こんにちは、里見です。

健康への取り組みや健康改善には、行動が欠かせないことは誰もが知っていることです。
しかし、いざ健康行動に取り組んでみると「三日坊主」の壁にぶつかり、行動の継続の難しさを思い知らされます。

そこで今回は、この行動の継続について、目標との関係性について、ヘルスコーチングの視点で解説してみたいと思います。

特集:ヘルスコーチングの視線編

ヘルスコーチングの可能性を探る:行動の継続には、目標に触れる機会が欠かせない

1、目標について話をする頻度が行動に関係

今回、ある調査結果が目に留まりました。
それは、目標について話す頻度が高いほど目標に向けて行動を起こしているという調査結果です。

この調査結果はヘルスケアに限定した内容ではなく、一般的なビジネスの現場における調査結果なのですが、この内容はビジネスの現場特有の事象ではなく、ヘルスケアの領域、個人の健康改善、健康への取り組みでも目標を達成するためには行動が必須になるため、全く同じことが言えます。

<調査結果について>
コーチ・エィ、目標について話す頻度が高いほど目標に向けて行動を起こしていることが明らかに
https://www.coacha.com/info/news/20230327-2.html

この調査結果の概要としては、以下です。

1)週に1回以上目標について話をする人のうち87%の人が実際に目標達成に向けて行動を起こしている

2)目標について話す頻度が半月に1回、あるいは月に1回程度になると、その割合が約60%に減少

3)さらに2-3ヶ月に1回、半年に1回になると3割に減少

目標と行動は別々に捉えがちなのですが、実は目標と行動は密接というより、セットになっており、ヘルスケアのみならず、ビジネスの現場や教育はもちろん、すべての目標達成への取り組みで同じことが言えるのです。

2、目標と行動は「主従の関係」

なにか目標を設定する場合、必ず目標達成に向けて、具体的なアクション、行動の設定も必須になります。

たまに目標だけ設定して満足してしまう人を見かけることがありますが、やはり具体的な行動が伴わないと目標に到達することはできません。
その際、目標が「主」でそれに向けた具体的な行動が「従」という構図が成り立ち、目標と行動は「主従の関係」になるのが通常です。

また、この目標と具体的な行動の関係は、シーソーのように両端が交互に上がる(=偏りすぎず)動きのように、バランスが保たれている状態が理想です。

3、「主従の関係」が崩れると行動に影響する

通常は目標を設定して、目標達成に向けて具体的に取り組み、行動も自ら設定してスタートします。

しかし、取り組みが進むにつれて設定した目標よりも具体的な行動(アクション)や取り組みへの比重が高くなったり、意識が強くなるケースがあります。
このような状況では、目標と具体的な行動のシーソーのバランスが崩れ、行動に偏った状態になります。

また、もともとは目標と行動は「主従の関係」であったはずが、いつの間にか行動が「主」に置き換わってしまい、目標への意識が弱まってしまうのです。

行動がストップしてしまう原因の一つとして考えられるのが、この目標と行動の「主従の関係」が崩れて、「行動」が「主」に入れ替わってしまうことです。
具体的な取り組みである「行動」への意識が大きくなるのは当然のことで、それが悪いということではありません。

しかし、なんのための「行動」なのか、なんでこの「行動」が必要なのかといった、目的意識を常に持ち続けないと「行動」そのものへの意識も薄れていってしまうのです。

これこそが、今回ご紹介した調査結果にある「目標について話す頻度が高いほど目標に向けて行動を起こしている」ということなのです。

行動する上では、やはり行動を継続する目的、意味などが必要で、目標こそが行動を継続するためのモチベーションに大きく関係しているのです。

そのため、目標と行動の「主従の関係」と目標と行動のシーソーのバランスを保つための状況、環境を作り出す必要があるのです。

4、目標に触れる、意識する機会

さて、ヘルスケアサービスを見渡してみた時に、目標を定期的に意識するような働きかけ、仕組みをしっかりと取り入れたサービスは、意外と少ないです。
逆に、行動に着目して、行動をサポートする機能やコンテンツは比較的多く提供されています。

行動の記録の簡便性やデータの見せ方など、様々な工夫を取り入れたり、テクノロジーを駆使したりといったアプローチは多く見受けられますが、行動、記録を継続するための本質である目標へのアプローチに関しては、あまり使われていません。

冒頭の調査結果では、週に1回以上目標について話をする人のうち87%の人が実際に目標達成に向けて行動を起こしていて、目標について話す頻度が半月に1回、あるいは月に1回程度になると、その割合が約60%に減少するとのことで、やはりある程度目標に触れる頻度が重要だということです。

目標を常に目にするように表示したり、定期的に目標をリマイドしたりといった、簡単なことでも目標に触れる、意識する機会は増やせます。
また、定期的に目標を見直したり、行動とセットで振り返りを行うなど、目標に触れる頻度を高めるアプローチはいろいろと考えられます。

目標に触れる、意識する機会を定期的に提供することが、行動の継続に働きかけることにつながるのです。

目標と行動の「主従の関係」と目標と行動のシーソーのバランスを保つための状況、環境を提供することこそが行動の継続につながり、その結果、目標達成へと導くことになるのです。

私が専門としている「ヘルスコーチング」は、行動変容、習慣化に向けて本人の主体性を持った取り組みにしていくためのアプローチ、コミュニケーション技法です。

この本人の主体性を持った取り組みになくてはならないのが、今回のテーマでもある「目標」であり、目標へのアプローチなのです。

数値だけの目標では、目標の自分ごと化や目標へのワクワクした気持ちが生まれてきません。
やはり、数値だけの目標ではなく、数値のその先にある本当の意味で手に入れたいこと、なりたい姿こそが、本人の主体性を持った取り組みにしていく上で必要な、本当の意味での目標なのです。

目標に触れる、意識する機会の具体的なアプローチに関してご興味ある方、またヘルスコーチングの導入についてご興味ある方、ぜひご連絡ください。


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健康ビジネスキーワード

不足症候群に注意!

自分たちの商品サービスには何か足りていないと感じる時、実は足りていないのではなく、あまりにも多くを持ちすぎて本質が見えなくなっている場合が多いです。
そんな時は捨てることで本質が見えてくることがあります。

ロングセラー商品・サービスは、磨かれるプロセスで多くのものを削ぎ落としているものがほとんどです。
例えば、今までのプロセスのどこかをカットしたらどうなるんだろうか?
こういった思考アプローチが重要になります。

多くの創造的な成果は省略することから生まれています。

今週の注目記事クリップ

[1]SOXAI、世界初となる健康管理&決済機能を併せ持つスマートリングの開発に成功
https://soxai.co.jp/blogs/news/49
SOXAI Ringは、バイタルセンシング機能が搭載されたスマートリングとしては日本初の製品であり、幅7.6mm、厚み2.5mmという世界最小のサイズを実現。(2023/05/22)

+++★追加解説動画:3分45秒(編集主幹 大川耕平)★+++
改善力勝負の可能性はあるか?
https://youtu.be/uVkais_AgqU

[2]ノバルティス ファーマ、「自分の血圧知ってますか?ーUnder120キャンペーン」を開始
https://www.novartis.com/jp-ja/news/media-releases/prkk20230517
「世界高血圧デー」である5月17日より、高血圧がもたらす健康リスクの理解を促進し、日常的な血圧測定の意義および健常人の正常血圧値(診療室血圧120/80mmHg未満)を啓発する活動としてキャンペーンを開始。(2023/05/17)

[3]ブレインスリープ、その日から眠りが変わる「BRAIN SLEEP CONDITIONING STUDIO」施術メニューリニューアル
https://brain-sleep.com/news_products/9231/
BRAIN SLEEP CONDITIONING STUDIOは、睡眠に特化した鍼灸マッサージの店舗。株式会社フレアス監修のもと、医学的根拠に基づき、施術を受けたその日から効果を感じられるメニューへとバージョンアップいたします。(2023/05/17)

[4]令和時代に人気のメンタルケア、共通項は「個性を発揮できるオリジナルの体験」(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/trend-230518-1
メンタルケアのニーズは確実に高まっているものの、一体どんなモノ・コトなら、女性たちの購買意欲を掻き立てられるのか?編集部が、今女性たちの間で人気を集めている具体的なメンタルケアの方法やサービスをリサーチした。(2023/05/18)

[5]ChatGPT連携ヘルステックサービス事例25選[国内](Healthtech DBより)
https://healthtech-db.com/articles/chatgpt-healthtech-25services
ChatGPT APIはヘルスケア領域でも活用され始めており、国内でも複数の事例が認められる。本記事では、2023年5月11日までに発表されたプレスリリースをもとに、25件の事例を紹介する。(2023/05/18)

[6]Logista、なぜサントリー社内コミュニティ「SUN-co-NEsT」は『夫婦会議』導入に踏み切ったのか?(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000017693.html
子育て支援・産後ケア・男性育休の推進・育児期のキャリア支援・家庭内のジェンダーギャップの解消などに向けて『夫婦会議』を導入いただく企業・自治体・産婦人科が急増する中、今回「SUN-co-NEsT」で導入が決まったワケとは?(2023/05/18)

[7]asken、コロナ禍以降のダイエット意識・実態調査レポート
https://www.asken.inc/news/2023/5/19
AI食事管理アプリ「あすけん」が会員18,420人を対象に調査を実施。過半数が「マスクを外した顔に自信なし」。マスク自由化の夏に向け、89.1%がダイエット意向あり。(2023/05/19)

[8]辰巳出版、「グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない」予約受付開始!6月20日から全国発売(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000143.000093966.html
2,000人以上の人生を84年かけて調査した「ハーバード成人発達研究」をもとにした、人々の幸福の秘訣を解き明かす書籍。(2023/05/19)

[9]ワークアット、社員の健康意識が変化!健康セルフマネジメント推進サービスによる分析レポート(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000061211.html
企業で働く方々の健康セルフマネジメント能力向上を伴走型でサポートするHelthcareManagement事業を実施しています。本サービスは、社員の健康状態(ストレス・睡眠・身体活動の変化)を見える化し、社員の健康セルフマネジメントを推進します。(2023/05/19)

[10]ウンログ、腸活のタイミングと効果体感に関する実態調査
https://unlog.co.jp/lab/20230523/
ウンログユーザー2,610名を対象に調査を実施。毎日腸活する人は85.6%が改善を実感。毎日腸活するポイントは、31.3%が実践している「朝食に発酵食品」、など。(2023/05/22)

[11]TechArtist、睡眠の質を向上させたい方向けの課題解決型コミュニティ発足[メンバー募集](PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000122057.html
本コミュニティでは、「睡眠の質を改善するための最新の研究共有」「コミュニティメンバー同士の経験共有/意見交換」「睡眠の質を向上させる脳波デバイスの試作品提供」などを通じて、睡眠に関する課題解決を目指します。(2023/05/22)

[12]SEN、ペットと働ける環境で仕事における生産性64.7%UP(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000038471.html
高精度ストレス測定器を活用した組織のメンタルヘルスの課題発見を起点に企業のメンタルヘルスの健康経営を総合的にサポートする「Mental-Fit」はPETSPOTと共同で、犬のいる環境がオフィスで働くヒトの生産性にどのように寄与するのか調査。(2023/05/22)

[13]bondavi、「持続可能なダイエットアプリ大賞2023」発表【PDF】
https://bondavi.jp/news/2305_diet.pdf
https://bondavi.jp/
身体に無理をさせない健康的なダイエットアプリを調査し、国内No.1習慣化アプリ「継続する技術」運営会社の目線から選出。「栄養管理」「レコーディング」「フィットネス」「ユニーク」の4部門においてそれぞれ厳選された計11アプリを発表。(2023/05/23)

[14]大正製薬、アイススラリーで運動後の体温と心拍数の回復が促進されることを確認
https://www.taisho.co.jp/company/news/2023/20230523001304.html
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の神武直彦教授らを中心とした研究チームとの共同研究。本研究では、アイススラリーの飲用が運動により上昇する体温と心拍数に及ぼす効果を検証。(2023/05/23)

[15]マイナビ、「企業と従業員の健康課題への認識に関する調査」を発表
https://www.mynavi.jp/news/2023/05/post_38752.html
女性特有の健康課題が原因となり、キャリアを築く上で何かをあきらめた経験のある女性は21.4%。必要なサポートは「受診休暇が取りやすい制度」「部署内のサポート」などが挙がる。(2023/05/23)

[16]ジャパンメディカルデバイスとUT-Heart研究所、健康診断で様々な心臓病の検出を可能に、新たなAIモデルに関する研究契約を締結
https://jmd-corp.com/1547/
スーパーコンピュータ「富岳」による心臓シミュレーションとAIを組み合わせた世界初の健診サービス。(2023/05/23)

[17]グローバルインフォメーション、[市場調査レポート]世界の睡眠時無呼吸症候群治療器市場:考察と予測(2029年まで)
https://www.gii.co.jp/report/qyr1277508-global-sleep-apnea-therapy-machines-market.html
当レポートは、睡眠時無呼吸症候群治療器市場について調査しており、市場規模や動向・需要の予測、成長要因および課題の分析、タイプ・用途・企業・地域別の内訳、競合情勢、主要企業のプロファイルなどの情報を提供。(2023/05/23)

[18]Beverich、飲酒記録LINEアプリをリリース(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000109691.html
飲酒記録を簡単に記録できるLINEアプリ。日々の飲酒量を記録し、飲酒した日や飲酒量をデータで確認することができます。また、毎日LINEに通知が来るため、記録忘れを防ぎます。(2023/05/23)

[19]THINKフィットネス、フィットネスショップ デジタル&リアルカタログ2023を公開!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000051395.html
トレーニングマシン、格闘技、ボディビル、サプリメント等の世界各国の最新アイテムの紹介、スイスに本店を構えるフィットネスショップの源流を辿る歴史的対談やスペシャリストによる取材記事も収録。(2023/05/23)

[20]おいしい健康、パーソナライズ献立提案・栄養管理アプリ『おいしい健康』サーカディアンリズムを意識した食事管理をサポートする新機能「たべリング」をリリース(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000081.000043855.html
たべリングでは、おいしい健康アプリを用いて調理・喫食したレシピや献立、欠食や間食状況を記録することで1日の食事リズムを見える化する。また、食事に要した時間を記録することで、食べ方の傾向(早食いなど)を自覚することができます。(2023/05/23)

[21]新社会システム総合研究所、ヘルスケア事業構想のチェックポイント~健康日本21(第3次)を見据えたヘルスケアビジネスの目線の向け方や思考の巡らせ方~
https://www.ssk21.co.jp/S0000103.php?spage=pt_23315
開催日は6月28日(水)。西根英一氏の新刊『ヘルスケアビジネスの図本II~ヘルスケアの事業構想50のチェックポイント』に準拠し、ダイナミックでアクティブなラーニングをご体験いただける実践セミナー。

[22]Apple、「Day One」風の新しいウェルネスジャーナルアプリを計画か
https://mhealthwatch.jp/global/news20230517
Appleは、同社の健康管理とフィットネスのツールに、新しいウェルネス記録アプリの追加を検討している可能性がある。(2023/05/17)

[23]NuraLogix、『Anura』の新機能-顔の動画撮影から脂肪肝を予測
https://mhealthwatch.jp/global/news20230518
NuraLogix社は、顔の血流パターンからバイタルサインと疾患リスクを評価する非接触型プラットフォーム『Anura』の新機能として「脂肪肝リスク患者を予測するAIモデル」を発表。(2023/05/18)

[24]Amazon、フィットネス製品『Halo』を終了へ
https://mhealthwatch.jp/global/news20230523
Amazonは、『Halo』ブランドで提供してきたフィットネストラッカーのサポートを7月に終了することを明らかにした。(2023/05/23)

[25]『mHealth Watch』注目ニュース:財政が厳しい中、雇用主の90%がウェルビーイングプログラムを継続
https://mhealthwatch.jp/column/news20230529
ウェルビーイングの解釈の仕方、捉え方は国によって違いがあります。また特徴として、何か1つの状態を表すのではなく、多様であり、その多様性を1つのワードとしているのがウェルビーイングとなります。(2023/05/29)