Interview
2020.04.21
パーソナルトレーニングの近未来
リピート率80%以上をキープする恵比寿初のパーソナルトレーニングスタジオ「恵比寿Mind_Body」(2020年4月で16年目突入)のオーナー鈴木謙太郎さんに今や多くの生活者が認識しているであろうパーソナルトレーニングの近未来について伺いました。
恵比寿Mind_Body オーナー
鈴木 謙太郎(すずき けんたろう) 氏
Profile
東京恵比寿に初となるパーソナルトレーニング専門スタジオ「恵比寿Mind_Body」を開設。クライアントの8割は経営者、特殊技術を持ったフリーランス。多忙なクライアントでも「長く続けられるパーソナルトレーニングジム」を目指した結果、1年以上継続するお客様の継続率が82%以上となる。
10年以上継続するクライアントも多数で、継続とご紹介のみでパーソナルレッスンを運営する。レッスンでは説明が分かりやすいと評判で、フィットネス初心者を中級者に引き上げる事を得意とする。また、自身が実践してきた腰や膝などのトレーニングリハビリを希望するオーダーも多い。トレーニングでのバランス調整による改善実績も多数。
Q1. なぜパーソナルトレーナーになられたのですか?また、スタジオ設立までの経緯を教えてくだい。
高校時代にレスリング部に所属していたのですが、とにかく怪我が多かったです。ほぼ全身?というほどありとあらゆる関節や筋肉を痛めました。
もともと喘息もあり、当時から色々な治療を受けたりトレーニングを試していました。
トレーニングや治療で自分の身体が変化する楽しさを感じ、体育専門学校へ入学しました。
卒業して、当初はスポーツクラブのジムインストラクターで就職を考えていましたが、、学生時代からアルバイトをして感じた事があり辞めました。
それは「スポーツクラブで専門的知識は求められない?」と学生時代から感じたのです。
挨拶と掃除を丁寧に、、特定のお客様に長々と指導を行えばチーフから注意される現実。せっかくお客様の為にもなると思い学んだ事も発揮する場所がないのかな?と感じていたのです。
そんな時、海外にはパーソナルトレーナーという仕事があるらしい!という事を知りました。
また幸運な事にお世話になった東京健康科学専門学校の特別講師として現NSCAジャパン事務局長の阿部先生、NPO法人JHCA副理事長の岩間徹先生がいらしてくれました。
お二人は私がやりたいと思っていたアスリートトレーニングやパーソナルトレーニングの仕事を既に行われていたのです。
あまりに衝撃的な授業でした。終わってすぐに先生達を追いかけて廊下で色々な質問をさせて頂いたのを今も鮮明に覚えています。
スタジオ開設への思い
学校卒業後、2人の先生から学びを得ながらトレーナー活動を始めました。
だんだんと「パーソナルトレーニング」のサービスを提供したいスポーツクラブが増えてきたので活動場所も広がりました。
ただ、ジムスタッフの中でもパーソナルトレーニングの認知は浸透していないレベル。
場所をお借りしているのでわがままは言えないのですが、、「もっと良いレッスンをしたいなー」という思いが強くなり「自分のスペース」を持つ決意をしました。
ちなみにパーソナルレッスンでお世話になっていたジムで私がストレッチポールを持ち込んだのですが「君しか使えない物をおかないでくれ」と支配人直々言われたのが大きなきっかけでした。
クラブとして安全管理はやはり重要。ただ、トレーナーという技術職は成果を求められるので良い物は提供したい、、そんな中で「自分が場所を持てばいい事だ」と思ったのです。
Q2. クライアントには経営者の方が多いと聞いています。その中で高い継続率をキープされている秘訣はあるのでしょうか?不都合のない範囲で教えてください。
経営者の方はとても目が厳しいです(笑)自分の部下や弟子と必ず比べるはず。
今でも心がけている事ですが「絶対に慣れない事」を意識しています。
どんなに長いお付き合いになっても「変わらない良さ」があると思うのですが、それが礼儀ではないでしょうか。
トレーナーは指導をさせて頂く立場。でも決して上から目線になってはいけません。男女、年代問わず。
スタッフでお客様になあなあな話口調になっていたら即行で注意します(笑)
身近な距離感を作りたかった、、と言われた事がありますが私は違うと思うのです。
その距離感をわきまえ、最高のレッスンを提供しようと考えていれば「気づけば1年くらい」は継続してもらえると思っています。
そもそもパーソナルトレーニングを受ける方は「運動が苦手だけどやってみたい」と思っている方が多いはず。
事実、恵比寿Mind_Bodyにいらっしゃるお客様もそういう方が多いです。
クライアントが大きなチャレンジをしている、そのサポートを出来るトレーナーはやりがいのある仕事です。
それを上から目線で、偉そうに物申すなんて事があってはいけないはず。何様だ?って思います(笑)
私はクライアントからレッスンフィーだけでなく、多くの知識や楽しい会話の時間を頂いています。素敵なお客様ばかりです。
お返しができるとしたら「質の高いレッスンを提供し続ける事」だと思います。
今後も自分自身でフィットネスを実践していきお勧めのプログラムを確立したいですね。
Q3. 個別のトレーニングの枠を超えて様々なコラボイベントやられていますよね。ちょっとご紹介いただけますか?
- ソムリエさんとコラボしてピラティス後にワインテイスティングを行う「ほろ酔いピラティス」
- 話す事で自分の思考を言語化!フィットネス目標を明確にして成功率を高めよう!
- 元NHKアナウンサーがレクチャーしてくれるスピーチトレーニング
- 栄養士が教えてくれる栄養満点の時短料理!包丁を使わないでレンジだけの調理
- メイクを一新して思わず外出したくなるきっかけを作るメイク講座
- 仕事のプレゼンでも活かせるアスリートが実践するメンタルトレーニング講座
など、多くの先生方とコラボしました。実はまだありますが主なコンテンツだけ(笑)
ちなみに弁護士さん、ボイストレーナーの方とのコラボもあります。
餅は餅屋!各スペシャリストに頼る必要があると思っています。
プロの的確なアドバイスは「技術習得に効率よく、時間短縮に繋がる」のです。
トレーニングで身体と気持ちを元気にした後に「次なるチャレンジ」を後押ししてくれるコンテンツです!
実は過去3回、スピーチショーというイベントを行いました。
栄養士、看護師、日本酒の蔵人、CA、コーヒーバリスタとバラエティーに富んだスペシャリストから専門的な話が聞ける会です。
新しい価値観との出会い、普段お会いする機会がない方同士をつなげる機会として今後も続けていきたいと思っています。
またパラスポーツを皆で体験する会を作りたいです。
フィットネスとスポーツを通して人が繋がれる、そして健康になる事を企画したいですね。
できればこのカリキュラムを採用してくれる企業さんがいると嬉しいです。このカリキュラムを導入して業績アップ!なんて事例を作れたら最高です。
こんな人に出会いたい
アスリートや有名校の指導者にインタビューをしたいと思います。
大切にしたい
スポーツ、フィットネスを通した人間形成、教育です。
私達世代は体育会系の事を「脳細胞も筋肉」と思っている方が多いのでは?と思います(笑)
今でこそスマートなアスリートが増えているので変わってきているかもしれませんね。
スポーツ、フィットネスを行えば脳が活性する事は周知の事実。
日常で運動を組み込む事で1日の生産効率が高まったり、感情が安定したりと良い事ばかりだと思います。
これを是非学生のうちから知ってもらいたい。
厳しい部活だけがスポーツではない。いつまでたっても罰ゲームが腕立て伏せではポジティブなイメージにはなりません。
Q4. テレビ会議がどんどん普及していく今後のパーソナルトレーニングもそれに対応していくのでしょうか?また、IoTなどを活用した今後の方向性を教えてください。
ここ最近、オンラインでパーソナルレッスンを行っていて、「半分はリアルなレッスン、半分はオンライン」が限界かな?と思います。
それは現場重視のトレーナーとして「質の高いレッスンを提供したい!」と思うからかもしれません。
映像や音楽の質を高めて、クオリティーの高い教材を作るのは大手さんに任せて良いと思います。それは今後もっと増えると思います。
そんな便利な教材が増えても、まだまだリアルなレッスンはなくならないと思います。
ただ、今後もコロナウイルスのような事態もあるはずです。トレーナーでも全くPCが使えないでは仕事を失ってしまう。
売上は作れなくてもお客様とのコミュニケーションツールにもなるので苦手意識や面倒さを理由にしないで取り組むべきだと思います。
以前から生活記録を付けられる時計やスマートフォンの機能がありました。
私も含めてそんなガジェットを使いこなすトレーナーがエンドユーザー(クライアント)から注目を集めると思います。
周りで生活記録を付けられる時計を入会特典で配ったクラブがありましたが、、うまく使いこなせていませんでした。
まずはそこからだなーっと思います。
・かなり強引なアイデアでもOK
あっ、これはIoTではなかったです、、
↓
多くの方の生活にフィットネスが組み込まれる事を願っているので、、
「coffee & fitness」のようなコラボ店を作りたいです。コーヒーを飲みに行く感覚で簡単なフィットネスが行える場所。
でもコーヒーは自動でもいいですね。またはプロテインスタンド!
また「トレーニング好きが集まる」シェアオフィスなどの設計。
あと、公園でサーキットトレーニングが行える「フィットネスパーク」とか。
こんな企画に賛同してもらえる方と出会わないと?と思っております。
【アクティブライフダイエットコースの体験会】
新しい体型、メイク、服、話し方、、「ダイエットしたついでに自分モデルチェンジ!」企画
https://kentaro-suzuki.com/archives/2176
トレーニングする事は新しい自分を作る作業!余分な脂肪だけでなく、自分を見つめるダイエット。
仕事、プライベートの目標設定から始まり自分を高める期間にする。
痩せるだけが成功ではない、余分な物を削ぎ落とすアクティブライフダイエットコース。
インタビュアー:大川耕平
[取材日:2020年4月17日]