こんにちは、渡辺武友です。
今回は新年度からスタートダッシュ特集第2弾です。
新規事業はスタート後にこそ、多くの障害が待っています。その障害に惑わされないための戦略について考えていきます。

特集:健康ビジネス・マーケティング&収益化編

ぶらしてはいけない3つの事業戦略

1月12日のメルマガ「新規事業の罠と準備で必ず抑えるべきポイント」に続き、今回も、新年度からスタートダッシュするための、新規事業企画に関するお話しです。
今日は事業戦略についてです。

事業戦略は大きく3つに分かれます。

「創造」
「効率」
「顧客」

この3つの戦略は、最初に決めたらぶらしてはいけないものです。
変えるときは経営判断となります。

しかし、この戦略を現場レベルで変えてしまうことがあります。
戦略を半端に変えると、利益をどこで得られるかが不明瞭になり、最終的に撤退を余儀なくされることとなりかねません!
今回は最初に決める事業戦略の重要性についてご紹介します。

事業戦略とは

「よく聞くけど、経営戦略と何が違うの?」
となってしまうことがあるので、改めて“事業戦略”を整理しておきましょう。

企業の全社的な戦略が“経営戦略”で、事業個別の戦略が“事業戦略”です。
ビジネスは市場での競争であり、市場で競争するのは事業単位となるため、“事業戦略”を策定する必要が出てきます。

もっとストレートに言えば、競合他社と戦い、どこでどれだけ収益を上げられるかが“事業戦略”で考えることです。

事業戦略は3つに分類される

事業戦略は3つに分類されると言われます。
それぞれどんな特徴があるか、わかりやすい例として、外食産業に当てはめてみましょう。

「創造(イノベーション)」

流行の食材やメニューを提供する店や独創的なメニューを提供する店で、安すぎず、高すぎずの価格帯で提供することが多いです。内装もこだわりを持ったお店が多いでしょう。
今だと、インスタ映えするメニューを提供する店がイメージしやすいですね。

「効率(エフィシェンシー)」

代表的なのはファストフードです。
オペレーションを簡素化して商品提供ができたり、商品はカウンターで受け取り、食事後は自分で片付けるなど、サービスも簡素化しているものなどです。
商品はリーズナブルなものが主流で、多くのお客さんを回転させることでビジネスが成り立ちます。

「顧客(ホスピタリティ)」

高級レストランです。
一見さんと常連(上顧客)さんでは扱いがまったく変わります。
出てくるメニューもそのお客さんに合わせたもの、タイミングで提供されたりします。
外食に入れてよいかはありますが、イメージしやすいので高級クラブなども同じ戦略です。提供されるメニューよりも、そのお客さんが居心地のよい空間を提供することに価値を与えています。これも上顧客へは扱いが格段に変わりますね。

上記のように、3つの戦略が混在することはありません。
ファストフードなど、季節メニューがあるので、「創造(イノベーション)」を入れていると思われることがありますが、多くのお客さんが来ることで成立する業態なので、集客のための話題作りと捉えるべきでしょう。
その他にも、新たな定番商品を見つけるために、テストマーケティングをしていたりもします。
やはり基本は「効率(エフィシェンシー)」なのです。

顧客や競合ヘルスケアビジネスでの戦略ミス

ヘルスケアビジネスでは、この3つの戦略がぶれてしまい、結局は利益の上がらない構造になってしまうことがよくあります。
代表的なものは、ICTを使ったヘルスケアサービスです。
プログラム化して自動で多くの人に提供できるようにしようと考える「効率(エフィシェンシー)」です。

例えば、法人企業従業員向けにウェアラブルやアプリを使って、ウォーキングサービスを提供するとします。

「ウェアラブルを配って、歩数を見える化すれば健康になります!」
と謳い、従業員に撒いて、あとは勝手に使ってね。
といったビジネスモデルです。

しかし、すでに従業員向けに何か取り組んできた企業は、そんなことで簡単に健康活動してくれないこともわかっているので、自社にあったカスタマイズを求めてきます。
これからはじめる企業だと、ウォーキングだけでなく睡眠管理や食事管理も入れた方が一石二鳥ではないかと思い、要望されることがあります。

これら要望に答えようとすると「顧客(ホスピタリティ)」にシフトすることになります。
その方が売れるならと、途中で戦略を変えてしまうことになります。

何が問題かと言うと、「効率(エフィシェンシー)」は、ツールを絞り、運用にも手間をかけない形で提供します。
他社顧客も同じ仕組みを提供することでコストダウンしています。

しかし「顧客(ホスピタリティ)」にシフトして、システムに追加機能を入れる、運用で人的サポートを行うなどは、すべてカスタマイズとなります。

システムを追加開発するためには、開発体制を準備しなければなりません。
開発のためには要件定義するメンバーも必要になります。
“追加”と言っても、体制を整えるだけでもコストも時間もかかります。
ここまでやってプラスαのオマケくらいの価格でしか見てもらえなかったり、数社しか提供できなければ大赤字です!

元々、効率化することで低額提供できることが売りだったものが、カスタマイズによる高額商品を売ることに変わってしまいます。
しかし、戦略を変えたから目標とする収益になるかは別問題になります。

事業戦略は容易に変えるものではありません。
変えるときには経営判断となり、そもそもその事業を続けるかの判断にもなります。

事業戦略は市場性を踏まえ、どこで収益を得るのかを定めて、それをぶらさないで突き進められる戦略を作り上げていく必要があります。
そのためにも、自分がアプローチする市場とそこにいる競合が何をしているのか、改めて確認してください。

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健康ビジネス 収益化のための3つの手順

健康ビジネスで収益化していくためには、先に抑えるべきポイントがあります。
ほとんどがこの抑えるべきポイントとズレたところで活動してしまうため、
「思ったような収益を上げられない!なぜなんだ?」
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「多様性」

多様性の解釈で大切なことは全てが正解であり、その違いを認めた上での協力できることへの合意形成へ相互努力をすることです。違うということを認めることがスタートです。

今週の注目記事クリップ

[1]スクラムベンチャーズ、「Food Tech Studio - Bites!」に世界18ヵ国85社のスタートアップを採択
https://scrum.vc/ja/2021/01/26/press-release-2021-01-27/
新たに三菱ケミカルが「Food Tech Studio - Bites!」の戦略パートナー企業として参画することが決定。これにより、サステナビリティを考慮したパッケージングなどの面から本プログラムの成果の価値向上が期待されている。(2021/01/26)

[2]asken、アスリートの応援と従業員の健康づくりを一体で進める初の取り組み
https://www.asken.inc/news/2021/1/27
askenは、スズキの公式陸上部であるスズキアスリートクラブ所属の選手の食事傾向と栄養を分析。マラソンシーズンのスタートに、栄養分析の結果からあすけんが勧めるメニューの社員食堂での提供により、選手の応援とスズキの従業員の健康意識を高める「アスリートクラブ応援フェア」を実施した。(2021/01/27)

[3]花王、日本人女性の「平均顔」と印象による顔の特徴を解析
https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2021/20210127-002/
花王ビューティリサーチ&クリエーションセンターとメイクアップ研究所は、日本人女性の顔を調査解析し、目や口などのパーツの配置および形状から、日本人女性の「平均フェースプロポーション」を確認するとともに、印象の違いに影響を与える顔の特徴を明らかにした。(2021/01/27)

[4]ノバルティス ファーマ、医療関係者との接点を維持・強化するために「LINE WORKS」を導入
https://www.novartis.co.jp/news/media-releases/prkk20210128
ノバルティス ファーマ代表取締役社長 レオ・リーは、「今回のLINE WORKS の導入により、COVID-19拡大の影響が広がるなかでも、医療関係者との情報共有や問い合わせへの対応を円滑に進めていけると考えています。」と述べている。(2021/01/28)

[5]電通、コロナ禍における生活者のキャッシュレス意識調査を実施
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/0129-010324.html
調査結果からは、ソーシャル・ディスタンシング意識の強まりに加え、ポイント特典や各種割引、利便性、効率性などのメリットによって、生活者のキャッシュレス意識はコロナ前よりも高まっていることが分かった。(2021/01/29)

[6]メドピア、かかりつけクリニック支援サービス「kakari for Clinic」、かかりつけ薬局化支援サービス「kakari」との連携を今春より開始
https://medpeer.co.jp/press/8944.html
連携の取り組み第一弾として、「kakari for Clinic」でオンライン診療を受診した患者さんが、「kakari」アプリ上で、スムーズにオンライン服薬指導を受けることができる「オンライン診療・オンライン服薬指導連携」を実現する。(2021/01/29)

[7]ベネッセコーポレーション、「たまひよ 妊娠・出産白書 2021」調査報告第1弾【PDF】
https://blog.benesse.ne.jp/bh/ja/news/20200129_release1.pdf
https://www.benesse-hd.co.jp/ja/index.html
調査では、「新型コロナ影響で配偶者の立ち会い出産、健診付き添いは激減」「コロナ禍をきっかけに、親、配偶者など家族の『絆』を見直す人が増加」などの結果がわかった。(2021/01/29)

[8]ミッドナイトブレックファスト、ジャーナリングアプリ”muute”リリース後約1ヶ月でAppStoreヘルスケア/フィットネス領域のランキング1位【PDF】
https://drive.google.com/file/d/10-Y8SOn7Qps7JJDykXfuygsxONDFTmOU/view
https://www.mnbf.jp/
「muute(ミュート)」は、AIが思考と感情を分析しフィードバックをくれるジャーナリングアプリ。「AIによる感情予測機能」「カラーテーマ選択機能」「プライバシーロック機能」の3つの新機能を2月中にリリース予定。(2021/01/29)

[9]ヒメナ・アンド・カンパニー、おうち時間を豊かにする次世代型はかり「dotscale」を発表(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000073418.html
アプリを立ち上げて、dotscale(ドットスケール)のスイッチをON。それだけでアプリとはかりが繋がる。糖質ダイエットをサポートするアプリでは、dotscaleに材料やお皿に入れた食べ物を置き、スマホに音声で料理名を話しかけるとカロリーや糖質を簡単に計算してくれる。(2021/01/31)

[10]大正製薬、睡眠の質が気になる方に「睡眠サポート カプセル」新発売
https://www.taisho.co.jp/company/news/2021/20210201000728.html
「睡眠サポート カプセル」は、睡眠の質(眠りの深さ)を高め、起床時の眠気や疲労感を軽減させる“クロセチン”と、一時的に落ち込んだ気分を前向きにし、精神的なストレスがかかる作業によって生じる一時的な疲労感を緩和する“GABA”を含有した機能性表示食品。(2021/02/01)

[11]ロート製薬、「妊活白書2020」公開
https://www.rohto.co.jp/news/release/2021/0201_01/
新型コロナウイルスは、妊活においてもさまざまな影響を与えたようだ。健康やライフプランを改めて考える機会となり、妊活に対する意識や行動の変化が見られた。特に、ふたりで妊活に取り組む夫婦が増えたことや男性の妊活に対する意識変化など、ポジティブな兆しもみえてきた。(2021/02/01)

[12]経済産業省、「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト(JHeC)2021」グランプリが決定しました!
https://www.meti.go.jp/press/2020/02/20210201003/20210201003.html?from=mj
「JHeC 2021」は、次世代のヘルスケア産業の担い手を発掘・育成するため、新たなビジネス創造にチャレンジする企業を表彰するビジネスコンテスト。審査の結果、アイデアコンテスト部門においては、Syrinx 竹内雅樹氏が、ビジネスコンテスト部門においては、Magic Shieldsがグランプリに選定された。(2021/02/01)

[13]東京ガス、冬の睡眠の質向上に必要なのは「居間」の環境!【PDF】
https://www.tokyo-gas.co.jp/tamago/pdf/202102-01.pdf
https://www.tokyo-gas.co.jp/
東京ガス都市生活研究所は、毎日の暮らしをより良くするためのヒントをお届けする情報ウェブサイト【都市生活レター】の「Vol.6 意外!?睡眠の質に影響するのは、実はこの部屋だった。」において、「冬に睡眠の質を高めるために環境を整えている部屋」に関する調査結果を公表。(2021/02/02)

[14]働く女性向けの健康経営ソリューション、なぜ定着難しい?(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/marketing-210203-1
「女性の健康に取組むことについて、社内で合意を得られない」「定着しない」という声が多く聞かれ、当初期待されていたほどの浸透は進んでいない感を否めない。なぜ導入・定着は難しい?女性ワーカーの健康維持・増進には何から着手すればいい?データを見ると、その答えが見えてくる。(2021/02/03)

[15]CES2021:バイタルサインの測定でコロナウイルスの初期症状をキャッチ - コインサイズのヘルスモニタリングデバイス『BioButton』
https://mhealthwatch.jp/global/news20210128
『BioButton』は、安静時の体温や呼吸数、心拍数といったバイタルサインの継続的監視をすることで、新型コロナウイルス感染の初期兆候などを早期検知することを目的としている。(2021/01/28)

[16]『mHealth Watch』注目ニュース:カシオ計算機×アシックス、ランナー向けパーソナルコーチングサービスを開始
https://mhealthwatch.jp/japan/news20210208
今回のニュースを見て「カシオもついにソリューションまではじめたか!」と嬉しく思う反面、提供される内容を読むと「過去にたくさん登場してきたが、いつの間にか無くなってしまったサービスと同じ匂いがする」と感じました。(2021/02/08)