こんにちは。脇本和洋です。

本編では、ヘルスケアサービスの継続率を高めるためのヒントをお届けしています。
本年もよろしくお願いいたします。

今回は、「デジタルヘルス×継続ドライバ」カオスマップを使ったアイデア発想の4つのステップについてお話しします。
我々がプロジェクトでよく実施している、アイデア発想の最短コースですので、ぜひ試してみてください。

特集:海外事例にみる継続支援アプローチ編

継続率の高いヘルスケアサービスを作るためのヒントとして海外事例をお届けしています。

今まで紹介してきた海外事例は600を超えるものがありますが、その中から特に参考になるものを選んでマップにしたのが、

「デジタルヘルス×継続ドライバ」カオスマップです。
https://healthbizwatch.com/news-045

今回はこのカオスマップを使い、ヘルスケアサービスの継続率を高めるアイデアを発想する方法を紹介します。


ステップ1)「自社の一番の特長となる継続ドライバ」を設定する

ステップ2)国内の競合を見る

ステップ3)海外の事例を見る

ステップ4)異なる継続ドライバの事例を見る

ステップ1)「自社の一番の特長となる継続ドライバ」を設定する

「あなたのサービスの継続を促す工夫として、一番の特長は何ですか?」

と聞かれたら、あなたならどう答えるでしょうか?

  • いろいろな健康行動に合わせてポイントがつくこと
  • 専門家が親身になってアドバイスすること
  • 測定を見える化すること

サービスによっていろんな答えがあるでしょう。

自社の一番の特長は、以下に示す継続ドライバのどの要素かを設定してみましょう。

※継続ドライバとは、インセンティブ、ヘルスナレッジ、モニタリング(IoTリンケージ)、ゲーミフィケーション、ヘルスコミュニケーション、パーソナライズ、コミュニティという要素があります。

※継続ドライバについて
https://healthbizwatch.com/keizoku-driver


(検討例)
あなたは認知症予防のアプリを考えていて、一番の特長は運動/食事/脳トレの実施記録ができることとする。
ならば、あなたのサービスの一番の特長となる継続ドライバは「モニタリング(IoTリンケージ)」ということになる。

ステップ2)国内の競合を見る

日本のデジタルヘルスサービスは、実質2000年にインターネットを利用したサービスとしてスタートし、24年の歴史があります。
ですので、まずあなたの競合がどこかを知りましょう。

カオスマップを開いてみてください。

背景が水色の部分の上に載っているのが国内の事例です。
ステップ1)で設定した「一番の特長となる継続ドライバ」に属する国内事例をチェックしてください。

カオスマップのファイルをダウンロードすれば、ロゴにはすべてリンクが貼られていますので、クリックして競合を確認できます。


(検討例)
「モニタリング(IoTリンケージ)」ゾーンの国内事例を見る。
食事や運動の記録が可能な競合アプリは多く存在する。
認知症予防向けのアプリであっても、すぐに模倣される可能性がある。

ステップ3)海外の事例を見る

そこであなたは、

「競合に負けないサービスにしたい」

と思うはずです。

カオスマップを使って海外事例をチェックしましょう。

背景が黄色い部分に載っているのが海外の事例です。
この海外事例をみていきましょう。
国内にはない継続の工夫をしているものがあるはずです。


(検討例)
「モニタリング(IoTリンケージ)」ゾーンの海外事例をみる。
そこでは、行動記録の詳細の中から「自分なりにうまくいっている行動を発見してくれる」、そんなサービスがある。
認知症予防の食事/運動/脳トレの行動といっても、続けられる行動を見つけるのは難しい。
この考えを導入すれば、競合に負けないサービスになるかもしれない。

ステップ4)異なる継続ドライバの事例を見る

ステップ3)まで検討したとしても、

「まだ、競合に負けないサービスレベルには達していない」

そう思う場合もあるでしょう。

再度カオスマップを見て下さい。

継続ドライバを組み合わせると、ユニークなアイデアが生まれます。
つまり、「自社の特長となっている継続ドライバ以外」の事例を参考にするのです。


(検討例)
自社の特長となっている「モニタリング(IoTリンケージ)」ゾーンを見てきた。
異なる継続ドライバ、例えば「ヘルスコミュニケーション」ゾーンを見る。
すると「専門家がその人ごとになりたい姿を見つけ、無理せずできることをいっしょに考え、伴走する」、そんな海外事例がある。
この考え方を入れたら、競合に負けないサービスになるかもしれない。

事例は名前を知っているから、ポイントを知っているへ

今回は、カオスマップを利用して継続率の高いサービスアイデアを出す4つのステップを紹介しました。

検討例として挙げた、認知症予防アプリユーザーの健康行動を継続させるためのアイデアは、あくまで一例です。
カオスマップを上手く活用し、競合に負けない継続率の高いサービスを作ってください。

今回の例だけでは、まだイメージが難しい場合もあると思いますので、他の例を交えて、より効果的にカオスマップを活用できるようになるセミナーを開催します。


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日時:2024年2月14日(水) 15:00-16:30
(前半解説、後半ディスカッション&参加者情報交換)

会場:東京都渋谷区渋谷1-3-18 ビラ・モデルナ C401 セミナールーム

参加費:無料

定員:8名(少人数制)

<詳細・お申込み>
https://healthbizwatch.com/seminar/hbw-057

健康ビジネスキーワード

「ヘルスケアサービス価値づくり」

ヘルスケアサービスの価値は、利用者が期待する成果に向けて満足する変化を遂げることができるか否か。
つまり、相手の変化(量)=顧客満足となる。

そこで、ネットでなんでも検索できる環境を超えて、成果へ導くサポートに重要な役割を果たすのが、サービス提供側の編集力だ。
編集力とは新しい関係の発見作業だ。
どれだけ顧客にとって自分のためになり、行動してみたくなる、新しい発見を提案できるかだ。

今後のヘルスケアサービスの企画開発運営は編集力の勝負になっていく。

今週の注目記事クリップ

+++★注目ニュース解説動画(解説:里見将史)★+++

【今回の注目】

ジョンソン・エンド・ジョンソン、「My Health, Myself ー 私の健康のために、私ができること。」プロジェクト(2023/12/27)
https://www.jnj.co.jp/media-center/press-releases/20231227

→解説はコチラ
情報提供、特にヘルスリテラシーとしてのアプローチや捉え方、本質とは(6分26秒)

https://youtu.be/rAiI6GbUmPM



+++★注目記事クリップ★+++

[1]東邦大学、日本人就労者が摂取する昼食の栄養学的特徴~主に準備される場所・喫食される場所の種類での比較~
https://www.toho-u.ac.jp/press/2023_index/20240110-1331.html
手作りの弁当あるいは社員食堂で主に昼食をとっている人は、外食やテイクアウトの昼食が中心の人と比べると比較的昼食の栄養学的な質が高い(健康的である)ことが示されました。(2024/01/10)

[2]PHR普及推進協議会、「PHR普及推進フォーラム2024~本人主体のPHRで実現する医療DXの近未来~」のご案内(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000090712.html
開催日は2024年2月4日(日)。産官学民が協働して、PHRの普及およびPHRデータの流通促進を推進するための情報交換・意見交換の場としてフォーラムを開催。(2024/01/10)

[3]ベースフード、緊急災害対応アライアンス「SEMA」に加盟
https://basefood.co.jp/news/1682
石川県能登地方で発生した「令和6年能登半島地震」をはじめとする各緊急災害に対して、SEMAと連携し、被災地の状況に応じた支援を行なってまいります。(2024/01/10)

[4]ベネッセホールディングス、ベネッセウェルビーイング Labがオンラインフォーラムを開催(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001226.000000120.html
開催日は2024年2月5日(月)。「子どものウェルビーイングを意識できる社会へ~子どもたちと向き合う、私たちにできることとは?~」と題し「子どものウェルビーイング」を実現する社会づくりをテーマとしたフォーラムを開催。(2024/01/10)

[5]ラフール、「Well-Being Workers(R) Awards 2024」を開催!
https://www.lafool.co.jp/news0122/
開催日は2024年2月15日(火)。テーマ「最先端でリアリティのあるウェルビーイング(Well-Being)体験を」。(2024/01/10)

[6]グローバルニュートリショングループ、2024年の食品、栄養、健康市場において鍵となる10のトレンド|NNBマンスリーレポート11月&12月合併号
https://global-nutrition.co.jp/nnbm/nnb202401/
GNGでは、会員向けに英国発信の食品・栄養・健康分野の業界専門誌【NNBマガジン(New Nutrition Business)】を日本語に要約し、定期的にお届けしています。この記事では、会員向けマガジンの一部を抜粋して紹介。(2024/01/11)

[7]リンクアンドコミュニケーション、ネオス株式会社のヘルスケア事業を統合
https://www.linkncom.co.jp/news/news/1321/
テクミラグループに参画するとともに、新たな体制にてヘルスケア市場での更なる成長・拡大を目指します。(2024/01/11)

[8]プライアスタ、人気再燃中のマシンピラティス業界カオスマップ2024を初公開(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000072861.html
今回作成したカオスマップは、2024年1月時点で店舗数が3つ以上のスタジオ事業者を整理し、まとめたものです。(2024/01/11)

[9]DRIPS、予防医療スタートアップカオスマップ(2024年)を公開(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000057727.html
マウスピース歯科矯正サービス「hanaravi(ハナラビ)」をはじめ、予防医療事業を展開する株式会社DRIPSは、予防医療業界におけるスタートアップの主要プレイヤーをまとめたカオスマップ2024年版を作成しました。(2024/01/11)

[10]パソナ農援隊、「フードテックビジネスプランコンテスト 本選大会」を開催
https://www.pasonagroup.co.jp/news/index112.html?itemid=4968&dispmid=798
開催日は2024年2月3日(土)。今回は、計12名のファイナリストが「本選大会」にて公開プレゼンテーションを披露し、最優秀賞・優秀賞・特別賞を決定いたします。(2024/01/12)

[11]issin、ギネス世界記録(TM)を達成!世界最多1,892人が同時にオンラインエクササイズを実施(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000103350.html
人気フィットネス系YouTuber「のがちゃんねる」と共に樹立。朝の5分で運動習慣が定着する、心拍数連動エクササイズ「スマートファイブミニッツ」等を活用。正月太りの解消・運動習慣を始めるきっかけ作りを目的に開催。(2024/01/15)

[12]SOMPOインスティチュート・プラス、認知症との共生社会実現に向けて~認知症カフェの現状と課題~
https://www.sompo-ri.co.jp/2024/01/15/10997/
わが国の認知症高齢者数は2025年には約700万人、65歳以上の高齢者の約5人に1人に達することが見込まれている。日本ではオランダを参考とした認知症カフェが普及し、認知症に関係する人々の繋がりを醸成する場所とされている。(2024/01/15)

[13]iCARE×Smart相談室、人事管理職向け 休職予防・対応の実践ガイドセミナーを共同開催!
https://www.icare-carely.co.jp/news/20240115
開催日は2024年2月7日(水)。タイトル「休職プロセスのナビゲート~人事管理職のための実践ガイド~」。(2024/01/15)

[14]筑波大学、ノンアルコール飲料提供による飲酒量減少プロセスに性差あり
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20240115141500.html
本研究結果は、ノンアルコール飲料の提供による飲酒量減少のプロセスは男女で異なることを示唆しており、過剰なアルコール摂取による健康被害を抑えるためには、性差を踏まえた対策が必要と考えられます。(2024/01/15)

[15]アサヒ飲料、「カルピス由来の乳酸菌科学シリーズ」を「カルピス」ブランドのヘルスケア新シリーズとしてリニューアル
https://www.asahiinryo.co.jp/company/newsrelease/2024/pick_0115_2.html
『PLUSカルピス 睡眠・腸活ケア』『PLUSカルピス 免疫サポート』『PLUSカルピス 体脂肪ケア』を4月30日発売。(2024/01/15)

[16]ナリス化粧品、「日焼け止めはスキンケアの一環である」2割超、季節を問わず年中日焼け止めを使用している派は4割超【PDF】
https://www.naris.co.jp/news_release/wp-content/uploads/2024/01/20240115%E3%80%80HIYAKE.pdf
https://www.naris.co.jp/
新テクスチャーで毛穴・凸凹をカバーできる日焼け止めの新ブランド「by365」を立ち上げ、「by365 パウダリーUV クリーム」を2月9日から発売するにあたり、日焼け止めの使用状況や使用意識についてアンケートを実施。(2024/01/15)

[17]フィットネス業界、着々と回復基調へ(Fitness Businessより)
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/2001
上場大手6社が、2024年3月期第2四半期の決算を発表。ルネサンス、フィットネス会員の新規入会者数及び在籍会員数が好調に推移、など。(2024/01/15)

[18]ウィーメックス、聖マリアンナ医科大学病院と臓器提供プロセスにおける「Teladoc HEALTH」を活用した施設間連携の実証事業を実施
https://www.wemex.com/news/20240116_91.html
臓器提供事例が発生した際、脳死判定の経験豊富な医師が、遠隔地から患者さんの「法的脳死判定」実施の支援や、臓器提供に関わる患者管理、臓器評価などの支援を「Teladoc HEALTH」を活用して迅速に行います。(2024/01/16)

[19]小児肥満の専門医はGLP-1薬の入手に苦戦している
https://mhealthwatch.jp/global/news20240116-2
小児肥満専門医らによると、若い患者は長期的により多くの恩恵を得られる可能性があるにもかかわらず、生活を変える可能性を秘めたこの薬にアクセスできないことが多い。(2024/01/16)

[20]『mHealth Watch』注目ニュース:Noom、Livinitiをパートナーに『GLP-1 Companion』を提供
https://mhealthwatch.jp/global/news20240122-2
今回Noomが取り組むのは、せっかくGLP-1で痩せるなら、健康的に痩せて、減量後もリバウンドしないための支援となります。(2024/01/22)



+++★デジタルヘルス解説動画(解説:渡辺武友)★+++

【デジタルヘルス・ビジネスの疑問解消!】
デジタルヘルスのビジネスに関わる人に役立つ情報をお届けします。

第37回 Samsung、スマートリング『Galaxy Ring』を予告(7分50秒)
https://youtu.be/P9pCayzePhE