となる高齢社会となり、今後、健康予防に向かう社会が必要になると言われています。
一方、政府の方針としてPay For Success(以下PFS)にシフトしていく考え方があります。
これら2つを合わせた近い将来は、
「予防効果のある商品サービスに成果報酬式で国が負担する社会」
がやってくると考えておいた方がよいのではないでしょうか?
今回は、これから向かう近未来に向けて、ヘルスケアビジネスのあり方を考えていきたいと思います。
Pay For Successとは?
内閣府がPFS(成果連動型民間委託契約方式)について解説していますので抜粋します。
PFSによる事業とは、以下のような事業のことです。
●地方公共団体等が、民間事業者に委託等して実施させる事業のうち、
●その事業により解決を目指す「行政課題」に対応した「成果指標」が設定され、
●地方公共団体等が当該行政課題の解決のためにその事業を民間事業者に委託等した際に支払う額等が、当該成果指標の改善状況に連動する事業
詳細は内閣府サイトでご覧ください。
https://www8.cao.go.jp/pfs/pfstoha.html
今までは、取組みに対して予算が決まっており、その予算の範囲でできることをしてきました。
極端に言うと、「成果が出たか?」より「やるべきことをやったか?」が評価基準だったわけです。
例え数値目標(何%減量等)があったとしても、そのサービス終了時の結果であり、その後、対象者がリバウンドしてしまうことは問題ではなかったことになります。
このやり方ではその場しのぎになってしまいやすく、根本的な解決にはならないでしょう。
また、病気になってから手を打つことも大切ですが、もっと根幹的なこととして、病気にさせない取り組みを、国をあげてやるべきと声が上がっています。
そのためには、どのように予防が出来たかを評価する仕組みが必要になります。
そのためにも将来的には、
「病気にならないように予防する。予防も行動したかどうかではなく、予防により何を得られたか?」
が評価基準になってくると想定しておくべきだと思うのです。
今、ヘルスケアビジネスで目指すべきこと
まず最初にヘルスケアビジネスプレイヤーとして求められるのは、
- 健康効果を出す商品サービス
- 取りこぼしなく、健康効果に導く支援
- 健康効果が一時的なものでなく効果が継続する仕組み
次の段階として、
- ウェルビーイング効果の評価
- ウェルビーイング効果の持続
が必要になってきます。
例えば、単純に痩せてよかったね!ではなく、痩せたことで得られる幸福な生活とは何か?まで導くことになります。
さらにはその状態が持続することまで踏み込む必要が出てきます。
これは、今までの評価基準と違うものとなるため、まったく違う商品サービスを作らないとならない!
と思ってしまうかもしれませんが、実はそんなことはないのです。
ヘルスビズウォッチでも紹介してきている成功事例となる企業の商品サービスで提供されているもので実現されています。
つまり、収益面でもヘルスケアビジネスで成功している企業がすでに提供していることが、これから求められていることとイコールなのです。
近未来のPay For Successに向けて
先程紹介しましたヘルスケアビジネスにおけるPFSに必要な要素
- 健康効果を出す商品サービス
- 取りこぼしなく、健康効果に導く支援
- 健康効果が一時的なものでなく効果が継続する仕組み
- ウェルビーイング効果の評価
- ウェルビーイング効果の持続
これらを実現することができれば、今後「予防による成果報酬」となったとしても、特段困ることはなくなります。
これらを実現できるということは、ヘルスビズウォッチで紹介してきた成功モデルのように、民間ビジネスとして成功するものでもあります。
つまりコンシューマや企業向けに提供することで収益を上げられるものは、健康効果も高く、継続率の高いものになりますので、国の予算がなくてもビジネスが成立します。
そして、国の予算は「普段の収益にプラスされるもの」として考えることができます。
国の予算をどうやって得られるかを考えるより、やっていることが国に評価されて結果的に予算が付く方が遥かにビジネスとして魅力的な状態と言えるのではないでしょうか。
さらに現状では、国として予防効果を評価する指標は明確化できていません。
予防に取り組むことで、どうウェルビーイングに影響したのかを証明していけば、国も1つの指標として検討することにもなるでしょう。
そのためには「あなたがやってみせること!」です。
ぜひ国が見本とすべきヘルスケアビジネスを目指してください。
今までヘルスビズウォッチで紹介してきた成功モデルをヒントにすることで、国が目指す姿と合致してきます。
今一度、ヘルスビズウォッチで紹介してきた成功モデルをチェックし、さらに自社ビジネスに活かすために、メルマガで紹介された内容の先にある「事例の本質」を知るための深い分析に進んでください。
ヘルスビズウォッチ・アカデミー会員の方には、音声コンテンツで事例を紹介しますので、お楽しみに!
ウェルビーイングをビジネス活用する
ウェルビーイングやSDGsへの取り組みなどが求められています。
確かに必要なのはわかるのですが、ビジネスとして収益を上げられるものでしょうか?
環境対策などはビジネスとして想定しやすいです。
二酸化炭素の発生を減らす装置など、それを導入すれば効果が得られるものであれば、購入にもつながるでしょう。
では、ヘルスケアはどうでしょうか?
健康改善することでウェルビーイングやSDGsにはつながりそうですが、具体的には何か?と言われると不明瞭になりがちです。
ウェルビーイングを指標化しているサービスもありますが、それが本当にウェルビーイングの指標なのかがわかりにくいのが実態です。
そこでウェルビーイングとは何か?を明確にし、それを世界の指標(ルール)にしようという取り組みがはじまっています。
皆さんの商品サービスにより、健康改善の先にあるウェルビーイングとは何かが、明確になっていきます。
この指標作りは現在、各国合意のもと日本が中心で国際標準化に向けて検討を進めています。
ウェルビーイング指標が明確になれば、その効果を証明する商品サービスとして売りやすくなるでしょう。
この国際標準化の取り組みで、ビジネスに活かすべき最大のポイントがあります。
それは、「ウェルビーイング効果を出すのは、この商品サービスでこのような行動をすることです」と、商品サービスにまで落とし込んだ国際標準化となるルールを作れることです。
つまり、自社のヘルスケアに関連する商品サービスを、ウェルビーイング達成のための世界基準にできてしまうのです!
この取り組み、競合との差別化ができ、成功の切符を手に入れることになることは容易に想像できると思います。
しかも、今この活動ができるのは日本企業のみとなります。
すでに先行する企業が自社商品サービスの国際標準化に向けた活動をはじめています。
これをチャンスと捉えられる方は、詳細をお伝えしますのでご連絡ください。
お問合せページより「国際標準化について」と記載してください。
https://healthbizwatch.com/contact
チャレンジ、お待ちしております。
健康ビジネスキーワード
「会議の80%は失敗する」
事前準備が不十分
進行ルールの不明瞭さ
旧態依然としたヒエラルキーの存在
声の大きさでのコントロールの横行
予定調和文化の存在
どうせ変わらないという諦めの空気
自分だけ損したくないから発言しない文化
2個以上合致したらアウト。
会議なんて出ないで散歩しましょう(笑)
今週の注目記事クリップ
[1]みずほ信託銀行、SOMPOひまわり生命および損害保険ジャパンとの認知症対応に向けた新たな協業について【PDF】
https://www.mizuho-tb.co.jp/company/release/pdf/20211027.pdf
https://www.mizuho-tb.co.jp/
第1弾として、みずほ信託銀行の「認知症サポート信託」ご契約者さま向けに、「ニューロトラック 脳ケア アプリ」の提供を開始。国内金融機関への「脳ケア」の提供は、銀行業界としては国内初の取組み。(2021/10/27)
[2]三井不動産レジデンシャル、シニアのためのサービスレジデンス 第二弾「パークウェルステイト鴨川」を開業
https://www.mfr.co.jp/company/news/2021/1027_01/
本物件は、三井不動産レジデンシャルウェルネスが運営し、ライフサポートサービスなど入居者へのホスピタリティサービスを提供。亀田グループとのパートナーシップによる医療連携、介護サービス、健康サポートなど。(2021/10/27)
[3]TENTIAL、リカバリースリープウェア「BAKUNE」が「DO-GEN ヘルスケア大賞」にて疲労回復部門GOLDを受賞
https://corp.tential.jp/news/bakune-do-gen-gold
「BAKUNE」は、コンディショニングに人一倍こだわる元アスリートが、その知見とビックデータを活用し、人間工学に基づく検証を重ね開発したリカバリースリープウェア。疲労回復を促し睡眠時間をサポート。(2021/10/27)
[4]シード・プランニング、ビッグテック(GAFAM+BAT)&ヘルステック・スタートアップ100社:世界のITヘルスケア市場注目ビジネス事例研究2021
http://www.seedplanning.co.jp/press/2021/2021102701.html
本レポートでは、ヘルスケア領域でのイノベーションに関わる企業の参考になるよう、ビッグテックと世界の有望スタートアップが取り組む最先端のビジネスモデルについて紹介。(2021/10/27)
[5]ノボ ノルディスク ファーマ、肥満症疾患啓発サイト「TRUTH ABOUT WEIGHT 肥満症を知る」を公開【PDF】
https://www.novonordisk.co.jp/content/dam/nncorp/jp/ja/news/media/2021/10/21-34.pdf
https://www.novonordisk.co.jp/
肥満症患者さんとその家族、および肥満改善を目指す方々をサポートするウェブサイト。“肥満症を正しく理解する”をコンセプトに、多角的な視点から「肥満症」にアプローチするための情報を提供する。(2021/10/27)
[6]Smart相談室、「Smart相談室」正式リリース(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000089158.html
メンタル不調になる前に従業員をサポートするオンラインカウンセリングサービス。従業員それぞれのモヤモヤ、求めている内容に応じて、カウンセリングからコーチング、研修、ハラスメント窓口の役割を提供。(2021/10/27)
[7]サントリー食品インターナショナル、サントリー100年ライフ プロジェクト「ウェルビーイング トレンドサーベイ2021」
https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF1187.html
コロナ禍で健康実感が二分化。新型コロナウイルス感染症流行前と比べて健康になった人、不健康になってしまった人の割合は拮抗。健康になった人は食生活の見直し、不健康になった人はメンタルの不安やストレスが要因に。(2021/10/28)
[8]empheal、愛育研究所と「みんなで考える 女性の健康プログラム」を共同開発
https://empheal.co.jp/news/317/
女性従業員自身の健康に対するリテラシー向上だけでなく、男性社員や管理職も含め、全従業員を対象とすることで“誰もが”より快適に働ける職場環境の実現を目指す。(2021/10/28)
[9]オムロン ヘルスケア、血圧管理に関する意識調査を実施
https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2021/1028.html
50-60代の高血圧患者1,036人を対象に調査。今回は、高血圧の発症時とその後の意識と行動の変化について調べた。もっと早くから家庭での血圧測定を始めておけばよかったと思う人は4割にのぼる、など。(2021/10/28)
[10]MMD研究所、「ヘルスケアアプリと医療DXに関する調査」を実施
https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2005.html
最も利用するヘルスケアアプリの上位は「iPhoneのヘルスケアアプリ」「dヘルスケア」「FiNC」。医療のデジタル化で利用してみたいサービスは「普段貯めた健康データを受診時に活用」が最も多く50.7%。(2021/10/28)
[11]博報堂生活総合研究所、生活者が選ぶ“2022年ヒット予想”&“2021年ヒット実感”ランキングを発表
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/93973/
2022年ヒット予想、生活者が選んだのは、小さな動きで大きな喜びを得る商品・サービス。キーワードは【動かず、動かす】。1位「フードデリバリーサービス」、2位「無人・非接触サービス」、3位「オンライン授業/学習」。(2021/10/28)
[12]RIZAP×Skater、「ココット風電子レンジ調理鍋」を発売開始
https://www.rizapgroup.com/news/press-releases/pr-20211028-01/
コンセプトは「美味しくヘルシー、時短でハッピー!」。購入者限定のライザップ監修オリジナルレシピ付き。食材を入れて電子レンジにかけるだけの簡単なレシピになっており、自炊が苦手な人でも取り掛かりやすい。(2021/10/28)
[13]日本政策投資銀行、「ヘルスケア業界データブック2021ー数値で理解する医療・介護・関連産業の経営動向ー」を出版
https://www.dbj.jp/topics/dbj_news/2021/html/20211029_203566.html
本書では、ヘルスケア業界の現状を総合的に俯瞰するための情報をコンパクトな形で提供すべく、各テーマに関する最新の基礎データを収録。(2021/10/29)
[14]asken、糖尿病などのユーザーコミュニティ「あすけんBLUEサークル」のメンバーが6,000人を突破
https://www.asken.inc/news/2021/10/29/blue6000
2019年より糖尿病などの持病のための食事管理に「あすけん」を利用するユーザーを応援するため「あすけんBLUEサークル」という緩やかなコミュニティを立ち上げ運営。コミュニティでは、管理栄養士による健康コラムやメンバーのインタビューの配信を行い、情報発信や交流をサポートしている。(2021/10/29)
[15]JTBパブリッシング、「歩いて再発見!東京8000歩さんぽ」発刊
https://jtbpublishing.co.jp/topics/CL000399
東京は歩いて楽しい街が、しかも日々進化していて、8000歩(=約5.6km=約1時間20分)も歩けば、新しい発見がある。密を避けたいニーズに応え、都心のグリーンスポットや水辺や緑道、渓谷など郊外エリアも掲載。(2021/11/01)
[16]ロート製薬、iOS向け視力測定アプリ「AImirun(R)」を眼科専門医と共同開発
https://www.rohto.co.jp/news/release/2021/1102_01/
家庭で簡単に視力を測定することができるアプリ。遠くを見る視力と近くを見る視力の2種類を測定。測定後、左右それぞれの視力測定結果とともに、一人ひとりに合わせたコメントが表示される。(2021/11/02)
[17]大日本印刷、「DNPアスリート支援プラットフォームCHEER-FULL STADIUM チアスタ!」に「投げ銭機能」を追加
https://www.dnp.co.jp/news/detail/10161635_1587.html
「チアスタ!」は、“挑戦し続けるアスリート”と“アスリートを応援したいサポーター”の気持ちをデジタル応援幕でつなぐWebサービス。今回、有料のデジタルアイテムの売上の一部をアスリートや競技団体の活動資金として還元できる機能を追加し、サービスを拡充。(2021/11/02)
[18]ケアプロ、Criacao Shinjukuとパートナー契約を締結
https://soccer-nurse.com/news/picked/info-criacao211102/?fbclid=IwAR1WIjpX4cHy92cYYGtSihO78kPd-EFP8dsQZre9tGMAiLVZDksnvBtGvsY
サッカーナースを運営するケアプロは、Criacao Shinjukuとの法人パートナー契約を締結。Criacao Shinjukuは、「サッカーを通じて、世の中に感動を創造し続ける存在でありたい」を理念に掲げ、新宿区をホームタウンとして2026年世界一を目指すサッカークラブ。(2021/11/02)
[19]厚労省、「データヘルス・予防サービス見本市2021」を開催
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22006.html
開催日は、2021年11月30日(火)~12月2日(木)。本年度は完全オンライン開催。公式WEBサイト内での出展者による「バーチャル出展ブース」や来場者との「オンラインマッチング商談会」や各種「オンラインセミナー」など実施。
[20]Apple、『AirPods』にヘルスケア関連機能の追加を検討か
https://mhealthwatch.jp/global/news20211027
The Wall Street Journalは、Appleの計画に詳しい情報筋らの話として、同社がAirPodsを利用して、ユーザーの聴覚をサポートしたり、体温の測定や姿勢の確認をする方法を調査している可能性があると報じている。(2021/10/27)
[21]『mHealth Watch』注目ニュース:ファンケル、『朝の疲労感と睡眠の質に関する調査』を実施
https://mhealthwatch.jp/japan/news20211108
今回注目するのは、朝の疲労感と睡眠の質に関する調査のニュース。この調査結果では、コロナ禍での影響も調査しています。コロナ禍の影響で、朝に疲労感を感じることが増えたという人が47%となっています。(2021/11/08)